はじめに
この記事では第24話「青い怒り! 強烈ミドメラン大逆襲」を紹介します。脚本は上原正三、監督は田口勝彦です。
ペギーと明日香、機密文書運搬の任務につく
さてここはイーグルの秘密基地。ペギーと明日香がいます。
参謀「この中にゴレンジャー基地に至るオイルパイプラインの位置が暗号で記されています。これは極めて重要な機密カードです。」
ペギー「ご心配には及びませんわ。」
明日香「この銀板が。」
明日香は転換し、ミドメランを取り出しました。ミドメランの中にはカードを格納することができ、ミドレンジャーは銀板をミドメランに格納し、ミドメランを自分のアイマスクに戻しました。
参謀「なるほど。如何な黒十字軍と言えども指一本触れることはできませんな。江戸川総司令にお渡し下さい。」
明日香、挑発に乗り、機密文書を奪われる
ところが、ペギーと明日香を待ち伏せしていた者がいました。
明日香「黒十字軍。」
カミソリ仮面(声:和田周)「そうだとも。カミソリ仮面だ。お前達ゴレンジャーを倒す事を生きがいにしている男よ。」
明日香は立ち上がりましたが
ペギー「待ちなさい、明日香。ね、挑発に乗っちゃダメ。私達の任務は秘密カードを無事に総司令に届ける事よ。ね、この場はひとまず。」
ペギーの言う通りなので明日香はグリーンマシンを発進させましたが
カミソリ仮面「逃げるのか、腰抜けども。腰抜けめ。」
これを聞いた明日香はグリーンマシンを止めてしまいました。
ペギー「行くのよ、明日香。ほっときなさい。」
ですが
カミソリ仮面「仲間が5人揃わなければ戦えんと言うのか。それともデートの途中なんで邪魔されたくないのかな。え、坊や。」
この挑発に怒った明日香は
明日香「なんだと。」
グリーンマシンから降りてしまいました。
ペギー「明日香!」
そこへ
カミソリ仮面「ソリー」
カミソリ仮面は額についたカミソリ(左右に2つついています)を明日香に投げつけました。これに怒った明日香はペギーの制止も虚しくカミソリ仮面軍団に向かって走りだしてしまいました。あーあ。この短慮が後に大きな失敗へと繋がります。しばらく戦った後、明日香は転換。ペギーもしばらく戦った後、仕方なく転換。モモレンジャーはカミソリ仮面と戦います。明確には語られていませんが、自分が囮になってミドを逃がそうとしたのでしょう。でもカミソリ仮面は一人で敵う相手ではありませんでした。これを見たミドレンジャーはミドメランを取り出しました! ですが
ミド「ミドメランには機密カードが隠されている。むやみに使うわけには行かないんだ。」
思いとどまりま…と思ったら、モモがカミソリ仮面にしこたま杖で叩かれています。ちなみに杖にはビッグカミソリがついていて、後で活躍するので覚えておきましょうね。閑話休題。今度はミドがカミソリ仮面と応戦。あーあ。モモの努力も水泡に帰しました。なんとかモモが復帰し、カミソリ仮面にイヤリング爆弾を浴びせますが効きません。
カミソリ仮面「女のくせに図に乗りよって。」
カミソリ仮面は戦闘だけではなく口も達者です。そしてついに
ミド「ミドメラン。」
あーあ。ついに使ってしまいました。ですが、それも虚しくミドメランはビッグカミソリで叩き折られてしまいました。当然、銀板も外に飛び出てしまいました。
ミド「しまった。」
その後も戦うミドレンジャーでしたがカミソリ仮面には敵わず崖から落とされて気絶してしまいました。仕方なくモモレンジャーはグリーンマシンにミドを乗せて撤退するのでした。
カミソリ仮面「口ほどにもない奴らだ。」
高笑いするカミソリ仮面。そこへ
鉄人仮面「待て。ゴレンジャーを甘く見るなよ。5人揃えばそこ知れぬ力を発揮するのがゴレンジャーだ。」
自分も3回も痛い目に遭っていますからね。
カミソリ仮面「早く5人と立ち会ってみたいものです。」
