はじめに
この記事では第36話「真赤な猛進撃! 動く要塞無敵戦艦」を紹介します。脚本は上原正三、監督は田口勝彦です。
黒十字軍、イーグルロケット研究所を襲撃
ここはイーグルロケット研究所。明日香と大岩が警護をしておりました。
イーグル隊員「あ、大岩さん。特製のカレー、届いてますよ。」
そして岡持からカレーを取り出し
大岩「これはボリュームがあるばい。」
それをみて
明日香「大ちゃん、俺、一回りしてくるよ。」
というわけで明日香はその場から離れました。ところが
大岩「お休みなさい。」
なんと大岩は眠気を催してしまいました。その瞬間にゾルダー出現。
軍艦仮面（声：渡部猛）「ロケットエンジンの設計図をもらいたい。」
研究室の面々は大野剣友会の人達のようです。新堀和男さんの姿が見えます。
中村文弥さん「バカを言え。いっ中年かけて完成させた設計図なんだぞ。」
新堀和男さんがシェルターのドアを開け、中村文弥さんが設計図を抱えてその中に隠れましたが、他の所員は全員撃ち殺されました。ドアの前に陣取り
新堀和男さん「渡さん。渡さん。」
軍艦仮面「ええい、どけ。」
軍艦仮面は錨のようなものが着いた杖で新堀和男さんを倒してしまいました。そしてシェルターの中には中村文弥さんが倒れていました。何故倒れているのかはさっぱりわかりませんが、軍艦仮面は難なく設計図の入手に成功しました。
軍艦仮面、YTCに苦しむ
その頃、外では
明日香「大ちゃん、大ちゃん。」
大岩「眠いんじゃ。」
明日香は大岩を叩き起こしました。
明日香「大ちゃん、黒十字軍が潜入したらしい。」
大岩「え!」
見ると軍艦仮面がジープに乗って中から出てきます。
大岩「明日香」
明日香「大ちゃん、行くぞ。」
大岩「あいな。」
と言うわけで転換。これは大失態ですな。
キ「頭がフラフラする。」
ミド「ミドメラン」
ところが効きません。
軍艦仮面「くらえ。」
軍艦仮面は顔が軍艦になっています。顔の軍艦から砲撃しました。ミドレンジャーはゾルダーと戦い
ミド「早く本部に連絡を。」
キはいつもの通信機ではなく
キ「そうじゃ。YTCで連絡じゃ。」
ところが調子が悪く、キは調整するためダイヤルを回しました。
軍艦仮面「んわー。く、苦しい。」
途端に苦しむ軍艦仮面。キは怪訝な顔です。
キ「どうしたことじゃ。」
その様子をアジトのモニターテレビで鉄人仮面も見ていましたが、モニターテレビも映らなくなりました。こう言う場面を見る度に毎回思うのですが、カメラはどこにしかけてあるのでしょうねえ。
鉄人仮面「どうした。」
ゾルダーが調整するとYTCをいじるキレンジャーが映りました。
鉄人仮面「YTC。コンドラー戦闘爆撃隊、軍艦仮面救出に出撃せよ。」
鉄人仮面は全ての事情を察し、こう命じました。コンドラーは軍艦仮面をつかまえ
軍艦仮面「助かった。」
飛び去るのでした。
鉄人仮面、作戦を授ける
当然、ゴレンジャーは設計図を取り返そうと必死の捜索を続けます。さてアジトでは、軍艦仮面の電波検査をしておりました。しかし、これと言った異常は見つかりませんでした。
軍艦仮面「しかし、さっきは頭をかきむしられるような思いがしましたが。」
鉄人仮面「キレンジャーのYTCだ。調節の途中で特殊な電波を発したらしい。」
軍艦仮面「どうする、おつもりで?」
鉄人仮面の答えは
鉄人仮面「大岩大太は無類のお人好しときている。そこをうまく利用するんだ。」
大岩、若い娘を助ける
