ローカル路線バス乗り継ぎの旅Zで上尾駅を通っていたことに気がついて

結構、ネタというか記事は書けるものなんですねえ。上尾市がロケ地になっている番組がいくつかあることは取り上げましたが、今回取り上げるのはひたすら路線バスを乗り継いで移動する「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」の後継番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」です。詳細はこちらに載っていますが、特に断らない限り、ここから引用します。なおテレビ東京系列で放送されたのでテレビ東京を観られる私は問題なく視聴できましたが、全国放送されたかどうかは微妙な感じです。でもBSテレ東でたまに再放送されますので注意すれば観られるかもしれません。

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この番組も変遷がありますが「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」第2弾で凶悪なフォーマットが決まってしまいました。この時のレギュラーは太川陽介さんと蛭子能収さんでゲスト(このシリーズではマドンナと呼称)は相本久美子さんでした。それについては後述しましょう。

さて路線バスを乗り継いで目的地を目指すという趣旨は第1弾から変わりがないのですが、当然、路線バスがない区間も出てきます。第1弾「にっぽん列島横断 ローカルバス乗り継ぎの旅」では路線バスがない区間はタクシーを使ってもよかったそうなんです。なので、横浜駅(神奈川県)→氷見駅(富山県)という移動は成功しました。マドンナは中島史恵さんでした。この番組は好評で視聴率も12.7%を記録したため、第2弾が制作されました。

ところが第2弾「東海道 人情ふれあい珍道中 ローカル路線バス乗り継ぎの旅」のマドンナ相本久美子さんが、こんな恐ろしいことを言い出しました。タクシーを使うのは卑怯ではないか、歩くべきだろう、と。おそらく深く考えないでおっしゃったと思うのですが、乗り継ぐノウハウなど当時はなかったのでしょう、当然の事ながら、東京都 日本橋 → 京都 三条大橋は失敗。ところが、この番組は更に好評で視聴率は15.3%を記録してしまいました。なので、この無謀なルールが定着してしまったのです。

というわけで第3弾以降が制作されました。太川陽介さんは地図を観ながらバスの車中でルートを検討したりとしっかり者なのですが、蛭子能収さんは好き勝手に行動するというのも功を奏したのでしょう。気がつけば第25弾まで制作されたのですが、よく考えればお二人ともそれなりにお年を召していますから、限界が近づいてきました。当然、後任が必要になりますが白羽の矢が立ったのは田中要次さんと羽田圭介さんでした。試しにこの2人で制作してみたら成功したので、じゃあ、この2人にしよう、ということで制作されたのが「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」だったのです。「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」は惜しまれつつ終了したと言い切れます。最高視聴率は調べた範囲では15.3%で最低視聴率は8.4%のようだからです。外す時は外してますけど好評だったのは間違い無いでしょう。

さて「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」は結局第19弾までで制作されて打ち切られてしまいました。このように言い切れるのは理由がありますが、それは長くなるのでおいといて、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」では2回も埼玉県上尾市を通っています。それを挙げましょう。

まず「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z 第2弾 山梨富士山~栃木那須岳!ふれあい珍道中」で上尾市を通っています。マドンナは舟山久美子さんでしたが、旅は失敗。視聴率は7.4%にとどまりました。おや、暗雲が立ち込めてきましたねえ。実はこれから示す旅程を観ればある程度わかるのですが、この組み合わせだとグダグダな感じを受けてしまうのです。全てを載せる必要はないので、上尾市を通った日の旅程の一部を載せましょう。旅程は制作当時のものですが、幸い、現存しているようです。

二日目
川越駅】 - (東武バス川越06) - 【上尾駅
三日目
上尾駅東口】 - (けんちゃんバス7系統) - 【蓮田駅西口】 - (朝日自動車) - 【下大崎】 - (徒歩約1.5km) - 【台】 - (朝日自動車白01) - 【上町】 - (朝日自動車) - 【菖蒲車庫】 - (徒歩約4.5km) - 【根古屋】 - (朝日自動車) - 【加須駅 

