はじめに
この記事では第23話「みどりの空中戦! 怪飛行船の最期」を紹介します。脚本は上原正三、監督は山田稔です。
鉄人仮面の指令
鉄人仮面が針金仮面に指令を出しています。
鉄人仮面「針金仮面。」
針金仮面(声:西尾徳)「は。」
このやりとりだけで日輪仮面との人望の差が伺えます。
鉄人仮面「総統閣下は日本列島が火の海と燃え盛り、海中に沈んでいくのを楽しみにされている。」
針金仮面「アトランティス作戦は必ず成功させてみせます。」
まだ諦めていないようです。
鉄人仮面「まともに行ってはまたゴレンジャーに邪魔される。だからカモフラージュ作戦をとる。」
針金仮面「カモフラージュ作戦?」
鉄人仮面「そうだ。」
ここから前回同様、模型を使って説明します。バリブルーンはオモチャの流用でしょうか?
鉄人仮面「お前はアトランティス号に乗り、ゴレンジャーの目を惹きつけて、撹乱するのだ。その間に我々は地底2千メートルまでボーリングし、水爆を埋める。」
遂にアトランティス号は囮に堕してしまいました。そんな疑問を鉄人仮面の忠実なる部下である針金仮面は挟みません。
針金仮面「なるほど。今度は直接地底爆発させるわけですな。」
鉄人仮面「今度こそゴレンジャーを火の海に沈めてみせるわ。」
日本列島じゃなかったの?
アトランティス号、バリブルーンと応戦
と言うわけでアトランティス号発進。そこへバリブルーンがやってきました。乗っているのは新命、ペギー、明日香。
新命「水爆が積み込んであるはずだ。」
と言うわけでモモとミドがバーディーでアトランティス号に乗り込みました。応戦する針金仮面軍団。
ミド「モモ、水爆を探せ。」
と言うわけでミドレンジャーが応戦しますが
針金仮面「針金縛り。」
にやられてしまいました。
モモ「ミド、水爆があったわ。」
歯車仮面が取り付けたものより大きいですな。ミドはモモのいる部屋に逃げ込み、立てこもりました。
針金仮面「飛んで火に入る夏の虫だ。」
モモ「ミド、大丈夫?」
ミド「俺に構うな。早く水爆を解体しろ。」
これを盗み聞きした針金仮面は
針金仮面「どっちでも良い。好きなようにしろ。」
そして針金仮面はモモとミドのいるゴンドラ部分を切り離しました。これを観た新命はアンカーを射出し、モモとミドを摑まらせました。
新命「しっかり掴まれよ。」
地上に落ちたゴンドラは爆発。これでよかったの、モモレンジャーよ。
新命「危ないところだった。」
針金仮面「バリブルーンめ。今度あったらただじゃすまんぞ。」
ゴレンジャー、鉄人仮面の作戦を看破す
新命、ペギー、明日香はゴレンジャールームに引き上げました。悔しがる明日香。
ペギー「あの爆弾が水爆でなかったのが不幸中の幸いよ。」
なんでそんな事がわかったのでしょうか?
新命「あれは如何にも水爆に見せかけた普通の爆弾だよ。」
ペギー「何か裏がありそうだわ。」
頷く新命。そこへ
総司令「こう言う推測はどうだ。黒十字軍がアトランティス作戦を諦めたとは思えん。それなのに飛行船の中には水爆はなかった。と言うことは。」
それ推測なのですか、総司令。
明日香「つまり、飛行船で我々の目を引き寄せて。」
ペギー「実は他で水爆計画を進めている。」
新命「その現場を突き止めよう!」
新命、熱いですな。クールに見せかけて実は熱い男なのです。それにしても針金仮面も詰めが甘いですなあ。鉄人仮面発案の作戦がもうバレちゃいましたよ。
清水博士、またまた黒十字軍に捕まる
さてここはあのアトランティス号が発掘された富士山の麓。清水博士が一人で調査をしていたところ、針金仮面に捕まってしまいました。そして連れ込まれた場所は
鉄人仮面「ようこそ、清水博士。ここがお前の探していた場所だ。日本へやってきたアトランティス王が暮らしていたと思われる場所だ。」
清水博士「え、ここが!?」
清水博士はあるものに気がつきました。
清水博士「あれは?」
鉄人仮面「ボーリングをしているのだ。」
清水博士「ボーリング? まさか! 地底で水爆を。」
鉄人仮面「そのまさかだ。」
それにしてもなぜ悪の軍団の人は作戦内容をペラペラと喋ってしまうのでしょうかねえ。
鉄人仮面「君は我々の秘密を知った。君は今日から我々の仲間だ。」
当然、拒否する清水博士ですが。
針金仮面「ええい、静まれ。洗脳手術を受けるのだ。」
こうして抵抗むなしく清水博士を洗脳手術を受けさせられてしまうのでした。
清水博士、万年筆爆弾をゴレンジャールームに仕掛ける
ゴレンジャーは水爆の探索に乗り出しました。バリブルーンに乗るのは新命とペギー。地上を走るのは海城、明日香そして大岩です。その頃
ゾルダー「手術完了です。」
鉄人仮面「君はこれからゴレンジャーを訪ねよ。そしてこの万年筆を置き忘れるのだ。この万年筆は高性能時限爆弾だ。」
清水博士「はい。」
今回のなぞなぞ
さてここはスナックゴン。
マスター「ああ、おかえり。」
大岩「ただいま。マスター、大盛りじゃ。」
明日香「コーヒーちょうだい。」
マスター「あいよ。」
海城はカウンターに入り
海城「敵の動きは全くつかめません。」
マスターは渋い顔。とそこへ
太郎「ねえねえ、大岩さん。拾った人がお金を払うものな〜んだ?」
大岩「拾った人がお金を払うもの。なんじゃらほい?」
これ、そんなに難しいですか?
