ロボット刑事 第3話「時計発狂事件」を観た

今回はロボット刑事 第3話「時計発狂事件」(脚本:中山昌一、監督:折田至、助監督:梅田味伸、技闘:風間健 (C) 東映)を紹介しましょう。

冒頭、三宅たけし少年(松葉寛祐)がテレビを壊して磁石を取り出しています。電磁石のように見えますが「磁石」だと言っています。なお松葉寛祐さんは『変身忍者 嵐』で伊賀のツムジを演じた人です。父の三宅(北川陽一郎)に見せてあげると

三宅「お父さんの小さい頃はねえ、磁石と言うと馬蹄形でねえ。」

なんていう話をします。馬蹄形磁石は今も当時もあると思うのですが、それは置いときましょう。たけしは小学校が創立記念日なので

三宅たけし「昼からちょっと顔を出せばいいんだ。」

そうです。私が通った小学校は5月4日が開校記念日になっていて、国民の休日ができる前から5月3日から5日まではお休みでした。それは兎に角、三宅は車に乗って出勤しようとしましたが、車が動きません。気がつくとジリキマン(声:八奈見乗児ではなくて塩見竜介)がいました。なおロケ地は東名高速道路すぐそばの団地のようです。

三宅「貴様は誰だ?」
ジリキマン「バドーのジリキマン。」

その声は八奈見乗児さんのものとは思えませーん。顔は馬蹄形磁石を模した感じ。右手はN、左手はSの字がでっかく書かれています。まずジリキマンは口輪を投げて三宅の口の動きを封じ、今度は両手から何か、後で彼自身が叫びますが、殺人磁力線を発射しました。その威力で三宅は倒れてしまい、たけしも気がついて駆けつけました。

三宅たけし「お父さんに何をするんだ。」

その質問にジリキマンは答えず

ジリキマン「小僧、えい。」

と口封じにかかりました。殺人磁力線を発射しようとしたのか? と思ったら、たけしがテレビから取り出した磁石がジリキマンの右手に吸い寄せられてしまいました。急な斜面をわざわざ登って逃げるたけしを追うジリキマン。そこへKの乗るジョーカーが駆けつけました。異変に気づいて(たけしを追う)ジリキマンを追うK。この時流れる曲は『刑事くん』で作られた曲。東映制作で音楽担当も同じ菊池俊輔さんなので強かに流用したのでしょう。先回りに成功したのかKは資材置き場でジリキマンの進路を妨害し、たけしの救出に成功。ジリキマンは足にも磁石がついているのか資材置き場のクレーンもそのまま登り上にあがりました。ジャンプしてジリキマンのいるところへ行くK。格闘開始です。この場面でKを演じているのはおそらく金田治さんでしょう。Kはジリキマンを抱えてジャンプして地上におり、戦闘続行。Kがジリキマンを投げるとジリキマンはクレーンのてっぺんに逆さになってくっついてしまいました。やはり足にも磁石がついているようです。

ジリキマン「ジリキミサイル!」

Kはたけしを守りながら退避し、ジリキマンはそのまま逃げてしまいました。

さてここは病院。三宅はそのまま入院し、たけしとたけしの母が病室にいます。三宅は意識不明のまま。

ロボット刑事K「たけし君。」

と肩を叩くKの目の色は青いです。たけしは居た堪れず外へ出てしまいました。

ロボット刑事K「たけし君、元気を出すんだ。」
三宅たけし「僕は悔しいんだ。お父さんをあんな目にあわせて。Kさん、刑事なんだろう。」
ロボット刑事K「うん。」
三宅たけし「僕も手伝いたいんだ。あいつをやっつけたいんだよ。」
ロボット刑事K「よし。」