悪戦苦闘したことがわかりますね。これを観て、私の記憶が間違っていたことも分かりましたが、と同時に私がこの番組を観た当時、何故上尾駅に出たのかなあと思い、その後のグダグダぶりも見えてしまったのも事実です。実際、そうでしたので視聴率が低くなったのもそれが影響していたのでしょう。以後、視聴率は低迷します。

次に、第13弾となる「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z 埼玉大宮→富山黒部!失敗すればクビ決定!」を観てみましょう。マドンナは東ちづるさん。「失敗すればクビ決定!」というのが着いているのは2回連続で失敗した上に第11弾での視聴率が5.2%だったことも影響しているのでしょう。この時の旅程を載せておきましょう。これまた制作当時のものです。

一日目
【大宮駅東口】 - (東武バスウエスト大51系統) - 【上尾駅東口/上尾駅西口】 - (東武バスウエスト06系統) - 【中原町】 - (東武バスウエスト05系統) - 神明町車庫】 - (東武バスウエスト川03線) - 【鴻巣駅東口/鴻巣駅西口】 - (川越観光自動車HM13系統) - 【東松山駅東松山駅東口】 - (国際十王交通KM11系統) - 【熊谷駅北口】 - (国際十王交通KM22系統) - 【深谷駅深谷駅北口】 - (深谷市コミュニティバス「くるリン」北部定期便) - 【渋沢栄一記念館】 - (徒歩約7.6km) - 【本庄駅北口】 - (国際十王交通伊勢崎駅 - 本庄駅北口線) - 【伊勢崎駅

太字にしているのは私が「あーあ」と思った区間です。私は埼玉県上尾市民ですが路線バスにも興味はあるので時間がある時に乗ったりするのですが、田中要次羽田圭介は要所要所で遠回りしているのです。例えば「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z 第2弾 山梨富士山~栃木那須岳!ふれあい珍道中」は上尾市を通る必要はなく、このようにいけるのです。

川越駅】 - 【鴻巣駅】- 【加須駅

あんなに大回りする必要はなかったのです。私はそれを知っていたので「あーあ」と思いました。「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z 埼玉大宮→富山黒部!失敗すればクビ決定!」でもそういうことは言えますね。こんな感じで行けたはずです。もちろん、乗り継ぎの問題はありますが。

【大宮駅西口】 - 【川越グリーンパーク】 - 【本川越駅】- 【東松山駅

大回りしすぎだと言いたくなるのがわかるでしょう。いずれも埼玉県上尾市を通る必要などなかったのです。いや、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z 埼玉大宮→富山黒部!失敗すればクビ決定!」でも若干大回りになりますが、埼玉県上尾市を通ったとしてもこんなルートが取れたかもしれませんね。

【大宮駅西口】 - 【平方】 - 【本川越駅】- 【東松山駅

私が「あーあ」と思った理由がわかるでしょう。私の地元でさえこんな感じですから、他にも田中要次さんと羽田圭介さんは大事なところでミスを冒したのでしょう。太川陽介さんでもやらかすかもしれませんが、でも太川さんの真摯な取り組みを見た上で田中要次さんと羽田圭介さんの旅を観てしまうと「イマイチかなあ」と私が思ってしまったのもまた事実。いずれもわかる範囲での数値でしかありませんが、最高視聴率が9.1%で最低視聴率が5.2%だということからもわかる通り、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」は「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ほどの人気を得られたとは言いがたく、制作者が打ち切ってしまったと私は言い切れます。

というわけで埼玉県上尾市を舞台にする必要はないのに埼玉県上尾市が舞台になってしまった微妙な番組、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」を取り上げました。ヒット番組を真似するだけではダメなんでしょうねえ。それはこの記事に書いたことからも言い切れます。難しい問題ですねえ。