太郎「そんなの簡単じゃないか。タクシーだよ。」
大岩「タクシー? 拾った人がお金を払う。ハ、ハ、ハ。なるほど、そうじゃ、そうじゃ。」
そこへ
マスター「はい。」
マスターがカレーを出しました。なお大岩は「カレー」とは一言も言っておりません。なぜわかったのでしょうね(棒)。
大岩「うまそうじゃのう。いただきます。」
清水博士、ゴレンジャールームを訪れる
その時、清水博士がスナックゴンへやってきました。清水博士は空の監視を怠らないようにと言って去って行きました。例の万年筆爆弾はゴレンジャールームのドアについたゴレンジャーキーの下に置いてあります。その時、新命とペギーも戻ってきました。
ペギー「火薬探知機が反応してるわ。」
海城は万年筆爆弾を発見。ドアを閉め
海城「危ない。伏せろ。」
爆発する万年筆爆弾でしたが扉が爆風で開いただけでした。
清水博士、撃たれる
任務を終えた清水博士はどっかの坂道を降りております。ロケ地は明らかに東映生田スタジオのすぐそばです。とそこへ車が通りかかり
針金仮面「死ね。」
機関銃で撃たれました。
明日香「しまった。」
明日香は清水博士を尾行していたのですね。慌てて清水博士を助け起こし、入院させます。病室では
いさむ「黒十字軍め。」
と飛び出そうとしましたが、そこへ新命と海城登場。
新命「おっと、いさむ君、どこへ行くんだ。」
新命も狸ですね。
いさむ「お父さんの仇を討ってやる。」
新命は諭します。
新命「君が怪我をしたらねえ、悲しむのは誰だい。」
いさむ「だってひどいよ。お父さんをスパイに改造するなんて。」
海城「超音波装置はね、もうとっちまった。だからお父さんはもうスパイなんかじゃないんだよ。」
ペギー「黒十字軍のことはゴレンジャーに任せなさい。」
と言うや否や爆音が。
ペギー「飛行船よ。」
展開はや。
海城「博士の口を封じるつもりだ。」
急いで海城、新命、ペギー、そして明日香は病院から博士を連れ出しました。
清水博士、正気に戻り、黒十字軍のアジトの場所を伝える
CM明けて、ここはイーグル基地の一室。いさむと008、そして清水博士が部屋にいます。ゴレンジャーの面々はアジトの捜索のため不在です。気が付いた清水博士はこう言いました。
清水博士「アトランティス号の発掘現場が黒十字軍のアジトなんです。すぐに知らせてください。」
と言うわけでゴレンジャーは5人でアジトへ向かいました。転換前の5人が揃ってゴレンジャーマシンに乗る場面は珍しいですね。
名乗り
針金仮面「は!」
見るとアカレンジャーがいます。続けて残りの4人も登場。左から、モモ、アオ、アカ、ミド、キの順に並んでいます。
針金仮面「お前達は。」
そして一人ずつジャンプします。
アカレンジャー「トイヤー」
アオレンジャー「トイヤー」
キレンジャー「トイヤー」
ミドレンジャー「トイヤー」
モモレンジャー「トイヤー」
アカレンジャー「5人揃って」
全員「ゴレンジャー」
並び順は左からキ、ミド、アカ、アオ、モモ。
流れるエンディングのメロオケ。
針金仮面「全くうるさいゴレンジャーどもだ。かかれ。」
戦闘開始
しばらく戦います。アオの中身は中村文弥さんみたいですね。さて
ミド「俺が相手だ、針金仮面。」
針金仮面「まだ懲りないのか!」
一度、針金縛りで撃退していますからね。
ミド「行くぞ。トイヤー。」
と言うわけでしばらく戦います。針金仮面はまたも針金縛りを杖から発射。書き忘れましたが杖の先っぽは針金が何本も箒のようにたくさん伸びています。ですが、ミドはミドメランで針金縛りを破ることに成功しました。
ミド「お返しだ。ミドメラン。」
なおもしばらく戦いますが、そこへ
アカ「レッドビュート。」
針金仮面は5人に取り囲まれた格好になりました。なんとか逃げるのに成功した針金仮面は現場に現れた鉄人仮面にこう命じられます。
鉄人仮面「針金仮面、アトランティス号へ行け。」
と言うわけで針金仮面はアトランティス号に乗り込み、東京へ向かいました。
