「秘密戦隊ゴレンジャー」第27話「黄色い物体Q! ゴレンジャー基地SOS」

はじめに

この記事では第27話「黄色い物体Q! ゴレンジャー基地SOS」を紹介します。脚本は上原正三、監督は折田至です。

秘密兵器Q

黒十字軍に潜入したイーグル諜報員0010(演:斉藤真)からの情報で鉄人仮面テムジン将軍が秘密兵器Qを特注したとの情報が入りました。ペギーと明日香は受け渡し場所である空港で待ち伏せホンダエアポートでしょうか、ロケ地は。連絡を受け、アカ、アオ、キがトラックを追跡しました。アオはブルーマシンを運転しながら、ブルーチェリーでトラックを止めることに成功。秘密兵器Qの強奪に成功しました。

ゴレンジャーはイーグルの秘密基地に秘密兵器Qを運び込み、分析を試みましまた。科学班のメンバーは大野剣友会の湯川泰男さんのような気がします。閑話休題。箱は透視カメラで透視もできず、切断もできません。特殊金属でできているようです。

新命「うん。物体Qか。」

007、0010と接触

そのころ、007は0010からの呼び出しを受けていました。0010の話によれば、鉄人仮面が物体Qの奪還を計画しているようです。

0010「どっか安全な場所に移した方がいい。何しろ、黒十字軍の戦略を左右すると言われるほどの新型レーザー銃が入っているらしいんだ。」

鉄人仮面、物体Qの奪還に乗り出す

007が0010から得た情報をゴレンジャーに伝えている最中に

新命「おいでなさったぜ。」

海城の判断で大岩と007は物体Qを安全な場所へ運び出す事になり、残りの4人はやってきた鉄人仮面と応戦しました。

鉄人仮面「物体Qを奪い返せ。」

アカ「鉄人仮面、貴様の勝手にはさせんぞ。」

鉄人仮面「なに!」

というわけで暫く戦闘が続きますが

ゾルダー「物体Qが見当たりません。」

鉄人仮面「なに! 今に必ず奪い返してみせる。」

こうして鉄人仮面は引き揚げて行きました。

物体Q、ゴレンジャールームに運び込まれる

一方、大岩から連絡を受けた総司令は

総司令「よし。ゴレンジャー基地へ運べ。」

大岩「なるほどのう。ゴレンジャー基地なら奴らも手出しはできんばい。じゃあ、早速そうしますたい。」

007「ゴレンジャー基地なら安心ね。」

大岩「うん。バッチリじゃ。さあ、行くばい。」

これが罠だとは、この時、ゴレンジャーのメンバーは誰も気が付いていませんでした。

鉄人仮面「動き出したぞ。」

0010「予定通り、ゴレンジャー基地へ運ばれるでしょう。」

鉄人仮面「この作戦が成功した暁にはお前を情報局の将校に取り立ててやるぞ。」

0010「幸せに存じます。」

0010はダブルスパイだったのです。

鉄人仮面「あと2時間で鉄の爪は目覚める。」

鉄の爪仮面、ゴレンジャールームで大暴れ

