ロボット刑事 第12話「マザーが狙われる!」を観た

今回はロボット刑事 第12話「マザーが狙われる!」(脚本:伊上勝、監督:奥中惇夫、助監督:梅田味伸、技闘:風間健 (C) 東映)を紹介しましょう。前後編の後編で今回はマザーを標的にした話です。バドーの契約者は登場しますが、やはり今までの『ロボット刑事』とは毛色が変わっています。前回もサイボーグ工作員が登場しましたが、今回は大挙して登場するのも特徴です。ピンチまたピンチの連続でそういう場面を繋いだ(だけの)話になっています、乱暴な書き方かもしれませんが。

さて前回からの続きでバドーの地下工場でKとスプリングマン(声:加茂嘉久ではなくて矢田耕司)との戦闘が続いています。

バドー首領「K。今までの戦いによってバドーのコンピューターの計算では、そろそろエネルギーがなくなる。ふふふふふ。全ては我々の計画通りだ。」

それを聞き

ロボット刑事K「そうか。全ては私のエネルギーまで計算していたのか。今のうちに脱出しなければ。」

そして脱出を図って逃走したKでしたが途中で戸が前と後ろに降りてきて、動きを封じられた形になりました。

ロボット刑事K「私が捕まればマザーが危ない。」

Kはなんとか戸を壊して外へ脱出。

ロボット刑事K「いつまでエネルギーが持ち堪えられるか。」

と言うや否やサイボーグ工作員が6人も登場。格闘しながら逃げるK。ロケ地は日向和田駅近くの神代橋辺りの多摩川の河原ではないかと思います。サイボーグ工作員はロボット破壊獣(携帯式)まで持ち出して撃ち出す始末。なんとかやり過ごして森の中へ逃げたものの

ロボット刑事K「ここにもバドーのロボット処理班が。これ以上、私には戦うエネルギーがない。姿を見せればみすみす捉えられる。」

Kは辺りを見回し、小屋を発見。

ロボット刑事K「よし。あの小屋の中で奴らが諦めるのを待とう。」

その頃、前回襲われた平林イサム(青沼一彦)は公園で友達に性懲りも無くこんなことをほざいていました。

平林イサム「本当だい。僕はロボットを呼べるんだぞ。」

友達は皆、「嘘つけ」だの「信じられないわ」だの言う始末。

男の子(山瀬洋)「それなら呼んでみろよ。」
平林イサム「危険だからやめろって言われてるんだあ。」
女の子(西村ひろみ)「できないから、あんなこと言って。」

こう言われたイサムは引っ込みがつかなくなり

平林イサム「ようし。一度だけやってやる。驚くなよ。」

あーあ。イサムはバドーの鉄のドクロのマークをカバに描いてしまいました。

平林イサム「すぐに来るんだ。」

しばらく経った、その時、辺りが真っ暗になり(フィルターかけて表現)、マークの左目が光り

サイボーグ工作員「誰だ。バドーと殺人契約を結びたいのは。」

この問いに対し、イサムが「知らない」と答えると

サイボーグ工作員「子供のいたずらか。バドーマークを知っている奴は一人残らず殺してやる。」

それを聞いた子供達は一斉に逃げました。イサムは転んでしまい、サイボーグ工作員の持つ拳銃がイサムを狙います。万事休すか。とその時、新條強が拳銃を撃ち、サイボーグ工作員の拳銃を撃ち飛ばしました。逃走するサイボーグ工作員。新條はイサムを保護しました。

新條強「よし。事情は後で聞く。」

新條は逃げるサイボーグ工作員を追跡。オバケマンションにやってきました。オバケマンションの中を走り回った後、

新條強「逃げられんぞ、バドー。両手を挙げて出て来い。」

と言いながら歩いていると

芝大造「上だ、新條!」

なぜここがわかったの? それは置いといて、その言葉を聞き、新條が上を向くと、サイボーグ工作員が上から縄にぶら下がってそのまま新條に襲いかかってきました。なんとかかわした新條。そのまま格闘に突入です。サイボーグ工作員は下に投げ飛ばされ、新條も下へ飛び降り、格闘続行。新條はサイボーグ工作員に手錠をかけました。

