バリタンク

18日目は万能戦車バリタンクを取り上げましょう。

 

これはミニチュアの他に実物大で可動するものも作られました。6人乗りです。操縦は新命や海城が主な担当ですが007も操縦したことがあります。

 

バリドリーンで現場近くまで運ばれ、出動します。着陸したバリドリーンが機種の嘴を開いて発進する場合もあれば、空中から射出されて出動する事も可能です。空中から射出された場合はパラシュートを使って降下すること(第45話、第46話、第54話、第58話、第64話、第66話、第68話、劇場版)もあれば、機体上部に取り付けられた2本のハンドジャイロを使って器用に着陸したこと(第43話、第47話)もありました。

 

地上を走行するだけではなく、水中を潜行することも可能で潜望鏡もついています。

 

ハンドジャイロは物を掴むペンチのような形をしており、第55話では機体前面両脇にある2門の機銃からアンカー付きのワイヤーを発射し、そのワイヤーを掴んで崖をおりていました。また第50話ではハンドジャイロを地面に突き立てて崖をジャンプして登っています。

 

ハンドジャイロ最大の見せ場は、これを回転させて地中に潜る場面(第44 - 47話、第52話、第54話、第59話、第65話、第70話、第71話、第77話、第80話、劇場版)でしょう。とは言いながら殆どがバンクシーンで、後述する矛盾点の原因ともなりました(苦笑)。

 

武器は上述した通り、機体前面両脇にある2門の機銃です。マシンガンのように撃ったり(第43話、第47話、第50話、第53話、第56話、第60話)砲撃したり(第47話、第50話、第54話、第63話、第68話)、銛や魚雷を発射することも可能です。第54話では「地雷ミサイル」という特殊なミサイルを撃っています。第54話では消火装置を、第55話では地雷探知機を使用しています。

 

特殊な用途としては第51話で偽札製造機に偽装してペギーと神明が隠れて偽札を印刷したことが挙げられます。また第61話では新命の発案で機体上部に特殊な装置を装備し、黒十字ハリケーンが変化した無数のパイナップルを全て吸い込んで巨大な球体にして撃ち返していました。

 

第64話でハンドジャイロをテンフィンガーという両手を模した装置に換装します。これを使って黒十字軍が発射した爆弾を掴んで投げ返したりしていました。でも上述した通り、テンフィンガーへの換装後も度々地中に潜っており、その時はハンドジャイロに戻っていました。本放送当時は小学校低学年でしたが、この場面を観て大人の事情がある事を察しました。でもそれ以前にもイーグルの基地爆発場面はいつも同じ映像だったので、映像の使い回しがある事はとっくの昔に察していましたが。

 

なお余談ですが、「秘密戦隊ゴレンジャー」放送終了から約23年経った1990年1月7日放送の「機動刑事ジバン」第49話「あばかれたジバン基地」で悪の組織バイオロンが機動刑事ジバンの基地へ撃ち込んだ白いミサイルにはしっかりと黒十字軍のマークが描かれていました。「機動刑事ジバン」の本放送は全く観ていなかったのですが、後年、東映チャンネルで放送した時、東映は何でも流用するんだなあ、しみじみと思いました。この話を機動刑事ジバンの人間体である田村直人を演じた日下翔平さんにお話ししたら、苦笑いされてました。まあ、これだけ流用しているから制作費も抑えることができ、円谷プロと違って長期間特撮番組を制作できたのも確かだったのです。

 

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