ロボット刑事 第16話「バドーから奪え!!」を観た

今回はロボット刑事 第16話「バドーから奪え!!」(脚本:上原正三、監督:折田至、助監督:長石多可男、技闘:三隅修 (C) 東映)を紹介しましょう。前後編の後編で、前編で「力なき者は死あるのみ。これがバドーの掟だ。」と言い放ち、仲間のノコギリマンを破壊してしまったタイホウマンが相手。それだけでも苦戦必至ですが、金塊を奪回できるかどうかも見所です。

さてKが気がついた時は

ロボット刑事K「タイホウマンがいない。タンクローリーも消えてる。」

しかも

ロボット刑事K「いかん。衝撃で左目の視覚回路に異常をきたしている。」

芝と新條は倒れていました。新條は芝よりも軽傷だったようですが、芝は脚を痛めているので病院へ直行です。やってきた警官に芝を託しましたが

ロボット刑事K「新條刑事も一緒に。」
新條強「いや、俺はタンクローリーを追う。」
ロボット刑事K「それより傷の治療が先ですよ。」
新條強「お前、大丈夫か?」
ロボット刑事K「私の心配、要りませんよ。」

結局、新條も芝を乗せたパトカーに乗りました。それを見送ったものの、やはり本調子ではなく、Kはマザーのところへジョーカーで向かいました。今回は腹から収納されます。

さて芝が収容された病院を新條が訪れていました。芝は新條に

芝大造「なんの、なんの。これくらいの傷でくたばってたまるか。」

と強がりを言いましたが、やはり脚が痛むようです。さて芝が気になるのはタンクローリーの行方。しかし、新條の報告ではまだつかめていない様子。

芝大造「そうか。Kはどうした。」
新條強「あれ以来、戻りません。」
芝大造「あの鉄屑野郎。」

すると

芝奈美「お父さん、どうしてKさんのこと、そんな風に言うの? そんなにロボットが憎いの?」
芝由美「そうよ。もっと優しくすべきよ。」

芝大造の言い分は

芝大造「うるさい。」

そして痛さで頭を押さえる芝を見て

新條強「違うんだ、由美ちゃん。親父さんはね、長官からKを預かってるんだ。だから親父さんは早くKを一人前にしようと思っている。」

すかさず芝が付け足しました。

芝大造「新條、一人前にしようと思ってるのはKだけじゃねえ。今、こんなところで油売ってていいものかどうか、よく考えろ。」

そして痛みで頭を押さえる芝。

新條強「わかってますよ、親父さん。これから赤松の線で。」
芝大造「うん。」

さてKの修理が行なわれている頃、新條は赤松運送の事務所に乗り込みました。部下4人(大塚崇、辻シゲル、泉たけしなど)は麻雀をしている最中。赤松は旅行中だが居場所は知らないの一点張り。

新條強「俺には大体の目星はついてるんだ。必ず見つけ出してやる。邪魔したな。」

と立ち去ろうとした、その時、

赤松の部下「あ、刑事さん。」

新條は立ち止まって振り返り、話を聞く事にしました。

赤松の部下「会長は今度の事件とは関係ねえんだ。その証拠に会長は倉庫で仕事してまさあ。」

先ほどと言っていることが違いますが、兎に角、新條は部下とともに赤松運送の倉庫へ。しかし、それは罠。新條は倉庫に閉じ込められた上に、中にも別の部下がいて、マシンガンで銃撃しました。新條は逃げましたが

赤松の部下「手挙げろ。」
新條強「へ、そんなこったろうと思ったぜ。」
別の部下「間抜けなデカさん。死んでもらうぜ。」

新條はタイヤがたくさん置かれている場所に隠れました。そして投げ手錠などを用いて一人ずつ倒していき、

新條強「赤松はどこだ。金塊はどこにある。」
赤松の部下「知らねえ。」
新條強「俺だって命懸けなんだよ。」

新條はロープで締め上げたりし、これが効いたのか

赤松の部下「奥多摩の」
新條強「奥多摩のどこだ?」
赤松の部下「さつきがはらだよ。」

白状させることに成功しました。しかし

新條強「奥多摩のさつきがはら?」
赤松の部下「ヘリだって見つかりっこねえ。俺達ですら知らねえ秘密の場所なんでえ。」

それに対して

新條強「俺はデカだぜ。」

そして奥多摩のさつきがはらにある工場。タイホウマン (声:水鳥鉄夫ではなくて兼本新吾)と赤松が商談をしていました。金塊は元に戻しています。

タイホウマン「では契約書に基づき奪った金の半分をバドーがいただく。」
赤松会長「どうぞ、どうぞ。また大きな仕事を計画しますんで、その時はよろしく。」
タイホウマン「承知した。」

