はじめに
この記事では第19話「青い火花! 海に浮かぶスパイ戦線」を紹介します。脚本は藤川桂介、監督は田口勝彦です。
秘密兵器X
総司令「これがイーグルのスイス本部の開発した秘密兵器Xだ。」
明日香「凄い威力だ。」
総司令「この秘密兵器Xの設計図が盗まれてしまった。」
あのー、ゴレンジャールームに写っているスライドにはしっかり設計図が入っているんですけど、まあそれは置いといて。
総司令「ミスサファイア(香川雪絵)だ。この女が設計図を盗んだ犯人だ。今日、羽田に降り立つとの情報が入った。」
大岩「こげな美しかおなごがそげな恐ろしかことをの。新命どん、信じられるかのう。」
総司令「甘く見ると痛い目にあうぞ。何しろ世界を股にかけて悪の組織に武器を売りあるくしたたか者だ。」
というわけで今回の使命は
海城「そいつが日本に来る目的は黒十字軍との接触。」
新命「黒十字軍ね。」
総司令「うん、おそらくな。秘密兵器Xの設計図を黒十字軍に渡してはならん。絶対に奪い返すのだ。いいな。」
羽田空港にて
というわけで羽田空港にミスサファイアが降り立ち、海城と大岩が接触。無理矢理連れ出そうとしますが、その様子を剣仮面の部下がしっかり観ていました。というわけで
海城「貴様。」
剣仮面(声:飯塚昭三)「黒十字軍の剣仮面。」
というわけでゾルダーとの格闘開始。海城と大岩は転換して戦いましたが、ミスサファイアは剣仮面と一緒に車で立ち去ってしまいました。慌ててアカとキはレッドマシンとグリーンマシンで追跡。グリーンマシンの運転はミド。アカはアオに連絡。あれ。アオはブルーマシンにモモを載せていますよ。車は横浜港(ロケ地は明らかに大井埠頭)を過ぎて行きましたが
ゾルダー(先程のスパイ)「バカなゴレンジャー」
剣仮面「まんまと騙されおって。」
ミスサファイアも一緒です。
さてゴレンジャーは全員が車を追跡していましたが、途中で車が止まり5人が取り囲んだところで
ゾルダー「黒十字軍万歳」
車は自爆してしまいました。
日輪仮面、ミスサファイアと会う
剣仮面「日輪仮面。ミスサファイア。」
おや、剣仮面も日輪仮面に敬語を使っておりません。日輪仮面はミスサファイアを歓待。剣仮面は秘密兵器Xの設計図を要求しますが
ミスサファイア「これはまたせっかちな。万一の事を考えて、ここには持ってきていない。」
敵もさる者引っ掻く者。ミスサファイアは総司令の言う通り、一筋縄で行く相手ではありません。怒る剣仮面をなだめ日輪仮面は取引の日時を尋ねました。答えは
ミスサファイア「明日7時。白浜灯台のそば。100億円は全てキャッシュで頂きます。」
剣仮面「半分は小切手にしろ!」
藤川桂介も芸が細かい。
ミスサファイア「私は現金しか信じない。」
日輪仮面「ん。承知した。100億円、キャッシュで揃えよう。」
ミスサファイア「では明日。」
立ち去るミスサファイアを見ながら
剣仮面「なんて図々しい女だ。」
日輪仮面「ふ、ふ、ふ、ふ、ふ。可愛い女だわ。」
ミスサファイア、白浜に到着
ミスサファイアは房総半島の南海荘と言うホテルに御到着。ここが今回のタイアップ先ですな。ところが、ここには008と009が先回りしておりました。早速盗聴を開始。ミスサファイアが用意していた設計図はなんと手の込んだ偽物でした。それを部下と話すのを録音したテープを009は総司令に届けに行きましたが、出て行く009の姿をしっかりミスサファイアも見ていました。
ミスサファイア「まんまと作戦が図に当たったと言うもんだわ。」
今回のなぞなぞ(出題編)
一方、スナックゴンでは相変わらず大岩がカレーのおかわりを要求しております。カウンターには既に4皿もカレーが空になっています。スプーンを舐める大岩にマスターがカレーの大盛を渡して立ち去り、大岩が食べ始めると
