「秘密戦隊ゴレンジャー」第5話「みどり色の怒り! 不死身ガス人間」

はじめに

この記事では第5話「みどり色の怒り! 不死身ガス人間」を紹介します。今回は明日香健二主役です。脚本は今回も上原正三、監督は田口勝彦です。

事件発生

イーグルの輸送部隊が毒ガス仮面に襲われ、資材が奪われてしまいました。別働隊の海城と明日香は毒ガス仮面を追いかけますが、逆に待ち伏せされました。二人は転換し、応戦。ですがトンネル(いつもの中央大学付近)に逃げられ、毒ガスを噴射されたため、退却せざるを得ませんでした。

不死身回路

毒ガス仮面は不死身回路を持っているようです。ガス状になれるようにしろと指令します。このモチーフ、以前、上原正三が書いた鉄人タイガーセブンのガス原人を思い出しますなあ(苦笑)。余談ですが、あとで出てきますがロケ地も同じ箱根の大涌谷です。

ゴレンジャールームにて

毒ガス仮面の目的はガス工場建設にあると総司令は睨みます。工場を探りだすことが先決だという総司令。

明日香「その役目、僕がやります!」

毒ガス仮面が相手とあって焦る明日香でしたが、

新命「おっと、坊や、無理はしないことだな。」

明日香「毒ガス仮面を倒したいんだ! お願いします。」

総司令のお答えは

総司令「ゴレンジャーの任務は復讐を果たす事ではない。黒十字軍の陰謀を暴き、犠牲になった人達を無事救出する事だ。無駄な戦いは避けろ。」

明日香は納得できず、プイと横を向いてしまいました。

焦る明日香

毒ガス仮面は黒いマントと帽子で身を隠しながら、西新宿を歩いています。通行人は気にしていないのでしょうか(苦笑)。そしてパトカーを襲撃します。

 

これを聞き、焦った明日香は出動しようとしますが総司令が止めます。陽動作戦にかかってはいけない、尾行もつけてあると諌めます。

 

さて毒ガス仮面をつけていたのは008と009です。例の歩道橋や西新宿の街を歩き回りますが、まかれてしまいました。だが008は待ち伏せしていた毒ガス仮面の襲撃を受けました。間一髪のところで009が駆けつけ、毒ガス仮面は退散しました。

今日のなぞなぞ

スナックゴンでは太郎が大岩達が来ない事を不思議に思っています。と、そこへ毒ガス仮面登場。

007「いらっしゃいませ。ご注文は。」

毒ガス仮面「ガス…いや、カレー。」

マスターと007はそれとなく警戒しますが、その空気を読めない太郎はこんな事を言いだしました。

太郎「顔の中にガスを一杯吸い込んだ大空に浮かんでいるおばけな〜んだ? おじさん、知ってる?」

毒ガス仮面「それは気球、じゃねえか?」

太郎「御名答。あれ?」

毒ガス仮面は緑色のガスをはき始めました。

太郎「煙が出ているよ、おじさん。」

毒ガス仮面「煙じゃねえ。ガスだい。」

毒ガス仮面は海城達の写真(第4話で登場したもの)をマスターに見せますが、マスターは「見かけねえ顔だねえ。」ととぼけます。ですが、空気を読めない太郎は

太郎「どれどれ」

と見ようしてしまいました。慌てて007が太郎にこう言って止めます。

007「太郎、あのねえ、食べるためにあるのに食べられないもの何だか知ってる?」

太郎「簡単だい。お箸。」

007「さすが。」

毒ガス仮面「あばよ。」

毒ガス仮面はスナックゴンから出て行ってしまいました。ちょうど、カレーができた頃。マスターはそのカレーを持ったまま、ゴレンジャールームへ急行します。

ミドレンジャー、暴走するも捕まる

大岩「あれ、マスター。おどん、カレー頼んだかのう。」

そんな用事であるわけがなく、総司令はマスターの姿のまま、スナックゴンに毒ガス仮面が来た事を皆に伝えます。焦った明日香は勝手に出動してしまいました。毒ガス仮面は相変わらず西新宿の街を歩き回り、それを明日香が追いかけますが、新宿中央公園の辺りで明日香は毒ガス仮面を見失ってしまいました。毒ガス仮面は待ち伏せしていたのです。ミドレンジャーに転換し、応戦しますが、毒ガス仮面は不死身回路の威力でガス化し、ミドメランは全く効きません。そしてミドレンジャーはついに捕まってしまいました。

ミドレンジャー電気椅子で拷問を受ける

CM明けて、ガス仮面のアジト。ミドレンジャー電気椅子で拷問を受けています。仲間を呼び出せと言うのです。この場面を初めて再放送で観た時は子供心に衝撃を受けました。ですがミドは屈しません。その拷問の最中、不死身回路の交換の時間が来ました。そしてミドレンジャーは不死身回路を交換しているところを、しっかりと目撃しました。交換が終わった頃合いで