新條強「親父さん。どうしてここが?」
芝大造「おいおい。無駄に飯を食っちゃいねえよ。足と勘。はは。お前の足取りを掴むのは簡単さ。」

だそうです。

新條強「心配かけちまって。こいつはバドーの一味なんです。」
芝大造「Kの居所を吐かせようって寸法だな。」

と言うわけで新條はその場で尋問しましたが

サイボーグ工作員「探しても無駄だ。バドーの秘密基地で袋の鼠だ。」
芝大造「だらしのねえ。」
新條強「その秘密基地ってのはどこだ。」
サイボーグ工作員「知らん。」
新條強「ふざけやがって。(拳銃を取り出し)その言い訳が通用すると思っているのか。」
サイボーグ工作員「待ってくれ。待ってくれ。」

サイボーグ工作員は何者かに始末されてしまいました。そしてサイボーグ工作員は爆発し、姿も形もなくなりました。

芝大造「新條、やったのはその箱の中からだ。」

芝の指差す先には木製の大きな箱が。芝と新條は箱に近寄り

新條強「出てこい、バドー。」

中から現れたのはスプリングマン。

芝大造「ロボット。」
新條強「とっ捕まえてやる。」

とは言うものの生身の新條と芝がかなう相手ではなく、スプリングマンはジャンプしてオバケマンションの屋上に立ってこう言いました。

スプリングマン「お前達を殺しても一銭の収入にもならない。命だけは助けてやる。」

そしてスプリングマンは立ち去ったのでした。

新條強「くっそう。」
芝大造「忌々しいロボットめ。おかげでKの居所もわからなくなっちまった。」
新條強「いや、一つだけ方法があります。」

何か秘策があるようです。

その頃、Kが隠れている小屋をついにサイボーグ工作員が見つけ出してしまいました。多勢に無勢。ピンチか? と思った、その時、サイボーグ工作員の一人が突然裏切り、仲間を攻撃。不利と見た他のサイボーグ工作員は蜘蛛の子を散らすように逃げました。思わずKが尋ねるとサイボーグ工作員はサングラスとマスクを外して名乗りました。

根岸(御影伸介)「私はバドーのロボット工学技師として働いていた根岸と言います。」
ロボット刑事K「バドーのロボット技師。」
根岸「脱走のチャンスを狙っていたのです。さあ、一緒に。安全な場所まで案内します。」

この言葉を信じたKは根岸と一緒に逃走。川岸(先ほど走っていたところの近くのような気がしますが)を走っているとスプリングマン登場。Kはスプリングマンと格闘して根岸を逃がそうとしましたが、隙を突いてスプリングマンはジャンプして根岸に襲いかかりました。根岸はスプリングマンに首を絞められて倒れてしまいました。Kがスプリングマンを薙ぎ倒して根岸を助け起こすと根岸はこう言いました。

根岸「君だけでも逃げてくれ。そしてこの万年筆を息子に渡してくれえ。」

Kは根岸の頼みを聞きました。そして倒れてしまいました。そこへ襲いかかるスプリングマン。Kを根岸から引き離す格好になりました。隙をついてKは川に飛び込みました。それを見届け

