ロボット刑事 第4話「壁に消えた殺人者」を観た

今回はロボット刑事 第4話「壁に消えた殺人者」(脚本:中山昌一、監督:折田至、助監督:梅田味伸、技闘:風間健 (C) 東映)を紹介しましょう。

ある三日月の夜。緩やかな上り坂、東映生田スタジオのそばのような気がしますが、そこを権田課長(柄沢英二)と部下の二人連れが歩いていました。二人とも酔っ払っているようでいい気分。その権田を呼ぶ声が。しかし、見回しても誰もいる様子はありません。

カメレオマン(声:水鳥鉄夫ではなくて高田竜二)「OK不動産の権田一郎さんはあなたですね。」

突然、闇夜に光る目が登場。

権田「確かに私は権田一郎だが、君は誰だ?」

光る目は消えてしまいましたが、その途端に権田の連れが首を抑えて呻き声を上げました。そして権田も呻き声を上げましたが何も見えません。この芝居は大変だったでしょう。そして連れが気がついた時には権田は死んでいました。すると突然、姿を現すカメレオマン。カメレオマンは権田刺殺に使用したナイフを連れの男に握らせて後退りしたのでした。

その後、走るジョーカーの真ん前にカメレオマンが立ち、Kと新條の通行を妨害。

新條強「なんだ、お前は。」
カメレオマン「バドーのカメレオマン。」

しかしカメレオマンは姿を消してしまいました。

新條強「闇に消えた!」
ロボット刑事K「待ってください。私の赤外線スコープで。」

Kの目にはそんなものが仕込まれているようです。カメレオマンはまた姿を現す羽目に陥りました。格闘が開始されますがカメレオマンは姿を消したり現したりして新條とKを翻弄。Kはカメレオマンの砲撃を受けて動けなくなってしまいました。その隙に撤退するカメレオマン。K曰く、Kの電子頭脳が衝撃で動揺しているので元に戻るには1分ジッとする必要があったようです。

さて権田一郎殺害現場では警察が現場検証をしていました。警備にあたる巡査(綾川香)の息子のじゅんいちが駆けつけて、今夜も遅くなるかどうかを尋ねていました。そこへ芝大造が現れました。未だ新條が来ていないと聞いて不審に思う芝。Kも未だだと聞くと

芝大造「あのロボット野郎、一体何をしてやがるんだ。」

カメレオマンの事など芝は知りません。前回は全く登場しなかった芝のKへの罵詈雑言は今回は炸裂しまくります。仕方がないので芝は一人で現場を見ることにしました。

翌日。警視庁で連れの男を尋問する芝。凶器のナイフは「その男」に握らされたと主張する連れに対して

芝大造「ま、一応話の筋は通っているが、君以外にこの話を証明するものがいないというのが弱いところだな。」

確かにそう。まあ視聴者は既に真相を観ていますが全面的に信用できる状態でもないのも確かな話。

連れの男「そんなバカな。刑事さん。私は本当に見たんですよ。まるで幽霊のようにやってきて、とても人間とは思えぬ顔。まるで人造人間のような、そうだ、あれはロボットだ。」

この突拍子もない話、芝が信じられないのも無理はありません。

芝大造「馬鹿馬鹿しい。そんなことを言うからますます信用できなくなるんだ。まるで夢物語じゃないか。」

芝は警官に命じて連れの男を返しました。さて入れ替わりに入ってきたのがKです。Kは話を外で聞いていました。

芝大造「貴様、立ち聞きしていたのか。」
ロボット刑事K「あの男の話はホントかもしれませんよ。」
芝大造「ほっといてくれ。てめえの指図は受けねえ。」
ロボット刑事K「しかし、あの男の言う犯人らしいロボットを私は確かに見たんですから。私だけじゃない。新條さんもはっきり見てるんです。」
芝大造「うるさい。」

芝は怒鳴って出て行ってしまいました。廊下に出た瞬間に地獄耳平登場。情報を持ってきたそうです。その情報とは

地獄耳平「殺された権田一郎に五千万円もの保険金がかかっていたってのはご存知ですかい?」
芝大造「何?」
地獄耳平「どうです。しかもその受取人は彼の会社の久保社長(早川雄三)。」
芝大造「権田一郎は社長の娘の婿だ。」

ところがその情報は

ロボット刑事K「耳平さん。その調べなら新條刑事がすっかり洗い上げてありますよ。」

耳平さんの情報、これからもこういうのが多いような気がします。新條はOK不動産へ行って久保社長と会っているとKは芝に言いました。

さてOK不動産では新條が久保と会っていました。久保は生命保険をかけていたことをあっさり認めました。更に

久保社長「権田君だけじゃないんですよ。総務部長の山村君も私の姉娘の婿になるんだ。彼にも同時に五千万円の生命保険をかけたんだよ。」

ちなみに権田は久保の娘婿でした。とその時、山村部長(佐野哲也)が襲われているという知らせが入りました。その部屋へ行ってみると、やはり山村が何かに襲われている様子ですが、相手の姿は見えません。新條が助けようとしても何かに邪魔されてできません。この時かかる曲は第3話でも使用された、『刑事くん』のために作られた曲。山村が倒れると同時にカメレオマンが姿を現しました。新條がカメレオマンに果敢に挑みましたがロボットにかなうわけがありません。

久保社長「110番110番に電話しましょう。」

と言うわけで緊急指令がパトカーに入り、OK不動産へ向かいます。さてOK不動産では格闘が続いていましたが、パトカーの音を聞いたカメレオマンは姿を消してしまいました。ここでCM挿入です。

