イナズマンF 第5話「DESミサイル大空中戦!!」を観た

今回はイナズマンF 第5話「DESミサイル大空中戦!!」(脚本:高久進、監督:山田稔、擬斗:高橋一俊 (C) 東映東映エージェンシー)を取り上げましょう。今回も普通の話。『イナズマン』の脚本も書いていた高久進さんは上原正三さんとも一緒に仕事をすることが多い方。『ゲッターロボG』、『秘密戦隊ゴレンジャー』、『スパイダーマン』、『バトルフィーバーJ』、『宇宙刑事ギャバン』など枚挙にいとまがありません。また大人向けドラマも多数書いており『キイハンター』、『ザ・ボディーガード』、『Gメン'75』などJAC(→JAE)参加番組とも関わりの深い人です。まあその作風は『キイハンター』や『マジンガーZ』のように良い意味で適当なハッタリかました娯楽作ばかりという感じです。とは言いながら『Gメン'75』の沖縄シリーズは上原正三も後に唸るような出来でした。

とまあ、前置きが長くなりましたが、冒頭は死の商人(川野耕司、広田正光)からデスパー軍団のマシンガンデスパー(声:清川元夢)がDESミサイルを買いつける場面です。DESミサイルを試射する流れとなり、その爆音を渡五郎と荒井誠が察知し、イナズマンとマシンガンデスパーが小競り合い。マシンガンデスパーがDESミサイルを運んで撤退した後、イナズマンはゼーバー黄色いレンズを使って

イナズマン「ゼーバー透視チェースト!(遠視かもしれませんが)」

と叫びましたが

イナズマン「この近くで凄い念力が起こっている。」

と言うことで透視(遠視かもしれませんが)は失敗。さて念力を起こしていたのは誰かというと、ここで場面が変わります。

ロケ地は吉見百穴。戦闘が行なわれた場所からはかなり離れているのではないかと思いますが、それは置いておきましょう。そこに健一(小松陽太郎)と友達がいました。スプーン曲げを披露していました。

お友達「(アナウンサーの口調を真似て)また曲がりました。健一君の超能力は大したものです。」

ところがそれをデスパー軍団が察知。ミュータントは危険だと始末しようとしたウデスパーでしたが、ガイゼル総統はもっと工夫し、健一少年を利用してイナズマンを始末しろと命じます。

さてそうとは気づかぬ健一少年達。

お友達「(アナウンサーの真似して)健一君の超能力はいつ頃からできるようになったのですか?」

とインタビュー。健一少年はテレビ番組(当時は超能力ブームが起きていたのでそういう番組が多かったそうです)を観て真似したらできるようになったそうです。そこへ健一の姉の夏子(牧れい)がやってきました。後にインターポールの秘密捜査官を演じる人です、俳優は。ただ、この話では普通の女性。健一の耳を引っ張って連れ帰ってしまいました。

お友達「(アナウンサーの真似して)健一君の超能力もお姉さんには通じないようです。」

さて健一と夏子は渡五郎と荒井誠と遭遇。渡五郎は超能力を使うのは危険だと警告しますが、健一は聞く耳持ちません。荒井誠もデスパー軍団がミュータントを狙っていると警告しますが

健一「俺は超能力者だぜ。デスパーだかへスパーだか知らねえけど、俺はそんなもん怖くねえやい。」

と言って立ち去ってしまいました。夏子は五郎や荒井誠の言葉を信じるのですが、直後にデスパー軍団に攫われます。姉を探す健一に黒眼鏡の男(守屋俊志)が現れ、

健一「お姉さんを拐ったのは誰だ?」
黒眼鏡の男「渡五郎とその仲間だ。」

と大嘘をこきます。なお前段で明かされてますが、黒眼鏡の男はマシンガンデスパーが化けたものです。これに騙された健一は渡五郎の誘き出しに使われてしまいます。ウデスパーも現れて劣勢となり、最終的には渡五郎は変転もできずに健一と共に捕まってしまいました。その過程で健一も自分が騙されたことをマシンガンデスパー自身から告げられます。そして

マシンガンデスパー「くっそう。ぶっ殺してやる。」

と腰につけたマシンガンを構えるマシンガンデスパーでしたが

ウデスパー「待て。」
マシンガンデスパー「何をするんだ。」

マシンガンデスパーもウデスパーにタメ口聞いてます。やはりウデスパーには人望がないのかもしれませんが

ウデスパー「渡五郎を殺すのはガイゼル総統が決めることだ。お前に勝手な真似はさせない。」

さてCM明けるとデスパー軍団のアジト。

ガイゼル総統「よく来てくれたな、渡五郎。これから最大限の歓迎をしよう。」

その歓迎とは渡五郎の脳改造手術。デスパー軍団の一員にしてしまおうというのです。渡五郎は超能力を使い果たしてしまい、変転することもできません。さて荒井誠はアジトを探し当てました。ロケ地は吉見百穴そばにある旧日本軍の軍事施設跡の洞窟。昔は出入り自由だったのでよく特撮番組のロケに使われましたし、私も中に入ったことがありますが、今は崩落の危険があるので中には入れません。さて手術室で

健一のテレパシー「五郎さん、聞こえるかい。五郎さん、僕にもう一度だけ超能力を使わせてください。五郎さんと一緒に超能力を使えば、もしかしたら。」
渡五郎のテレパシー「よし。やってみよう。」

ちょうどその頃、荒井誠がアジトの電源設備を破壊。手術室も電源が切れ、大混乱。その隙を突き

渡五郎「今だ。」

健一は頷き

渡五郎「剛力! 将来!」

拘束されているので叫んだだけですが渡五郎は変転に成功。サナギマンは反撃を開始し、健一を連れて手術室から脱出。荒井誠とも合流します。サナギマンはマシンガンデスパーの攻撃にも耐え抜き

サナギマン「超力! 将来!」

イナズマンへ変転。荒井誠は健一を連れて一足先に脱出し、イナズマンも脱出。

イナズマン「ゴー! ライジンゴー!」

未だ予算に余裕があったのか、今回もライジンゴーが活躍します。マシンガンデスパーはDESミサイルを撃たせてライジンゴーを攻撃しますが最終的には

イナズマン「ゼーバー逆転チェースト!」

で反転させられた挙句にライジンゴーのフロントというかワニの口みたいなところでDESミサイルを噛みつかれ、DESミサイル発車機に落とされてDESミサイルは破壊され、夏子も荒井誠が救出。最終的には

イナズマン「ゼーバーイナズマンフラッシュ!」

でマシンガンデスパーは倒されたのでした。さてイナズマンと荒井誠はデスパー軍団のアジトを破壊しようとしますが

ガイゼル総統「ウデスパー」
ウデスパー「基地はすぐに破壊します。」

というわけでウデスパーの指令でアジトは破壊されたのでした。さて最後に渡五郎、荒井誠、健一、夏子が立つ丘はいつもの三栄土木の辺りだと思います。当時の吉見百穴の辺りはど田舎でしたが、今は国道沿いにロードサイド店が立ち並ぶようになっています。

さて次回は普通の話と思いきや、荒井誠の一面がまた一つ語られます。小ネタですが、今後の伏線とも言える話です。

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