こうして物体Qはゴレンジャールームに運び込まれました。開け方は誰にもわかりません。

大岩「よし、開け、開け、開け、開け。」

と冗談を言うや否や、周りが暗くなりました。

新命「ただのカプセルじゃないな。」

新命、気づくのが遅すぎました。中から手が伸び、カプセルを突き破って登場したのは

鉄の爪仮面(声:増岡弘)「ゴレンジャー基地か、ここは。」

総司令「何者だ。」

鉄の爪仮面「黒十字軍の鉄の爪仮面だ。」

余談ですが、声は日輪仮面の人。降格人事ですな(違います)。

海城「鉄の爪仮面。」

鉄の爪仮面「左様。私の使命はゴレンジャー基地の破壊だ。」

新命「しまった。まんまと奴らの戦略にはまってしまったな。」

007「0010、裏切ったのね。」

鉄の爪仮面「もう悔やんでも遅い。皆殺しにしてやるぞ。」

と言うや否や、暴れ始めました。

海城「007、総司令を。」

それも007の任務でしたね、そういえば。5人は応戦しましたがかなうわけもなく、転換。鉄の爪仮面はグリーンマシンやブルーマシン、そしてレッドマシンを破壊。

キ「恐ろしか力のある奴たい。」

鉄の爪仮面「格納庫はどこだ。」

アオ「バリブルーンを壊されてたまるか!」

またアオのバリブルーンへの倒錯した愛が語られました。総司令と007は逃げ、残りの5人がしんがりとなります。ですが鉄の爪仮面は強敵です。ついに

モモ「行くわよ。」

おいおい。いくら非常時だからと言ってイヤリング爆弾を基地内で使用するのは危険すぎやしませんか…と言う瑣末な疑問はなんのその。鉄の爪仮面にはそれさえも通用しませんでした。

鉄の爪仮面「ワシのパワーは無限だ。どんな鋼鉄でもぶち破いてやる。」

この絶体絶命のピンチに

総司令「格納庫まで退却しろ。守りを固めるんだ。」

と言うわけで全員、バリブルーンの格納庫へ退避。扉を閉めて防御にかかりました。鉄の爪仮面は当然追いかけてきます。そして扉を破壊しにかかります。

アカ「なんて奴だ。まるで恐竜だ。」

キ「おいどんの怪力も通じんけんのう。」

総司令は決断しました。

総司令「アオ、バリブルーンスタンバイ。いざという時は脱出しろ。」

アオ「わかりました。」

絶体絶命のピンチ。ゴレンジャールームは全滅するのでしょうか。とここでCM挿入です。

鉄の爪仮面、突如、動きを止める

CM明けて尚も扉の破壊にかかる鉄の爪仮面。

総司令「問題はどうやって倒すかだ。生かして出すわけにはいかん。」

遂に鉄の爪仮面は扉を破壊し、格納庫に突入しました。当然、ここでも大暴れ。アオ以外の4人を物ともせず、バリブルーンに近づきます。キレンジャーの頭突きも返され、キレンジャーは壁にぶつかりました。この時、壁についた蛍光灯が変な雑音を出し始めました。突如苦しむ鉄の爪仮面。

