「秘密戦隊ゴレンジャー」第33話「赤い標的! にせものゴレンジャー出現」

はじめに

この記事では第33話「赤い標的! にせものゴレンジャー出現」を紹介します。脚本は曽田博久、監督は北村秀敏です。

人工プラズマエネルギー

鉄ヒメ仮面(声:清川元夢)がイーグルプラズマ研究所を狙っていました。

鉄ヒメ仮面「厚さ10mのコンクリートで外側を固め、その内側は厚さ5mのシリコン合金、さらに厚さ5mのニッケル合金の三重の壁で守られているのが未来のエネルギーと言われている核融合プラズマです。これは太陽と同じほどのエネルギーを作り出すことができます。100万℃と言われる太陽の熱。プラズマはいわば小さな太陽です。イーグルのプラズマが成功すれば人類は石油が無くなっても太陽のように無尽蔵のエネルギーを使え、その未来はバラ色の天国となります。」

それを聞き

鉄人仮面「ならん。人類の未来をバラ色にしてはならん。」

鉄ヒメ仮面「そこで作り上げたのが、このダイヤモンドビーム砲。あの三重の壁を貫くことができるのは、このダイヤモンドビームだけ。そして研究所のプラズマ炉を直撃で狙えるのは、この死神山砲台しかないのです。」

鉄人仮面は御満悦です。

鉄人仮面「流石は鉄ヒメ仮面。」

ですが

鉄ヒメ仮面「あとはこの発射装置に100カラットのブルーダイヤを10個装填すれば良いのです。」

そんなもの、どこにあるのでしょうか?

鉄人仮面「100カラットのブルーダイヤ。」

鉄ヒメ仮面「10個です。それさえ揃えば10個のダイヤが集中した強力なビームが発射され、プラズマのエネルギーは東京を一瞬にして消滅させます。」

東京が消滅するイメージの映像はイナズマンでも流れた映像です。余談ですが、鉄ヒメ仮面は杖の代わりに日傘を持っています。何の役に立つのでしょうか?

アジトにて

黒十字総統「人類の未来をバラ色に変える新エネルギーが逆に人類を地獄へたたき込むとは素晴らしい作戦。」

黒十字総統も御満悦です。

鉄ヒメ仮面「ちょうどうまい具合に日本には100カラットのブルーダイヤは10個あり、全てありかは調査済みです。」

なお鉄ヒメ仮面が取り出したのは国土地理院が発行した地図。上野あたりに印が付いてますよ。もしかして国立博物館?

鉄ヒメ仮面「この10個、全部手に入れてみせます。」

そううまく行くのでしょうか? というわけでお話の流れは大体お分かりかと思います。

鉄ヒメ仮面、ブルーダイヤ強奪に乗り出す

というわけで鉄ヒメ仮面はブルーダイヤの強奪して周りました。が、その時、

鉄ヒメ仮面「5人揃ってゴレンジャーだ。」

警備員は中屋敷哲也さんのような気がしますね。ご丁寧にも軍団員は鉄ヒメ仮面を合わせて5名おり、左から黄、青、赤、緑、桃のマントをして後ろ姿だけをみせていました。なお、赤は鉄ヒメ仮面です。