この時、鉄人仮面は銀板が落ちていることに気がつきました。つまり、黒十字軍はこの時点までペギーと明日香の任務を察知していなかったのです。
今回のなぞなぞ
さてここはスナックゴン。相変わらずカレーを食べる大岩に。
太郎「ねえねえ、大岩さん。かける時かけないで、かけない時かけるものな〜んだ?」
大岩「かける時かけないで、かけない時かけるもの。なんじゃらほい?」
そこへ電話が。マスターも007もいないようですね。大岩が電話に(勝手に)出ました。
大岩「はいはい、ゴンでごわすばい。え、カレー大盛で3杯。なに? 大盛じゃなくて並? ダメじゃ、ダメじゃ。大盛で3杯にしんしゃい。それくらい食べなくちゃ男じゃなかとよ。もしもし。」
電話は切れてしまいました。営業妨害ですね、明らかに。と言うか、ゴンは出前もやっていたんですね。閑話休題。大岩は閃きました。電話を手に持ち
大岩「ああ、わかった。さっきの答えはこれじゃろ。」
太郎「御名答。」
大岩「なるほど。なるほど。」
そこへ緊急指令が。
総司令「大岩大太、すぐ来い。」
大岩「はいはい。」
営業妨害が発覚したのでしょうか? もちろん、違います。
大岩「もったいなか。」
ゴレンジャー、銀板を探しに出動
大岩がゴレンジャールームに駆けつけるとペギーと明日香が痛々しい姿で座っていました。明日香の頭に包帯が巻かれていたり、ペギーは腕を釣ったりしています。
大岩「あ、どぎゃんしたとね、ペギーと明日香は。」
大岩は呑気ですね。
ペギー「申し訳ございません。私がついていながら。」
明日香「ペギーに責任はないんだ。喧嘩を買ったのは、この俺だ。」
それに対して二人とも深刻な表情です。まあ大失態ですからね。
海城「ミドメランを割られた時に弾き飛んだに違いない。」
新命「今行けば、探し出す事もできるかも知れない。敵の手に渡っていなければな。」
と言うわけで
総司令「何としても探しだせ。もし敵の手に渡ったのなら、奪い返すんだ。」
出動しようとする5人。ゴレンジャーマシンに乗り込みます。
海城「大丈夫か、明日香。」
明日香「これぐらい傷のうちにはいりませんよ。カミソリ仮面め。」
そこへ総司令が釘を刺しにきました。
総司令「おい待て。落し物を探しに行くんだ。カミソリ仮面と戦いに行くんじゃないぞ。わかったな。」
似たようなセリフ、第5話にもありましたね。
大岩、カミソリ仮面に無精髭を剃られる
現場にゴレンジャーの面々が到着。大岩が銀板を探しているとカミソリ仮面登場。額についたカミソリ2つで大岩は首を固定されてしまいました。
大岩「お主じゃな。カミソリ仮面とか言う床屋みたいな奴は。」
カミソリ仮面「首に刃物を挟まれ動じないとは流石ゴレンジャー1愚鈍な大岩大太だ。」
大岩「なんじゃと!」
カミソリ仮面「質問に答えろ。こんなところで何をしている。」
大岩「キャンプをはろうと思って下調べをしとったんじゃい。」
大岩もゴレンジャーに選ばれるだけあって出任せも上手です。
カミソリ仮面「これを探していたんじゃないのか?」
カミソリ仮面はあの銀板を取り出しました。流石の大岩も驚きましたが
大岩「そんなもんは知らん!」
これに騙されるカミソリ仮面ではありません。
カミソリ仮面「正直に言え。これはなんだ。」
ここで大岩がドアップに。無精髭が目立ちます。
大岩「 知らんとよ。ただの銀板じゃなかとか、名刺大の。」
カミソリ仮面「やれ。」
ゾルダーは大岩を抑えつけ、身動きできないようにしました。大岩が抑え込まれている岩の上に立っている太めのゾルダーは今回の技斗を担当した池田力也さんのような気がします。閑話休題。ゾルダーは大岩のヘルメットを外し、頭を抑えつけました。さてここからギャグにはいりますよ。大真面目に演じているのが笑えます。
カミソリ仮面「無精髭が生えておるなあ。」
大岩「そうかの。」
なんとカミソリ仮面はビッグカミソリで大岩の唇辺りを剃りました。
