清田真妃

さて大野剣友会が技斗を担当していた時代、モモレンジャーは女性がメインで演じていました。2名いましたが、13日目は2人目の清田真妃さんを取り上げましょう。

 

清田さんの正確なプロフィールを私は知りませんが、「秘密戦隊ゴレンジャー」開始時は「仮面ライダーストロンガー」で電波人間タックルの吹き替えを担当していました。電波人間タックルは目や口が露出するデザインのため、変身前の岬ユリ子を演じていた岡田京子さんが主に演じていましたが彼女はアクションが得意ではありませんでした。激しいアクションが必要になる場面は清田さんと栗原良二さんが吹き替えていました。ただ画面を観る限りは清田さんが吹き替えることが多かったようです。「仮面ライダーストロンガー」のオープニングで、西新宿でタックルがアップになる場面は岡田京子さんが演じていますが、日暮里にある京成の赤電が走るのが見える陸橋でブラックサタンの戦闘員相手に戦っている場面は清田さんが吹き替えています。その他、タックルが激しいアクションをしている場面は清田さんが吹き替えていると思って間違い無いでしょう。

 

さて電波人間タックルは第30話でドクターケイトと相打ちになり、「仮面ライダーストロンガー」での清田さんの出番はなくなりました。というわけで、「秘密戦隊ゴレンジャー」の第42話からモモレンジャーを演じる事になりました。前任の内藤みどりさんは第40話で顔出し出演しているのは以前書いた通りです。第40話は第37話と同じ時期に制作され、その後、第38、39、41話の鳥取・島根ロケが3本纏めて制作されています。その間は栗原良二さんや小沢章治と言った男性が演じていたというわけです。

 

秘密戦隊ゴレンジャーの技斗担当がJACに替わったあとは「ザ・カゲスター」でベルスターが影分身した時の吹き替えを行っています。この時はベルスターに分身する早川絵美さんと違って脚が太くてスタッフから「違うよ」と言われたらしいのですが、開き直って演じたそうです。

 

ウルトラマン80」に登場したユリアンも清田さんが演じています。「ウルトラマン80」の殺陣師は若駒冒険グループの車邦秀さんでしたが、彼は大野剣友会からも人を呼んでいました。清田さんはその関係で呼ばれたのでしょう。ウルトラの母は男性が演じていたので、女性がウルトラ戦士を演じたのはこれが初めてのケースになります。

 

その後は「火曜サスペンス劇場」で1987年6月23日に放送された「花嫁シリーズ(4)悪夢の花嫁(悪魔の花嫁…誤り) 長崎オランダ坂に揺れる謎…」の殺陣師として清田さんがクレジットされています。女性の殺陣師は珍しいと思います。残念ながら、このドラマは未見です。余談ですが、脚本を書いたのは上原正三さんの盟友だった市川森一さんです。

 

清田さんのお顔は風塵社から出版された『大野剣友会伝 ヒーローアクションを生んだ達人たち』 (藤川裕也編、岡田勝監修)という本で確認できます。ストロンガーを演じた中屋敷哲也さんと一緒に写っています。今の消息を私は知りませんが、女性でアクションを長く続けた清田真妃さんの演技は今も各作品の映像で観ることができます。

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