ロボット刑事 第8話「雷が殺した?!」を観た

今回はロボット刑事 第8話「雷が殺した?!」(脚本:中山昌一、監督:内田一作、助監督:高橋正治、技闘:風間健 (C) 東映)を取り上げます。

ある夜。秋月一郎(松坂雅治)が自動車を走らせていました。ロケ地は東映生田スタジオそばの坂道でしょう。雨が降ってきたと思ったら、前に怪しいものが立っています。バドーのロボットのカミナリマン(声:肝付兼太ではなく兼本新吾)です。車は急停車。

カミナリマン「秋月一郎か?」

その声はやはり肝付兼太さんではなく兼本新吾さんのものですね。そうだと一郎が答えると

カミナリマン「死んでもらう。」

驚く一郎が何者かと尋ねると

カミナリマン「バドーのロボット、カミナリマン。」

カミナリマンは頭を光らせ、背中についていた丸い物、後でわかりますが、雷神の太鼓がモチーフのようですが、それを作動させ

カミナリマン「サンダーボム!」

雷撃、というか電撃を車に浴びせました。これで一郎は感電死。この描写には疑問が残りますが、こう言う話なので仕方がありません。カミナリマンは高笑いして去りました。

翌朝。現場付近を走るジョーカー。乗っているのはKと新條です。なんと彼らの進路にカミナリマンが現れました。そして

カミナリマン「サンダーボム!」

電撃を受けて新條は感電し、Kは回路がショート。Kも新條も気を失った状態になりました。カミナリマンは高笑いして去っていきました。

さて本庁では芝のカミナリが落ちました。

芝大造「貴様達、そのまま気を失ってしまっただと! だらしのない連中だ。」

新條はカミナリマン襲撃現場近くで前夜に「雷に打たれて」死んだ大学生がいたことを芝に指摘しましたが

芝大造「ああ。あれは秋月財閥の御曹司だそうだ。」
新條強「秋月財閥の御曹司。そうですか。」
芝大造「それがどうかしたのか?」
ロボット刑事K「ひょっとすると我々の出会った奴に殺されたんじゃ。」

おそらく新條もそう言いたかったのだと思いますが

芝大造「冗談も休み休み言え。その話、誰が信じると思うんだ。第一、わしはお前達だって雷に打たれたと思っているんだぞ。」

とは言いながら、Kと新條はジョーカーで「雷事故」現場へ。やはり東映生田スタジオのそばです。Kが赤外線スコープで調べると足型発見。自分達を襲ったロボットの足型とピタリと一致しました。

ロボット刑事K「新條さん、芝刑事を呼んできましょうか?」
新條強「ちょっと待て。これだけじゃ親父さんは無論のこと、誰も信じちゃくれないかもしれないぜ。」
ロボット刑事K「ええ。」
新條強「K、二人だけでやってみようぜ。秋月君を当たろう。」

と言うわけで新條は秋月一郎の弟を当たることにしたのでした。

その頃、秋月一郎の弟の二郎(佐藤仁哉)と三郎(柳下達彦)はよみうりランドの中にあるボーリング場のよみうりボウルに来ていました。二郎が三郎を励ますために連れて行ったようです。三郎の年齢は小学生くらいのようです。それをしっかり観ていたKと新條。カミナリマンも様子を伺っていました。新條はまず運転手に話を聞きました。その頃、カミナリマンは姿を見てしまったボーリング場の職員を殺しました。様子がおかしいので逃げるボーリング場の客。新條とKも観客達が大勢出て行くに気がつきました。後ろに映っているのは昔あったモノレールです。さて

カミナリマン「秋月さん。」

秋月二郎と三郎兄弟に声をかけました。

秋月二郎「君は誰だ?」
カミナリマン「カミナリマン!」

襲いかかったカミナリマンは二郎と三郎を抱えてしまいました。そして電源攻撃を始めたところにKが登場。カミナリマンはKを離してしまい、遅れて駆けつけた新條が二郎と三郎を保護します。

カミナリマン「まだ懲りずにやってきたか?」
ロボット刑事K「来い。」

格闘を始めるKとカミナリマン。よみうりランドのありとあらゆる場所で戦いまくります。しかしカミナリマンが背中につけているもの、太鼓を閉じた状態だと蛇口の回す部分のように見えて少し間抜け。トランポリン場では両者ともジャンプしたりしていましたが、最終的には夏でもスキーのジャンプができるジャンプ台で