そして金塊を手に取り

赤松会長「全く見事な光沢だあ。」

その頃、新條はバイクに乗っていました。

新條強「出て来い、出て来い、池の鯉。」

新條は山道をバイクで走ります。後のイナズマンF 第14話にも登場した場所のような気がします。その情報は赤松のところにも入りました。

タイホウマン「私に任せろ。」

タイホウマンは新條を砲撃。

新條強「狙い通り尻尾を出しやがったな。」

そこまでは新條の計算通りだったようですが、果たして新條がかなう相手かどうかは別問題。砲撃を掻い潜ってバイクを走らせる新條(爆煙が上がりまくってかなり危険)でしたが、最終的には転倒してしまいました。仕方なく新條はバイクを降りて走って逃げましたが山の中の神社にタイホウマンは先回り。新條はタイホウマンと格闘する羽目に陥りましたが、砲身を腹に突きつけられてしまい

タイホウマン「ジタバタしても無駄だあ。」

とそこへジョーカーが飛んできました。それに気がつき

新條強「K!」

Kはジョーカーから飛び降りて、目の色が赤くなり

ロボット刑事K「行くぞ、ゴー!」

空中でブレザーを脱ぎました。着地するとKは即座にタイホウマンの砲身を蹴り上げて新條を解放。

新條「頼むぞ。」

おや。Kの後ろに電車の架線柱が見えます。調べてみないとわかりませんが、京王よみうりランド駅近くにある神社で撮影したのかもしれませんし、違うような気もします。それは兎に角、

タイホウマン「まだ生きていたのか、ロボット刑事。ようし、今日こそ粉砕してやる。」

タイホウマンは砲身を傾けてKを狙いますが、Kは後ろへジャンプして回避。

タイホウマン「小癪な。」

また狙いをつけるタイホウマンでしたが、再度、Kは後ろへジャンプして回避。今度はKがロボット破壊銃を放ちましたが、なんとタイホウマンは弾いてしまいました。

ロボット刑事K「破壊銃を弾くとはなんて凄い奴だ。」
タイホウマン「鉄砲で大砲に勝てると思っているのか! 行くぞ。」

そして戦闘の場所は三栄土木の辺りに移り、

タイホウマン「これで最期だ。」

と言いながらタイホウマンが身体を屈め、照準で、崖の前に立っているKを狙っているところが映ったところでCM挿入です。CMが明けると

タイホウマン「もう逃さんぞ。」

Kはジャンプして砲弾を避けました。タイホウマンの砲弾は崖に当たって岩が崩れ、タイホウマンは崩れ落ちた岩石や土砂の下敷きに。

新條強「助かったよ。ありがとう。」
ロボット刑事K「いえ、それにしても誘い出し作戦とはいいアイデアですねえ。」
新條強「そうかな?」
ロボット刑事K「そうですよ。ほら。」

Kと新條は赤松の居場所へ行こうとしましたが、赤松の部下がマシンガンを放ってきました。赤松の部下は洞窟の中に撤退。

ロボット刑事K「横に回ります。誘い出してください。」

と言うわけでKが横へ回った後

新條強「出て来い。」

赤松の部下が出てきました。マシンガンをKに捕まれ、新條も踏み込み、赤松の部下2人は倒されました。そして洞窟から中に入るとそこは赤松とタイホウマンが商談していた工場のようです。早速、赤松の部下と格闘するKと新條。そして赤松は新條が逮捕したのでした。