スプリングマン「Kめ。エネルギーをもらうためにマザーのところへ行ったはずだ。お手柄だぞ、バドー諜報員7号。」

なんと根岸はバドーのサイボーグ工作員だったわけです。バドー諜報員7号はピンピンしており、立ち上がってこう言いました。

バドー諜報員7号「渡した万年筆に小型水爆が仕掛けてあると知らずに。」

そして皮をめくると真っ黒な顔が現れました。バドーのサイボーグ工作員の素顔は真っ黒なのです。

さてKは川に浮かび、川の流れに身を任せていました。エネルギーの消耗を抑えるために、海岸まで流れて行こうという作戦のようです。

アジトではスプリングマンがバドー首領に報告。

スプリングマン「マザーのビームをKが受けてマザーとドッキングすると同時に爆発します。」
バドー首領「バドーにとって邪魔なロボット親子はこれで地上から消える。」

川の流れに乗るKを映してCM突入。

CMが明けるとここは芝大造の家。塀にバドーの鉄のドクロのマークが描かれています。バドーのサイボーグ工作員が玄関に来て、芝大造と新條敬太郎殺害の契約を結んでいました。サイボーグ工作員が帰った後、不安に思う娘達に芝はこう言いました。

芝大造「敬太郎なら大丈夫だ。第一、その前に弟がうまくやる。」
芝奈美「Kさんの行方が探し出せればいいけれど。」
芝大造「全く世話を焼かせる。あの機械野郎が。」

それを聞き奈美と由美は笑ってしまいました。

芝大造「何がおかしい。」
芝奈美「だってKさんのこと、一番心配しているのはお父さんでしょ。」

芝はこう言って否定しました。

芝大造「そんなことはない。」

さて車に乗って契約を済ませたというサイボーグ工作員に新條が拳銃を突きつけていました。新條がいたのはサイボーグ工作員の真後ろの席。バドーの秘密基地へ乗せていけと新條が指示するとサイボーグ工作員はこっそり非常ボタンを押そうとしましたが

芝大造「その手を離しな。」

サイボーグ工作員は非常ボタンを押すことが出来ず、芝はそのまま助手席に乗り込みました。そして驚く新條にこう言いました。

芝大造「忘れたのか新條。相手の隣に座れって言っておいたのを。」
新條強「つい、その。」
芝大造「危なくボロが出るところだった。(サイボーグ工作員に)さあ、行くんだ。」

思わず新條は聞きました。

新條強「親父さんも?」
芝大造「Kを助けるんじゃない。連続殺人事件の黒幕、AB産業の重役大岡(松尾文人)の証拠を掴みに行くんだ。」

それを聞いてニヤリと笑いながら

新條強「まあ、行きましょう。」

車は発進。芝達は多摩川の上流へ行き、Kは多摩川下流へと進みます。Kはなんとか例の海岸へ到着。ロケ地の整合性が取れていないことは無視しましょう。バドーのサイボーグ工作員が運転する車はジョーカーのところに到着。Kが来た場所に間違いありません。

芝大造「お前(サイボーグ工作員)が先に立つんだ。」

芝はサイボーグ工作員を後ろ手にさせてつかみ、新條が拳銃を突きつけて進んでいきます。

その頃、Kは例の万年筆を持ったままマザーを呼び出しました。

芝と新條は先ほどKが立てこもった小屋に到着。新條がKを呼びましたが返事がありません。

芝大造「入れ。」

芝はサイボーグ工作員の背中を押して小屋の中に先に入らせ、何も罠がなさそうなのを確認した後、新條と一緒に小屋の中に入りました。ところが中には何もありません。

芝大造「(サイボーグ工作員の胸ぐらを掴んで)野郎、いっぱい食わせやがったな。」

芝が投げ飛ばすと同時にサイボーグ工作員は爆発して消滅。

芝大造「新條、危ない。」

新條と一緒に外へ走って逃げた芝。その勘は正しく、小屋は爆発しました。そして聞こえたのは

バドー首領「バドーの秘密を嗅ぎ回る刑事よ。Kは今頃マザーと共にこの地上から消えている。」

「マザーって何?」と芝と新條は思った筈ですが

芝大造「なんだと?」
新條強「Kが?」

心配したのはもちろんKの方でしょう。さてKは万年筆を持ったままマザーを呼びました。その頃

芝大造「Kに連絡するんだ。」

と言うや否や、サイボーグ工作員6人(だと思います)が芝と新條を襲撃。連絡どころではありません。

バドー首領「無駄なことだな。ロボット刑事Kは(ここからKとマザーの様子が映り)エネルギーを入れた瞬間にマザーとともに爆発する。(ここから芝と新條の様子が映る)そして君達はそこで死ぬ。警視庁の特別科学捜査室はなくなる。」

