大鉄人17

はじめに

この記事では1977年(昭和52年)3月18日から同年11月11日まで全35話、TBS系で毎週金曜19:00 - 19:30 に放送された石森章太郎原作、毎日放送東映製作の特撮テレビ番組「大鉄人17」を取り上げます。

大鉄人17(ワンセブン)の概要

大鉄人17は巨大コンピューターであるブレインが自分の分身とするために超生産能力で作り上げたロボットで、その名前は「オートダイオード・ワンセブン」を内蔵していることに由来します。ブレインの超生産能力は「オートダイオード・ワンセブン」に由来しており、スプーン一本をはじめ色々なものを生産することができ、自分自身を改良したり、自分の故障した箇所を修理したりすることができます。ブレインは自分の補佐役となるものが欲しかったのです。なおブレインは元々は佐原博士(中丸忠雄)が天変地異や自然災害の予測のために作り上げたものでした。ところがいつしかブレインは自我を持ち、人間こそが地球を壊しかねない災害である、という結論を弾き出してしまいました。時を同じくして野心を抱いたハスラー教授(大月ウルフ)によって連れ出されましたが、逆にハスラーを自分の奴隷にしてしまい、「私のことはミスターと呼びたまえ、ハスラー君」と見下していました。ところがそのブレインが作ったワンセブンは逆に「人類は地球になくてはならない存在である」という結論を弾き出してしまいました。そのため、ブレインに拘束されていたのですが、ローラーロボットによって父と母と姉を殺された南三郎少年(神谷政浩)によって拘束を解かれたため脱出し、以後は三郎と自分が与えたヘルメットを介して心を通わすようになりました。

ブレインが各地の囚人を集めて結成したのがブレイン党で、ハスラー教授の他、初期はキャプテンゴメス(平田昭彦)というテロリストとその部下のチーフキッド(山口あきら)が幹部でした。ブレインは超生産能力によって巨大ロボットを次々と作りあげ、人類を滅ぼすために暴れさせます。

ブレイン党と戦うのがレッドマフラー隊です。隊員達が赤いマフラーをしているのが名前の由来です。レッドマフラー隊はいくつかの小隊に分かれており、ブレインが逃げ出す前はブレインの警備を担っていました。佐原博士は日本支部を率いてもいました。で佐原博士に娘が二人おり、長女は千恵(竹井みどり)でレッドマフラー隊で博士の秘書代わりとなっており、レッドマフラー隊の一小隊の隊長だった中井隊長が婚約者でした。ところが中井は潜入捜査の途中で殺されてしまい、彼の後任は剣持隊長(原口剛)になりました。少し話がそれました。佐原博士の次女はルミ(島田歌穂)で三郎とは同年です。ブレイン党に肉親を殺されてからは佐原博士が三郎を引き取っていました。

話をレッドマフラー隊に戻しましょう。中井隊→剣持隊が頻繁に登場するので間違えやすいのですが、レッドマフラー隊はいくつもの小隊に分かれています。その制服は自衛隊のそれとよく似ており、ブレイン党の軍服はナチスドイツのそれとよく似たものとなっていました。戦闘場面もワンセブンとブレインロボットが戦う以外は普通の白兵戦となっており、他の特撮番組とは違って軍事色の強いものとなっていました。キャプテンゴメスと剣持隊長との駆け引きも初期の見所になっていました。

さてワンセブンは当初は3つの形態をとっていました。通常は要塞ワンセブンという形態をとっており、この状態で必殺武器のグラビトンに使う重力子の蓄積や、搭載マシンであるシグコンタンクやシグコンジェットを発信させたりしていました。空を飛ぶ時は要塞ワンセブンの形態から翼を広げた飛行ワンセブンになります。そしてブレインロボットのところに駆けつけると折り畳まれていた脚や胴体などを広げ、戦闘ワンセブンになったのです。

またワンセブンは当初は三郎少年の命令をヘルメットを通して聞いていましたが、目をチカチカさせて Yes か No かを答えていました。当初は言葉を話さなかったのです。時には三郎少年の命令を聞かず、自らのコンピューターが下した答えを優先させて動いていました。ですが、三郎少年には友情を感じており、第6話で三郎に自らの超生産能力で作り上げたサブマシンを贈っています。

ブレインは強敵で第12話「決死! ブレイン大爆破」(脚本:上原正三、監督:山田稔)で佐原博士がオーバーホールの隙をついて爆破した時も瞬時に超生産能力で復活してしまいました。