太郎「大岩さんもその調子でなぞなぞができれば良いのにな。」
大岩「うーん、そうじゃのう。うん。」
大岩の口にはご飯粒が付いています。芸が細かいですね。
太郎「ねえ、なかなか歩けない虫ってなんだかわかる?」
カレーの皿には「はやくこい」と書かれていました。
大岩「よし、考えとくばい。総司令がはやくこいと急かしよるけんの。」
ゴレンジャールームにて
大岩「なんか良い情報が入ったとですか?」
総司令「ご飯粒が付いてるよ。」
大岩がご飯粒をとって食べた後、一同は先程009が録音したテープを聞きました。
新命「100億円ねえ。タダで盗んでおいて100億円で売るとは、これはボロい儲けだねえ。ねえ、大ちゃん。」
大岩「うん。世界一良い商売じゃのう。」
総司令「おい、感心している場合じゃないぞ。秘密兵器Xの設計図が黒十字軍の手に渡る前に奪い返すんだ。」
すると
明日香「僕に任せてください。ちょっと大ちゃん。」
何気に明日香が大岩を初めて大ちゃんと呼んだ場面のようです。明日香は入口のそばに大岩を立たせ、やおらミドメランを持ち、投げつけました。慌てる大岩の首には緑色の印が。明日香が方位磁石を取り出し
明日香「ちょっと動いてみて。」
大岩が動くと方位磁石の針も動きました。
大岩「こりゃ不思議じゃのう。」
ペギー「大ちゃんの襟に磁気液が擦り付けられたのよ。だからコンパスが動いたのよ。」
大岩「仕掛けはわかった。ばってん、何に使うんじゃ。」
明日香「それは内緒。」
海城「そいつは明日になったらわかるよ。」
海城は目的がわかったようですね。
ゴレンジャー出動
翌朝。海城、大岩、明日香は出動。
大岩「のう海城どん。歩けない虫ってなんじゃらほい。」
海城の答えが笑えます。
海城「ああ、なんじゃらほいなあ。」
明日香も続きます。
明日香「なんじゃろのう、大ちゃん。」
大岩「冷たかのう、二人とも。」
さて白浜灯台では取引が行われていました。そこにアカ、ミド、キが登場。剣仮面が応戦している間に
ミスサファイア「アデュ」
設計図を渡して現金を受け取ったので車で立ち去ろうとしています。それをミドは逃しません。ミドメランを車にぶつけました。ミスサファイアはそのまま退散。あとは剣仮面との戦いです。まあ大体、話の流れの察しは付いたと思いますが
アカ「アオ、バリブルーンを出動させてくれ。」
と言うわけで
新命「バリブルーン、発進。ゴー。」
ペギーも同乗しています。CM明けてバリブルーンは剣仮面を威嚇。
新命「上がっておいで。」
アカ、キ、ミドはバーディーでバリブルーンに乗り込みました。
キ「のう、アカ。残念じゃのう。」
まだキレンジャーは作戦の内容を察していないようです。
アカ「いや、俺達の使命は秘密兵器Xの設計図を取り返すこと。その追跡をキレンジャーとミドレンジャーにやってもらう。」
日輪仮面、ミスサファイアと対峙す
黒十字軍に偽物を掴ませ、逃げるミスサファイアは部下と一緒に高笑い。ところがその車を遮る者がいました。
ミスサファイア「これは日輪仮面殿。どうなされました。」
日輪仮面「これを返しにな。設計図を焼け。」
ゾルダーはミスサファイアから受け取った設計図のマイクロフィルムを燃やしてしまいました。驚くミスサファイア。
ミスサファイア「どうして設計図を?」
日輪仮面「良いか。この私の目は誤魔化せんぞ。」
日輪仮面はミスサファイアの魂胆を見抜いていたのです。
ミスサファイア「逃げろ。」
慌てて逃げるミスサファイアでしたが日輪仮面に部下は火だるまになってやられました。思わず目を背けるミスサファイア。
日輪仮面「出ろ。」
ミスサファイアは自動車から引きずり出されました。