さて病院では芝が新聞を読んでいました。そこへ新條とKがやって来ました。

新條強「親父さん、やりましたよ。」
ロボット刑事K「赤松が犯行を自強しました。」

しかし、芝の表情は渋いまま。まあ理由は察しがつくとは思いますが

芝大造「それでわしにも喜べと言うのか。」
新條強「親父さん。」
芝大造「戻った金は半分だけだぞ。」
新條強「半分はバドーが持って行っちまいやがったんですよ。」
芝大造「バドーがなんだ。奪われたものは奪い返す。それが男というもんだ。」
新條強「しかしですよ。」
芝大造「お前らがやらなかったら、わしが…。」

芝の気持ちはわかります。しかし、芝はまだ脚がなおっていません。

ロボット刑事K「なんとか取り返すようにします。」
新條強「どうやってやるんだ、K。バドーのアジトなんて皆目見当がつかねえんだぜ。」

たしかにそう。そこでKが提案したのは

ロボット刑事K「赤松を利用するんですよ。」
新條強「赤松を?」
ロボット刑事K「ま、任せてください。」

芝もそう考えていたのか、芝は納得行ったようで、頷きました。

さて警視庁。Kは赤松のライターにあるものを貼りました。電波を弾くのでレーダーに感じるそうです。赤松が警官に連れられて入ってきました。

新條強「所持品に間違いないな。」
赤松「ああ。どこに行くんだよ。」
新條強「今日こそ教えてもらいたいと思ってね。残り半分の金の隠し場所。」

作戦が開始されようというその時、警視庁特別科学捜査室の入口でこの男が立ち聞きしていました。前回は役に立った、この男が。

地獄耳平「何、残り半分の金の隠し場所。これはビッグニュースだ。」

そうとも知らず、ジョーカーは赤松を乗せて走ります。乗っているのはKと新條の他は赤松。そのジョーカーを自転車で一生懸命追いかける地獄耳平。情報は足で稼ぐを実践しています。そしてついたのは先ほどの工場。

新條強「どこに隠してあるんだ。」
赤松会長「バドーが持ってったんだよ。ホントだよ。」
新條強「嘘つけ。」
赤松会長「嘘じゃないんだよ。」

とその時、砲撃が。もちろん、タイホウマンの仕業です。Kと新條は倒れたまま。気がついた赤松はこれ幸いとタイホウマンと合流。車に乗って逃げました。もちろん、新條とKが倒れたままなのは芝居。タイホウマンを追跡です。

さて車内で礼を言う赤松に

タイホウマン「分け前をもらったのにあなたが留置場じゃあ気の毒だからな。」
赤松会長「流石バドーだ。義理堅い。」

例のライターでパイプに火をつけました。赤松が着いたところにジョーカーも辿り着きました。

新條強「あれがバドーのアジトか。」
ロボット刑事K「行きましょう。」

さてアジトの山荘では残りの金塊をタイホウマンが持ってきていました。

タイホウマン「あなたも無一文では強盗をしたかいがなかろう。次の仕事の資金としてこいつを与えよう。」

金塊一つを渡されて

赤松会長「そいつは有難い。」

ところが

ロボット刑事K「その金は誰にも渡さん。」

なんと屋根の上にKが立っていました。Kはジャンプして金塊は運んでいた車のそばに立ちました。タイホウマンは狙いましたが

ロボット刑事K「そんな至近距離で発砲すれば、この金も全部吹っ飛ぶぞ。」

タイホウマンは砲撃を諦めざるを得ませんでした。その時、Kは気がつきました。

ロボット刑事Kの心の声「見たぞ、タイホウマンの弱点。だが、ここでは私も攻撃できない。」

その時、新條が乱入。バドーのサイボーグ工作員を倒しました。

新條強「金は返してもらうぜ。」

そのまま金塊を積んでいた車に乗り込み、新條は車を発進させました。追いかけようとするタイホウマンを遮り

ロボット刑事K「さあ、撃つなら撃て。」

ところが

タイホウマン「これを見ろ。」

なんと地獄耳平がサイボーグ工作員に捕まえられていて、連れてこられました。

そしてK、新條、地獄耳平は牢に監禁されてしまいました。

タイホウマン「この鉄格子には3万ボルトの電流が流れる。触れただけで死ぬぞ。」

さらに

タイホウマン「3分後にはこの時限爆弾が爆発して、このアジトもろとも木っ端微塵になるという寸法だ。ではさらば。」

泣き叫ぶ地獄耳平。

ロボット刑事K「落ち着きなさい。」
地獄耳平「あんたねえ、ロボットだから、そんな事が言えるんですよ。バカーンって来たら痛いんだから。」
新條強「馬鹿野郎。お前がヘマやらなければこんなことにはならなかったんだあ。」
地獄耳平「すいません。ついトクダネに目が眩んで。」