奪われたロケットエンジンの設計図でロケットエンジンを作ると1万トンもの物体を宇宙に運ぶ事が可能です。当然、黒十字軍は悪用する事でしょう。ゴレンジャーの捜索でも手がかりはありません。その時、総司令は大岩が戻ってきていないことに気づきました。
その頃、大岩は設計図を奪われた責任を感じ、海岸で悩んでおりました。
大岩「カレーを食ったばっかりにとんでもないことになってしもうた。」
そして海に向かって叫びます。
大岩「大岩大太の馬鹿野郎。軍艦仮面、出てこーい。正々堂々と勝負しんしゃい。」
すると崖の上に一人の女性が立っているのが見えました。そして女は飛び降りました。
大岩「身投げじゃ。」
慌てて駆け寄る大岩。そして飛び込み、波間に浮かぶ女を助けました。女は目を覚まし、辺りを見回しました。
大岩「誰かに追われとるんかのう。」
女の答えは
女「なぜ助けたんですか?」
大岩「なぜ助けたって?」
女「死なせて。死なせてください。」
海の中に入ろうとする女を大岩は必死に止めました。
大岩「待ちんしゃい。親からもらったたった一つの命じゃなかとかね。粗末にしちゃいかんばい。」
女「どいて。殺されるわ。」
大岩「誰にじゃ。」
女は黙ったままです。そこへゾルダー登場。
ゾルダー「この娘をよこせ。」
大岩は応戦。
女「助けてえ。」
大岩はゾルダーから女を救出することに成功しました。
今回のなぞなぞ
大岩は女をスナックゴンへ連れてきました。
大岩「いや、滅相もない、滅相もない。あやさんじゃ。黒十字軍に追われてるのを助けたんじゃ。みんな紹介するけん。こっちにいるのが海城どんに新命どんにペギーに明日香に陽子ちゃんに太郎君じゃ。」
余談ですが太郎はペギーと明日香の間に座っていました。
大岩「ちょっと、新命どん、どきんしゃい、どきんしゃい。あやさんをかけさせるんじゃから。」
そしてあやを座らせ
大岩「そしてどん尻にこのマスターじゃ。マスターのカレーはうまかとよ。はい、陽子ちゃん、カレーじゃ、カレーじゃ。」
呆れた007は
007「調子いいんだから、もう。」
大岩「今日はとってもきれいだよ。」
と大岩が007の機嫌をとるためにお世辞を言った瞬間に
ゴン「へ、へ、へ、へ。大盛りカレー。」
慌てて
大岩「おーい、こら、こら、こら。いつも小盛りでしょ。」
ですが
ゴン「大盛りカレー。」
大岩は誤魔化すために
大岩「太郎君、ぱあっとなぞなぞでもいかんか。」
太郎「じゃあさ、首を捻るとパカッと口を開いて人間を飲み込むおばけ、なあんだ。」
大岩にはわかりません。
大岩「なんじゃらほい。あやさん、わかるかのう。」
あやは無言です。
大岩「なんじゃらほい。」
答えは
太郎「ドアだよ。開けば人間を飲み込む。」
大岩「なるほど。」
この様子をみてマスターは苦い顔をしながら海城に目配せしました。
ペギー「大ちゃん。」
ゴレンジャー全員、ゴレンジャールームに集合です。
大岩以外の5人、あやの素性を怪しむ
大岩以外全員、あやの素性を怪しんでいました。
海城「決めつけているわけじゃないさ。ただお前は一度信じ込むと周囲の状況が見えなくなるタチだからな。」
これには新命も同意。
新命「赤面仮面の時もそうだったなあ。」
大岩「いや、あやさんに限ってそんな事はなか。あの人の目はきれいじゃ。心の美しか証拠たい。」
ここで総司令は話題を変えました。
総司令「あの娘は黒十字軍に襲われたと言ったなあ。」
大岩「はい。浜でも襲われました。」
総司令「という事は、あの娘は黒十字軍の秘密を握っているということだ。そいつを探り出せ。」
大岩「わかりました。あやさんが本当の被害者か、敵のスパイかはっきりさせろということですね。」