さてCMが明けると夜になっていて、芝が新條とKと一緒に帰宅する場面。芝は機嫌が悪く、酒を飲むと奈美に告げました。Kは奈美に二階へ通されました。さて芝は酒を飲みながらこう言いました。

芝大造「俺はな、新條、お前のことを怒ってるんじゃねえぜ。ただ相手がロボットとなると刑事としての俺の長年の勘がさっぱり役に立たねえ。俺はそいつが情けねえんだ。」

それがKに対して罵詈雑言を浴びせてしまう理由でもあるのでしょう。

芝大造「おい、あの機械野郎はどうした?」

それに対する答えは

芝奈美「二階よ。」
芝由美「だってお父さんったら、Kがそばにいるとお酒が不味いなんて言うんでしょ。」

奈美はそれを聞きながら薄ら笑いを浮かべてましたが大造は悪びれもせず

芝大造「うーん、その通りだ。誰がなんと言おうと俺は動く機械は嫌いだ。特にロボットは大っ嫌いだ。」

さてKは詩を書いていました。それを奈美と由美が見つけてしまいました。恥ずかしがったKはノートを隠してしまいましたが、由美に取り上げられて読まれてしまいました。その内容は

私の肌は 海の色
深く悲しい 海の色
いつか人間に生まれたい

だったようです。

翌日。先ほど登場した巡査の息子でもある、じゅんいち少年が手品を見せていました。百円玉にワッカを載せると消えてしまうという手品。赤いところに百円玉を載せ、普通のワッカを何回か載せた後、一つだけ用意した、赤い紙を貼ったワッカを被せると言うのが手品のタネでした。これは実はカメレオマンが消える原理を説明も兼ねて入れられた場面。直後に何故かじゅんいち少年のところにカメレオマンが現れ、じゅんいちが警察官の息子だと知るとこう言います。

カメレオマン「じゃあ都合がいい。この近くに青木五平といううちがあるはずだが。」
じゅんいち「こっちへ100mばかり行った右側の家だよ。」
カメレオマン「よし。」

カメレオマンは青木五平の家へ向かいました。じゅんいちは直後に父の巡査と出会い、一緒に青木家へ向かいました。さてカメレオマンは青木を襲いましたが、その時かかる曲は『刑事くん』で作られた曲のような気がします。そこへ巡査とじゅんいちが駆けつけました。巡査は拳銃を撃ちましたが五平は死に

カメレオマン「俺の体は鋼鉄だ。」

拳銃の弾は効きません。青木家にはジョーカーも到着。Kと新條が青木家に入りましたがカメレオマンは姿を消してしまいました。追いかけようとするKを何故か新條が止めました。何か考えがあるそうです。

さて走るジョーカーの中で新條とKは話します。

新條「権田、山村、青木の三人を殺して利益を得るのは誰かという。」
ロボット刑事K「権田、山村は青木五平に金をもらってOK不動産からの独立を計画していたって言うんです。」
新條「あの三人を殺して得をするのは久保社長。」
ロボット刑事K「ええ。だが三人に手を下したのはカメレオマン。久保社長は罪にはならんのですか?」
新條「カメレオマンは逮捕できても久保社長を罪にすることはできない。」
ロボット刑事K「では、どうすれば?」
新條「証拠だ。証拠を掴むんだ。」

ここでジョーカーは空を飛びました。

さてカメレオマンと久保社長は商談をしていました。ロケ地は城ヶ島赤羽根崎にある馬の瀬洞門のようです。

カメレオマン「久保社長。バドー犯罪組織は契約に従いあなたの希望通り、権田、山村、青木の三人を抹殺しました。」

それを聞いた久保は高笑い。

久保社長「確かに確認した。」
カメレオマン「こちらは約束を守りました。そちらも契約の履行を。」
久保社長「約束の金額、間違いなく、指定のところに早急に払い込みます。」

カメレオマンが頷いた直後に、なんと先ほどのやりとりが再生されました。誰かが録音したようです。録音したのが誰かといえば

新條強「久保社長、ここに収録したテープと(懐から取り出したポラロイド)写真が証拠です。逮捕します。」

逃げる久保を追いかける新條。久保はヨタヨタ走るのに新條は何故か追いつくのに手間取りましたが何とか追いつき、手錠をかけることには成功しました。カメレオマンの相手はもちろん

ロボット刑事K「カメレオマン、今度は逃さんぞ。」

Kの目の色が赤くなりました。

ロボット刑事K「ゴー!」

Kはブレザーを脱ぎ去って戦闘開始。Kは姿を消したり見せたりするカメレオマンに翻弄されますが、新條の撃った弾が頭部の保護色を生む装置(でしょう)に命中。カメレオマンは姿を消せなくなってしまい、最期はロボット破壊銃で破壊されたのでした。

芝家では巡査とじゅんいちも一緒に新條などとともに祝杯をあげました。

芝大造「何がめでてえんだ。嫌がる俺を特別科学捜査室なんてところに放り込みやがって。」
新條強「でも親父さん、お偉方がその実績を認めてくれたんです。もう一杯いきましょう。」
芝大造「由美、機械野郎はどうした。」

そういえば、そこにKの姿はありません。新條と一緒に帰ったのかと思ったら、そうではないようです。

その頃、Kは戦闘が行なわれた海岸でうつ伏せになって寝そべったまま。そこへマザーが現れました。マザーは目から光線のようなものを出しました。

ロボット刑事K「マザー、エネルギーをください。」

マザーはKを内部へ収容。Kにエネルギーを補充するのでした。

さて次は上原正三が書いた前後編。K、そして芝に更なる試練が襲いかかりますが、毎週日曜日はあの動画が公開されますので、しばしお待ちください。