さて大事なのはこれからどうするかと言うことです。脱出に使えそうなところはなし。

地獄耳平「あ、あと1分。」

それを聞き、Kは鉄格子に体当たりしようとしましたが、新條がこう言って止めました。

新條強「ロボットだからって命を粗末にしてはいけねえよ。」

このまま死んでしまうのか? とその時、時計の針が0になる直前に時限爆弾が止まりました。止めたのは

ロボット刑事K「芝刑事!」
新條強「親父さん。」
地獄耳平「(十字を切りながら)神様。」

芝がどうやってバドーのアジトを探し出したのかは謎ですが、地獄耳平は気絶してしまいました。芝は電源も切りました。松葉杖を突きながら歩き、牢の錠も拳銃で破壊。そして3人は脱出しました。

新條強「親父さん。」
芝大造「甘ったれている場合か。金を追うんだ、金を。地獄の底まで追いかける。」

タイホウマンと赤松は金塊の載せた黒い車を走らせていました。ところが前をジョーカーが、後ろを先ほどタイホウマンがアジトまで赤松を乗せた車で挟み討ちにされました。後ろの車に乗っていたのは新條、芝、地獄耳平の3人。それでも平然としているタイホウマン。

タイホウマン「死にに来たか、ロボット刑事。」
ロボット刑事K「いや、決着をつけに来たのだ。」

Kの目の色が赤くなり

ロボット刑事K「行くぞ。ゴー!」

ブレザーを脱いで戦闘開始です。タイホウマンをKに任せて新條達は走って逃げる赤松達を追いかけます。芝は松葉杖を投げて赤松の脚を絡ませて転ばせ、地獄耳平が赤松を押さえつけ、芝が手錠をかけ、新條はサイボーグ工作員と格闘。さてKはタイホウマンを何度も蹴り上げて木にぶつけ、タイホウマンがKを砲撃しようと狙いを定めたところをジャンプし、ロボット破壊銃に

ロボット刑事K「Kミサイル。」

をセット。そのまま発射してタイホウマンの砲身の中に撃ち込みました。ミサイルはタイホウマンの体内に入り、タイホウマンは爆発四散したのでした。

野田圭一のナレーション「Kはタイホウマンの砲身の底が火薬庫になっている事を見抜き、そこを直撃して倒したのである。」

残り半分の金塊は無事でした。

芝大造「うん。これで奪われたものは全部奪い返したわけだ。は、ご苦労だったな。」
新條強「親父さんのおかげです。俺はまだまだ半人前だってことがよーくわかりました。」
ロボット刑事K「いやあ、全くです。あの時、芝刑事が来てくれなかったら私達は今頃。」

さてもう一人、この男がこう言いました。

地獄耳平「親父さんは命の恩人。あん時は神様に見えましたよ。」

それを聞き

芝大造「お世辞たらたら抜かすな。」

すると

地獄耳平「ホント。心の底からそう思ってます。」

それを受けて芝はこう言いました。

芝大造「じゃ、わしをおぶってくれるか?」
地獄耳平「おぶう。親父さんを?」
芝大造「車はどうも傷に当たっていけねえ。お前の背中なら具合良さそうだ。」
地獄耳平「そんな殺生な。」

困り果てた地獄耳平にトドメの一撃(大門豊談)が放たれました。

芝大造「命の恩人、神様。あれは嘘だったの?」

と言うわけで地獄耳平は芝をおぶって帰る羽目に陥ったのでした。

野田圭一のナレーション「こうして特別科学捜査室の刑事達はバドーから金塊を奪い返し、ロボット刑事Kは新條、芝両刑事と仕事ができる幸せをしみじみと感じるのだった。」

おや、エンディングのナレーションの内容が変わってきています。この辺りから、芝にもKを受け入れる気持ちが芽生えていたのではないでしょうか。