仮面ライダーBLACK RX 第23話「ブタになったRX」を観て

はじめに

仮面ライダーBLACK RX 第23話「ブタになったRX」(脚本:鷺山京子、監督:蓑輪雅夫、アクション監督:金田治と村上潤)を観て書こうと思った事を書いてみます。またも微妙に記事の趣旨の内容が変わっていますが仮面ライダーは(中略)です。そして澄川真琴さんとの約束を果たすためです。

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記事を書くにあたって考えたこと

この話、一度も観たことがないと言い切れるにも関わらず、大まかな筋は知っていました。なので「ブタになったRX」が題名通りの話だとも言えるし、題名通りではない話だと言える事も知ってました。所謂ネタバレした状態で観たわけです。で私はネタバレ大賛成派でネタバレしてつまらないと思った話は所詮はその程度の出来でしかなく、ネタバレしないで観てもつまらないと感じてしまうものなのです。それは地上波民放を観なくなった私でも観ている日本テレビ系列で放送の「所さんの目がテン!」でもしっかり検証されてはいます。とは言うものの同時ネットしている都道府県は意外に少ないと言うのが悩みどころでよみうりテレビのせいで枠を土曜の夕方に移された時は激怒しました。閑話休題

そして困ったことに「ブタになったRX」はネタバレした状態だと「そんな話なのかあ…」と落胆してしまった話でしたし、観てみると、「うーむ。何かが違うなあ。」と思ってしまうような話でした。一応、霞のジョーや茂や白鳥玲子も出るのですが、今まで観た話とはやはり何かが違うので私自身乗り切れず、しかも困った事に間もなく出るであろうあの大佐が初登場する話も(脚本:鷺山京子、監督:蓑輪雅夫、アクション監督:金田治と村上潤)と言う組み合わせのようなので「果たして大丈夫なのかなあ」と思ってしまいました。

まあそう思ってしまったのはそれなりに原因があり、これまた隙間時間を縫って観た、翔べ! 必殺うらごろし 第3話 「突然 肌に母の顔が浮かび出た」(脚本:石川孝人、監督:松野宏軌)やら、必殺仕掛人 第28話「地獄へ送れ狂った血」(脚本:安倍徹郎、監督:松野宏軌)がかなり琴線に触れた話だったと言うことも影響があったのでしょう。後者はどう言うわけか、Twitterで感想を書きまくった時は監督を三隅研次さんと誤認して書いてしまい、素晴らしい内容だったなあと偉そうに書きまくった後、最後の最後にエンディングを観て監督が松野宏軌さんだった事に気がつくという、見方を変えれば、まるでコントのような展開。最近も色々とボロが出まくっている状態なので思いっきり落ち込んで観たのがよりによって第23話だったわけです。肯定的に受け止めようと思っても受け止められるわけがありません。と言うわけで私は第23話で観終わった後は「どうする家康」で描かれるはずの金ヶ崎の撤退戦やら三方原の戦いのような感じをまさに戦う前から抱いてしまいました。

ただ私の好きな脚本家である市川森一さんや上原正三さんや長坂秀佳さんなどでも思いっきりはずしてしまった話を書いています。例えば「花の乱」とか「鉄人タイガーセブン」とか「特捜最前線2012 ~爆破0.01秒前の女」などです。広い意味で言えば「疲れた」と言って降りてしまった「仮面ライダーBLACK」やら大風呂敷を広げておきながら書けなくなって「その責任を取る」と言って降りてしまった「ウルトラマンA」なども該当するわけです。私は「ウルトラマンA」は失敗作だったと言い切れますし、市川森一さんの代表作でもあったと言いきれます。なのでその観点から書けば何とかなるのではないかと思い直しました。と書いているうちにある程度記事を長く書くことができましたねえとズルすぎる事も書きましょう。