さて脚本は上原正三伊上勝が交代で書いており、上原は第1話など区切りとなる話を書いていました。基本的には前作「宇宙鉄人キョーダイン」同様、2 - 3話で一つの物語を描いていました。ですが徐々に伊上勝の担当話が増えていきます。そして最終回は伊上勝が書きました。

なお巨大ロボット物となったのはスポンサーの要望だったようです。

ガンテツ登場など

ところがこの作風が好評だったわけではなかったようです。ワンセブンのおもちゃは要塞ワンセブンや飛行ワンセブンから戦闘ワンセブンに変形する様子を忠実に再現していた(それは元々バンダイのデザイナーがワンセブンのデザインに絡んでいたからでもありますが)ので好評でしたが。なので路線変更が図られます。

まずギャグメーカーとして第16話で岩山鉄五郎ことガンテツが登場。高品正広が演じていたこともあり、ドカベン岩鬼に似た学ラン姿でした。レッドマフラー隊への入隊を志願し、毎回押しかけていました。

次に超生産能力によりワンセブンが第19話から普通に喋る(声はナレーターも務めていた小林恭治)ようになり、内部にはコントロールルームも作られました。それと前後して第17話からは戦闘ワンセブンの状態から翼を広げて飛ぶ戦闘飛行ワンセブンという形態にもなるようになりました。

また敵もキャプテンゴメスが裏切りが失敗した末に戦艦ロボットごと戦死し、ブラックタイガー(山本麟一)が着任した後、チーフキッドは作戦の失敗を咎められてブラックタイガーに蹴り殺され、その後任にはブラックタイガーの弟子だったピンクジャガー(三東ルシア)とブルージャガー(太田美緒)が登場。作風は軽くなっていきました。

ワンエイト

ただワンセブンの弟ロボットワンエイト(声は市川治)が暴れた第22 - 26話は盛り上がりました。ワンエイトはワンセブン同様、心を持ったり、人と交流したりしていました。ですが流石にブレインも懲りたのか、ブレインに絶対服従させるためのサタン回路を内蔵させていました。激闘の末、佐原博士によりサタン回路は外され、以後はワンセブンの味方となりましたが、第26話で自らを犠牲にしてブレインロボットのハーケンクロイツごと散ったのでした。

ビッグエンゼル

また終盤の第33話で登場したビッグエンゼルも忘れてはいけません。これは第2のブレインともいうべき電子頭脳で佐原博士がブレインに対抗するために開発されました。ビッグエンゼルは死期を悟って突撃したブラックタイガーを瞬殺しました。そしてブレインとの対抗策を立案するために計算をしていましたが、最終回で「ワンセブン、三郎」という結果を弾き出すとオーバーヒートで爆発してしまったのでした。

最終回

さて最終回は第33話から第35話まで続く三部作です。ブラックタイガーが死ぬのは先述しましたが、その後、三郎がブレイン党に捕まります。ですがなぜかワンセブンは動こうとはしませんでした。それはブレインが半径2キロ以内、通称ブレインエリア内にあるあらゆるロボットやマシンを自分の指揮下に置く機能があったため、迂闊に近づけなかったのです。途中でワンセブンはシグコンジェットやシグコンタンクを出動させましたが、いずれもブレインに破壊されてしまいました。なのでジッとせざるを得なかったのですが、それを知らないルミとガンテツはワンセブンに三郎救出を懇願します。二人の熱意に負けたワンセブンは「さようなら」と言い残し出動。ゴールドネッシーを倒すことには成功しますが、ブレインエリアに入り込んでしまいました。仕方なく、ワンセブンは機能を停止しました。さて三郎はなんとか脱出に成功し、さらにはワンセブンの体内に入り込むことに成功しました。するとワンセブンのコントロールルームには操縦桿が備えられていました。ワンセブンは「こんなこともあろう」かと人が操縦できるようにしていたのです。こうしてワンセブンは三郎の操縦で復活。ハスラー要塞を破壊します。そして「ワンセブン、三郎」という答えをビッグエンゼルが弾き出したと知った三郎はそのままワンセブンとともに特攻すべくワンセブンを飛ばします。ところがブレインに突っ込もうとするその時、三郎はワンセブンの体内にいた小型ロボットのロボターに突き飛ばされ、そのままパラシュートで降下する羽目に陥ります。ワンセブンはそのままブレインと激突し、体内に備えられた核爆弾の爆発もあってブレインもろとも爆発したのでした。

この最終回、大きなツッコミどころがありますが、そうすると盛り下がるので無視しましょう。脚本が伊上勝だったからか「ジャイアントロボ」の最終回を連想させる終わり方です。なお「大鉄人17」という名は「鉄人28号」にちなんで名付けられたのだそうです。

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