岡田勝

秘密戦隊ゴレンジャーの技斗は次の4人です。

  • 大野剣友会(第1 - 66話)
    • 高橋一俊(第1 - 23話)
    • 池田力也(第24 - 26話)
    • 岡田勝(第27 - 66話)
  • JAC(現JAE)(第67 - 84話)
    • 山岡淳二(第67 - 84話)

その中で今回は高橋一俊さんの実質的な後任である岡田勝さんを11日目は取り上げます。

 

岡田勝さんは1950年生まれで埼玉県出身。16歳の時に上京し、日本テレビタレント養成所を経て大野剣友会に参加しました。高橋一俊さんとは同期で「柔道一直線」にも出演しています。「仮面ライダー」では第1話の蜘蛛男を皮切りに怪人役や仮面ライダー役を務め、高橋一俊さんが怪我した関係で仮面ライダー第46話では殺陣師の代行を務めました。この時、中屋敷哲也さん演じる仮面ライダー2号スノーモービルにひきづられると言うアクションを考案したのですが、撮影が終わらず、その間に高橋一俊さんの怪我が治ってしまったため、結局、自分がスノーモービルにひきづられるはめになりました。まあこれがきっかけで殺陣師としても活動するようになり、藤岡弘、さんの怪我が癒えて暫く経った頃に本格的に仮面ライダーの技斗を務めるようになりました。

 

さて、秘密戦隊ゴレンジャーが始まった時は仮面ライダーストロンガーの技斗を担当していたのですが、高橋一俊さんの大野剣友会脱退に伴い、秘密戦隊ゴレンジャーの技斗も務める事になりました。ただ、仮面ライダーストロンガーのスタッフとの調整に時間がかかったため、3話分だけ池田力也さんが殺陣師を代行しています。

 

さて秘密戦隊ゴレンジャーの殺陣は高橋一俊さんによって確立されており、最後の戦闘シーンの流れは次のようになっていました。

  1. ゴレンジャーのメンバーが5人登場し、仮面怪人を遠巻きに取り囲む。
  2. 仮面怪人が「お前たちは?」と問う。
  3. ゴレンジャーのメンバーがポーズを取りながら名乗りをあげる。
  4. ゴレンジャーのメンバーが一人ずつ「トイヤー」と掛け声をあげてジャンプして集まる。
  5. 「(アカレンジャー)五人揃って(全員)ゴレンジャー」の決め台詞を言う。
  6. ゾルダーを倒す。
  7. ゴレンジャーストームを繰り出して仮面怪人を倒す。

岡田さんが初めに取り掛かったのは4の簡略化です。1名ずつジャンプして移動するのが冗長と考えたのか、アカがジャンプ→モモとキがジャンプ→アオとミドがジャンプ、と言う流れに変えたのです。2名ずつなのは大野剣友会でトランポリンができるのが湯川泰男さんと上田弘司さんの2名だけだったからです。ただ情緒に欠けると判断したのか、結局元に戻ってしまいます。もっとも完全に元に戻ったわけではなく、尺の都合で2名同時移動版が使用されることも数回ありました。

 

岡田さんが技斗を担当するようになってからは戦闘場面にもギャグが挿入されるようになってきます。例えば、モモレンジャーの放ったイヤリング爆弾の爆風がキレンジャー(大岩)の所に飛んでしまい、モモがキに謝る場面があります。またゴレンジャーストームはニューパワー作戦によってボールが変形するようになりますが、その時の仮面怪人などの動きをつけているのも岡田さんの役割です。キレンジャーがキーステッカーを使うようになってからは、ゾルダーを順番に叩いていくとドレミファソラシドと音階が流れるようになったり、キーステッカーの切っ先がグー、チョキ、パーと順番に変わったりとギャグ仕立てになっていきます。

 

その極め付けはゴレンジャーハリケーンでしょう。大野剣友会時代は全員で「おひかえなすって」のポーズを取った後、アカがゴレンジャーストームの技の名前を叫んでアタックすると言う流れになっていますが、これも岡田さんの発案です。毎回のボール争奪戦もそうでしょう。

 

また殺陣をつけるだけではなく、顔出し出演もしています。例えば第38話で黒十字軍が米子へ向かう高速バスをジャックした時、抵抗する乗客を演じています。黒十字軍のホームラン王野球仮面が登場する第53話ではイーグルの刑務所の中で海城と一緒に出ています。

 

後に岡田勝さんは大野剣友会を継ぎ、今も代表を務めています。最盛期に比べて会員の人数も減り、現在は新しい会員を募集していないとの事ですが、いつまでも元気に活躍して欲しいものです。

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