ロボット刑事 第17話「魔の泡に消されるな?!」を観た
今回はロボット刑事 第17話「魔の泡に消されるな?!」(脚本:中山昌一、監督:奥中惇夫、助監督:高橋正治、技闘:三隅修 (C) 東映)を紹介しましょう。
冒頭は男の子と女の子が公園の砂場で遊んでいるところ。幼稚園児くらいでしょうか。そして砂場の中から現れたのはバドーのモグルマン(声:矢田稔ではなくて峰恵研)。モグルマンは子供達に泡を吹きかけました。それだけではなく、通りかかった幼稚園の送迎バスにも泡を吹きかけました。そして子供達も幼稚園バスも溶けてしまったのです。そして頭についているドリルを使って地中に潜ってしまいました。モグルマンが立ち去った後、幼稚園バスが溶ける様子を通りかかった芝奈美が目撃し、芝に通報。
芝大造「夢みたいな話だが、お前が言うんだ。すぐ調べに行く。」
と言うわけで新條と一緒に芝は現場へ急行。奈美から証言を聞きながら
芝大造「おかしな話だ。影も形もなくなるなんて。」
新條強「しかし、幼稚園からも親達からも届が出てるんです。幼稚園バスが消息不明になっていることは間違いない事実ですよ。」
芝大造「そんなことはわかっとる。またバドーロボットの仕業か。」
ついに芝もそう言わざるを得ませんでしたが
新條強「なんですって、親父さん。」
芝大造「何も言っとらん。向こう見てこい。」
照れ隠しにそういう芝でした。
向こう、すなわち砂場にはKがいました。シャベルやポリバケツの溶け残りを持ちながらKが考え込んでいました。そして新條に見せました。
ロボット刑事K「相手は恐ろしい敵です。」
新條強「と言うことは、このスコップやバケツのように人間やバスを溶かしてしまったと言うのか。」
ロボット刑事K「これはやっぱり」
新條強「バドーの仕業だって言うんだろ。親父さんもそう言ってた。」
驚くK。
ロボット刑事K「芝刑事が? 本当ですか?」
新條強「口先じゃあガミガミ言ってるけどなあ、親父さんは。」
そこへやって来たのは芝大造。
芝大造「何を喋ってるんだ。何か掴めたらすぐ報告するんだ。」
新條はKが持っていたスコップとバケツを渡しました。それにしてもポリバケツって溶けるんですかねえ。ゴキネズラもびっくりです。
芝大造「バカ。バドーと決まったわけではない。」
憮然としながら立ち去る芝でした。
その頃、横田剛(加地健太郎)と言う男が相棒(久野聖四郎)とバドーの話をしていました。バドーの方から手を組まないかと言って来たと言うのです。
相棒「手を組めば?」
横田剛「俺達が企む銀行破りに全面的に手を貸してくれるそうだ。」
相棒「へえ。で条件は?」
横田剛「利益の半分を指定された口座に払い込む。」
相棒「そいつは高すぎやしねえか。」
すると
バドー首領「高いと思うのは君達がバドー犯罪組織の実力を知らんからだ。幼稚園バスが消えてなくなった事件を知ってるだろう。2人の子供が蒸発した事件も。全てバドー犯罪組織から派遣されたロボット、モグルマンの仕業だ。」
即座に登場するモグルマン。
モグルマン「俺がそのモグルマンだ。」
その声はやはり峰恵研さんの声です。今まで青二プロダクションの声優だったのに今回は『仮面ライダー』でお馴染みのテアトルエコーから起用されています。それは兎に角
モグルマン「この契約書にサインをすれば俺がお前達の望みを全て叶えてやる。見ていろ。」
モグルマンは何でも溶かしてしまう泡の威力を見せつけました。
モグルマン「さあ、この契約書にサインするんだ。」
契約書を手にして
横田剛「もし、断ったら?」
返ってきた答えは
モグルマン「バドーの存在を知ったお前達を殺す。」
この有無を言わさぬやり方を見せつけられて横田はサインせざるを得ませんでした。
