仮面ライダーBLACK RX 第14話「ひとみちゃん誘拐」を観て

はじめに

仮面ライダーBLACK RX 第14話「ひとみちゃん誘拐」(脚本:江連卓、監督:松井昇、アクション監督:金田治と村上潤)を観て思ったことについて取り上げます。澄川真琴さんとの約束を果たすためです。作品にのめり込んでしまった今となっては、そろそろこの文章は要らないのではないかとも思うわけですが、発端がこうだし、テンプレート化できるから、敢えて残します。

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でログ(正確には「アクセス解析」で作者の人だけ見える情報ですが、本業の関係からこう書きたくなってしまいます)を見ると、過去に作ったアドベントカレンダーの存在に気がついた人がいらっしゃるようでアクセス数が増えたのもそれもあるのかなあと思うわけですが、それは兎に角、アクセス数が増えれば、力込めたくなるのは私の悪い癖で気がついたら毎日書いてしまっているわけです。

とは言うものの本業も佳境に入っていて隙間時間を使って書かざるを得なくなっているのであっさりやめちゃうかもしれません、とズルすぎる逃げも打っておきましょう。

さてこの話も隙間時間を使って観たわけですが、マリバロンやジャーク将軍の行動が酷すぎて、本業での視点から見るとこれはクライシス帝国にとってはアウトなんじゃないかなあと思い、強かにも本業にも役立てるのではないかなあ、と思ったので、そういう視点で書きます。もちろん、南光太郎が主人公で佐原茂や佐原ひとみにとっても重要な話なのですが、幸いにもこの話は4つ連続する話の1つ。うまく書けば南光太郎や佐原茂や佐原ひとみの視点でも取り上げられる記事も書けるかもしれないなあ、と思ったのですが、この次の話で登場する人、しかも重要な役割を今後果たす人がいるので、ああ、どうしようとも思うわけです。しかも脚本を書いたのは江連卓さんなのでどの場面も伏線になっているという濃い話です。と言うことはそれ以外の人は「それなりに」とかつて澄川真琴さんが共演した(はずの)樹木希林さん発案の言葉通りの人もいらっしゃるわけですが、それについては本題ではないので触れません。何気に角川真琴さんは美保純さんやら真田宏之さんやら志穂美悦子さんと共演した(はずですが実際にお会いしたのかどうかまではわかりません)と言う私から見れば羨ましい経験をした凄い人なんですねえ。もっとも御本人がそう思っていらっしゃるかどうかまではわかりません。

お、なんだかんだ言って記事の文字数を稼げました。そろそろ本題に入りましょう。

高畑淳子

と書きながら本題には未だ入りません。それはなぜかといえば、仮面ライダーBLACK RX高畑淳子さんが世に出るきっかけを作った番組だからです。私は「舞いあがれ!」も大好きで毎朝観ては「ああ、この人がああしてしまうのは理解できるなあ。だって私も過去にそうしていたもんなあ。」と思うわけです。で高畑淳子さんは、ご自身の発案で地毛で演じているそうです。そう言う話を聞いてしまうと観ないわけには行きません。なんか、どこかで聞いたような話ですねえ。

さて高畑淳子さんは仮面ライダーBLACK RXに出演した1988年10月23日(第1話放送日なので正確にはもう少し前ですが敢えてこの日にしておきます)は34歳でした。ですが、Wikipediaによれば活動期間は1976年からとなっています。と言うことは12年も雌伏の期間があったわけです。その全てを私は知りませんが、それなりに苦労して仮面ライダーBLACK RXに出演したのは間違いないと私自身の経験もあって言い切れます。

劇団出身の方はそう言う方が多くて蟹江敬三さんがまさにそうです。私の記憶に残っているだけでも、ウルトラマンレオ(実はその前にウルトラマンAに出ていますがウルトラマンレオの出演はその話を演出した山際永三監督がその時の怪演を認めて起用したのだそうです)、土曜ワイド劇場の天知茂さんが演じる明智小五郎が主役の美女シリーズなどに出ていますが、私が顔と名前が一致するようになったのは、もっと後です。であの活躍をしたのです。やはりお天道様は見ているのですねえ。努力はいつか報われるわけです。それに気づかず文句ばかり垂れて何もしない人は、いつまで経っても成功はしません。まあ私も成功はしませんでしたが、それなりに各所に足跡を残すことはできました。

高畑淳子さんの仮面ライダーBLACK RXのクレジット順は一番最後、すなわちトメです。南光太郎を演じる倉田てつをさんに準じる扱いだったわけです。でそれなりに一生懸命演じており、まさにSMの女王様のようなマリバロンを見事に演じております。今まで端折っていましたけれど。

