「秘密戦隊ゴレンジャー」第10話「赤い風船! 風速100メートル」

はじめに

この記事では第10話「赤い風船! 風速100メートル」を紹介します。脚本は上原正三、監督は折田至です。

事件発生

赤い風船を持った女の子(蝦名由紀子)がツバサ仮面のハリケーンダイオードの実験に巻き込まれてしまいました。風速100mのハリケーンを発生させるのがツバサ仮面の狙いです。そこへイーグルの0010が登場。ハリケーンダイオードを奪って逃走しましたが

ツバサ仮面「ツバサコンドル」

やられてしまい、ハリケーンダイオードの奪還にも成功しました。

ツバサ仮面「スパイされた以上、ゴレンジャーが出てくるに違いない。作業を急げ。」

と言うや否や、レッドマシンとグリーンマシン登場。展開はや。

アカ「風速100mはごめんだ。ダイオードは俺達がもらっていく。」

なんでそんな細かい事までアカが知っているのかと言う瑣末な疑問はさておいて、戦闘開始。アカ、ミド、モモはゾルダーと戦います。ツバサコンドルはミドメランで弾かれましたが、そこへ先ほどの女の子が登場。ツバサ仮面は彼女に目をつけます。

ツバサ仮面「動くな、ゴレンジャー。」

ツバサ仮面は撤退に成功しました。

今回のなぞなぞ

ツバサ仮面は女の子に赤い風船をあげ、手なづけてしまいました。これを見た海城は一計を案じ、ペギーと明日香に耳打ちしました。早速ペギーが女の子に近づき、話をしました。女の子の名はユキで「風船となぞなそが大好き」なのです。なんと都合の良い設定でしょう。閑話休題。ペギーはなぞなぞができたら風船をあげると言いました。

ペギー「七色の着物を着て海だって一跨ぎするおばけな〜に?」

ユキ「それは虹。」

ペギー「ご名答。」

ユキ「じゃあさあ、鉄砲で撃っても穴の空かないものな〜に?」

ペギー「鉄砲で撃っても穴の空かないもの? うーん、難しいなあ。なんだろう。」

ユキ「教えてあげようか?」

ペギー「うん。」

とそこへ

ツバサ仮面「それは空気じゃないのかな、ペギー松山、いやモモレンジャー。逃げられると思っているのか。」

展開はや。

ペギーはユキを抱えて走り去ろうとしましたが、

ツバサ仮面「ツバサコンドル。」

ゾルダーも襲ってきました。そこへ明日香が急行。明日香はグリーンマシンでユキを連れ去り、ペギーはモモレンジャーに転換。その頃、海城は船のロープを伝ってツバサ仮面がアジトにしている船に潜入しようとしています。

ユキちゃん救出

グリーンマシンもゾルダーの襲撃を受けましたが、そこへバリブルーン登場。

明日香「新命、早く頼む。」

と言うわけで

大岩「よーし、明日香、すぐ行くばい。」

新命「大ちゃん」

大岩「あいな。」

新命「パワークレーンだ。」

大岩「ラージャー。」

バリブルーンは機首からパワークレーンを出し、グリーンマシンごと救出に成功しました。

新命「あばよ。」

海城、潜入するも…

その頃、海城は船の潜入に成功。ところがハリケーン計画は既に始動していました。2時間したら東京をハリケーンが襲うと言うのです。

一方、モモも船の科学館の近くの荒地で戦っていましたが、力及ばず捕まってしまいました。

ゴレンジャールームにて

仕方なく海城は一旦ゴレンジャールームに引き揚げました。他にいるのは明日香と総司令。そこへ007が戻ってきました。ユキちゃんを送り届けてきたのですが、彼女は孤児で、船乗りだった父親を亡くしたばかり。それで風船が好きだったのです。この時点で残り1時間。海城はアジトへの再突入を決意し、総司令もそれを承諾しました。

