「秘密戦隊ゴレンジャー」第31話「黒い挑戦状! 怒れ五つの正義の星」
はじめに
この記事では第31話「黒い挑戦状! 怒れ五つの正義の星」を紹介します。脚本は平山公夫、監督は山田稔です。
鉄カン仮面進撃
鉄カン仮面(声:岩名雅記)が進撃を続け、イーグルの基地が破壊されていきます。映像は当然、いつものものです。さてイーグルの隊員、中屋敷哲也さんですかねえ、がバズーカで狙いをつけました。
鉄カン仮面「俺を撃つのか。面白い。さあ、撃ってみろ。どうした。撃て。この胸にドーンと撃ってみろ。」
というわけでイーグルの隊員は一発撃ちましたが
鉄カン仮面「そんなものなど、この俺には通用しない!」
イーグルの隊員は倒れてしまいました。
鉄カン仮面、ゴレンジャーストームを破る
海城達は現場へ急行。
海城「出たな。黒十字軍の化物。」
これにプライドを傷つけられたようです。
鉄カン仮面「化物だと。失礼な。俺にはれっきとした鉄カン仮面という名前があるのだ。」
海城「鉄カン仮面か。」
お返しとばかりに鉄カン仮面はこう言い放ちます。
鉄カン仮面「お前達は5人揃っていやに派手な格好をしているが、ひょっとしてゴレンジャーとかいうアホな連中かな。」
大岩「アホじゃなかとよ。なんじゃらほい、お主こそ、掃除機のホースば、いっぱいくっつけて。威張るんじゃなかとよ。」
鉄カン仮面という名前なのに、確かにそういう顔をしています。これを聞いた鉄カン仮面は
鉄カン仮面「なに! 掃除機のホースだと! うーん。」
というわけで戦闘開始。海城は転換。
鉄カン仮面「なに、アカレンジャーだと!」
以下、ゾルダーと戦いながら
キレンジャー「待て待て待て。キレンジャー。どうじゃい。頭突きじゃい。」
それを聞き
鉄カン仮面「俺が纏めて相手をしてやる。」
鉄カン仮面の杖には掃除機のホースみたいなものが付いています。キレンジャーのメガトン頭突き、ミドメラン、ブルーチェリーなどは効きません。
アカ「よし。モモ、ゴレンジャーストームだ。」
モモ「OK!」
というわけで
アカ「行くぞ!」
散る4人。
モモ「ゴレンジャーストーム。いいわね。行くわよ。キー。」
キ「任せんしゃい。アオ。」
アオ「オーライ! ミド!」
ミド「OK! アカ!」
あれ、普通のゴレンジャーストームですよ。
アカ「トイヤー。フィニッシュ!」
確かに命中して爆発しましたが、鉄カン仮面はピンピンしていました。
鉄カン仮面「ゴレンジャーストームなど痛くも痒くもないわ。」
仕方なく、ゴレンジャーは引き揚げる事にしました。
アジトにて
黒十字総統「鉄カン仮面、総統のワシに何の相談があるのだ?」
おや、鉄人仮面はいません。
鉄カン仮面「実はゴレンジャーの後ろで操る男の事で。」
黒十字総統「江戸川総司令とかいう奴か。どこにいるのだ。」
鉄カン仮面は黒十字軍の秘密諜報員(演:上野山功一)を呼び寄せました。
鉄カン仮面「この黒十字秘密諜報部員の情報では、どうやらスナックゴンのマスターが奴だと言っております。」
黒十字総統「本当か? ワシは信用できんが。」
秘密諜報員「恐れながら私の集めたデータは絶対です。」
なんという事でしょうか。遂に江戸川総司令の正体がばれちゃいましたよ。
鉄カン仮面「自惚れるな。だがそうなら奴を血祭りにあげ、一気にイーグル、そしてゴレンジャーを殲滅するのも一興かと。」
鉄人仮面はどうしたのでしょうか?