大岩「痛か。」
ここでCMが入りCMが明けると
大岩「もうどこでも剃ればよかとよ。ばってん、もう少し剃れるようにしてくんしゃい。」
カミソリ仮面「これは失礼。」
するとゾルダーが大きな砥石を持ってきて、カミソリ仮面はビッグカミソリを研ぎ始めました。芸が細かいですね、上原正三は。
大岩「でかかあ。」
そして研ぎ終わった後、また大岩の無精髭をカミソリ仮面は剃りました。ゾルダーが手鏡を取り出し、大岩に剃り具合を見せました。
カミソリ仮面「どうだ。」
大岩「ん! うーん。なかなか良い男になったばい。結構、結構。」
カミソリ仮面「呆れ果てた男だ。」
これ、大真面目に演じているのですよ。だから笑えるのです。
明日香、カミソリ仮面を相手にまた焦って戦い、また敗れる
とこの時、手鏡に明日香の姿が写りました。
明日香「大ちゃん。」
大岩「明日香。」
カミソリ仮面「かかれ。」
と言うわけで明日香とカミソリ仮面軍団の戦闘開始。大岩は救出しなくて良いのですか? 明日香は転換し、ミドメランを放ちましたが、今度はビッグカミソリの柄にミドメランが捕らえられ、
カミソリ仮面「ビッグカミソリ返し。」
ミドメランを返されたのが当たってしまい、ミドは川の中に落ちてしまいました。高笑いするカミソリ仮面。
鉄人仮面「待て。仲間が来る。引け。」
カミソリ仮面「しかし、ゴレンジャーを倒す絶好のチャンス。」
鉄人仮面「それより大事な仕事がある。引け。」
カミソリ仮面「は。」
鉄人仮面は銀板が重要なものであることを見抜いていたため、撤退を命じたのでした。
鉄人仮面、銀板を解析
銀板を探し回るアカとアオを盗み見て
鉄人仮面「ゴレンジャーめ、この銀板がよほど大事と見えるなあ。スイッチを入れろ。」
放送当時のコンピュータですから真空管が写ります。解析した結果、銀板に文字が浮かび上がりました(原理不明)。
カミソリ仮面「お、なんだこれは。」
鉄人仮面「暗号を特殊な文字や図形に変えるサイファー法が使われている。これを諜報部に回し、解読させろ。」
で解読結果は
鉄人仮面「おお、これはすごい。ゴレンジャー基地への給油パイプラインが記されている。」
カミソリ仮面「給油パイプライン。」
鉄人仮面「このラインを断てばゴレンジャー基地は麻痺状態になる。イーグル殲滅の口火を切るのにもってこいの標的だ。」
と言うわけで、まーたいつもの映像が流れまくり、パイプラインが破壊されまくりました。
明日香、残される
責任を感じる明日香。それを慰める大岩とペギー。総司令は黒十字軍のミサイル基地攻撃を決断しますが
総司令「おい、ミドは残れ。」
明日香「行かせてください。」
総司令「ダメだ。」
明日香以外の全員、バリブルーンに乗り込み、発進。
明日香「総司令、行かせてください。どうしてもカミソリ仮面を倒したいんだ。」
総司令はなだめます。
総司令「落ち着け、ミド。血気にはやれば技は固く小さくなる。相手はミドメランを真っ二つにするほどの技の持ち主だ。このままぶつかれば結果は同じ事になりはしないか? どうだ、ミド。」
明日香は総司令の真意に気がつきました。
明日香「ミドメランに工夫を加える必要があるんだ。」
ミドはミドメランに改良を加え始めました。
ペギー「ミド、きっと黒十字軍を叩き潰してみせるわ。」
名乗り
バリブルーンはミサイル基地の殲滅に成功。(ミド以外の)全員、基地に乗り込みます。コンピュータールームには時限爆弾が設置されており、ゴレンジャーは脱出しました。高笑いするカミソリ仮面。すると、アカ、アオ、キ、モモが登場。カミソリ仮面の周りを取り囲んでいます。遅れてグリーンマシンでミドも登場。
そしてまた一人ずつジャンプします。
アカレンジャー「トイヤー」
アオレンジャー「トイヤー」
ミドレンジャー「トイヤー」
ミドがジャンプしているのに、なぜかここでモモの声になっています。