ゴレンジャー、ブルーダイヤ強盗の疑いをかけられる

この事件の後

海城「我々ゴレンジャーが強盗だとおっしゃるんですか!」

参謀(中田博久)「私も信じたくはない。しかし、世間一般の人々の中には信じ込む人間もいるんだよ。」

当然、一同は抗議しますが

参謀「兎に角、しばらくゴレンジャーの外出禁止を命じざるを得ないんだ。わかってくれ。」

参謀は立ち去りました。一同、総司令に詰め寄りましたが、総司令はなだめます。

総司令「悔しい思いは同じだ。何としても汚名は晴らす。」

鉄ヒメ仮面、なおも強盗を続ける

なおも強盗を続ける鉄ヒメ仮面。ご丁寧にも監視カメラの前にペギーそっくりの人形を置いて強盗を働きます。それを報じる新聞を街頭で鉄ヒメ仮面は買いました。

鉄ヒメ仮面「連続ダイヤ強盗。謎の美女浮かぶか。」

本当にあの姿のままで街中で買っているのですよ。シュールな映像です。

太郎、大岩とペギーを非難する

ここはスナックゴン。その新聞を太郎も読んでいました。大岩とペギーが中に入り、大岩は太郎の目を両手で隠しました。

大岩「わたしは誰でしょう。」

答えたのは

九官鳥「大飯食らいの大ちゃん。」

図星だったのか

大岩「やーい、このお喋りめ。悪い言葉ばかり覚えるのう。」

それを笑いながら見るペギーでしたが、大岩とペギーは太郎が浮かない顔をして黙っているのに気がつきました。

大岩「どうしたんじゃい。いつもの太郎君らしくないのう。元気出すばい。なぞなぞ一発やるかのう。」

ところが返ってきた答えはというと

太郎「泥棒ゴレンジャーなんか大嫌いだい。」

すかさず

九官鳥「泥棒、泥棒、泥棒。」

大岩「うるさーい。」

九官鳥「うるさーい。」

大岩「こやつまでバカにしおって。」

ゴレンジャールームにて

総司令とゴレンジャー全員、ゴレンジャールームにいました。

ペギー「私、表も歩けやしない。もう我慢できないわ。」

大岩「九官鳥にまでバカにされておどば悔しか。のう、新命どん。」

新命は大岩のぼやきには答えず、冷静にこう言いました。

新命「これまで奪われたのは100カラットのブルーダイヤばかり9個。」

海城も閃きました。

海城「もしかしたら奴らの目的は。」

総司令が海城の方を向きました。

海城「レーザー光線の場合は同じ宝石でもルビーを使いますねえ。」

大岩「とするとブルーダイヤを使うのは。」

ペギー「まさかダイヤモンドビーム砲!?」

海城は立ち上がり、こう言いました。

海城「そのまさかだ。奴らのダイヤモンドビーム砲はおそらく完成間近に違いない。」

明日香が反論しました。

明日香「しかし、奴らはもう9個も盗んでいますよ。まだ盗む気ですかねえ。」

海城「わからん。だが100カラットのブルーダイヤがこの日本にまだ一つあるんだよ。東京の宝石店にな。」

というわけで

総司令「よし、それを守るんだ。」

海城「外出禁止を破るんですか。」

総司令「後の責任は俺が取る。」

やはり上司はこうでなくっちゃ行けませんね。

ゴレンジャー、最後のブルーダイヤを警護する

というわけで明日香と大岩の先導で大きな金庫が宝石店から運び出されました。登場したのは鉄ヒメ仮面軍団総勢5名。鉄ヒメ仮面は赤い日傘、ゾルダーは黒い傘をさしています。

大岩「お主ら何もんじゃい。」

鉄ヒメ仮面「知らねば言って聞かせよう。黒十字軍の黒バラ、花の乙女は鉄ヒメ仮面。」

ゾルダー「我ら4人、黒十字コマンド部隊。」

なんだか歌舞伎の白浪五人男みたいな見栄を切り、鉄ヒメ仮面軍団は名乗りました。

鉄ヒメ仮面「最後に残ったブルーダイヤモンド、頂きに来た。」

それを聞き

明日香「やっぱり貴様らか。取れるものなら取ってみろ。」

やたらと興奮しています。今までの鬱憤が溜まっていたのでしょう。ゾルダーが怪しげな無線機(?)を操作すると金庫はいつの間にか開いてしまいました。

鉄ヒメ仮面「黒十字軍の科学は万能さ。驚くのはまだ早い。それ。」

鉄ヒメ仮面は長い舌を伸ばして大岩の顔を舐めました。

大岩「気持ち悪い。」

そして金庫の中に舌を伸ばしましたが

鉄ヒメ仮面「うーん、ない。」

すると金庫の中からペギーが出て来ました。

鉄ヒメ仮面「お前は。」

ペギー「よくも私を強盗犯人にしてくれたわね。お気の毒だけど、この中にブルーダイヤはなくってよ。」

明日香「まんまと引っかかったんだよ。罠にな。」

恥をかかされた鉄ヒメ仮面は

鉄ヒメ仮面「おのれ。殺してやる。かかれ。」

というわけで戦闘開始。3人とも転換。鉄ヒメ仮面の傘は柄が抜けてフェンシングの剣にもなります。

鉄ヒメ仮面「私の傘は万能だ。」

鉄ヒメ仮面は傘でミドメラン、更にはイヤリング爆弾を弾き返しました。なおイヤリング爆弾は傘回しの要領で弾いています。

鉄ヒメ仮面「覚えておけ。必ず必ずブルーダイヤモンドは手に入れてみせるぞ。」

キ「なんと恐ろしい奴たい。」

ここでCMへ。

ゴレンジャー、身の潔白を証明する

参謀が江戸川総司令を詰問しているところへ

海城「総司令。真犯人はやっぱり黒十字軍でした。」

全員戻って来ました。海城は参謀に

海城「命令に背いて申し訳ございません。だが見て下さい。黒十字軍の手から守ったのです。」

海城はブルーダイヤを参謀に渡しました。

海城「これが日本にただ一つ、しかも最後に残った100カラットのブルーダイヤです。それから、しばらくの間はゴレンジャールームで預かることで話はついています。ま、ここに置いておけば絶対に安全ですからね。」