ガロニア姫死亡

さて第14話「ひとみちゃん誘拐」冒頭ではマリバロンはガロニア姫の養育をしています。クライシス皇帝の血を引く人です。そして

マリバロン「ムーロン博士。姫君のうなじにホクロが。」

ムーロン博士「マリバロン様、このホクロこそがクライシス皇帝陛下の姫君の証なのであります。私達が調べたところ、クライシス皇帝陛下の姫君は必ず同じ場所にホクロがあるのでございます。」

マリバロン「うん、そうか。それなら良い。」

なんて会話をします…が、その時、事件が起きました。なんとチャップが薬品の入った瓶を落としてしまったのです。で恐ろしいことにこの些細なミス(に見えたのですが…)が原因でガロニア姫が死亡してしまったのです! 当然、マリバロンは激怒し、このミスをしたチャップに

マリバロン「この愚か者!」

と叫んでぶっ殺してしまいました。直後に我に帰ったマリバロンはなんとこんなことを言い出します。

マリバロン「秘密にするのじゃ。このことがクライシス皇帝陛下にわかれば私一人の命を差し出すだけでは治らぬ。ジャーク将軍をはじめ、我ら4大隊長悉く処刑されるのは目に見えている。良いか皆のもの。誰にも口外してはならんぞ。もし口外する者あらば。」

あのチャップのようにすると言いたいわけです。うーむ。気持ちはわかりますよ。でもこれはやっては行けないことです。私も同じようなことをしたことがあります。ミスを犯したのですが報告しませんでした。しかし結局事は露見し、結局、始末書のようなものを書いて謝罪しまくる羽目に陥りました。正直に報告していればあそこまで問題にはならなかったと思います。その実体験があるので、マリバロンのこの行動は短慮だと言い切れるわけです。この話は見方を変えれば私の実体験を再認識させる話だったわけです。そんなの本放送当時の私も当時仮面ライダーBLACK RXの制作に関わった人はわからなかったでしょうけどね。これは日本では良くある話でもあったと思いますよ。でもそんなこと、マリバロンにはわかるわけがありません。さらにこんなことまで言います。

マリバロン「もうチャップ同様、私が処罰する。」

あーあ。ダメだこりゃ。ですが、自分の過失を隠蔽するため、マリバロンはこの後、とんでもない行動に出ます。4話連続で。隠蔽するために一生懸命、間違った努力をするわけです。これは南光太郎や佐原茂や佐原ひとみにとっては災難でしたが、と同時にありとあらゆる幸運な事態に遭遇するキッカケともなり、最終的にクライシス帝国が滅びるあの最終回に繋がってしまうわけですから、そう言う意味でもマリバロンの行動は浅はかだったと言い切れます。でもこの時点でマリバロンも南光太郎も佐原茂も佐原ひとみも視聴者も、もしかしたら脚本を書いた江連卓さんも、気づかなかったでしょう。

でガロニア姫の替え玉を拵えるというトンデモない作戦をマリバロンは発案します。

マリバロン「探し出すのじゃ。ガロニア様と同じ月、同じ日に生まれた子、同じうなじにホクロのある6歳の女の子を探し出し、それにガロニア姫にまつりあげるのじゃ。それしか手立てはない! 急げ、チャップ達。手分けをして探し出すのじゃ。」

あーあ。冷静な視点で見ればこれは短慮と言い切れますが、この場にいた人にはわかるわけがありません。だって自分達も当然処罰の対象になるわけですよ。そんな目に遭いたくはないに決まってます。なので誰も反対せず、このトンデモない作戦を実行してしまうのです。江連卓さんの脚本、そして松井昇さんの演出は巧みですねえ。

ジャーク将軍

ですが、そんな条件に合う人がなかなか見つかるわけがありません。大勢の女の子が攫われました。ところがところが。そんな条件に合致する人がいたのです。それが佐原ひとみでした。うーむ。マリバロンは大喜び。ですが、佐原ひとみを替え玉にした事が最終的にはマリバロンの悪事が破綻する最大の理由になり、更には最終的にはクライシス帝国敗北の要因となってしまうのですが、それは先の話です。

でいつもとは違ってバッサリ佐原家の場面を削って(ここでも高畑淳子さんもといマリバロンは見事な演技を見せてくれますが泣く泣くカットします)クライシス帝国の話を続けましょう。マリバロンの悪事はジャーク将軍にもしっかりバレてしまいます。でジャーク将軍はマリバロンのところへやってきます。寝ているのは佐原ひとみ。マリバロン、窮したか、と思った途端、全ての事情を知っているはずのジャーク将軍はこう言い出しました。