と言うわけで横田達はまず帝都銀行を襲撃する事にしました。帝都銀行の通用口の前に車を止めて待つ横田と相棒。モグルマンは地下から金庫に入り込み、札束を盗んで行きました。ところがその時、友達と別れたミチオ(梅津昭典)が通りかかってしまいました。ミチオは電柱の陰から、モグルマンが帝都銀行の守衛に泡を吹きかけるのを目撃。うっかりカバンを落としてしまったため、モグルマンに気づかれてしまいました。逃げるミチオ。追いかけるモグルマン。
モグルマン「追うんだ。」
モグルマンは横田達の車に乗り込み、ミチオを追跡しました。ところがそこへKの乗るジョーカーが通りかかりました。なんという都合の良い展開。ジョーカーは横田達の車の進路を遮りました。仕方なく車を止めた横田は同じくジョーカーから降りたKにこう言いました。
そして
ミチオ「刑事さん、この男達はねえ、帝都銀行から盗み出して来たものをその自動車に積み込んだんだよ。それにね、ガードマンも泡だらけにして殺しちゃったんだよ。」
悪事を暴露されたので
横田剛「小僧。出鱈目を言うな。」
ミチオ「出鱈目じゃない。僕は見たんだ。」
横田剛「なに?」
ロボット刑事K「じゃあ、言ってみろ。なぜこの少年を轢き殺そうとした。」
そこへ横田の相棒が出てきて拳銃をぶっ放しましたが、Kにきくわけがありません。そこで
モグルマン「俺が相手になろう。ロボット刑事K、バドーの仕事の邪魔をするな。」
ロボット刑事K「お前はバドーのロボット、モグルマンだな。坊や、下がってろ。」
なぜ名前を知っていたのかは謎ですが、ミチオは逃げて、Kはモグルマンと戦闘開始。
モグルマン「邪魔する奴は殺す。」
横田達はミチオを追おうとしましたが、それはKが阻止。横田達は車で逃走しましたが、追いかけようとしたKをモグルマンが阻止。Kの目の色が赤くなり
ロボット刑事K「行くぞ。ゴー!」
ブレザーを脱いで本格的に戦闘開始。モグルマンは泡を発射。何度も避けましたが、ついにかかってしまいました。
モグルマン「ロボット刑事K、その泡に消されてしまえ。」
しかしKは両手からジェットシャワーを噴射。体についた泡を洗い流してしまいました。驚くモグルマン。今度は頭についたドリルを使って攻撃して来ました。しばらく格闘は続きましたが、モグルマンは地中に潜って逃げたのでした。
翌朝。新條がKから聞いた事件の話を奈美と由美にしていた頃、Kはミチオを警護していました。Kの狙い通り、ミチオを襲いにモグルマンが現れました。ミチオがいたのは運河の辺り。浜離宮かお台場が見えるような気がします。ミチオを襲うモグルマン。そこへKも登場。
モグルマン「貴様、図ったな。」
泡を噴射しようとしましたが、Kはジェットシャワーを見せつけて
ロボット刑事K「その泡は私に通用しないことを忘れたか。
Kはミチオを退避させ、格闘開始。ミチオを追いかけようとするモグルマンを遮り
ロボット刑事K「相手は私だ。来い。」
と言うわけで格闘続行。Kの目の色が赤くなり
ロボット刑事K「行くぞ。ゴー!」
ブレザーを脱いで本格的に戦闘開始。しばらく格闘が続きました。Kの頭にモグルマンが迫って若干不利。その時
ミチオ「Kさん、頑張れ。」
すると腰についているKマークが光り、Kは出力アップ。形勢逆転。またしばらく格闘が続いた後
ロボット刑事K「それ。」
Kはモグルマンを海(それとも運河?)に落としてしまいました。
ミチオ「やった、やった。」
無邪気に喜ぶミチオ。なんとか上陸したモグルマンはなんとこんな事を口走ってしまいました。
モグルマン「小僧。しまった、水のせいで出なくなった。」
なんと泡を出せません。モグルマンはKに投げ飛ばされ、仕方なく
モグルマン「覚えてろ。」
とまた逃げざるを得なかったのでした。しばらく動かないKをみて、どうして捕まえないのかと尋ねるミチオにKは言いました。
ロボット刑事K「だって、あいつ一人やっつけても仲間の人間を捕まえないとねえ。」
ミチオ「じゃあ、Kさんにはあの仲間を捕まえる自信があるの?」
ロボット刑事K「あるさ。いいかい。このスーパー探知機で追跡するんだ。」
と言うわけでKはスーパー探知機を操作。
ロボット刑事K「あ、君は危ないから着いて来るんじゃない。」