Kはたけしの頼みをきいたのでした。

さて芝と新條は現場を調査。今回、新條はラフな格好をしています。収穫は、たけしが取り出した磁石以外はなかったようです。そこへKとたけしがやってきました。

三宅たけし「僕、Kさんに頼んだんだ。おじさん達と一緒にあいつをやっつけたいんだ。」
芝大造「そいつはありがたいが今のところ坊やにやってもらうこともないな。」

なんか連れない感じがしますが、芝の立場に立てばそう言いたくなるのもごもっとも。さてたけしは芝が持っていた、先ほど取り出した磁石を奪ってしまいました。

芝大造「何をするんだ。」
三宅たけし「これ僕のだ。あいつが出てきた時、僕はこれに釘をぶら下げて遊んでたんだ。それがさあ、全部吸い付いちゃったんだよ、あいつに。」

さてその夜。ところ変わって今度はダイヤモンド時計店。そこに侵入したジリキマンは

ジリキマン「殺人磁力線」

で時計を修理していた男を殺しました。新條にも通報が入りましたが、たけしと別れたKもそれを察知。新條はジリキマンと対決しますが劣勢は否めず、後から駆けつけたKがジリキマンと対決です。Kは逃げるジリキマンを追跡しましたが、道路を渡る陸橋から飛び降りたジリキマンはバドーの車の上に飛び乗って逃げてしまいました。

翌日。その話を(おそらく)多摩川の五本松の対岸でたけしにするK。ジリキマンを逃してしまったことが明らかに不満そうなたけしでしたがKはたけしを諭しました。

ロボット刑事K「たけし君、今ロボットを捕まえてもしょうがないんだよ。」
三宅たけし「どうして?」
ロボット刑事K「いや、ロボットを使って殺人をやらせている人間がいるはずなんだ。そいつが何のためにこれから何を企もうとしているかを調べるためにはねえ、もう少し泳がせといた方がいいんだよ。」

さらにKには秘策がありました。

ロボット刑事K「それに格闘の最中に相手の体にこれをくっつけておいたのさ。」

それは発信機。

ロボット刑事K「これをくっつけておくと1キロ以内に近づくと私のレーダーに感ずるのさ。」

なお新條は何をやっているかと言えば

ロボット刑事K「夕べ殺された時計屋の大浦さんはねえ、元たけし君のお父さんと同じ工場で働いていたんだってねえ。」
三宅たけし「うん。それでお父さんの工場を調べに行ったの。」
ロボット刑事K「うん。何か手がかりが掴めるかもしれないよ。」

芝と新條はオリエント時計の工場へ行ってました。工場長に大浦と三宅の繋がりを調べに行ったのです。大浦は工場の元工員でしたが今は退職していたのです。

さてその頃、東情報社という会社にはジリキマンがいました。ジリキマンの話し相手が今回の契約交渉相手の門井(弘松三郎)です。

ジリキマン「あなたの組織は某国の依頼を受けてオリエント時計の新製品の全データを盗んで。ところが、ガードマンの三宅と大浦の二人に、あなたの部下は捕まった。あなたはその部下を密かに毒で殺した。バドー犯罪組織は全てを知っています。」

門井は頷きました。

ジリキマン「そのバドー犯罪組織と手を握れた事はあなたの幸せです。この東情報社を怪しいと思っている三宅と大浦も始末した。あとはオリエント工場を破壊します。」

門井は一礼し

門井「お願いする。」

とその時、バドー首領の声が。

バドー首領「門井社長。」
ジリキマン「おお、首領。」
バドー首領「某国から受け取る一億ドルの半額は指定のところに間違いなく払い込んでいただく。」
門井「わかりました。」
バドー首領「行け、磁力ロボット、ジリキマン。」
ジリキマン「OK。時計工場の破壊はお手のものです。」

何を考えたのか、ジリキマンは部屋の掛け時計を破壊してしまいました。

さてここでCMが入り、CMが明けると芝家。奈美の作ったホットケーキを由美とたけしが食べています。Kはそれを座って見ています。

三宅たけし「Kさん、かわいそうだね。これが食べられないから。」
ロボット刑事K「いやあ、良いんだよ。私は食べなくても見ているのが楽しいんだ。」

Kの目の色は黄色いままなので嘘ではないようです。

一方、特別科学捜査室には地獄耳平がやってきて、三宅と大浦の繋がりについて情報を提供しましたが、

新條強「その産業スパイを捕まえたのが三宅と大浦だって言うんだろう。」

と既知の情報でした。

次の場面では東急の高架線の下をくぐる道路を走るジョーカーが映ります。ジリキマンの居所が近いようです。ジョーカーはジリキマンと門井の乗る車を捕捉。

ジリキマン「いかん。誰かにつけられている。」

ジョーカーはパトランプを出して鳴らし始めました。しばらくカーチェイスが続いた後

ジリキマン「Kは私が引き受ける。その間に逃げろ。」

と言うわけでジリキマンは車から飛び降り、まずガードレールを曲げて進路を妨害。しかし、Kはジョーカーを空に飛ばして、ガードレールを越えて、また降りてしまいました。なんか間抜けな展開ですが、今度はジリキマンが磁力を使用。