総司令「そうだ。」
大岩「はい。あやさんの潔白を証明してみせますたい。」
大岩、あやを信じ、あやが目撃したという黒十字軍のアジトへ向かう
大岩はあやが目撃したという黒十字軍のアジトのある場所へ向かいました。ロケ地は横須賀のようです。戦艦三笠の中にアジトがあるというのです。
大岩「おどんが調べてくる。」
大岩はゾルダーの襲撃を受けました。
大岩「やっぱりあやさんの言うとおりじゃったなあ。」
軍艦仮面「待て。来たな、大岩。」
大岩は転換。
キ「ロケットエンジンの設計図を返せ。」
そう言われて返すわけがありません。
軍艦仮面「あの設計図は黒十字軍の戦力に大いに役立っておる。」
キ「何を抜かす。」
キレンジャーは戦闘を続けましたが
軍艦仮面「待て。抵抗するとあの娘の命がないぞ。」
なんといつの間にかあやは人質に取られていました。なんと手回しの良いことでしょうか。
キ「おのれ。」
軍艦仮面「死刑にしろ。」
ゾルダーがあやに銃を向けました。
キ「待ってくれ。おどんが身代わりになるばい。その代わりあやさんは逃してくんしゃい。お頼み申す。」
それを聞き
軍艦仮面「よーし、娘を放してやれ。」
あやはあっさり解放されました。
ここでCMに突入です。
キレンジャー、軍艦仮面にアイマスクを焼かれる
軍艦仮面はキレンジャーを拘束し、さらにアイマスクを焼きました。
軍艦仮面「これでキレンジャーの目は使い物にならんわい。」
そこへ鉄人仮面とあやが入ってきました。
軍艦仮面「動く要塞作戦、すぐにでも実行できます。」
鉄人仮面「気の毒に。サイボーグQの名演技にしてやられたか。キレンジャー、バカめ。サイボーグQ、第二作戦だ。」
あやの正体は黒十字軍のサイボーグQでした。それにしても悪の組織の人はなぜ作戦内容をペラペラ喋ってしまうのでしょうねえ。
ゴレンジャー、キレンジャー救出に向かう
あやからの連絡を受け、ゴレンジャーはキレンジャー救出の作戦を練りました。陸からは海城と明日香とペギー、空からは新命が行きます。そしてキは磔にされておりました。軍艦仮面はアカ達を砲撃。バリブルーンがやってきましたが
軍艦仮面「よーし、見てろ。動く要塞、発進せよ。」
あの戦艦が宙を飛びます。
鉄人仮面「高速前進。」
バリブルーンを空飛ぶ戦艦が迎え撃ちます。戦艦はバリブルーンを砲撃します。
新命「これでは着陸できない。バリネット発射。スイッチオン。」
バリブルーンは機首からバリネット、要するに網を発射。磔にされたキレンジャーを十字架ごと釣り上げ、救出に成功するのでした。
空飛ぶ戦艦、大暴れ
空飛ぶ戦艦には黒十字総統自らが乗り込み、イーグル基地を破壊して周りました。流れる映像はいつものものです。
黒十字総統「もっとやれ。もっとやれ。」
鉄人仮面「よーし、次の基地だ。旋回。」
黒十字総統「まさに無人の野を行くが如し。進め。破壊しろ。」
この様子をみて総司令は気づきました。
総司令「わかったぞ。YTCだ。キのYTCが邪魔だったんだ。だから目を狙ったに違いない。」
大岩、病室でサイボーグQと対峙する
大岩の病室にあやことサイボーグQがやってきました。
大岩「もうお芝居はやめんしゃい。あやさん、いや、サイボーグQ。」
大岩には鉄人仮面の言葉をしっかり聞いていたのです。耳は聞こえていたのです。
大岩「寂しかったんよ。」
正体がバレていたと悟ったサイボーグQは大岩に襲いかかりましたが大岩は逆に撃退。逃げるサイボーグQを大岩が追いかけました。そしてサイボーグQは逆に大岩に倒されました。
