イナズマンF 第4話「謎の飛行船?宇宙へ!!」を観た

今回はイナズマンF 第4話「謎の飛行船?宇宙へ!!」(脚本:平山公夫、監督:田口勝彦、擬斗:高橋一俊 (C) 東映東映エージェンシー)を取り上げましょう。しかし、時間が取れないので簡略版です。まあ普通の話で娯楽編なので特筆すべき事項は…一応ありますね。

さて冒頭は国際金強盗団の藤本光治(奥野匡)(と岡田征二(武田一彦))、デスパー軍団、そして渡五郎&荒井誠の三つ巴の金争奪戦です。まあ渡五郎達は強奪するわけではありませんが。今回の「挑戦者」はドリルデスパー(声:和久井節緒)。ドリルドリラー(左肩についたドリルを回してブッ刺す)やドリル殺人光線(ただの光線)が武器です。

さてデスパー軍団が金を強奪する理由は

ガイゼル総統「あの50億の金塊だが我々の日本壊滅計画を成功させるための最大の武器となるのだ。忘れてはいまい、ドリルデスパー。」

その武器とは

ガイゼル総統「デスパーが開発した特殊な化合液に金塊を溶かして入れれば液体爆弾が完成できる。ゴールド爆弾の威力を見よ。」

だそうです。科学考証は出鱈目(金は王水にしか溶けませんし、そんな力はありません)ですが、フィクションなので無視しましょう。

でまあ色々ありまして今度は教会が舞台になります。その教会はなんと

ガイゼル総統「梶本め、まんまと金塊を隠したと思っているが、(立ち上がり)馬鹿な人間め。我々のアジトがあの下にあるとは気づかず、所詮人間は新人類にとっては虫ケラ同然。」

なんという御都合主義。まあ一応、デスパー軍団の非情さも描かれてはいますが。渡五郎と荒井誠もこの教会を察知してやってきますが、ドリルデスパーとデスパー兵士が化けた死の花嫁(石原清美、木梚輝香、村松美枝子)はシスター(中真千子)と幼稚園(でしょう)の児童を人質にとり、荒井誠と一緒に気球に乗せてしまいます。

荒井誠「よしよしよし。みんな頑張るんだぞ。イナズマンが必ず助けてくれる。」

荒井誠は「五郎君」を完全に信頼しています。丸目豪作とは大違い。やはり五郎にとっても頼れる相棒です。最終的にライジンゴーでイナズマンは人質の救出に成功します。

ですが、デスパー軍団がこれで黙って見ているわけではありません。

ウデスパー「第二の手は考えてある。」

今度は死の花嫁がイナズマンを地中に引き摺り込んでしまいました。イナズマンが落ちたところは両側から壁が迫るという仕掛けの部屋。

ウデスパー「イナズマン、無駄だ。煎餅にしてやる。」

ところがイナズマンはぜーバーを取り出し赤いレンズを出して

イナズマン「ぜーバー逆転チェースト!」

壁の動きは逆転してイナズマンは危機を脱して、さらに今度はゼーバーのレンズを青いものに取り替えて

イナズマン「ぜーバーテレポーテーション!」

移動した先はなんとウデスパーがゴールド爆弾をミサイルに詰め込んで発射しようとしているところ。なんという御都合主義。慌ててウデスパーはミサイルを発射。それに捕まるイナズマン

ガイゼル総統「イナズマンめ。ゴールド爆弾もろとも大爆発だ。」

なんという楽観主義。高笑いした後

ガイゼル総統「日本壊滅作戦、イナズマンの死を祝して」

なんと一同、シャンパン(だと思います)で乾杯。それで終わるわけがなく

デスパー兵士「ミサイルが方向を変えました。」

それを聞き、ガイゼル総統のシャンパングラスを持つ手が震えました。ミサイルは空中で爆発。最後はドリルデスパーが

イナズマン「ぜーバーイナズマンフラッシュ!」

で倒されたのでした。

カルトな人気を誇る『イナズマンF』ですが、前半はこういうごく普通の特撮番組という感じの作風が続くのです。ただ制作されたのはオイルショックの真っ最中。予算が枯渇し後半は特撮を大幅に減らす事になり、合体ウデスパー(書いちゃった)が倒されてからは人間ドラマ中心の作風に舵を切る事になります。まあ苦肉の策だったと思いますが、大人になった今も見応えのある作品になったのはたしかでしょう。

あと特筆すべきは荒井誠が渡五郎をこの話から「五郎君」と呼ぶようになった事です。上原正三さんもこの話をチェックしていたのか、以後も呼び名は「五郎君」で統一されます。まあ今の作品とは違ってシリーズ構成担当者などいなかったと思いますが、上原正三さんはかつて円谷プロ金城哲夫さんの仕事ぶりを観てますし、『快獣ブースカ』や『ウルトラセブン』で文芸担当として脚本の発注や直しなどを行なっていました。自然と他の脚本家が書いた話も観る習慣がついたのでしょう。そこが『ウルトラマンタロウ』などを(省略)。まあそれは置いといて、加藤貢プロデューサーなども色々仕事をしたのでしょう。ただ『イナズマンF』前半は娯楽編が続くのです。

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