ジリキマン「K、俺が相手だ、さあ来い。もう、この車は動かん。」

確かに車は動きません。高笑いするジリキマンでしたが

ロボット刑事K「よし、行くぞ。」

なんとジョーカーはジリキマンがくっついたまま、空を飛んでしまいました。なんと間抜けなジリキマン。そしてジリキマンは地上に落ちてしまいました。磁力を使い続けるのに限界があったようです。

さて門井は逃げおおせたかに見えましたが芝と新條の乗るパトカーが先回りしていて、進路を塞がれてしまいました。

新條強「東情報社の門井社長ですね。」
門井「そうですが。それがどうか?」
新條強「三宅ひさおを傷つけ、大浦ぎすけを殺害したロボットを同乗させていましたね。K刑事の通報であなたの車は完全にチェックされました。」
芝大造「門井さん、運の尽きだよ。」

それでも惚ける門井。

門井「さあ、そうですかなあ。そんなあやふやな証拠だけで私を逮捕するつもりですか。」
芝大造「惚けるな。東情報社が産業スパイの巣窟だってことはずっと以前から狙いはついているんだ。」
門井「証拠もなしにおかしな事をおっしゃるとこちらも黙ってはおりませんぞ。おい、宮田。すぐ顧問弁護士の池内に電話をするんだ。」

ところが

警官「新條刑事。只今、Kからの通信が入りました。」

その通信とは

警官「東情報社の事務所を捜査。証拠物件の摘発中とのことです。」

そして東情報社でKが発見したのはバドーの殺人契約書。

その夜。交番で

芝大造「どうだ門井。これでも白を切るつもりか。」

現物をみせられ門井は万事休す。さて芝、新條、そして門井のいた交番にたけしがやってきました。

三宅たけし「新條さん。お父さんが気がついたよ。」

それを聞き

門井「坊や、かわいそうだが元気になってもお前のお父さんの働き場所はないぞ。」

何故悪党の皆さんはそういう余計な事を言うのでしょうねえ。さてジリキマンはオリエント時計の工場破壊に出動中。ガードマンを薙ぎ倒し、中へと入っていきます。その頃

門井「今夜、オリエント時計工場は壊滅する。」

門井は高笑いし

門井「今から慌てて手配しても工場に到着するには40分近くかかるはずだ。」

怒る芝。ところが

新條「御心配なく。おい門井、早まったな。ロボット刑事Kの存在を忘れてくれちゃあ困るぜ。」

その言葉通り、空を飛ぶジョーカーはオリエント時計の工場に到着。

ジリキマン「また来たか。面白い。」
ロボット刑事K「ジリキマン。今度は徹底的にやるぞ。」

Kの目の色が赤くなりました。

ジリキマン「来い。」
ロボット刑事K「ゴー!」

ブレザーを脱いで戦闘開始。しばらく格闘した後、ジリキマンは廃自動車が沢山置かれた場所へ移動。時計工場のすぐそばにそう言う施設があったようです。自動車のスクラップが積まれた場所で戦うKとジリキマン。

ジリキマン「磁力ミサイル。」

磁力ミサイルを発射するジリキマン。発射口は頭の馬蹄型磁石にあるのに、両手を伸ばしているのがちょっと間抜け。何発も発射しまくり、Kはそれを避けまくります。その次は

ジリキマン「吸い付けてやる。」

両手の磁石から磁力を効かせて吸い付けにかかります。これはKに効きましたがKはスクラップに捕まって難を逃れました。ジリキマンは自分が吸いつけた金属を投げつけましたが、この時、Kは気がつきました。

ロボット刑事K「そうだ。私も鉄だ。こっちから吸い付いてやる。」

Kは磁力を逆用してジリキマンに接近。格闘後、ジリキマンを投げ飛ばすと、ジリキマンの体はスクラップが沢山くっついて車の中に埋まった格好になりました。

ロボット刑事K「今だ。」

ジリキマンはロボット破壊銃で倒されたのでした。

最後は三宅たけしが由美や奈美らとよみうりランドで遊ぶ最中、Kが海岸でマザーを呼んでおしまいです。マザーを呼んで何をしているのかはもう少し先で明かされます。