はじめに
この記事では第25話「真赤な導火線! 八ツ目の魚雷攻撃」を紹介します。脚本は高久進と新井光、監督は田口勝彦です。
新命と大岩、バリブルーンで海峡を偵察
ある海峡でイーグルの輸送船が突然の嵐に襲われて行方を絶つ事件が続発しておりました。そこで新命と大岩がバリブルーンでパトロールしていました。
新命「大ちゃん。」
大岩「あいな。」
新命「いよいよ魔の暴風海域に入ったぜ。」
大岩「あ、新命どん、イーグルの輸送船じゃ。」
新命「おお。」
映像ではただのタンカーにしか見えませんがねえ。とそこへ
大岩「およよよよ。」
新命「嵐だ。」
バリブルーンも巻き込まれ、操縦が大変です。
新命「大ちゃん、気をつけろ。」
大岩「風が強くなってきたばい。」
とここで特撮に切り替わり、先ほどの輸送船(タンカーには見えませんが、設定上は同じ船です!)が嵐に巻き込まれる様子が映りました。ちなみに船長は大野剣友会の小沢章治さんが演じているようです。嵐が収まった…と思ったら、海中から八ツ目仮面(声:細井雅男)軍団登場。輸送船に爆弾を取り付け始めました。モチーフはヤツメウナギでしょうなあ。船倉にはドラム缶爆弾を仕掛けています。当然、バリブルーンの存在には気づいています。
八ツ目仮面「来たな、ゴレンジャーめ。罠にかけてやる。」
一方
大岩「やっぱり、黒十字軍め。新命どん。」
新命「あ?」
大岩「ボツボツ出番のようじゃのう。」
新命「ああ、そのようですな。行きますか。」
大岩「あいな。」
二人「GO!」
このやりとりも息がピッタリですなあ。アオとキはバーディーで輸送船に乗り移り、戦闘開始。アオの中身は中村文弥さんのようですな。
八ツ目仮面「よくも邪魔してくれたな。」
キ「何を! ヤツメウナギの蒲焼きにしてやるたい。」
とさり気なくモチーフを言うキ。なお余談ですがヤツメウナギの蒲焼きは浅草で売られています。食べたことはありませんが。閑話休題。
八ツ目仮面「ヤツメウナギではない! 黒十字軍の八ツ目仮面だ。」
と言うわけで戦闘開始。八ツ目仮面は八ツ目ショックでアオを撃退しましたが、輸送船の船員達がやってきたので捨て台詞を残して一旦退散しました。
新命と大岩、輸送船を捜索
念の為、新命と大岩は輸送船を捜索する事にしました。そして船倉にやってきました。バリブルーン機内ではヘルメットを被っていたのに、輸送船の中では帽子を被っていますよ、大岩は。どこに置いてきたんでしょうねえ(棒)。
大岩「のう、新命どん、ここには爆弾は仕掛けてはなさそうだのう。」
しかし新命は気づきました。
新命「大ちゃん」
ドラム缶爆弾があったのです。
大岩「なんとね?」
新命が合図して大岩もドラム缶爆弾の存在に気がつきました。時限爆弾らしく、時計の音がしています。ペギーがいれば彼女が解体したのでしょうけどね。
新命「大ちゃん、静かに静かに。」
大岩「あいな。」
なんとかして蓋を開けると中にあったのは
新命「時限爆弾だ。」
大岩「新命どん、海に捨てるかのう。」
が
新命「いや。動かした途端にショックで持ってドカンと来るぞ。」
大岩「どぎゃんする?」
対応策を考える二人。
新命「船は間も無く港に着く。」
なんと都合の良い頃合いなのでしょうか。
新命「我々の爆弾の専門家、ペギーを呼んで解体させよう。」
ペギー、ドラム缶爆弾の解体に出動
と言うわけで海城、ペギー、明日香が港へ向かう事になり、新命と大岩はバリブルーンで八ツ目仮面の捜索に向かう事になりました。新命と大岩が無責任な気もしますが、それは置いといて、総司令は出動しようとする3人を呼び止めてこう言いました。
総司令「待て。失敗は絶対に許されん。爆弾の解体に成功するんだ。」
