はじめに
この記事では第20話「真赤な死闘! 日輪仮面対アカレンジャー」を紹介します。脚本は上原正三、監督は田口勝彦です。
日輪仮面、将軍の椅子に座る事を許されず
日輪仮面「おお、これは立派な椅子だ。さぞ座り心地もよかろうて。」
ところが
ゾルダー「座っては行けません。」
その理由は
ゾルダー「この椅子は日輪仮面様の椅子ではございません。」
日輪仮面はこれを冗談だと思いました。そして
日輪仮面「私以外にこの椅子に座るものがいるとでも言うのか?」
なんと答えは
ゾルダー「は、そう言う事です。」
日輪仮面はこれを聞き、驚きました。
日輪仮面「私の他に一体誰が。」
その脳裏に浮かぶのは、ジープに乗り、親衛隊2名(なぜかマスクなしの素面)をバイクで従える、今まで視聴者が見たこともない仮面怪人でした。
日輪仮面「まさか奴が。」
日輪仮面、進退窮まった事を知る
黒十字総統「そのまさかだよ、日輪仮面。」
日輪仮面の質問に総統閣下はそう答えました。
黒十字総統「モンゴルの鬼と異名をとる鉄人将軍テムジンならゴレンジャーをひねりつぶせると思う。」
遂に黒十字総統は日輪仮面を見限ったのです。
日輪仮面「お待ちください、総統閣下。ゴレンジャーなら私の手で捻り潰してご覧に入れます。」
黒十字総統「お前にやれると言うなら、何もモンゴルから呼ぶ事はない!」
総統閣下は相当お怒りのようです。
黒十字総統「三日のうちに決着をつけろ。」
日輪仮面「三日!?」
黒十字総統「無理とは言わん。」
やむなく
日輪仮面「いえ、三日のうちに奴を血祭りに。」
その言葉を黒十字総統は信じてはいません。
黒十字総統「ゴレンジャーは一筋縄ではいかんぞ、ゴレンジャーは。」
日輪仮面「こっちには一筋、二筋、三筋の縄が用意してあります。」
黒十字総統「三筋の縄か。期待しておるぞ。」
黒十字総統は日輪仮面を信じているのでしょうかねえ。
アカレンジャー、「処刑された」日輪仮面と遭遇
さて日輪仮面の作戦は今までの話からもわかる通り、卑怯なものでした。橋の上で自分に手錠をはめ、ゾルダーに自分を撃たせ、橋から落ちました。日輪仮面は片腕も吹き飛ばされていました。そこに現れた海城はパトロール中でしたが転換し、日輪仮面を助けました。
日輪仮面「殺せ。殺してくれ。」
なんどもそう言う言葉を連呼する日輪仮面でしたが
海城「戦いに敗れた敵に手を下すわけにはいかん。将軍のお前がなぜ?」
一応、疑ってはいたようです。
日輪仮面「戦いに敗れた将軍に残されたのは死だ。私は死にたくない。黒十字軍のやり方にはつくづく愛想が尽きたよ。」
さっき何度も「殺してくれ」と連呼していたのにどの口が言っているのでしょうか?
ゴレンジャールームにて
新命「それはね、その場で始末すべきだったよ、海城。」
まあ結果的には新命の言うことが正しかったとわかるわけですが、海城の意見は、先ほどの通り、傷ついたものを始末するわけにはいかないと言うもので、これにはペギー、大岩、明日香も同意しました。
新命「さあ、皆さん、甘いですな。罠だったらどうするんだ?」
そこへ総司令登場。
総司令「窮鳥懐に入れば猟師もそれを殺さずだ。罠かどうかは偵察隊が戻ればわかる事だ。」
そこへ008と009が戻ってきました。日輪仮面が持っていた地図の通り、黒十字軍のアジトがあったと言うのです。なお、オープニングでは008しかクレジットされていないので、これはクレジッットミスですな。と言うわけで日輪仮面の言う通りではないかとその場の空気はなりかけましたが
新命「さあて、どうかな。」
海城「よーし、わかった。確かめてくる。」
だが総司令の意見は
総司令「その役目はアオ達がやる。アカは日輪仮面から目を離すな。」
総司令もやはり日輪仮面を疑っていたようですね。
新命「じゃあ、行ってくるよ。よし行くぞ。」
大岩「あいな。」
と言うわけでブルーマシンとグリーンマシンで残りの4人は出動しました。
日輪仮面の罠
アオ達は現場に到着。どうも東映生田スタジオそばの公園で撮影したようですな。ゾルダー達が現れ、新命達は転換。アジトの奥へと進みました。ところがこれは罠。モモとミドは部屋に閉じ込められ、毒ガスを浴びせられました。通信も妨害されてできません。同じ頃、アオとキも閉じ込められました。
ゾルダー「うまく行ったぞ。次はイーグル基地攻撃だ。」
でイーグル基地が攻撃されるわけですが、第9話辺りで流れた映像がそのまま流用されているのが笑えます。ジャイアントロボのも混じっているのでしょうね。
海城、罠だと悟る
ゴレンジャールームでは海城が新命達からの応答がないのを不審に思っていました。そしてイーグル基地がミサイル攻撃を受けたと知り
総司令「日輪仮面の仕業だな。」
海城の脳裏に浮かぶのは日輪仮面の高笑い。海城は怒りに燃えるのでした。
海城、出動するも敗れる
CM明けて海城は日輪仮面を匿っている場所へ行きました。
海城「日輪仮面。貴様。」
不敵に笑う日輪仮面。
日輪仮面「どうやら私の勝ちだな。」
日輪仮面は外れていた片腕を海城の目の前で取り付けて元に戻しました。
日輪仮面「ゴレンジャーの首を献上すれば私は黒十字軍の大将軍の地位につける。」