ミドレンジャー「仲間を呼ぶ。」

毒ガス仮面「やっと仲間を呼ぶ気になったか。電圧を下げろ。」

ミドレンジャーが持っていた通信機をゾルダーがミドの顔に近づけ

毒ガス仮面「硫黄谷に来い。それだけ言え。余計な事を言うな。」

そしてミドは通信します。

ミドレンジャー「硫黄谷。硫黄谷の地底に毒ガス工場があるんだ。」

慌ててゾルダーは通信機を取り上げようとしますが

ミドレンジャー「地底のガスを毒ガスに変える工場だ。潰さなければ大変な事になるぞ。」

 

そこまで聞いた新命はバリブルーンの元へ向かいました。そして残りの3名とともにバリブルーンで硫黄谷へ急行しました。

ミドレンジャー復活

硫黄谷で4人が観たものは磔にされているミドレンジャーでした。ロケ地は箱根の大涌谷です。閑話休題。慌ててミドの元へ急行しようとするモモを制し、アカはまずキにガスを調べさせました。そして「自然のガス」だけ出ていることを確認するとミドの元へ駆けつけました。ミドの状態は

モモ「心臓が停止しているわ。」

キ「それは大変じゃ。」

アオ「チャージだ。」

アカ「ゴレンジャーチャージだ。」

4人はゴレンジャーチャージをミドに放ちました。ミドはこれで蘇生。毒ガス工場へ侵入しようとしますが…

名乗り

毒ガス仮面「お前たちが噂の5人か。」

左からVの字型にモモ、キ、アカ、ミド、アオの順に並んだ状態で

アカレンジャーアカレンジャー

キレンジャーキレンジャー

モモレンジャーモモレンジャー

ミドレンジャーミドレンジャー

アオレンジャーアオレンジャー

でいつの間にか並び方が縦になり前から順にアカ、ミド、アオ、キ、モモになって

アカレンジャー「5人揃って」

一回りした後

全員「ゴレンジャー」

かかる曲はオープニング。まだまだ完成型には至りません。

戦闘開始

毒ガス仮面は工場から毒ガスを噴射させました。不死身回路のため、ブルーチェリーもミドメランもイヤリング爆弾も効きません。その時、ミドレンジャーは毒ガス仮面の不死身回路が後頭部にある事を思い出しました。

毒ガス仮面「何度やっても同じだあ。」

ミドレンジャー「そんなことはないぞ。」

ミドレンジャーはジャンプしまくって毒ガス仮面を翻弄。そして隙をついて後頭部についた不死身回路をミドメランで破壊する事に成功しました。

ゴレンジャーストーム

アカ「ミド、今だ。」

ミド「おう。」

また5人は横に並び、前からモモ、ミド、キ、アオ、アカに並んだ状態で

アカレンジャー「5人揃って」

全員「ゴレンジャー」

これに何の意味があるのかはさっぱりわかりませんが、毒ガス仮面はスタコラサッサと逃げはじめました。

アカ「ゴレンジャーストームだ。」

モモ「いいわね、行くわよ。」

ボールはまだ白いまま。それを地面に置きながら

モモ「ゴレンジャーストーム。キー。」

キ「任せんしゃい。ミド。」

ミド「OK! アオ。」

アオ「アカ。」

アカ「トイヤー。フィニッシュ。」

こうして毒ガス仮面は倒されました。黒十字総統はゴレンジャーを毒ガス工場に誘い込んで工場ごと爆破するように命じました。時限爆弾が仕掛けられましたが、ゴレンジャーは作業員を救出して脱出に成功しました。

ゴレンジャールームにて

総司令「ゴレンジャーは5つの力が1つになって初めて勝利をものにすることができるんだ。その1つが欠けてもダメなんだ。しかしまあよくやってくれたよ。ご苦労さん。」

調子に乗った大岩は

大岩「腹ペコたい。カレー食わしてくれんかのう。」

総司令「こらあ。総司令に向かってなんという口のきき方をするんだ。」

大岩の答えは

大岩「ばってん、さっきは出前したばい、のう。」

総司令「ゴンのマスターは仮の姿。本職はこれなんだ。よく覚えとけ。」

これに新命が突っ込みます。

新命「あのう、あまりお怒りになりますと血圧の方が、総司令殿。」

総司令「なに!」

最後は笑う海城のドアップです。

おわりに

こうして初期編5話は終了しました。5人のキャラクターやレギュラー陣の性格を見事に描ききり、次からは普通の話に入ります。第1話から第7話まで一貫して脚本を書いた上原正三はゴレンジャーの根幹を見事に築き上げました。

 

一方、殺陣の方は未だ未だ固まりきっていません。ゴレンジャーストームのボールは白いままですし、戦闘場面で流れる曲はエンディングになったりオープニングになったりしますし、名乗り方も固まりきっておりません。これが固まるのはいつの日か。高橋一俊さんの試行錯誤は未だ続きます。