ジャーク将軍「このお方がガロニア姫か。クライシス皇帝のたった1個の細胞から、こんな美しい姫君がお生まれになるとはまさに奇跡だ。」

そう。ジャーク将軍はマリバロンの犯行に協力すると宣言したのです(後でわかります)。続けてこういう会話が続きます。

ジャーク将軍「マリバロン、よくやったぞ。さぞかし、皇帝陛下もお喜びになるだろう。」

マリバロン「は。ありがたきお言葉。」

この時点で少なくともマリバロンとムーロン博士は何かを察しますが

マリバロン「それでは皆様、姫の成長に差し障りがあってはなりません。謁見はこれまで。お引き取りを。」

一旦、ジャーク将軍は他の隊長を引き連れて部屋を出ます。ですが、一人で戻り、マリバロンにこう告げます。

ジャーク将軍「マリバロン、ムーロン博士から事情は全て聞いたぞ。」

マリバロン「(当然狼狽えて)それでは、ガロニア姫の一件を…」

思わずムーロン博士を見るマリバロン、顔を背けるムーロン博士をしっかり映す松井昇監督の演出は巧みです。

マリバロン「(崩れ落ちて)ああ。全ては私の過ち。どんな罰でもお受けいたします。」

流石に覚悟を決めたマリバロンでしたがジャーク将軍の話には続きがありました!

ジャーク将軍「ガロニア姫はここに健やかにおわすではないか。」

え!? (少なくともこの時点では)佐原ひとみでしょ。そうマリバロンも視聴者も思ったはずです。

マリバロン「なんともうされました?」

ジャーク将軍「この娘こそまさしくガロニア姫だ。」

マリバロン「しかし将軍…」

ジャーク将軍「(マリバロンの言葉を遮って)マリバロン、余は許す。お前は直ちにその娘を連れて奇跡の谷へ行け!」

なお端折りましたが、奇跡の谷とは人間の女の子でも急激に成人にさせる事ができるという凄い場所です。怪魔界にあるのです。と言うことはその逆も…それはおいおいわかるでしょう。

南光太郎も怪魔界へ

さてジャーク将軍は南光太郎の動きを封じるためにデスガロンを差し向けましたが、これがまたトンデモない誤算となってしまいました。なぜならデスガロンがこんなことを南光太郎こと仮面ライダーBLACK RXに勢いもあってか言ってしまったからです。

デスガロン「RX、冥土の土産に教えてやろう。ひとみは既にお前の手の届かない世界に飛び立ったぞ。」

RX「なに!? それではひとみちゃんは怪魔界に連れ去られたと言うのか!」

しっかりバレてしまいました。毎回思うのですが、悪の組織の皆さんはなぜペラペラと作戦の内容を話してしまうのでしょうねえ。まあ倒せると思って油断して喋ってしまうのでしょうが、この短慮がこの作戦、いや、クライシス帝国の命運自体を決めてしまいます。江連卓さんの脚本はやはり凄いです。と言うわけで後の流れはおおよそ予想がつきつつ次回へと続きます。あれ、茂はどうなるのでしょうね。実を言うと私はまだ次回以降をきちんと見てはいません。なので皆さん同様(?)、文字通り、次回以降のお楽しみの状態です。

おわりに

私自身予想もしていませんでしたが、「仮面ライダーBLACK RX」に前のめりになっちゃってますねえ。あのイベントに出なかったら、こうならなかったのは間違いありません。実は私生活で色々あって時間を無理矢理やりくりして中野へ行ったのですが、やりくりする価値はありました。とは言うものの、誰もそんなことは思わなかったでしょうねえ。少なくとも私は思っていませんでしたから。ほぼ毎回、同じことを書いていますねえ。

もっとも過去に同じようなことをして挫折した事がありますから最後まで完走できるかどうかはわかりませんが、やれる範囲でやろうと思います。ただ重要人物が少なくとも2名出ていませんし、少なくともそのうちの1人は私の大好きな人です。生活のリズムにすることもできたのでなんとかなるかもしれませんねえ。

で一番の見どころであるはずの戦闘場面を省くことが多いのですが、そこまで書くと挫折するのは目に見えておりますので、この作風は当分続くと思います。私は上原正三さん同様、変化球投手ですから。なお上原正三さんは金城哲夫さんを絶対のエースだと評しておりました。私の目から見れば謙遜しすぎではないかなあと思いますが、上原正三さんがそう思っていたのですから、仕方がありません。

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