大将軍ってこの頃から設定があったらしいですね。後のゴールデン仮面大将軍みたいなものでしょうか? 閑話休題。
日輪仮面「かかれ。」
海城を襲うゾルダー達。
海城「思い上がるのもいい加減にしろ。貴様の行き先は地獄だ。」
と言うわけで海城は転換。独りでゾルダーや日輪仮面と戦います。最後は日輪仮面との一騎打ちになりましたが日輪仮面が放った日輪ファイヤーの前に一敗地にまみれ、谷底へ転落していきました。日輪仮面は基地へ戻って残りの4人を処刑することにしました。
海城「新命達を死刑にするつもりだ。そうはさせないぞ。そうはさせないぞ。」
なお、最後の「そうはさせないぞ」はエコーが入っています。
今回のなぞなぞ
さて左から順に大岩、新命、ペギー、明日香が柱に縛り付けられています。柱の一番上についているのは黒十字軍のマークです。
ゾルダー「少しでも動いてみろ。上の爆弾が爆発するぞ。」
さてアジトでは
日輪仮面「これより、アカレンジャーを除く4人の死刑を執行いたします。」
黒十字総統「大将軍の椅子が待っておるぞ、日輪仮面。」
で処刑場では
大岩「無念たい。このままやられたくなか。」
新命「落ち着け。アカが助けに来る。」
ペギー「そうよ。」
大岩「なぞなぞばしながらゴンのカレーば食いたいのう。」
そうきましたか、上原正三さん。
明日香「なぞなぞといえば大ちゃん、羽の生えた椅子はなんだか知ってる?」
大岩「羽の生えた椅子のう。なんじゃらほい?」
ペギー「なんじゃらほい。」
新命の反応は
新命「なぞなぞですか。」
答えは
明日香「お答えします。羽の生えた椅子はウグイスです。」
あ、そ。
大岩「ウグイス?」
明日香「そう。」
大岩「は、は、は。なるほどのう。」
大笑いする大岩に
ペギー「大ちゃん、あまり動くとドカンよ。」
大岩「あ、そうじゃったのう。」
本当に緩急自在ですね、上原正三の脚本は。とそこへ
日輪仮面「こんな時に笑えるとは大した度胸だな。ふ、ふ、ふ、ふ、ふ。だがアカレンジャーは私が倒した。助けには来ないぞ。」
驚く一同。
新命「なんだと!? そんなバカな。」
日輪仮面「ついにお前達の最期の時が来たな。死刑執行用意。やれ。」
絶体絶命のピンチ。
アカレンジャー、反撃開始
その時、機銃掃射が。見るとアカレンジャーがレッドマシンに乗って突進します。
大岩「アカじゃ。」
一方、空にはバリブルーンが。操縦しているのはなんと江戸川権八総司令。操縦できたんですね。008と009は助手席に座っています。
総司令「スイッチオン。」
機首から出したのは救助ホース。総司令は008と009をおろし、4人を救助。降ろすこともできたんですね、あのホースは。
新命「あとは俺達に任せろ。」
大岩「総司令殿、ありがとうございます。」
戻ってきた008と009に
総司令「御苦労。」
それで総司令自らが操縦していたと言うわけですか。と言うわけでバリブルーンは帰還しました。
名乗り
今回は変則的です。日輪仮面とアカレンジャーが戦っている最中、
アオレンジャー「ここだ、ここだ。」
と呼びかけます。以下、後ろから順に名乗っていきます。
アカは暫く戦った後、ジャンプして宙返りして着地。
そして一人ずつジャンプします。
アオレンジャー「トイヤー」
キレンジャー「トイヤー」
ミドレンジャー「トイヤー」
モモレンジャー「トイヤー」
アカレンジャー「トイヤー」
そして斜め前からミド、アオ、アカ、キ、モモの順に並び、
アカレンジャー「5人揃って」
全員「ゴレンジャー」
流れるエンディング。
戦闘開始
しばらく戦います。アオレンジャーの中身は中村文弥さんのようです。ついにゾルダーは全員倒されました。
アカ「俺に任せてくれ。」
アオ「アカ、気をつけろよ。」
ここからアカと日輪仮面の一騎打ちが続きますが、最後は日輪仮面の杖が折られ、さらにヤリビュートが刺さりました。
ゴレンジャーストーム
アカ「ゴレンジャーストームだ。GO!」
モモ「OK!」
散る4人。桃色のボールを置きながら
モモ「ゴレンジャーストーム。いいわね、行くわよ。キー。」
キ「任せんしゃい。ミド。」
ミド「OK! アオ。」
アオ「オーライ! アカ。」
アカ「トイヤー。フィニッシュ。」
こうして日輪仮面は倒されました。
鉄人将軍テムジン
黒十字総統「無念。鉄人将軍テムジン将軍、来たれ。」
進軍する鉄人将軍テムジン。まあ先ほどの映像の流用ですが、遂に名乗ります。
鉄人将軍テムジン(声:飯塚昭三)「鉄人将軍テムジンなるぞ。」
ゴレンジャーは未だ彼の存在を知りません。
おわりに
遂に日輪仮面は見切りをつけられました。最後の戦いも彼らしい卑怯な作戦でしたが、ゴレンジャーも後一歩のところまで追い詰められた事からも分かる通り、それなりに能力は高かったと言う事でしょう。ゴレンジャー側も総力戦で江戸川権八総司令自らがバリブルーンを操縦します。まあ007がいれば彼女が操縦したのでしょうが、鹿沼えりさんのスケジュールが確保できなかったのかもしれませんね。なお、009は今回が最後の登場です。
次回からは「鉄人将軍テムジン」こと鉄人仮面テムジン将軍登場。彼が日輪仮面より有能であることは実質的な初出動である次回で即座にわかりますよ。