総司令は労をねぎらいました。

総司令「よくやった。おかげでゴレンジャーの濡れ衣は晴れたし、何と言っても、黒十字軍があと1個ダイヤを欲しがっている事がわかっただけでも大収穫だ。そうでしょう、参謀。」

参謀は無言で立ち去りました。新命がさらに報告します。

新命「それからもう一つ、コンピューターの計算によりますと100カラットのブルーダイヤモンドを使うダイヤモンドビーム砲の射程距離は50Kmだという事がわかりました。」

さてダイヤモンドビーム砲の狙いはなんなのでしょうか? ダイヤモンドビーム砲はどんな厚い壁でも貫く威力があります。

海城「おい。もしかしたらイーグルプラズマ研究所かもしれないぞ。あの三重の壁はどんな爆弾にも耐えられるがダイヤモンドビームだけは防げない筈だ。」

総司令「これは一大事だ。もしプラズマ研究所の核融合炉が爆発させられたら東京は一瞬にして消える。」

驚く一同。というわけで

海城「新命。君はバリブルーンでプラズマ研究所を中心として半径50Km以内を調査してくれ。どこかでダイヤモンドビーム砲が研究所を狙っている筈だ。」

新命「よーし、わかった。」

というわけでバリブルーン発進です。

鉄ヒメ仮面、次の作戦を練る

当然、黒十字軍もその動きを察知しました。ダイヤモンド砲を見つける事はできないだろうという鉄ヒメ仮面に

鉄人仮面「それよりあと1つ100カラットのブルーダイヤモンドをどうやって手に入れるつもりだ。」

鉄ヒメ仮面「お任せ下さい。既に手は打ってあります。」

ここは港。新堀和男さんら3人の宝石密輸組織が船を降りました。それを007が目撃していました。報告を受け

総司令「やっぱりその手か。密輸組織をマークして、最終的にはダイヤモンドビーム砲を破壊するんだ。ペギーはゴレンジャーストームに改良を加える。」

今回のなぞなぞ

そして、海城、大岩、そして明日香が出動。途中、時限爆弾を仕掛けたアタッシュケースやら、ボール爆弾を詰めたアタッシュケースやらが登場したあと、最終的に残ったのは新堀和男さんのアタッシュケースです。

海城「見ろ。この道は一本道。行き先は死神山だ。」

海城が地図で確認したところ

海城「死神山はプラズマ研究所から50Kmの位置だ。」

大岩「よっしゃ。」

明日香「するとそこにダイヤモンドビーム砲が。」

そして3人が道を行くと怪しげな建物が。中では鉄ヒメ仮面と密輸組織は取引を始めていました。部屋はカウンターがあって、どこかのバーみたいな雰囲気です。

鉄ヒメ仮面「これでついに最後のブルーダイヤモンドが揃ったよ。」

というや否や海城登場。

鉄ヒメ仮面「来おったな。」

鉄ヒメ仮面はベールを被って顔を隠しました。

鉄ヒメ仮面「ああ、いらっしゃいませ。なんにいたしましょう。」

他の2名も中に入りました。

大岩「いやあ。退屈じゃけん、なぞなぞばしますかのう。煮ても焼いても食えない餅はなんじゃらほい。」

新堀和男さんは無言です。

大岩「あらら。あんた、メガネかけて気取ってるけん、ちょっと(自分の頭を指差して)ここが弱かとね。子供でもわかるなぞなぞたい。」

明日香「頭の悪い奴だなあ。」

大岩「ばってん、死んでいる人間に答えろというのが無理ですたい。のう。死んでるのう。」

新堀和男さんは死んでいました。さて答えはなんだったのでしょうか?