ここでCMが挿入され、CMが明けると警視庁の特別科学捜査室。
芝大造「何、あのホシはKが捕まえるだと?」
新條強「いや、Kと協力して私がきっと捕まえて見せます。ここんところは我々に任せてください。」
芝大造「我々とはなんだ、我々とは。あの機械野郎は人間並に勘定するんじゃないって俺もいつも言ってるだろう。」
新條強「わかりました。私がきっと取り押さえて見せます。」
芝大造「ホントだな。」
新條強「はい。」
芝大造「よし。じゃあ、勝手にしろ。」
芝は暗に新條のやり方を認めたとも受け取れるやり取りです。
一方、横田達は次の標的の図面を観てました。次の狙いは東和銀行。モグルマンは気になることを尋ねました。
モグルマン「その近くに水はないだろうな。」
あまりにも突飛な質問に「水?」と聞き返す横田。
モグルマン「例えば、プールとか用水池とか。」
横田剛「それがどうかしましたか?」
モグルマン「いや、水に濡れると俺の泡は使えなくなるんでな。」
これで不安に思ったのか、横田の相棒が鋭い質問をしました。
横田の相棒「いやに引っ込み思案な事をおっしゃるが、あの子供の始末はつけてくださったのでしょうねえ。」
痛いところを突かれたからか
モグルマン「それは大丈夫だ。」
横田剛「本当ですね? あの子供は俺達の顔をはっきり覚えてるに違いないんです。この始末だけは。」
モグルマン「俺を信用せんのか!」
逆ギレしたのか、モグルマンはドリルを回して掴み掛かりそうな感じです。思わず横田が恐れ入ったところへ
新條強「モグルマン、嘘をつくな。ミチオくんは間違いなく我々が保護している。そこの2人に言っておく。この建物は警官隊によって完全に包囲された。おとなしく出てこい。」
顔を見合わせながら立ち上がる横田と相棒。
横田剛「これは一体どう言う事です。約束が違うじゃありませんか。」
それを聞き
モグルマン「ふん。心配するな。俺に着いてこい。」
と言うや否や新條がドアを開けました。
モグルマン「何者だ、貴様。」
新條強「本庁の新條刑事だ。」
モグルマン「命知らずが。俺の恐ろしさを知らぬのか。」
新條強「へ。知ってるさ。だがもう恐ろしくはないぞ。Kの通報で貴様の弱点がわかったんだ。」
モグルマン「何? 出鱈目を言うな。」
とまあ、勢いもあってか突進するモグルマン。逃げる新條を追って外に出れば警官隊が皆、ホースを持っています。モグルマンに放水攻撃が行なわれました。警官隊をなんとか倒したモグルマンでしたが、そこにKも登場。ここで大まかな流れはわかるでしょう。警官隊が水をかけたのでモグルマンは地中に逃げ、横田と相棒は新條に捕まったのでした。
後はモグルマンのみ。Kはモグルマンが掘ってできた穴に爆雷を投げ入れました。爆雷が投げ込まれた事に気がついたのかモグルマンは地上に出ましたが、そこには当然、Kがいました。
ロボット刑事K「貴様の相手は私がする。」
その場所は多摩川の辺り。堰のある辺りで明らかにモグルマンには不利。
ロボット刑事K「土の中に潜れば逃げられると思っていたのは貴様の運の尽きだ。」
と言うわけで格闘開始。しばらく戦った後、Kの目の色が赤くなり
ロボット刑事K「行くぞ。ゴー!」
とブレザーを脱ぎました。モグルマンは泡を噴射しましたが避けられ、川の中に蹴り落とされてしまいました。そして川の浅いところで戦闘が続きましたが濡れてしまったのでもう泡は使えません。川の中や堰の上や堤防の上で格闘した挙句に不利と悟ったモグルマンは地中に逃げようとドリルを突き立てたのですが、そこをロボット破壊銃で倒されたのでした。
最後はバドーを倒す決意を固めたKがジョーカーを運転するところが流れておしまいです。
ついに芝大造も「またバドーロボットの仕業か。」と呟きましたが、まだKを信用しているわけではありません。彼がKに完全に心を開くようになるのはもう少し先。バドーがテロを実行してサイボーグ工作員を活用しまくる辺りからになると思います。