カミナリマン「カミナリウォーム!」

電撃の直撃を受けてしまいました。

カミナリマン「鉄を利用してバツサンダーの威力は数倍になる。思い知ったか、ロボット刑事。」

またも回路がショートして転げ落ちてしまいました。

その後、Kは例の海岸へ。マザーを呼び

ロボット刑事K「マザー、教えてください。カミナリマンに勝つ方法を。」

そのままうつ伏せに倒れてしまったKはマザーに回収されました。第5話とは違って以前と同じく額からビームが伸びてKは回収されたのでした。

その頃、新條は二郎と三郎のところにいました。拳銃さえあればカミナリマンをやっつけられるかと三郎から聞かれた新條は、Kの不在をしみじみと不安に思ったようですが、その新條を兄の二郎は「新條さんがいてくださって心強い」と労いました。新條がいて心強いと。さて秋月家の家族構成は次のとおりでした。

秋月三郎「一昨年はお父さん、去年はお母さんが死んじゃって、僕達の身寄りといえば、あのオバ様だけ。」

オバ様とは秋月みね子(城山順子)の事です。その頃、みね子はどこかの洞窟に篭って龍神様に祈ってました。なんと一郎を殺したという願いを聞き届けてくれてありがとうと言い切っています。すると

バドー首領「残り二人も殺したいと言うのだな。」

みね子が声のした方を振り向くと

バドー首領「私は龍神様でも神でもない。私はバドー。」
秋月みね子「バドー!」
バドー首領「あなたがバドー犯罪組織と契約を結べば望みは簡単に達せられるのだ。契約の条件としては秋月家の財産があなたに確実に渡った時、その半額をいただく。あなたの願いを知り、私はカミナリマンを派遣した。後は彼と相談されたい。」

カミナリマンが姿を現しました。

カミナリマン「秋月家の長男を殺したのは私だ。」

驚くみね子。カミナリマンは契約書を手に持ち

カミナリマン「この契約にサインすれば、あなたの目的はすぐに達せられる。」

みね子は頷いたようです。

カミナリマン「サンダーウォーム!」

カミナリマンの電撃で龍神様の作り物は壊れてしまいました。みね子が契約書を手に取ったところでCMが挿入され、CMが明けると秋月家。夜になり、二郎と三郎は同じ寝室のベッドで寝ていました。雨が降りそうです。雷も鳴っています。そこへカミナリマンが来襲。女中の悲鳴を聞き女中が「みね子様の部屋に恐ろしいものが」と聞いて、新條はみね子の部屋へ行きました。その隙を突いてカミナリマンが二郎と三郎の寝室を襲撃。二郎は三郎を連れて別室に移り、ドアを押さえてカミナリマンが入ってこられないようにしていました。しかしカミナリマンは難なくドアを開けてしまい、部屋に侵入。三郎を庇って二郎がカミナリマン相手に立ち向かいましたが敵うわけがありません。

秋月三郎「新條さん助けて。」

その声を聞いて慌ててみね子の部屋を出る新條。しかし、カミナリマンは部屋のドアの鍵を閉めてしまいました。

カミナリマン「これで邪魔者は入ってこれまい。ゆっくり一人ずつ殺してやる。」

カミナリマンが後ろのものを開きました。

秋月二郎「三郎、後は頼むぞ。」

二郎は三郎を庇ってカミナリマンに立ち向かいました。三郎が窓を開けたのを見届けて

秋月二郎「来い、カミナリマン。」

二郎は窓から庭へ出てカミナリマンをひきつけました。新條が何とかドアを破って部屋に入るとそこには三郎だけがいました。二郎は門から外へ出ようとしましたが、カミナリマンに捕まり、

カミナリマン「死ねえ。」

電撃を受けてしまいました。新條が駆けつけた時は

カミナリマン「死んだぞ、この男は。」

新條は拳銃を構えて近づきました。

秋月三郎「兄さん。」

心配して駆け寄る三郎をみね子は冷ややかに見ていました。新條は何発も撃ちましたが効きません。

カミナリマン「今一人のガキは近日中に片付けてやる。」

カミナリマンは立ち去りました。

さて本庁にいる芝のところに新條から電話が入りました。二郎は大火傷を負って危篤状態。病院で新條がみね子に寝ている二郎の病状を尋ねると退院するまで1ヶ月かかるという答えが返ってきました。心配した三郎は

秋月三郎「オバ様、僕、お兄様のそばにずっといます。」

と頼みましたが、みね子は

秋月みね子「いけません。そんなこと、できるわけがありません。」

と答えました。一見もっともらしく聞こえる、この発言、実は下心がありました。それを知らない三郎と新條はこう言いました。

新條強「三郎君、それじゃあ、お兄さんの警戒は僕が当たるよ。」
秋月三郎「じゃあ、僕は?」
新條強「お屋敷には警官を配置につける。みね子さん。」
秋月みね子「わかりました。じゃ、三郎。」