マスター、拉致される
さてスナックゴンでは007がカウンターを拭いていました。そこへガスの点検員に扮した諜報員が登場。スナックゴンはガスで御飯を焚いていたんですね。諜報員は炊飯釜のコンロに細工を施し、去って行きました。入れ替わりにマスター登場。お米は007が研いであったようでマスターが炊飯器のガスコンロに火をつけました。途端にガスコンロから怪しげなガスが出ました。
マスター「いかん、毒ガスだ。」
そこへ鉄カン仮面登場。
鉄カン仮面「あばよ。」
マスターを連れ去ってしまいました。
マスター、拷問されるがシラを切り通す
さてここは黒十字軍のアジト。マスターは気がつきました。拷問用の電気椅子に座らされています。
マスター「黒十字軍のアジトだ。」
そこへ
鉄カン仮面「お目覚めかな、江戸川総司令。」
マスターもタヌキです。
マスター「おい、ここはどこだ。」
鉄カン仮面「黒十字軍のアジトだ。」
マスター「黒…十字軍? なんじゃい、そりゃ?」
マスターは知らぬ存ぜぬを突き通すつもりです。
鉄カン仮面「お前は知らないのか。かの有名なる黒十字軍を。」
マスター「知らん!」
鉄カン仮面は怒り、今度は諜報員に相手を命じました。
諜報員「とぼけやがって。」
諜報員は何発もマスターを殴りましたが
マスター「あ、痛い。お前達は人権蹂躙だぞ。警察呼ぶぞ。」
よくそんな言葉が出てきますねえ。
諜報員「なんだと!」
諜報員が胸ぐら掴んだのを止めた鉄カン仮面は
鉄カン仮面「ふん。白を切るのも今のうちだ。スイッチを入れろ。」
電気椅子のスイッチが入れられました。ここでCMへ。
ゴレンジャー、ゴレンジャーストーム・ニューパワー作戦の完成を優先させる
さてゴレンジャーと007は対応策を考えていました。大岩と明日香の意見は総司令を捕まえて一気に攻勢に出たというもの。しかし新命の意見は違っていました。
新命「ゴンのマスターが総司令だという証拠は何一つない。ま、知っているのは我々だけだ。」
ペギー「流石、新命さん。マスターが口をわらない限り、ただのカレーハウスのおじさんというわけね。」
あのう、ペギー。「スナック」ゴンなんですよ、あそこは。
海城「ま、自分が総司令だなんて事は死んでも言わねえよな。」
新命「となれば方法はただ一つ。ゴレンジャーに証言させる事だ。」
ペギー「私達が下手に動くとそれを証明するようなものねえ。」
大岩「そうすっと、総司令ば見殺しにすっとか?」
そんな作戦であるわけがありません。
海城「大丈夫。そう簡単に殺しはしないさ。それより、早くゴレンジャーストーム・ニューパワー作戦を完成させるんだ。」
ペギー「OK!」
海城「奴らは必ず連絡してくる。その時が総司令を救い出す唯一のチャンスだ。」
鉄カン仮面、なおも拷問を続ける
一方、アジトでは。
鉄カン仮面「うーん、しぶとい奴だ。もっと電圧を上げろ。」
マスターは失神。でも何も言いませんでした。
鉄カン仮面「相当に強情な奴だ。何としても吐かせる。水をぶっかけろ。」
諜報員「はい。」
バケツでぶっかけるのかと思ったら薬品を入れるようなデカい瓶に入れた水を諜報員はマスターにぶっかけました。マスターは目をさましました。
鉄カン仮面「さあ、もう一度聞く。貴様は江戸川総司令だな。」
マスターは口から水を噴き出して鉄カン仮面の顔面にぶっかけました。続けて言ったのは
マスター「ゴレンジャーも総司令も何の事やら。俺はカレーハウスゴンのマスターなんだよ。」
繰り返しますが、マスターが営んでいるのは「スナック」ゴンです。鉄カン仮面は興奮。
鉄カン仮面「総司令だと言え。」
マスター「俺には関係ねえよ。」
鉄カン仮面「もう一度スイッチを入れろ。」
電気椅子のスイッチが入れられましたが、マスターはまたも失神してしまいました。
スナックゴンの前に「スナックブラック」のサンドイッチマン現る
さてここはスナックゴンの入口。看板の上には「しばらくやすみます スナックゴン 店主」と書かれた貼紙が貼られています。さっきペギーもマスターも「カレーハウス」と連呼していましたけどね。脚本を書いた人はバカですか? それは置いといて、そこに「スナック ブラック 本日 かいてん」という看板を持ったサンドイッチマンが現れました。もちろん、あの諜報員です。
諜報員「『しばらく休みます』か。」
諜報員は鉄カン仮面に報告を入れ、ゴレンジャーを探し出すよう指令を受けました。例の歩道橋で諜報員はペギーを発見。後をつけました。
ペギー「どうやら私を見つけてくれたようね。」
諜報員は宣伝のチラシ…ならぬ脅迫状を渡しました。その文面は
ペギー「地獄谷へこい」
ゴレンジャー、地獄谷へ行く
そして5人は地獄谷へ急行。
海城「こんなところへ呼び出して何の用だ。」
鉄カン仮面「良いものを見せてやる。連れてこい。」
マスターが諜報員とゾルダーに連れ出されてきました。
マスター「痛えじゃねえか。もっと丁寧に取り扱えよ。」
鉄カン仮面「ゴレンジャー、どうだ、助けたいだろうなあ。」
だが答えは
海城「なんだ、その男は。」
