はじめに
この記事では第21話「青い驚異! 古代から来た怪飛行船」を紹介します。脚本は上原正三、監督は山田稔です。
手土産を持って鉄人仮面着任
鉄人仮面がついにアジトに到着し、着任しました。衛兵を二人引き連れています。なんと鉄人仮面はゴビ砂漠から手土産を持って来たというのです。その手土産とは
鉄人仮面「これにございます。大西洋に浮かぶアトランティス大陸は悪魔の飛行船の攻撃を受け、一夜にして海中に没したと伝えられています。今からざっと1万1先年も昔のことでございます。」
黒十字総統「お伽話など聞きたくはない!」
総統閣下が相当お怒りになるのはごもっともですが、この話には続きがあるのです。
鉄人仮面「いや、お伽話ではございません。このアトランティス大陸を一夜にして沈めた悪魔の飛行船が日本のとある場所に隠されているのです。」
大きく出ましたね、上原正三さん。なんでそんなものが日本にあるのかは説明してくれません。
鉄人仮面「この地図に隠し場所が描かれています。」
ところが鉄人仮面が持っていたのは地図の半分。
鉄人仮面「後の半分は日本の考古学者がゴビ砂漠より持ち帰り、既に発掘作業に当たっていると聞きます。」
なんでそんなものがゴビ砂漠にあったのかも説明してはくれません。
黒十字総統「悪魔のしこうせん、アトランティス号がこの日本にあるというのか。」
既に説明しましたが、安藤三男さんは江戸っ子なので「飛行船」をこう発音してしまうのです。しかし、鉄人仮面は飛行船の名前など一言も述べていないのに、なぜ「アトランティス号」という名前だと総統閣下はご存知なのでしょうか。そんな瑣末な疑問はさておいて
鉄人仮面「これさえ発見すれば天下無敵。ゴレンジャーなど物の数ではありません。」
総統閣下はこれを聞き
黒十字総統「面白い。早速、その考古学者を探し出せ。」
鉄人仮面「既に調査済みです。」
仕事早いですねえ。
鉄人仮面「砲丸仮面」
砲丸仮面(声:岩名雅記)「は。富士山の南方3Kmの地点で発掘作業をしております。」
砲丸仮面は鉄人仮面にも敬語を使っております。
アトランティス号の発掘
さて富士山の南方3Kmの地点では清水博士(轟謙二)が発掘しておりました。なんと008が警護をしています。そこへ新命が清水博士の息子のいさむ(庄野たけし)をブルーマシンで連れて来ました。いさむは発掘作業には興味はなさそうですが、新命とは仲が良いようです。いさむは自分の母が病床にあって死んでしまったのに発掘作業に熱心な清水博士を恨んでいたからです。しばらく新命と話をする清水博士でしたが
清水博士「しかし、お嬢さん方の警護はいささか大袈裟ではないかねえ。」
新命「いやあ、黒十字軍の事です。もしかしたらアトランティス号を狙っているかもしれませんからねえ。」
と言うや否や
砲丸仮面「小僧待てえ。」
いさむ「新命さん、助けてえ。」
展開はや。新命は何故か清水博士から地図の半分を受け取り、いさむのところに駆けつけました。そして転換し、砲丸仮面仮面と戦い、いさむを救出しましたが
砲丸仮面「まんまと誘い出しに引っかかったな。」
アオ「なに?」
砲丸仮面「我らが目的は清水博士を連れ去る事。ここで一芝居打ったのよ。」
アオは砲丸仮面に阻まれ、清水博士の救出へは向かえませんでした。008の奮戦虚しく、清水博士は連れ去られ、救援の信号弾が打ち上がりました。
砲丸仮面「ほうれ。仲間がお前を呼んでいるぞ。」
アオ「バーディー。」
飛び去るアオを見ながら
砲丸仮面「あばよ。」
清水博士、鉄人仮面のところに連れ込まれる
さて砲丸仮面はいさむも捕まえることに成功。まず清水博士を鉄人仮面のところに連れて来ました。なお、鉄人仮面が座っているのは前回日輪仮面が座るのを許されなかった椅子です。砲丸仮面は鉄人仮面にお辞儀をし
砲丸仮面「清水博士を連れて参りました。」
やはり敬語を使っております。もうこれだけで日輪仮面との差は歴然としています。砲丸仮面は鉄人仮面の部下なのです。
鉄人仮面「地図を出せ。残りの半分だ。」
清水博士は鉄人仮面が手に持つ残り半分を奪い取ろうとしましたが
砲丸仮面「何をする。」
と阻まれました。
清水博士「この地図はアトランティスの謎を解くのに使うべきだ。侵略の道具に使うべきではない。」
毅然とした態度の父に胸を打たれたのか
いさむ「お父さん。」
鉄人仮面は後の半分を探させましたが、清水博士は
衛兵「持ってないようです。」
鉄人仮面「さてはアオレンジャーの奴。」
今回のなぞなぞ
さてここはスナックゴン。例の如くカレーを2皿空にした大岩が更にカレーライスを食べながら
大岩「マスター、残暑厳しいけんからのう、食欲がなかばい。」
あ、そ。
マスター「食欲がなくて3杯も食えりゃ、立派だよ、お前。」
大岩「そうかのう。」
そこへ
太郎「ねえねえ、顔にあるビルはなあんだ。」
大岩「顔にあるビル? ん! 高いから鼻の事じゃろう。おどんが鼻は丸くて低いからビルとは言えんがのう。」
何故答えがわからないのでしょうか?