ここで芝は言いました。

芝大造「新條、Kの車に無線がある。」
新條強「よし。俺が連絡する。援護してください。」
芝大造「うん。」

なんとか新條はジョーカーに辿り着き

新條強「K! K!」

しかし次の場面で映ったのはKがマザーが額から発射したビームで収容されようとする場面。

新條強「K、バドーの罠だ。爆発するぞ。聞こえるか、K。」

そこへスプリングマンが襲い掛かり、新條は、それ以上、通信することはできませんでした。マザーの額が一瞬光った後、キノコ雲が。

その後、芝と新條は逃走。吊り橋の上で追跡してきたサイボーグ工作員と格闘です。そこへスプリングマン登場。曰く

スプリングマン「Kとマザーは爆発して死んだ。」

それを聞き

新條強「すまない、親父さん。」
芝大造「お前が謝ることはない。」
ロボット刑事K「そうですとも。」

え!? なんと木の上にKが立っています。なんで?

ロボット刑事K「謝るのは私です。」

確かにピンピンしています。驚くスプリングマン。Kはサイボーグ工作員を薙ぎ倒した後

ロボット刑事K「新條さん、危ないところをあなたの連絡で救われました。」

驚くスプリングマンが事情を尋ねると

ロボット刑事K「生憎だなあ。爆発寸前に私達は水中に隠れたんだ。お前達がキャッチしたのはただの爆発だ。」

??? 疑問符がいくつも浮かぶセリフですが、まあ脚本を書いたのは伊上勝ですからねえ。無視して先へ進みましょう。兎に角、Kが助かったと知り

新條強「そうか。」
芝大造「グズグズすんな。とらえろ、K。」
ロボット刑事K「はい。」

と言うわけでKとスプリングマンの戦闘開始。

ロボット刑事K「どこまで逃げても無駄だなあ。」
スプリングマン「小うるさいロボットめ。叩き壊してやる。」

スプリングマンの攻撃をかわしたKの目の色が赤くなり

ロボット刑事K「行くぞ。ゴー!」

モチーフがバネということもあってか今回は特に器械体操のような動きが目立つアクションです。河原や川岸の高いところなどで格闘した後、Kはスプリングマンの動きを解析することに成功。

ロボット刑事K「右8m。左に8m。どっち側が右か読めた。」

ジャンプしたKはスプリングマンを河原に叩き落とす事に成功。即座に

ロボット刑事K「今だ。」

ロボット破壊銃でスプリングマンを倒したのでした。芝と新條は駆けつけましたが

芝大造「間抜け。この生き証人、いや、生きロボット、兎に角、壊しやがって。」
ロボット刑事K「すみませんでした。」

しかしKは脱いでいたブレザーから

ロボット刑事K「しかし、この契約書があれば黒幕の大岡は逮捕できませんか?」

いつの間に確保したのかはわかりませんが、Kが新條に渡したのはバドーの殺人契約書。確かに大岡達三のサインがしてありました。

新條強「お前、いつの間に?」

それは私も言いたいですが

ロボット刑事K「バドーの秘密基地に潜入した時に。」

だそうです。撮影時にカットされたのかどうかは判断不能

芝大造「行くんだ、そのアジトに。バドーを一人残らず逮捕するんだ。」

というわけで洞窟のあった場所へ行ってみたのですが、洞窟は消えていました。

バドー首領「バドーはアジトに二度と入らせん。ロボット刑事K。いつか必ず母マザーとともに消す。」

大岡は逮捕され、事件は解決したのでした。