サイボーグQ「殺して。」
大岩「黒十字軍から抜け出したらどうじゃい。今なら出直せる。みずきあやとしてのう。」
サイボーグQ「これをみて。」
サイボーグQは機械の体を見せました。
サイボーグQ「私は改造人間よ。」
とそこへ軍艦仮面軍団登場。サイボーグQは砲撃を受け
サイボーグQ「ごめんなさい。さあ。」
サイボーグQはあのロケットエンジンの設計図を大岩に渡しました。
大岩「あやさん、あんた、心の優しい人たい。」
サイボーグQは倒れてしまいました。
軍艦仮面「貴様も始末してやる。」
大岩「もう、許せん。GO!」
大岩は転換。
名乗り
軍艦仮面「さあ、かかれ。ん!」
見ると、いつの間にか、アカ、アオ、モモ、ミドに取り囲まれています。
というわけで順番に名乗ります。
そして今回も一人ずつジャンプします。
アカレンジャー「トイヤー」
アオレンジャー「トイヤー」
ミドレンジャー「トイヤー」
キレンジャー「トイヤー」
モモレンジャー「トイヤー」
そして左からモモ、ミド、キ、アオ、アカの順に着地して並び
アカレンジャー「5人揃って」
全員「ゴレンジャー」
流れるエンディングのメロオケ。
軍艦仮面「かかれ。」
戦闘開始
キ「あやさんが。」
5人はサイボーグQのところに駆け寄りました。
キ「あやさん。あやさん。」
そこへ軍艦仮面の砲撃が。
アカ「キレンジャー、お前はここに残れ。」
と言うわけで他の4人は戦闘開始。
軍艦仮面「おのれ。」
軍艦仮面はキレンジャーと一騎打ちです。
アカ「キ、YTCだ。奴はお前のYTCを恐れている。」
と言うわけで
キ「あいな。そうか。それで目ば狙ったんか。よーし、YTCじゃ。」
キはYTCを取り出しました。
キ「YTC光線!」
念のために書いておきますが、YTCは無線機です。閑話休題。
軍艦仮面「YTCなど怖かないわい。」
キ「YTCも効かなか。」
キはサイボーグQのところへ投げ飛ばされてしまいました。
キ「あやさん。」
するとサイボーグQは目を開き、こう言いました。
サイボーグQ「Y、T、C。」
キ「YTC?」
軍艦仮面「二人とも死ねえ。」
軍艦仮面の砲撃が続く中
サイボーグQ「超低周波0.033メガサイクル。」
キ「あやさん。そうか。超低周波0.033メガサイクルじゃのう。」
これを聞いたキレンジャーはYTCのダイヤルをセットし
キ「YTC超低周波光線!」
途端に苦しむ軍艦仮面。念のためにまた書いておきますが、YTCは無線機です。
軍艦仮面「やめろ。やめろ。」
ゴレンジャーストーム
アカ「モモ、ゴレンジャーストームだ。」
モモ「OK!」
アカ「行くぞ。」
モモ以外の4人が散りました
モモ「ゴレンジャーストーム。いいわね、行くわよ。キー。」
キ「任せんしゃい。アオ。」
アオ「オーライ! ミド。」
ミド「OK! アカ。」
アカ「トイヤー! フィニッシュ!」
こうして軍艦仮面は絶命。
空飛ぶ戦艦、破壊される
ですがまだ空飛ぶ戦艦が残っています。
鉄人仮面「攻撃。」
すると
キ「YTC超低周波光線。」
なんと空飛ぶ軍艦も打撃を受けました。
鉄人仮面「総統閣下、避難なさってください。」
鉄人仮面と黒十字総統はコンドラーで脱出。空飛ぶ戦艦も爆発するのでした。
おわりに
今回はキレンジャー主役編。カレーに一服盛られていると言うのは珍しいです。そして大岩大太の心優しい性格も描かれています。さらにYTCも大活躍。まあ空飛ぶ戦艦まで破壊してしまったのは、やりすぎのような気もしますがね。
次回はついにゴレンジャーが黒十字総統と直接戦いますよ、一応。