当然の事ながらネタバレした状態でも面白かった話もあったわけで、佐原茂が戦士であると自覚した話がそれに該当します。実は私は「仮面ライダーBLACK RX」を流しながら眠る事もあり(睡眠学習と勝手に呼んでますが)、たまたま目が覚めた時に流れていたのが佐原茂が自分も戦士だと宣言する場面だったのです。なのであの4部作で観るべき場所が瞬時に読めたのであのような構成で書きました。

この話のテーマ

一応、この話のテーマと言うべき場面も見つかりました。それを書いて終わりにしましょう。

ただその前に私がイマイチ乗り切れなかった理由を象徴するセリフもあるので、まずそれを引用しましょう。

霞のジョー「(ゴリラになってしまったマサオ少年(中田貴裕)を見て)ブタじゃない。ゴリラだ。」

そこまでに至る話を見た上で観ても頭を抱えてしまうセリフです。確かにその通りなのですがなんだかしらけてしまいました。ただこの後でマサオは南光太郎とジョーと出会い、こんなやり取りをします。まあこれがこの話で一番言いたかった事なのでしょう。私がそう思っただけで違うかもしれませんが。

南光太郎「(霞のジョーと一緒に追いかけながら)君!」

マサオ「(ゴリラのような姿のままで)お兄ちゃん、僕、強いんだよ。怪物をやっつけたんだ。」

光太郎「どうして君はそんなことができるんだ。」

マサオ「(「キーボード」を持ちながら)これだよ、これ。これさあ。これで誰でも好きなように変えられるんだ。」

光太郎「(マサオの元に駆け寄り)それを持っていたら危険だ。僕に渡してくれるね。(ジョーもマサオの元に駆け寄っている)」

マサオ「え!?」

光太郎「悪い奴らが狙ってるんだ。」

マサオ「(光太郎とジョーから離れて)でも、これがあれば僕、みんなにバカにされないんで済むんだ。僕、勉強もできないし、スポーツもダメだしさあ。(光太郎の方に向き直り)だから、強くなりたいんだ!」

確かにそういう話ではありました。なのでマサオの気持ちはわかるような構成にはなっています。でもそれを受けて南光太郎はこう言います。

南光太郎「それは違うよ。(ジョーと共にマサオに近寄りながら)今の君の強さは本当の強さじゃない。悪の機械に与えられた強さなんだよ。(とやはり目線をマサオに合わせて両肩を持つ)」

霞のジョー「兄貴。悠長なこと言ってられないぜ。キーボードを渡しな。(と取ろうとするが)」

マサオ「やめろ。(と拒絶する)」

もうおわかりでしょう。この話は一応、今までの光太郎と茂のやり取りを踏まえてはいるのです。この時点では本当の強さを認識していないマサオが本当の強さとは何かを知るのがこの話のテーマでもあるのです。

でも他の場面が「うーむ」と思う場面ばかりなので、私も危うく見逃すところでした。と言うわけでこの話はそれなりに重要な話ではあったわけです。

おわりに

書き始める前はどうなることやらと思ったこの話、なんとかテーマを拾えました。何かやれば何とかなるもんですねえ、と言いながら、うまく行かなかった事もありましたっけ。すっかり忘れていましたが、塾の先生として千葉繁さんが出ていました。この方、大昔はミラーマンにも出てインベーダーに扮して鏡京太郎やSGMの皆さんと格闘したこともあったそうです。SGMは当初は頭脳集団で格闘などしなかったのになあと思いますが、いつの間にか普通の防衛チームになってしまいました。これは賛否両論ありましたっけ。で最近、吉川進プロデューサーの構想では仮面ライダーBLACK RX上原正三さんがメインシナリオライターを務めるはずだったのではないかと言うことに気が付きましたが、あくまでも私の仮説に過ぎず、今ではお二人とも亡くなってしまったので真偽を確認することはできません。いや、頑張ればできるかもしれませんが、今はそう思います。ただやってみるとなんとかなるものなのですねえ。それを結果的に実感した記事でした。