日輪仮面「本物を渡すか、ここで死ぬか、どちらかを選べ。」
ミスサファイア「流石、日輪仮面ね。黒十字総統の右腕と言われるだけあるわね。」
日輪仮面「おい。設計図はどこだ。」
仕方なくミスサファイアは日輪仮面を車に乗せて走り出しました。それを明日香と大岩がグリーンマシンでしっかり追いかけるのでした。
ミスサファイアの最期
さてここは港のボートの中。
日輪仮面「この中に設計図が確かにあるのだな。」
ところがミスサファイアは日輪仮面を乗せたままボートを発進させました。そして海上で
ミスサファイア「本物など渡すものか。ここで死んでもらうわ。」
ミスサファイアは拳銃を突きつけましたが、いつの間にか忍び込んでいた剣仮面に拳銃を叩き落とされてしまいました。
剣仮面「悪党ぶっても所詮は女よ。策に溺れたな。死ね。」
ミスサファイアは剣仮面に突き刺され、海中に没しました。
日輪仮面「なぜ殺したんだ。まだ本物の設計図のありかを聞き出していない。」
対する剣仮面の答えは
剣仮面「なに。船を岸に着けて探せば見つかる。」
相変わらずタメ口をきいてます。
名乗り
ボートが着岸すると、そこにはアカ、アオ、ミド、キ、モモがいました。剣仮面と日輪仮面は5人に取り囲まれた格好になっています。
そして一人ずつジャンプします。
アカレンジャー「トイヤー」
アオレンジャーは台詞なし。
キレンジャー「トイヤー」
ミドレンジャー「トイヤー」
モモレンジャー「トイヤー」
そして前からモモ、アオ、アカ、ミド、キの順に映りますが、実際は横並びです。
アカレンジャー「5人揃って」
全員「ゴレンジャー」
流れるエンディングのメロオケ。
日輪仮面「ええい。邪魔が入った。」
またも日輪仮面はさっさと退散してしまいました。
今回のなぞなぞ(解答編)
しばらく戦った後、
キ「お主、歩けない虫知ってるかのう。」
ゾルダー「知ってるか、バカ。」
キ「油断大敵じゃのう。お、解けたばい。歩けない虫。」
ゾルダー「なんだ?」
キ「転倒した拍子に思いついたんじゃい。」
キ「わかったかのう。」
なんとのんびりした戦いなんでしょうねえ。
ゴレンジャーストーム
しばらく戦った後
アカ「ゴレンジャーストームだ。」
モモ「OK!」
アカ「GO!」
散る4人。桃色のボールを置きながら
モモ「ゴレンジャーストーム。いいわね、行くわよ。キー。」
キ「任せんしゃい。ミド。」
ミド「OK! アオ。」
アオ「オーライ! アカ。」
アカ「トイヤー。フィニッシュ。」
こうして剣仮面は倒されました。
設計図のありかは?
キは日輪仮面を追わなければ設計図のありかがわからないと言いましたが、アオはその必要はないと言いました。
アオ「あれをみろ。」
アオが指差した先には本物の設計図が浮いていました。ミスサファイアが着けていたスカーフに本物設計図が描かれていたのです。そして海水の塩分に反応して表示されたのです。
アカ「可哀想な女だ。金に目が眩んだばっかりに。」
当然、黒十字総統は激怒。
黒十字総統「スカーフに仕込まれた設計図を見破れなかったのはお前の責任だぞ。」
日輪仮面「は。日輪仮面、命に代えましてもゴレンジャーを倒してみせます。」
次回はどうなるのでしょうねえ。
おわりに
今回の脚本を書いた藤川桂介さんは上原正三さんとはウルトラマンからの付き合いで、「マジンガーZ」などでは高久進さんとも一緒に仕事をしております。その作風は円谷一同様に娯楽に徹した作風で、今回も面白い話を書いています。同時期に制作された「がんばれ!!ロボコン」でも脚本を書いています。ただゴレンジャーの執筆作はこれのみ。もっと見たかったですね、藤川桂介脚本の話を。
さて日輪仮面は進退極まりました。次回は遂に日輪仮面の最期が描かれます。