思惑通りに行ったみね子は三郎を連れて帰ろうとしたのですが、三郎は病室を出てしまいました。

さて三郎が病院の屋上へ行くと、そこに現れたのはK。

ロボット刑事K「三郎君、心配することはない。私が来たんだ。もう恐がる事はないよ。」

安心する三郎。Kは修理に言っていた事は言いましたが、その場所は内緒にしました。さらに

ロボット刑事K「私がなおって来たこと」

を内緒にするよう、三郎に言いました。その理由は

ロボット刑事K「カミナリマンをやっつけるためには内緒にしておいた方がいいと思うんだよ。」

それを聞いた三郎は快諾し、Kと握手するのでした。

そして夜が明け

警官A「夜が明けるなあ。」
警官B(大葉健二)「ああ。」

そこへ3人目の警官がやってきて

警官C「間も無く交代の時間です。」

敬礼して屋敷の中に入りました。

警官B「明るくなれば安心だな。」
警官A「うん。」

なお役名は便宜的にこう書きましたが、実際はどうなっていたのかまでは知りません。

さてみね子は起きると三郎の寝室に入り、三郎に近づきました。そして出て行きました。先ほどの警官二人はカミナリマンの電撃で倒され、みね子はカミナリマンを屋敷の中に入れました。カミナリマンが三郎の寝室に入り、三郎に近づき

カミナリマン「サンダーボム!」

と言うや否や、Kが登場。

ロボット刑事K「良いか。今日はカミナリマン最期の日だぞ。」

と宣言。

カミナリマン「何を!」

と格闘開始。カミナリマンは寝室から逃げました。

秋月三郎「Kさん。」

その頃、廊下ではカミナリマンとみね子が鉢合わせ。

カミナリマン「裏切ったなあ!」

何を誤解したのかカミナリマンはそう言いましたが

秋月みね子「何の事です。あんた達こそ、契約違反よ。」

とみね子が言ったので

カミナリマン「おのれ!」

みね子を殴り倒してしまいました。外へ逃げたカミナリマンを追いかけてKは何かの建物の建設現場らしきところの屋上に到着。

カミナリマン「来い。」
ロボット刑事K「行くぞ、カミナリマン。」

戦闘開始です。Kが頭を蹴り上げると頭が点滅し

ロボット刑事K「どうだ。もう雨は降らせられないぞ。」
カミナリマン「おのれ。」

カミナリマンが背中に背負っているものを広げ

カミナリマン「サンダーボム!」

と叫ぶとKの目の色が赤くなり

ロボット刑事K「ゴー!」

本格的に戦闘開始。

カミナリマン「サンダービームを受けてみろ。」

と叫んで放ったサンダービームはカミナリマンのところに戻ってしまいました。

ロボット刑事K「驚いたか。俺の体には逆流コイルが取り付けてあるのだ。」

Kの内部メカが映りました。ただコイルは全く映っていませんし、逆流コイルの原理も不明です。ま、さっさと先へ進みましょう。

カミナリマン「そうか。それならばよし。」

カミナリマンは背中につけていたものを高く投げ、そこから降りてきたロープに捕まりました。

ロボット刑事K「カミナリマン。逃げるつもりか。」
カミナリマン「逃げるのではない。これからが勝負だ。」
ロボット刑事K「笑わせるな。」

カミナリマンは背中につけていたものに捕まり、そこについた銃のようなものからKを銃撃しました。それを避けるK。しかし、Kはジャンプしてカミナリマンが捕まっていたものを破壊。悲鳴をあげて落ちるカミナリマン。地上でKと格闘しますが、劣勢は否めず、最終的にはロボット破壊銃で倒されたのでした。

最後は小田急多摩川の鉄橋のあたりでボートを一緒に漕ぐKと三郎を見ながら、新條と奈美と由美が同じボートに乗りながら見ている様子が映ります。さて三郎とKの会話は

秋月三郎「兄さんたらねえ、お金を使う計画をしてるんだって。」
ロボット刑事K「へえ、どんな?」
秋月三郎「世の中の人のためになる事にお金を使うっていうの。」
ロボット刑事K「ふーん、そりゃいいなあ。」

と言うものでした。

次回は上原正三執筆の前後編。超高速旅客機の設計図を巡って産業スパイとの攻防戦が描かれますが、Kにも大きな受難が降りかかり、苦しい戦い(捜査というべきか?)となります。