仮面ライダーBLACK RX 第36話「ヒーローは誰だ!?」について

はじめに

仮面ライダーBLACK RX 第36話「ヒーローは誰だ!?」(脚本:宮下隼一、監督:小笠原猛、アクション監督:金田治と村上潤)を観た事を書きましょう。また微妙に趣旨が変わっていますが、サブタイトルに目を瞑れば、確かにそう言う話ではあるんですけど私の好みとは微妙に違うのも確かですが、それは兎に角、面白かったのは確かです。こう言うのも今まで観るのを躊躇した要因だったのかもしれません。週2回ペースの筈なのにいつの間にやらこうなっていますが、澄川真琴さんとした約束を守るためにこの記事を書きます。

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仮面ライダーBLACK RXは実在するの?

冒頭で描かれるのはこのやりとりです。なので佐原茂が実質的な主人公とも言えますが、白鳥玲子も大好きな(既にしっかり言ってますね)南光太郎のために活躍します。で奇しくも企画に参加した市川森一さんが「あのナチスでも自分達は正義だと言っていた」とか言って、その名残が「人間の自由のために」と言う名ナレーションなわけですが、それをも踏まえたのではないかとも深読みできる話になっています。偶然そうなっただけかも知れませんが。今回は前回と違って楽しめました。閑話休題

冒頭で描かれるのはサッカーのタマモトさん(多分、釜本邦茂さんが元ネタでしょうけど、それ以上の事はよく知りません。(桂歌春談))がグレートマスク(高橋利道、もちろんジャーク将軍ではありません。クライシス帝国の刺客(本当はこういう言い方などしていません))に敗れたことが語られたと思ったら、今度はプロボクシングの世界チャンピオン沢田勝(小沢一善)のファンであるダイスケ達3人組が茂達3人組に絡んできます。で茂はよせば良いのに(実際、周りの人も止めますが)こう言ってしまいます。

佐原茂」「それがどうしたんだよ。俺のNo. 1ヒーローは仮面ライダーBLACK RXだぞ。」

あー。当然、ダイスケ達3人組は激怒。まあ言いたくなった気持ちはよくわかりますけどね、実際そうだし。ですが、ダイスケはこう言って反撃を開始してしまいました!

ダイスケ「仮面ライダーだって? あんなもん、いるわけないじゃねえ。」

まあ確かにそう思う理由までダイスケ達3人組は次々述べて茂の言葉を信じません。まあそうなるのも無理はありません。だって、彼らは仮面ライダーBLACK RXを観てはいないのです。ん? よく考えたら仮面ライダーBLACKの存在は知らなかったんでしょうかねえ。まあそれは瑣末な疑問に過ぎません。最終的に茂はダイスケと結果的に1対1の喧嘩をしてしまい、ダイスケの方が大柄だったこともあり、負けてしまいます。ダイスケはRXを呼んでみろとまで言いますが、当然、来るわけがありません。それを盾にとってさらに茂を罵倒して立ち去るのですが、茂は仮面ライダーBLACK RX南光太郎である事をきちんと知っていますし、既に(戦闘能力はありませんが心は)戦士となっているので、意見は変わりません。ただ三郎と健吾はそうではないようです。でも茂の心は変わりません。この場面は後の伏線になっています。だから外せませんね。簡潔に書きましたが。

クライシスユーゲント

さてジャーク将軍自らというのはウソですが(実際、名前通りにマスクをしているので素顔は全く映りません)、グレートマスクは当然クライシス帝国の刺客(繰り返しますが本当はこんな表現ではありませんが私はこう言いたくなります)です。その真の目的は子供達のヒーローを倒して自分が子供達のヒーローとなり、自分のファンクラブともいうべきクライシスユーゲントを作ること。これはおそらくナチスが作ったヒトラーユーゲントが元ネタでしょう。ただ、それ以上の事はよく知りません(桂歌春談)。それは兎に角、自分の親派をあっという間に作ってしまうのです。沢田勝(小沢一善)まで倒されたため、ダイスケもいつの間にかヒトラーユーゲントの仲間入り。とりようによっては洗脳までされた場面まで出てきます。一応、クライシス帝国の皆さんの作戦は巧みかつ壮大ですが、今までも…

まあそれと前後しますが、茂はグレートマスクが怪しいことにいち早く気づき、白鳥玲子もグレートマスクについての情報をある程度知っていたこともあって南光太郎に彼の事を話し、南光太郎も彼の素性を怪しむと言う流れになっています。これも巧みな構成です。本当にそう思いましたよ。なお茂はこんなことまで言っています。

茂「(クライシスユーゲントの皆さんをテレビで観て)アキオだ。」

アキオはタマモトのファンだったと思います。グレートマスクはありとあらゆるスポーツ選手を倒して(?)そのファンを仲間に取り込んでいるのもわかります。結構大規模ですねえ。

ただ次に映る場面でゲドリアンが作戦の指揮を執っているのがわかるので、どうしても嫌な予感がしてしまいます。散々観てきたので。まあマリバロンでもボスガンでも観てきましたけどね。ジャーク将軍も自ら出動していること(というのはウソですが)もあってか作戦に自信を持っている様子。そんな私の考えを見抜いた(ウソ)男が当然いました。