鉄カン仮面「しらばくれやがって。こいつがゴレンジャーのボス江戸川総司令だ。」
海城は大笑い。
海城「江戸川総司令だとよ。知ってるかい?」
大岩「知らん。マスター、そんなところでカレーば作るとね。器用なもんじゃのう。」
それを聞き鉄カン仮面は興奮。ダメ押しとばかりに
マスター「ほら、見ろ。言わねえこっちゃねえや。」
鉄カン仮面「笑えなくしてやるぞ。」
マスター「どうとでも勝手にしやがれ、ホントに。」
諜報員はマスターの喉に刃を突きつけました。
鉄カン仮面「さあ、どちらが先に白状するか。」
大岩「おどもらは関係なかと。」
海城「そう。全然関係ありませんね。」
鉄カン仮面「総司令の命がなくなるぞ。止まれ。」
マスター「ほら。違うんだよ。助けてくれよ。」
鉄カン仮面「止まれ。止まらんか。止まらんと総司令の命がないぞ。」
平然と近づく5人を見て鉄カン仮面に迷いが生じてきました。
鉄カン仮面「もしかしたらこいつは偽者だったのかもしれない。どこの馬の骨かわからん奴を捕まえやがって。」
鉄カン仮面は諜報員を殴りつけ、マスターを解放しました。
海城「よし、今だ。」
海城達は転換。
諜報員「お前のために恥をかいたぞ。」
マスターを刺し殺そうとする諜報員をアオとミドは倒し、マスター、いや、江戸川総司令は救出されました。
アオ「大丈夫ですか?」
マスター「酷い目に遭ったぞ、ホントに。」
鉄カン仮面「おのれ。」
後の祭りです。
名乗り
というわけで名乗ります。
そしてジャンプします。
アカレンジャー「トイヤー。」
アカレンジャーは宙返り。
アオレンジャー「トイヤー」
左から横向きに宙返りするのと同じ画面で
モモレンジャー「トイヤー」
モモも右から横向きにジャンプします。
ミドレンジャー「トイヤー」
ミドレンジャーは左から横向きに宙返り。同じ画面で
キレンジャー「トイヤー」
キは立ったまま、右からジャンプします。
そして左からキ、アオ、アカ、ミド、モモの順に着地して並び
アカレンジャー「5人揃って」
全員「ゴレンジャー」
戦闘開始
鉄カン仮面「うーん、ゴレンジャーめ。」
キ「お主も(自分の頭を指差し)ここが弱か奴じゃの。」
鉄カン仮面「間違いは誰にでもある! こうなったら江戸川でも誰でも構わぬ。ここをゴレンジャーの墓場にしてやるぞ。やれ。」
こうして戦闘開始です。エンディングが流れます。
ミド「イカが海の中で逆立ちしたんだとよ。さて何になる?」
ミド「御名答。」
というやりとりがあった後、鉄カン仮面は杖を空中に投げ、鉄棒みたいにぐるぐる回ります。
キ「お、ウルトラCじゃ。」
鉄カン仮面「モントリオールのオリンピック目指してトレーニング中よ。そら、もう一丁。」
何の意味があるのかは不明です。この後、色々ありまして、鉄カン仮面の杖のホースがキレンジャーの尻にくっつきました。
キ「エッチ!」
鉄カン仮面「尻にでっかい穴を開けてやる。」
キ「お尻がちぎれちゃうばい。」
鉄カン仮面「雷が鳴っても離れるものか。」
ここでアカがレッドビュートを放ち、キにスピードをあげてぐるぐる回るように言いました。アカも一緒に回ります。
鉄カン仮面「目が回る。目が回る。」
キ「いたとよー。」
アカ「キ、大丈夫か?」
キ「アカレンジャー。いたと。」
平山公夫の脚本は前作同様詰めの甘さが目立ちますね。ここは「アカ」と呼ぶのではないでしょうか。マスターも呆れ気味です。
マスター「おい、アオ。奴の弱点はパイプ。」
アオ「今日1日はカレーハウスの親父ですよ。」
マスター「そういうことならしょうがねえなあ。兎に角早くやっつけろ。」
アオ「任してください。」
というわけでアオはミドに命じてミドメランでパイプを切らせました。
ゴレンジャーストーム・ニューパワー作戦
アカ「今だ。アオ、モモ。」
まずアオが
アオ「リール巻き戻しチェリー。」
鉄カン仮面の頭に釣り竿で使うリールのようなものがくっつきました。
鉄カン仮面「おお、なんだこれは。」
アカ「モモ、ゴレンジャーストーム。ニューパワー作戦だ。」
モモ「OK!」
5人が並び
アカ「GO!」
モモ以外の4人が散りました
モモ「ゴレンジャーストーム・リールシュート。いいわね、行くわよ。キー。」
キ「任せんしゃい。ミド。」
ミド「OK! アオ。」
アオ「オーライ! アカ。」
アカ「トイヤー! フィニッシュ!」
原理はさっぱりわかりませんが、トゲトゲボールはリールに巻かれて引き寄せられ、鉄カン仮面の頭にくっつきました。そして離れません。
鉄カン仮面「おお、離れん。助けてくれえ。」
鉄カン仮面は爆発するのでした。鉄人仮面は何をしていたのでしょうか?
おわりに
平山公夫の二作めですが、前作よりはマシになったものの細部の詰めがやはり甘いのは否めません。後、鉄人仮面が全く登場していないことから、もしかしたらかなり前に書かれた脚本なのではないでしょうか。鉄カン仮面のデザインも鉄管というよりは蛇腹のホースがモチーフになっています。
次回は久しぶりに上原正三脚本。北村秀敏監督の演出で、やはり3本持ちです。