太郎「違う。」
大岩「違う?」
太郎「顔にあるビルは唇だよ。」
大岩「顔にあるビルは唇。なるほど。なるほどのう。」
なおもカレーを食べ続ける大岩でしたが、そこへ
008「マスター。こんなものが表に。」
見るとそれは黒十字軍からの果たし状でした。
新命、1対1の決闘を受けて立つ
それは鉄人仮面が出したもの。地図を半分どうし持ち寄り、1対1の決闘をつけ、勝った方が全部持ち帰ろうと言うのです。ゴレンジャールームで新命が読むのを聞きながら
海城「なるほどね。半分じゃ役に立たないから、この半分も欲しいってわけか。」
さて総司令の御意見は
総司令「ゴレンジャーとの対決ではなく1対1の対決にしたところがミソだ。1対1なら勝てると読んでいる。」
これに興奮したのが新命です。
新命「総司令、俺が受けて立ちます。」
明日香も大岩も止めますが
新命「いや、清水博士親子も助けださねば。この勝負、俺が決着をつける。」
アオ、砲丸仮面と決闘
さてアオは指定された場所へ行きました。清水博士親子は縛られていました。アオと砲丸仮面が半分ずつを合わせると地図は完成。これをかけての戦いです。
アオ「清水博士、もう少しの辛抱です。」
アオと砲丸仮面の戦いが始まりました。ですが1対1と思ったら、
鉄人仮面「やれ。」
鉄人仮面の援護が入り、更に砲丸仮面の砲丸ライナーの前にアオは敗れました。
砲丸仮面「地図は頂いたぞ。」
とそこへ
キ「アオ。」
慌てて鉄人仮面と砲丸仮面は地図を持って退散。残りの4人が駆けつけた時は倒れていました。
アオ「しまった。諮られた。大事な地図を。なんてこった。」
鉄人仮面、地図を手に入れ、清水博士を脅迫す
CM明けて地図を手に入れた鉄人仮面は清水博士にアトランティス号を探せと脅迫しますが、博士はきっぱりと断りました。
鉄人仮面「やれ。」
砲丸仮面「は。」
おや、よく見るといさむは怪しげな椅子に座らせています。砲丸仮面がダイヤルを回すといさむは苦しみました。これはきき
清水博士「やめろ。」
鉄人仮面「では言う通りにしろ。」
ですが
いさむ「ダメだよ、父さん。アトランティス号、黒十字軍に渡してはいけないよ。」
清水博士「いさむ。」
いさむ「お父さんは立派な学者なんだ。」
いさむは失神。
鉄人仮面「ボルトを上げろ。」
電気椅子だったようです。
砲丸仮面「これ以上あげると死んでしまいます。」
鉄人仮面の命令は
鉄人仮面「構わん。」
砲丸仮面「は。」
と定番の場面が流れ、ついに
清水博士「やめてくれ。やめてくれ。協力する。」
アオ、特訓す
砲丸仮面に敗れたアオは必死の特訓をしていました。いつものゴレンジャーストームで蹴るボールを砲丸に見立ててアオにぶつけています…と言いたいところですが、アカが手に持っているのはいつものトゲトゲ付きの赤いボールではなく、青いボールです。痛いからでしょうか? その最中、ふとしたはずみでアオはキに近づき過ぎてしまいました。
キ「そんなに接近してはボールの蹴りようがなかばい。」
これにアオはピンときました。
アオ「そうか。奴の砲丸ライナーを封じるには出来る限り接近する事だ。」
清水博士、発掘作業をさせられる
清水博士は発掘作業に駆り出されていました。ゾルダーが一生懸命、地面を掘っています。遂にゾルダーは第2の目印を発見しました。
清水博士「あと第3の目印を発見すれば。」
砲丸仮面「どの方向を探せば良いのだ?」
清水博士「右に30度、あの地点だ。」
砲丸仮面「よし、みんなで探せ。」
もちろん、清水博士親子はゴレンジャーが助けに来る事を信じています。
第2の目印発見を聞いた鉄人仮面は
鉄人仮面「扉が開けば後は用はない。清水親子は」
処刑しろと言うのです。
なかなか見つからずイライラする砲丸仮面でしたが
ゾルダー「見つかりました。」