ペギー「わかりました。」
総司令、気持ちはわかりますが、無茶苦茶な指令ですぞ。と思ったら、駄目押しとしてこんなことをのたまいます。
総司令「もし、爆発したら、満載している新高性能火薬NTUが誘発を起こし、東京は一瞬のうちに廃墟と化してしまう。それほどNTUの威力は強烈なのだ。時間がない。いいな。」
出た、高久進お得意のハッタリが。合間に火の海になるイメージも映りましたよ。ペギーは一層悲壮な顔になり頷きました。
新命と大岩、八ツ目仮面の捜索に向かう
さて爆弾解体をペギーに押し付けた新命と大岩はバリブルーンで飛んでいます。
大岩「のう新命どん、八ツ目仮面はどう言う方法で暴風雨を起こしたのかのう。」
新命の答えは
新命「強力な電気エネルギーを発して地球の磁力を狂わせ、気圧を変化させたんだ。」
相変わらず適当極まりない原理ですなあ。でも幼い私はこう言う理論で納得してました。
大岩「じゃあ、磁力の狂った地点に奴がいるわけじゃのう。」
新命「ああ、そう言うことだ。」
と言うわけで磁気コンパスで調査開始。
新命「八ツ目仮面め。今度見つけ出したら、二度とイーグルの邪魔ができないようにしてやる。」
なんだか新命が主役のような話ですね。「真赤な」とタイトルにはついているのに。なお、ヤツメウナギは放電したりしません。デンキウナギとゴッチャになっているようですな。
今回のなぞなぞ
さてここはスナックゴン。
太郎「とられてもとられてもなくならないものな〜んだ?」
007「とられてもとられてもなくならないものか。なんだろう?」
おんや、007は久しぶりの登場です。何気に008もゴンにいます。
008「何かしら?」
太郎「なくならないで残っちゃうんだよ。」
008「そんなもの、あるのかしらね?」
007もわからない様子です。答えは
太郎「簡単だよ。写真じゃないか。」
「そうか。」と言う007と008。
008「じゃあさ、こんなのは?」
とそこへマスターが咳払いして登場。何をするのかと思ったら、ご飯にカレーをかけ始めました。そして食べ始めました。呆気にとられる一同。
007「どうしたんですか?」
008「何かあったんですか?」
マスターの答えは
マスター「カレーでも食べてなければね、居ても立っても居られないんだよ。」
要するにやけ食いしていたと言うわけです。
八ツ目仮面、爆弾解体を妨害し、ペギー負傷
新命と大岩の裏をかき、八ツ目仮面は港にいました。目的はペギーことモモレンジャーによる爆弾解体阻止です。と言うわけで応戦する海城、ペギー、明日香。そして3人は転換。爆弾は解体しなくて良いのでしょうか? 八ツ目仮面はモモレンジャーを襲いました。アカとミドが気付いた時にはモモは倒れていました。時間を稼いだ八ツ目仮面は海へ去って行きました。仕方なく
海城「よし。俺の手で爆弾を解体しよう。」
ですが
海城「装置が複雑すぎる。解体は困難だ。」
ここでCM挿入。CMが終わるとペギーは医務室で寝ていました。
ペギー「爆弾を解体しなくちゃ。」
明日香「無理だ。」
ペギーは明日香の制止を振り切って外へ出ようとしましたが、ドアのところで倒れてしまいました。
明日香「そんな体では無理だ。」
それでも
ペギー「明日香、行かせて。」
ペギーは明日香の制止を振り切って船倉へ向かいました。
ペギー「海城さん、私にやらせてください。」
ですがペギーは倒れかけます。追いかけてきた明日香がペギーの体を支えますが、
ペギー「大丈夫。海城さん。」
海城は決断しました。
海城「よし、ペギー、やってくれ。」
ペギーは必死に爆弾の解体を開始しました。
ペギー「私がやらなくちゃ。」