ダスマダー大佐「私は査察官だ。将軍、作戦が順調なら言う事はない。順調ならな。」

やはり言う事は言ってますねえ。で結果は私の思った通りに最終的にはなりますが、それなりに難しいことは確かです。

沢田勝

さて外せないのが沢田勝(小沢一善)です。彼はやはりグレートマスクに敗れてしまいますが、仮面ライダーBLACK RXと本当に色々あった後で会い、こう頼まれます。思いっきり端折りましたけど、ここだけは外せません。

沢田勝「(チャンピオンベルトを投げ捨てようとしたのでしょうが、それを止められて)君は?」

仮面ライダーBLACK RX仮面ライダーBLACK RX。」

沢田勝「仮面ライダー!?」

そりゃ驚きますよねえ。南光太郎ではなく変身した姿のままで頼むのです。

仮面ライダーBLACK RX「沢田さん。あなたはヒーローです。子供達の夢なんです。このベルトはその証。違いますか?」

ここである程度わかると思いますが、この言葉を言うために仮面ライダーBLACK RXの姿でいるのです。

沢田勝「たしかに。たしかに昨日(グレートマスクに敗れた日)まではそうかも知れない。しかし今は違う。俺はあのグレートマスクに敗れてしまった。」

まあそう言うのは仕方がありませんが、即座にRXはこう言います。

仮面ライダーBLACK RX「敗れて当然です。あいつはおそらく人間じゃあ、ありません。」

沢田勝「(驚きつつ振り返ってRXをしっかりみて)人間じゃない?」

仮面ライダーBLACK RX「しかし子供達はおそらくそれを知らない。知らないままファンになり、そして操られているに違いありません。」

沢田勝「なんと言うことを。」

仮面ライダーBLACK RX「たとえ何があろうと子供達の夢を守り希望の光を照らし続ける。それがヒーローの務め。俺はそう思います。」

沢田勝はベルトをしっかり見つめます。この場面の描き方も小笠原猛監督の重要なお仕事。巧みな演出が光りますねえ。

沢田勝「RX!」

仮面ライダーBLACK RXは頷きました。自分のやりたいことが伝わったと確信したのでしょう。握手まで交わします。

グレートマスク敗れる

さて沢田勝とグレートマスクは再戦することになりました。こんなやりとりがあるとは当然知らないのでグレートマスクユーゲントの皆さんを引き連れて入場。なぜか茂も含めた3人組もグレートマスクユーゲントの皆さんの中に入っていて、白鳥玲子も現場にしっかりいますが、これはもちろん、南光太郎の指図もあっての行動。でもグレートマスク(その前に正体を見せてしまいますが、私の興味はそこにはありませんのでカット)は迂闊にもわかっていません。そして沢田勝と戦うのですが今度はボコボコにやられ

茂「RX、RXパンチだ!」

え! と思う間もなくパンチが何発も繰り出されて

ダイスケ「沢田がグレートマスクをやっつけた。」

となり

茂「グレートマスク、汚えぞ。」

セリフだけ並べてますけど既にグレートマスクの敗戦は決まったようなものなのがわかりますよねえ。仕方なくグレートマスクはクライシス帝国の刺客としての姿を表し、さらには沢田勝の体からバイオライダーが飛び出て、と言うことはバイオライダーが沢田勝の体を乗っ取っていたわけですが

バイオライダー「正体を表したな、グレートマスク。やはりお前達の仕業か。」

茂はそこまで聞かされていたわけではなかったようですが

茂「(振り返って玲子を見てから)やっぱり。(また前を向き)やっぱりライダーか。」

なんか卑怯な感じもしますがバイオライダーはちゃんと説明してくれます。

バイオライダー「人間の細胞と合体する。本来なら許されないことだ。だが沢田さんは承知してくれた。子供達の夢と希望を踏み躙るクライシスを倒すためなら。」

沢田勝「バケモノめ、何がヒーローだ。」

もう後の流れはわかりますよね。そう、あんたの思った通りだよ、師岡さん(中村主水談)。すみません。結局、採石場の場面は描きません。(多分)岡元次郎さんをはじめとする(当時の)JACの皆さん、本当にすみません。でも(多分)岡元次郎さんの見せてくれたお芝居は一応描けたと思います。リングでライダーとクライシス帝国の刺客が戦う場面は仮面ライダーがサタンマスクもといピラザウルスと戦う場面をも思い出してしまいますが、今回はリングに止まらずに採石場でも戦いが進みますが最終的にはいつもの如くライドルホイップもといレーザーブレードもといリボルケインでブッ刺して戦いは終わります。最後にダイスケのこのセリフを載せておきましょう。

ダイスケ「RX、RX、本当にいたんだねえ。」

最初と最後でセリフも態度も真逆になっているのが重要ですね。さて残念ながらダイスケを演じた方が誰かは特定しきれませんでした。一応、当たりはついてますけど、ウソになるかも知れませんので載せません。なお最後は白鳥玲子が元(だよね?)クライシスユーゲントの皆さんを採石場まで連れてきておしまいです。当然、あのかなりの実力を持った若造が何か言ったに違いありませんが描く必要などないでしょう。それも納得の話でした。

おわりに

やはり時間がかかってしまいました。次回はやっと「光太郎の力強い味方が帰ってきた」話です。思わず市川森一帰ってきたウルトラマンで加藤隊長に「ウルトラマンが帰ってきた」と言わせたことを思い出しましたが、実は市川森一仮面ライダーに共作ながら脚本を書いているんですよ。ただ彼が当初の予定通りに仮面ライダー上原正三とともに本格参加したらあそこまでヒットしたかは微妙かも知れないなあとは思いますが、それ以上のことはよく知りません(桂歌春談)。

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