海城、アジトへ再突入

CMあけて、ペギーは鉄塔に磔になっていました。そしてツバサコンドルで痛ぶられていました。

ツバサ仮面「トドメだ。」

そこへ

アカ「レッドビュート。」

ミドレンジャーも登場。ペギーは救出され、転換します。

アカ「ハリケーン計画は俺達が潰してみせる。」

ツバサ仮面「できるかな?」

ツバサ仮面は船の中に逃げ込みました。

アカ「ハリケーン装置はないか?」

ツバサ仮面「その船にそんなものはない。別の場所でスイッチオンの時を待っているのだ。」

高笑いするツバサ仮面。

モモ「あと5分。もうダメだわ。」

アカ「諦めるのは早いぞ。このどこかに秘密通路がある筈だ。」

ハリケーン装置のありか

秘密通路を発見した3人はそこを通り、灯台を発見。中には時限装置がありました。モモが解体を完了しましたが、その途端に鉄格子が降りてきて閉じ込められてしまいました。

ツバサ仮面「ご苦労だったな、ゴレンジャー。」

アカ「ハリケーン装置はストップしたぞ。」

ところが

ツバサ仮面「それはお前達を捕らえるための囮だよ。本物はここだ。」

ハリケーンダイオードはツバサ仮面の体にセットされていたのです。

ツバサ仮面「では、さらば。」

ツバサ仮面は立ち去りました。

ゾルダー「爆弾で死ね。」

時限爆弾がセットされ、絶体絶命のピンチ。

キとアオ登場

そこへキとアオが登場しました。

キ「おいどんに任せんしゃい。」

キは四股を踏み、怪力で鉄格子を上にあげました。こうして全員、脱出に成功しました。

名乗り

ツバサ仮面が作戦を開始しようとしているところへ、

アカ「ツバサ仮面」

ツバサ仮面「ん!」

アオ、キ、ミド、そしてモモも登場。

ツバサ仮面「くそー。」

 

アカレンジャーアカレンジャー

アオレンジャーアオレンジャー

キレンジャーキレンジャー

ミドレンジャーミドレンジャー

ツバサ仮面「んー。」

モモレンジャーモモレンジャー

ツバサ仮面「貴様達は。」

 

そして一人ずつジャンプします。

アカレンジャー「トイヤー」

アオレンジャー「トイヤー」

キレンジャー「トイヤー」

ミドレンジャー「トイヤー」

モモレンジャー「トイヤー」

 

全員着地。左から順にアカ、アオ、キ、ミド、モモの順に並び、右を向いてアカを先頭に縦に並んだ状態で進み、

アカレンジャー「5人揃って」

全員「ゴレンジャー」

かかる曲はオープニング。完成型にはあと少しのようです。

戦闘開始

しばらく戦ったあと、

アカ「アオ、ブルーチェリーでダイオードを。」

アオは狙いをつけますが

ツバサ仮面「待て。その矢を放てば、あの子が死ぬぞ。」

なんとツバサ仮面はいつの間にかユキちゃんを連れ出していたのです。ユキちゃんが手に持つ赤い風船は

ツバサ仮面「あの風船には爆薬が仕掛けてあるぞ。一触即発。」

アカ「卑怯な。許さん。」

高笑いし、ハリケーンダイオードを作動させるツバサ仮面。

キ「すごい風じゃ。」

だがアカは気がつきました。

アカ「ん? ユキちゃんの持つ風船は風の影響を受けていない。そうか。台風の目は無風状態。よし。」

アカはバーディーで上へ飛び、真上から突入。ユキちゃんは風船を放してしまい、空で爆発しました。そこへモモも登場。ハリケーンダイオードを外すのに成功しました。

モモ「ハリケーンダイオードはいただいたわよ。」

ゴレンジャーストーム

アカ「モモ、ゴレンジャーストーム。」

モモ「OK!」

散る4人。桃色のボールを置きながら

モモ「ゴレンジャーストーム、行くわよ。キー。」

キ「任せんしゃい。ミド。」

キがヘディングしたボールは黄色です。

ミド「OK! アオ。」

ミドが蹴るのは緑色のボール。 

アオ「オーライ! アカ。」

アオは青いボールを蹴ってます。そしてボールは赤いトゲトゲつきのボールに変化。

アカ「トイヤー。フィニッシュ。」

こうしてツバサ仮面は倒されました。

黒十字総統「うーむ。無念。」

戦い終わって

ペギー「赤い風船には随分悩まされたけど最後は救いになったわね。」

海城「大事なヒントももらったしな。」

大岩「海城どん、風船をみて風がないと見抜くとはさすがじゃ。」

明日香「(自分の頭を指しながら)誰かさんとはここが違うけんのう。」

大岩「そうじゃのう。」

と笑う一同でしたが

大岩「なぬ!」

大岩は憤慨。一方、ユキちゃんは風船を持ちながら遠くを見ています。

新命「風船をくれたツバサ仮面というのは優しいおじさんだったんだよ、彼女にとってはね。」

ユキ「さよなら、ツバサ仮面。」

ユキちゃんは風船を飛ばし、手を振るのでした。

おわりに

殺陣はあと少しで完成しますが、まだ試行錯誤が続いていたのですね。それにしても上原正三は多作です。ほぼ同じ時期に「がんばれ!! ロボコン」を担当し、ほぼ同じペースで書いています。なお、この話は後に「電子戦隊デンジマン」「電子戦隊デンジマン」第13話「割れた虹色の風船」としてリメイクされています。ただし脚本を書いたのは江連卓で、少し捻りが加えられています。