鉄人仮面「どうした、ゴレンジャー。早く行かぬと地底の水爆が爆発するぞ。」
水爆解除成功
アオとミドはバリブルーンでアトランティス号を追うことにし、アカ、キ、モモはアジトへ向かいました。
アカ「これが水爆だ。」
モモ「OK。」
調べて見ると時限装置がついており
モモ「あと3分で爆発するわ。」
アカ「モモ、間に合うか?」
モモ「なんとかやってみるわ。」
キ「全世界の神様、仏様、アーメン。」
キレンジャーのセリフは何かが違う気がしますが、言いたい気持ちはわかります。一方、アトランティス号はもう東京上空に到着し、針金仮面は爆撃開始。ジャイアントロボで観たような映像が散々流れた後、バリブルーンが到着。
さてアジトでは
アカ「モモ、時間がないぞ。」
しばらく作業が続いた後
モモ「終わったわ。」
キ「ああ、よかった。モモ、お主は神様じゃ、仏様じゃ、いやあ、観音様じゃ。」
アカ「よくやった。行こう。」
と言うわけでアトランティス号のいる東京へ向かいます。
空中ゴレンジャーストーム
さてバリブルーンはアトランティス号との激闘の末、アトランティス号の真上に移動することに成功。
アオ「よし、今だ。」
ミド「パワークレーン。スイッチオン。」
なんとアトランティス号はバリブルーンのパワークレーンに掴まれ、制空権を完全に奪われました。
針金仮面「これはどうしたことだ!」
ミド「うまくいったな。」
アオ「ああ。」
そこへアカ、キ、モモがバーディーで飛んできました。アオとミドもバリブルーンを自動操縦に切り替えて飛び出し
アオ「ミド、合流するぞ。」
ミド「OK!」
アカ「モモ、空中ゴレンジャーストームだ。」
モモ「OK! 」
宙返りするゴレンジャーの面々。なんの意味があるのかは不明です。
キ「トイヤー」
アオレンジャー「トイヤー」
アカレンジャー「トイヤー」
ミドレンジャー「トイヤー」
そしてモモは宙返りした後、
モモ「ゴレンジャーストーム。行くわよ。キー。」
キ「任せんしゃい。ミド。」
ミド「OK! アオ。」
アオ「オーライ! アカ。」
アカ「トイヤー。フィニッシュ。」
こうして針金仮面はアトランティス号ごと倒されました。
清水博士親子の次の目標
現場に清水博士親子が008に連れられてやってきました。
アカ「申し訳ございません、折角の研究資料を。」
しかし清水博士はこう言いました。
清水博士「いやあ、良いんですよ。この本にはこう言うことも書いてあるんです。」
清水博士は古文書を取り出し、こう言いました。
清水博士「兵器を操る者は兵器に滅びる。アトランティス号は兵器だったのです。」
するといさむはこう言いだしました。
いさむ「お父さん、次はムー帝国を探そうよ。」
清水博士「大仕事だぞ。」
いさむ「手伝うよ。」
清水博士「よーし、一緒に頑張ろう。」
アトランティス号はなくなりましたが親子の縁は修復されたのでした。
次の仮面怪人
そしてアジトでは
鉄人仮面「アトランティス計画の失敗は全てこの私にあります。如何様な処分をも受ける覚悟でございます。」
部下のせいにしまくった日輪仮面とは違う、立派な態度です。鉄人仮面の実力がよくわかるセリフです。総統閣下のお言葉は
黒十字総統「うーむ。ゴレンジャーが憎い。ゴレンジャーを倒せ。」
鉄人仮面「は。カミソリ仮面、出でよ。」
針金仮面(声:和田周)「ホイ。」
次回へと続きます。
おわりに
ついにアトランティス号との決着はつきました。最後は空中ゴレンジャーストームという大技で針金仮面ごと倒されるというもの。でも針金仮面も強敵でした。鉄人仮面も武人らしい潔い性格で最後に黒十字総統と謁見する場面では部下を責めずに責任は自分にあると言い切っています。配下の仮面怪人が彼に忠実な者がほとんどだったのも頷けます。立派な将軍ですね。作戦失敗を部下のせいにしまくっていた日輪仮面とは大違いです。
次回、技斗担当の大野剣友会に大きな事件が起こり、暫定的な制作体制になります。それでもお話自体は面白いものが続出しますよ。