しかし目が霞むようで映像のピントが何度もボケました。仕方なく海城はイーグルの爆弾処理班を呼ぶことにし、新命に援護を頼みました。
アオとキ、八ツ目仮面と再戦
ところがイーグルの爆弾処理班も八ツ目仮面に襲われました。
新命「しまった。」
慌ててアオとキは八ツ目仮面と再戦開始。まずゾルダーを倒し、キがメガトン頭突きを二発食らわせ、トドメは
アオ「ブルーチェリー。」
まず八ツ目仮面の目が一つ射抜かれました。
アオ「抵抗したら一つずつ、目をぶち抜くぜ。」
苦しむ八ツ目仮面。
キ「爆弾を解体する方法を教えてもらおうかのう。」
八ツ目仮面「言うと思っているのか!」
と言うや否や、2つ目が射抜かれました。
キ「そろそろ言いたくなってきたかのう。」
八ツ目仮面「言わん!」
アオ「さて、次はどの目にする?」
するとさっきとは打って変わって
八ツ目仮面「やめてください。何でも言いますから、少しばかりを…」
アオ「よーし、解体の方法は?」
八ツ目仮面「コードを切断すれば…」
アオ「赤と青のうち、どっちを切断すればいいんだ?」
八ツ目仮面の答えは
八ツ目仮面「あ、あお。」
キ「青じゃのう。」
八ツ目仮面「いえ、あ、赤いコードを切断すれば…」
どっちなのでしょうね?
キ「赤いコードだな。よしよし。取ってやるばい。」
キレンジャーは刺さった弓を抜いてやりました。アオはなんだか疑っている様子。八ツ目仮面はまた海中に逃げました。
アジトにて
黒十字総統「八ツ目仮面、首尾はどうじゃ。」
ここで鉄人仮面も初めて登場。
八ツ目仮面「は。わざと逆を教えてやりました。赤いコードを切れば大爆発だ。」
高笑いする八ツ目仮面でしたが
黒十字総統「そんなことでゴレンジャーを騙せると思っているのか!」
鉄人仮面も叱責しました。すると
八ツ目仮面「何!」
タメ口きいてますよ、八ツ目仮面は鉄人仮面に。もしかして、日輪仮面を想定して書かれた脚本を流用したのでしょうかねえ。
黒十字総統「八ツ目仮面、命にかえても輸送船を沈めろ。」
新命、八ツ目仮面の猿知恵を看破する
ブルーマシンで輸送船に急行する新命と大岩。バリブルーンの方が速そうですが…
さて輸送船の船倉では海城が焦っていました。で先ほどの時限爆弾も映りましたが、黄色いコードも白いコードもありましたよ。新命も見ているはずですけどね(棒)。
明日香「海城さん。」
海城「間に合わん。ペギーを連れて船を降りてくれ。それから、乗務員の人達も船から降ろしてくれ。後は俺の判断でどちらかのコードを切る。」
明日香「その役、僕がやります!」
海城「速く行け。」
明日香「嫌です。俺だってゴレンジャーの一員だ。」
明日香、気持ちはわかるけど、ここは海城の指示に従うべきでしょう。当然、海城は
海城「速く行け、命令だ!」
明日香「嫌だ!」
しょうがないですね。とそこへ
大岩「お待たせ、お待たせ。赤いコードを切断するんだ。のう、新命どん。」
大岩と新命が到着。新命の考えは違っていました。
新命「それは違うな。青い方だ。」
大岩「ばってん、八ツ目仮面は確かに赤いコードと言ったばい。」
新命はこう言って反論しました。
新命「だから赤じゃないんだ。青だ。」
大岩「なぜじゃ?」
新命「八ツ目仮面は最初、青だと口を滑らせた。」
大岩も納得しました。
大岩「そうじゃったのう。」
それを聞き
海城「わかった。この仕事は俺が引き受けよう。万一の時の為に、ここには俺一人残る。」
大岩「え!」
海城「みんなは出て行ってくれ。」
新命は両手で海城の肩を叩きました。
新命「水くさいぞ、海城。大ちゃん、明日香、船の乗務員を誘導してくれ。」
大岩は「あいな」と言って明日香を連れ出そうとしましたが、明日香は動こうとしません。明日香は本当に未熟ですなあ。たまらず