清水博士「第3の目印だ。」
砲丸仮面「どうやれば開く?」
清水博士「後は太陽の反射を待てば良い。自動的に扉が開くはずだ。」
そこへ鉄人仮面の衛兵登場。
衛兵「清水博士。ご苦労であった。」
衛兵は清水博士にピストルを突きつけました。絶体絶命のピンチ。
名乗り
その時、矢が衛兵の腕を居抜きました。
砲丸仮面「ん! アオレンジャー。」
アカ、キ、ミドも砲丸仮面を取り囲んでいます。そして
モモ「トイヤー。」
砲丸仮面「うーん。」
そして一人ずつジャンプします。
アカレンジャー「トイヤー」
アオレンジャー「トイヤー」
キレンジャー「トイヤー」
モモレンジャー「トイヤー」
ミドレンジャー「トイヤー」
アカレンジャー「5人揃って」
全員「ゴレンジャー」
並び順はアカだけが一人前に出て、その後ろは左からモモ、キ、アカの分空いた感じでアオ、ミドと続いています。
砲丸仮面「やれ。」
流れるエンディングのメロオケ。
戦闘開始
しばらく戦います。
砲丸仮面「食らえ、砲丸ライナー」
アオ「ブルーアローミサイル!」
アオは砲丸ライナーを撃ち落としました。続けてミドがミドメランを放ちましたが
砲丸仮面「なんのなんの。」
モモのイヤリング爆弾も効きません。
砲丸仮面「そんなもの、この俺には通用しない!」
とその時、アカとアオが同時にジャンプ。砲丸仮面を挟み撃ちにしました。
アオ「アカ、俺に任せろ。」
アカ「OK!」
アカは加勢に出てきたキを制しました。ここから先はアオと砲丸仮面の一騎討ちです。アオは接近戦を挑みました。ところが離れた隙に
砲丸仮面「おのれ。砲丸ライナー。」
見かねたモモをミドが制し、一騎討ちは続きます。
アオ「弱点見つけたり。ブルー回転アタック。」
アオは前転しまくって近づき、ブルーチェリーの矢を砲丸仮面の喉にぶっ刺しました。たまらず苦しむ砲丸仮面。
ゴレンジャーストーム
アカ「モモ。ゴレンジャーストームだ。」
モモ「OK! ゴレンジャーストーム。稲妻落とし。行くわよ。キー。」
キ「任せんしゃい。アオ。」
アオ「オーライ! ミド。」
ミド「OK! アカ。」
アカ「トイヤー。フィニッシュ。」
こうして砲丸仮面は倒されました。あれ? 鉄人仮面はアジトで座っていただけですか?
遂にアトランティス号、発掘されるが…
そしてゴレンジャーが発掘の続きを開始。第1の目印、第2の目印、第3の目印につき、太陽の光を反射させると山の中から巨大な扉が登場。
大岩「明日香。楽しみじゃのう。」
そう言いながら大岩は扉を開けました。あれ? 自動で開くんじゃなかったの? そんなのは瑣末な疑問に過ぎません。中に入った海城達ゴレンジャーと清水博士親子が見たものは今まさに発進しようとするアトランティス号でした。アトランティス号には誰かが乗っていました。
海城「貴様、何者だ。」
鉄人仮面「黒十字軍。鉄人仮面テムジンだ。」
歯車仮面(声:丸山詠二)「同じく歯車仮面。」
鉄人仮面「アトランティス号は黒十字軍がもらったぞ。発進。」
ゾルダー「ホイ。」
次回へと続きます。
おわりに
さて鉄人仮面初出動です。彼は軍団を率いており、これから登場する仮面怪人は全て彼の直属の部下です。なので登場する仮面怪人は鉄人仮面に敬語を使っています。タメ口を聞かれていた日輪仮面とは大違いです。そして初出動で鉄人仮面はゴレンジャーの妨害を物ともせず、アトランティス号の発掘に成功。武器として活用します。砲丸仮面を倒す事には成功したものの、ゴレンジャーにとって鉄人仮面は手強い相手です。
この回からしばらくゴレンジャーは3話持ちで制作されています。なので残り2回、アトランティス号が暴れまくります。さてゴレンジャーはアトランティス号とどう対決していくのか。次回はこの話の直後から始まりますよ。