キ「奴はどうしたんじゃい。」

鉄の爪仮面はゴレンジャールームへ撤退しました。追えと命じる総司令。アオもバリブルーンから降りて追跡を始めます。

キ「どこへ逃げよったんじゃい。」

苦しむ鉄の爪仮面はレッドマシンの陰に隠れ、鉄人仮面への通信を開始しました。

鉄の爪仮面「テムジン様。蛍光灯のノイズで戦えません。」

なんと、鉄の爪仮面は蛍光灯の雑音に弱かったのです。

鉄人仮面「何! ノイズが発生して戦えぬ!」

悔しがる鉄人仮面。なんと言う誤算でしょう。0010に何か命じました。

総司令、苦慮

一方、格納庫では。

アカ「鉄の爪仮面が見当たりません。」

総司令「うむ。困ったことになったなあ。逃げられたとすれば基地の所在がわかってしまう。」

アカ「許せんのは0010だ。奴は二重スパイだった。」

この時、アカは007の不在に気がつきました。

007、0010に太郎を人質にとられる

その頃、007は0010を呼び出し、彼に拳銃を向けていました。

007「二重スパイは許せないわ。」

ところが0010もそれは想定内でした。落ち着き払って、こう言いました。

0010「撃てるのか、俺を。」

007「卑怯者。あなたのためにゴレンジャールームは目茶目茶よ。」

0010「バリブルーンの格納庫はまだ無事なはずだ。」

007「どうしてそれを?」

0010「どうだ、俺と組む気はないか? イーグルより待遇は数倍良いぞ。」

007は発砲。0010はそれをかわし

0010「ゴレンジャールームに接触不良の蛍光灯があるはずだ。それを新しいのと替えるだけで良い。金は欲しいだけやる。」

007は答えの代わりに発砲しましたが、0010はそれをもかわしました。

0010「これをみろ。」

なんとゾルダーに太郎が捕まっています。

0010「YesかNoか、これをみて考えろ。」

形勢逆転。しかし太郎は言います。

太郎「お姉ちゃん、悪い奴の言いなりになっては行けないよ。」

007はうなずきました。ダメ押しに

太郎「ダメだよ、姉ちゃん。」

007、0010から得た情報をゴレンジャーに伝える

007は格納庫に戻ってきました。総司令に呼び止められ、キが蛍光灯を取り替えようとしたその時

007「それを取っちゃダメ。」

キ「どうして行かんのじゃ。」

007「そのランプを交換したら、鉄の爪仮面が飛び込んでくるわよ。」

総司令「どう言うことだ?」

アカ、アオ、モモ、ミドも007の周りに集まりました。

007「鉄の爪仮面はこのランプから発する雑音が嫌いなんです。だから入ってこれないんです。まだこの基地の中にいます。」

アカは全ての事情を察しました。

アカ「0010に脅迫されたな。交換してこいって。」

モモ「太郎君を人質に取られているのね。」

あの第12話を思い出す展開ですなあ。007はうなずきました。

アカ「よく言ってくれた。」

キ「許せんばい、0010め。」

これを受け

総司令「ミド、007と行って太郎君を救出しろ。残りは鉄の爪退治だ。」

名乗り

さてゴレンジャーは音叉のついた音波発生装置を用意。そしてキはあの蛍光灯を外しました。罠とも気づかず

鉄の爪仮面「ん、不快音波が消えたぞ。よーし。」

で格納庫に入った途端

モモ「不快音波発信。」

まともに食らった鉄の爪仮面は苦しみゴレンジャーマシンの格納庫に逆戻りです。そしてそこで捕まり、バリブルーンで実験場に運び出されました。ですが実験場には鉄人仮面が先回りしていました。鉄人仮面は杖で不快音波発生装置を叩き落とし

鉄人仮面「大丈夫か、鉄の爪仮面。」

鉄の爪仮面「不快音波さえなければもう大丈夫。こいつらを捻り潰してやります。」

鉄人仮面「4人なら手を焼くこともあるまい。存分にやれ。」

と言うや否や、ミドメランが鉄人仮面に飛んできました。

ミドレンジャー「ここにもいるぞ。」

鉄人仮面「やれ。」

 

そして名乗ります。

アカレンジャーアカレンジャー

アオレンジャーアオレンジャー

キレンジャーキレンジャー

ミドレンジャーミドレンジャー

モモレンジャーモモレンジャー

 

そしてまた一人ずつジャンプします…と思ったら

アカレンジャー「トイヤー」

モモとキが横向きにジャンプ

モモとアオ「トイヤー」

あれ? 声が合っておりませんぞ。

今度はミドとアオがXの字型にジャンプするのは良いのですが

キレンジャー「トイヤー」

これまた声が合っておりません。編集ミスですな。

 

そして左からアカ、アオ、キ、ミド、モモの順に並んでいるのをモモの横から映し

アカレンジャー「5人揃って」

全員「ゴレンジャー」

流れるエンディング。

鉄の爪仮面「こい、ゴレンジャー。」

鉄人仮面は撤退しました。

戦闘開始

と言うわけで暫く戦います。モモレンジャーがイヤリング爆弾を投げつけようとした時、ゾルダーがモモに抱きつきました。

モモ「なにすんの。」

ゾルダーを振り払ってから

モモ「行くわよ。」

イヤリング爆弾が炸裂。

一方、鉄の爪仮面はアオレンジャーのブルーチェリーもものともしません。

キ「よーし、YTC。」

久しぶりにYTCが出ましたよ。キはYTCで不快音波を出しました。これには鉄の爪仮面も敵いません(さっきの音波発生装置はいらなかったのではと言う気もしますが)。

キ「どうじゃい。おいどんの言うことを聞かんかい。どうじゃ、どうじゃ。」

とその時

鉄人仮面「YTCを捨てろ。」

0010も一緒です。太郎は人質にされたままだったのです。007とミドはなにをしていたのですか? 太郎に拳銃を向ける0010。しかし、銃弾一発。0010は射殺されました。射殺したのはもちろん