新命「これも立派な仕事だ!」
と明日香を新命は一喝。大岩が明日香を連れ出した後、海城と新命は目配せしました。ペギーも含めた乗務員が全員退避し、海城は新命から渡されたペンチで青いコードを切断。時限爆弾は無事解除されました。
名乗り
八ツ目仮面「なぜ爆発しないんだ。様子を見てこい。」
船の様子を見に行ったゾルダーはアカとアオに倒されました。
八ツ目仮面「しまった。ゴレンジャーめ。今に見ろ。」
と言って八ツ目魚雷に乗り込む八ツ目仮面。船に突っ込むつもりです。ところが八ツ目魚雷もアカに方向転換され、ミドメランを受けて見事に失敗。
八ツ目仮面「出たな、ゴレンジャー。だがもう一人は揃わんはずだ。」
するとペギーは頭に巻かれた包帯を取って転換。しかし倒れてしまいました。
八ツ目仮面「揃いおったな。」
キ「平気か?」
モモ「平気よ。」
というわけで一人ずつジャンプします。
アカレンジャー「トイヤー」
アオレンジャー「トイヤー」
キレンジャー「トイヤー」
ミドレンジャー「トイヤー」
モモレンジャー「トイヤー」
そして名乗ります。あれ? 港だった筈なのに崖の中腹にアカは立っていますよ。
そしてまた一人ずつジャンプします。
アカレンジャー「トイヤー」
アオレンジャー「トイヤー」
キレンジャー「トイヤー」
ミドレンジャー「トイヤー」
モモレンジャー「トイヤー」
そして左からモモ、アオ、アカ、ミド、キの順に並んでいるのをモモの横から映し
アカレンジャー「5人揃って」
全員「ゴレンジャー」
流れるエンディングのメロオケ。
八ツ目仮面「えーい、かかれ。」
戦闘開始
しばらく戦います。ゾルダーは全員倒されました。
八ツ目仮面「うーむ。1万ボルトの八ツ目ショックを食らわせてやる。」
アオ「よし、俺が相手だ。避雷針スイッチ。」
アオの頭からアンテナみたいなものが伸びてきました。ネジみたいになっています。
アオ「来い。」
八ツ目仮面「八ツ目ダブルショックだ。」
八ツ目仮面は目を二つ飛ばしましたが
大平透「アオレンジャーは避雷針を応用して空中に放電したのだ。」
避雷針の説明が完全に間違ってますねえ。本当はアースして地中に電気を逃すんですよ。でも僕チャンは本放送当時は子供だったので(以下省略)。
アオ「連続ブルーチェリー。」
八ツ目仮面の目は全て射抜かれてしまいました。
ゴレンジャーストーム
アカ「今だ、モモ。ゴレンジャーストームだ。」
モモ「OK! 」
アカ「行くぞ!」
散る4人。
モモ「ゴレンジャーストーム。いいわね、行くわよ。キー。」
キ「任せんしゃい。ミド。」
ミド「OK! アオ。」
アオ「オーライ! アカ。」
アカ「トイヤー。フィニッシュ。」
こうして八ツ目仮面は倒されました。
おわりに
まあまあな出来ですね。高久進お得意のハッタリ設定はここでも炸裂していますが、科学考証は適当極まりないものです。まあそこに目をつぶれば、赤と青、どちらのコードを切るべきかという緊迫した心理戦も見られてそこそこ楽しめます。まあ画面には黄色いコードも白いコードも映ってしまっていますがね(笑)。
後、今回、久しぶりに007が登場。「秘密戦隊ゴレンジャー」のWikipediaでは小山ゆうえんちのロケで負傷したので出演が困難になり、途中降板したと書いてあります。この部分は私も講談社の本で読んでいますが、前後の事情を考えると終盤に登場しなくなった理由ではなくて、この頃に登場していない理由と考えるのが妥当です。鹿沼えりさんの記憶違いなのでしょう。なお、008は次回が最後の登場です。
池田力也さんの技斗担当は次でおしまい。次回は曽田博久さん執筆の青すじ仮面の話です。この話は怪作なので楽しめますよ。