モモレンジャー「トイヤー」
キレンジャー「トイヤー」
キがジャンプしているのに、なぜかここでミドの声になっています。
明らかに編集ミスですね。
そして左からアカ、アオ、キ、ミド、モモの順に並んでいるのをアカの横から映し
アカレンジャー「5人揃って」
全員「ゴレンジャー」
流れるオープニングのメロオケ。
カミソリ仮面「えーい、かかれ。」
戦闘開始
しばらく戦いますが、ゾルダーは全員倒されました。
カミソリ仮面「どこからでもかかってこい、小僧。」
ミド「俺に任せてくれ。」
なぜかミドレンジャーはグリーンマシンに乗り込み、発進させました。顔がアップになるカミソリ仮面。額についたカミソリが光り輝いています。
ミド「あのビッグカミソリを封じなくては勝てない。」
なんか映像とセリフが合っていないような気がしますが、それは置いといて
カミソリ仮面「来い。」
ミド「サイドカー切り離し。」
切り離すことができたんですね、グリーンマシンのサイドカーは。そして空高くグリーンマシンはジャンプします。そしてミドレンジャーはミドメランを放ちました。カミソリ仮面はミドメランをビッグカミソリで叩き割った…と思ったら、ミドメランは二つになってミドレンジャーのところへ戻ってきました。
ミド「スーパーミドメラン。」
そのままミドレンジャーは両手に持った「スーパーミドメラン」を投げつけました。ビッグカミソリを叩き落とされたカミソリ仮面は額のカミソリを抜いて応戦しましたが、「スーパーミドメラン」はさらに分裂。これにはカミソリ仮面も太刀打ちできませんでした。これを見かねた鉄人仮面は
鉄人仮面「おのれ。」
自ら戦いにうって出ました。しばらくアカやアオと戦った後
カミソリ仮面「テムジン将軍、私一人で十分です。私にお任せください。」
鉄人仮面「よーし、任せる。」
鉄人仮面は引き上げました。形勢不利になるとスタコラサッサと逃げていった日輪仮面とは大違いです。
ゴレンジャーストーム
アカ「ゴレンジャーストームだ。」
モモ「OK! 」
散る4人。
モモ「ゴレンジャーストーム。いいわね、行くわよ。キー。」
キ「任せんしゃい。ミド。」
ミド「OK! アオ。」
アオ「オーライ! アカ。」
アカ「トイヤー。フィニッシュ。」
こうしてカミソリ仮面は倒されました。
ミド「総司令、カミソリ仮面を倒しました。」
総司令「そうか。よかったな、ミド。」
ミド「総司令のおかげです。」
総司令は微笑むのでした。
次の仮面怪人は
黒十字総統「うーん。またやられおったか。」
鉄人仮面「は。カミソリ仮面は意地を貫き倒れました。八ツ目仮面、ご挨拶」
八ツ目仮面(声:細井雅男)「ははあ。」
おわりに
今回の見所はカミソリ仮面の挑発に乗って失敗する明日香健二ことミドレンジャーの成長の筈なのですが、大岩の無精髭をカミソリ仮面が剃る場面が強烈すぎて、そっちの印象がどうしても私には強くなってしまいます。あと、鉄人仮面の強さも相変わらずで部下からの信頼も強いです。自ら戦いに乗り出しても「私一人で十分です」と言われて撤退します。形勢不利と見るやさっさと逃げていた日輪仮面とは大違いで、ゴレンジャーにとって手強い相手となったのも頷けます。
さて技斗担当がこれまでの高橋一俊さんではなくて池田力也さんになっています。これは高橋一俊さんが大野剣友会の代表の大野幸太郎と対立し、脱退するという事件が起きてしまったためです。で殺陣師として高橋一俊さんに次ぐ立場にあった岡田勝さんは当時は「仮面ライダーストロンガー」を担当していたため調整に手間取ったのでしょう。なのでゴレンジャーのチームにいた池田力也さんが暫定的に技斗を担当しています。でこの話も前回に続いて3話持ちで制作されたので、池田力也さんが3話分の技斗を担当したというわけです。既に殺陣は固まっていたので大きく変更してはおらず、今までのものをほぼ踏襲しています。