007「太郎。」

この隙にアカがジャンプし、太郎を奪還しました。

ゴレンジャーストーム・ニューパワー作戦

アカ「モモ、ゴレンジャーストーム・ニューパワー作戦だ。」

モモ「OK! 」

何ですか、その「ニューパワー作戦」と言うのは。唐突に出てきた印象は否めません。まあこれには訳があると思います。私の考えは後で述べましょう。閑話休題

鉄の爪仮面「行くぞ、ゴレンジャー。」

アカ「行くぞ。」

散る4人。

モモ「ゴレンジャーストーム・モグラ。いいわね、行くわよ。キー。」

キ「任せんしゃい。ミド。」

ミド「OK! アオ。」

アオ「オーライ! アカ。」

アカ「トイヤー。フィニッシュ。」

するとトゲトゲボールは地に潜り、地中を進みました。この時は特に変形したわけではありませんでしたが、そのまま鉄の爪仮面のところに近づき、顔を出しました。おや。モグラに変形していますよ。

鉄の爪仮面「なんだ、このモグラ。」

鉄の爪仮面がモグラを思い切り踏みつけた途端に大爆発。こうして鉄の爪仮面は倒されました。

今回のなぞなぞ

太郎は無事でした。

キ「太郎君、なぞなぞはどうじゃい。」

太郎「うん。」

そういえば今回は未だ出てきていませんでしたね。

キ「じゃあ、スイッチをつけてもすぐにはつかないものはなんじゃい。」

太郎はキレンジャーの頭を撫でて

太郎「キレンジャーの頭。」

思わず「正解」と言いたくなりますが、答えは

キ「違うばい。蛍光灯じゃよ。」

太郎「キレンジャーだって少し鈍いと思うけど。」

太郎がキレンジャーの頭を叩くとキレンジャーはそのままひっくり返ってしまいました。

キ「いやあ、参った、参った。」

アジトにて

黒十字総統「またしても失敗したか。」

このセリフ、何回言ったのでしょうねえ。

鉄人仮面「はい。蛍光灯一本のために。」

最後のナレーション

大平透「ついに出た、ゴレンジャーストーム・ニューパワー作戦のために不死身の鉄の爪仮面も粉砕された。黒十字軍は次にどんな手段で攻めてくるのであろうか。5つの力を一つに集め、世界を守れ、ゴレンジャー。」

007はレッドマシンにアカと二人乗り。太郎はキレンジャーとブルーマシンのサイド部に乗っています。当然、グリーンマシンにはミドとモモが乗っています。いつの間に直したのでしょうねえ(棒)。

おわりに

今回から技斗担当が岡田勝さんに代わりました。池田力也さんは高橋一俊さんの殺陣に大きな変更を加えませんでしたが、岡田さんは名乗りのジャンプの場面を変更したり、戦闘中に遊びの場面を入れたりと変更を加えました。ですが、ジャンプの場面の変更は成功したとは言い難く、何回か使用した後は元の一人ずつのジャンプに戻ってしまいます。

 

そして今回からゴレンジャーストーム・ニューパワー作戦が登場します。ただ唐突に登場した感じは否めません。続く第28話はニューパワー作戦を始めると言う話になっているので、おそらく脚本の執筆順は第28話の方が先だったのではないかと思われます。ただ話のインパクトはゴレンジャールームが破壊されまくる第27話の方が強いのは否めず、その関係で放送順を変えたのではないかと私は思っています。

 

さてお話の方は007が実質的な主役。第12話と同じように太郎が人質に取られる展開ですが、007も太郎も成長したのか、今回は007は裏切りません。上原正三は第12話をきちんとチェックしていたのでしょうね。