海城達、閉じ込められる

海城「このお化けみたいな奴を知らないか?」

海城は鉄ヒメ仮面の写真を見せました。

鉄ヒメ仮面「あんた、この美人のなんなのさ。」

この当時、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」が流行っていました。

海城「黙れ、鉄ヒメ仮面。」

海城はベールを剥がしてしまいました。

鉄ヒメ仮面「遅かったな、ゴレンジャー。この通り、ブルーダイヤモンドは10個揃った。ダイヤモンドビーム砲は完成だ。」

と言いながら逃げる鉄ヒメ仮面。海城達は追いかけようとしましたが、鉄格子が降りて閉じ込められてしまいました。

鉄ヒメ仮面「貴様ら、1分後には木っ端微塵だよ。」

時限爆弾作動。出られそうにありません。しかし、海城は気がつきました。

海城「この近くに新命がいる筈だ。新命、新命。」

そして

新命「すぐ行くぞ。」

海城「新命。」

新命「フックワイヤー、スイッチオン。」

新命はバリブルーンの機首からフックワイヤーを出しました。屋根を持ち上げようという作戦です。何度か失敗しましたが、屋根を持ち上げる事に成功しました。

大岩「あ、開いたばい。」

というわけで

海城「行くぞ。GO!」

全員、バーディーで脱出しました。

名乗り 

鉄ヒメ仮面「これで10個だ。ビーム発生機セット。行くぞー。イーグルプラズマ研究所を破壊してプラズマエネルギーで東京を消滅させてやる。」

照準を合わせる鉄ヒメ仮面。書き忘れましたがイーグルプラズマ研究所は駒沢公園にあるらしいですな。ですが

アカ「待て。」

気がつくとアカ、アオ、キ、ミド、モモが周りを取り囲んでおります。

鉄ヒメ仮面「おのれ、来おったか。」

 

アカレンジャーアカレンジャー

アオレンジャーアオレンジャー

キレンジャーキレンジャー

ミドレンジャーミドレンジャー

モモレンジャーモモレンジャー

 

そしてジャンプしますが

アカレンジャー「トイヤー」

アカは宙返り。

 

モモとキが横向きにジャンプ

モモとミド「トイヤー」

あれ? また声が合っておりませんぞ。

 

今度はミドとアオがXの字型にジャンプするのは良いのですが

キとアオ「トイヤー」

これまた声が合っておりません。映像は第27話で初登場した、あの編集ミスバージョンを使っています。声は直そうとしたようですが、微妙に合っておりません。

 

そして左からモモ、ミド、アカ、アオ、キの順に着地して並び…と思ったら

アカレンジャー「5人揃って」

全員「ゴレンジャー」

左からキ、アオ、アカ、ミド、モモの順に変わっていました。うーむ。いい加減ですな。

流れるエンディングのメロオケ。

戦闘開始

鉄ヒメ仮面「おのれ、生きていたか。だがもう遅い。レバーを引けばこっちの勝ちだ。」

アカ「レバーを引かせるな。」

ミド「任せてくれ。ミドメラン。」

鉄ヒメ仮面の手がレバーから離れてしまいました。

アカ「行くぞ。」

あれ、このままでいいの、と思ったら、アカが駆け寄り

アカ「レッドビュート。」

鉄ヒメ仮面「おのれ。」

鉄ヒメ仮面は拘束されてしまいました。

鉄ヒメ仮面「誰でもいい。私の代わりにレバーを引け。」

ゾルダーが「ホイ!」と言いながら近づきましたが

アカ「レバーに近づけるな。アオ。」

アオ「ブルーチェリー。連続ブルーチェリー。」

というわけで近くゾルダーは全員射殺され、近づけません。でしばらく戦いが続き、鉄ヒメ仮面一人になりました。鉄ヒメ仮面は傘を使って結構奮戦しますが、

モモ「鉄ヒメ仮面、覚悟。」

ダイヤモンドビーム砲で狙われ

鉄ヒメ仮面「しまった。」

モモ「行くわよ。」

鉄ヒメ仮面の傘は爆発。あのー、イーグルプラズマ研究所の三重の壁を貫く威力がある筈なのにその程度の威力しかなかったのですか、ダイヤモンドビーム砲は? という瑣末な疑問はなんのその。鉄ヒメ仮面は傘の柄を引き抜いた剣を持って突進開始です。なんだかやけくそになっている感じです。

ゴレンジャーストーム・ニューパワー作戦

アカ「モモ、ゴレンジャーストーム。ニューパワー作戦だ。」

モモ「OK!」

5人が並び

アカ「GO!」

モモ以外の4人が散りました

モモ「ゴレンジャーストーム・モモタロン。いいわね、行くわよ。キー。」

キ「任せんしゃい。ミド。」

ミド「OK! アオ。」

アオ「オーライ! アカ。」

アカ「OK! トイヤー! フィニッシュ!」

トゲトゲボールは大きなモモに変化。

鉄ヒメ仮面「えい。真っ二つにしてやる。」

真っ二つにすると中から出てきたのはあの赤いトゲトゲボール。

鉄ヒメ仮面「どうだ。うわあ。」

こうして鉄ヒメ仮面は倒されたのでした。

おわりに 

今度はゴレンジャーの偽者登場。マントは本物と同じなので後ろ姿だけだと警備員が誤認するのも無理はないでしょう。そうやって本物の動きを封じて活動するというのが今回の目玉です。

 

ところでなぞなぞの答えは劇中明かされておりません。同人誌で「絵に描いた餅」と書いたものも目にしましたが「やきもち」も該当するような気がします。真相は藪の中です。

 

さて次回は上原正三さん執筆の大岩大太主役話。当然、カレーライス絡みの壮絶な場面が描かれます。黒十字軍よ、そんな回りくどい事をしなくても良いだろう、と笑いたくなるくらい、壮絶な作戦です。