ロボット刑事 第14話「光る眼の恐怖!!」を観た

今回はロボット刑事 第14話「光る眼の恐怖!!」(脚本:中山昌一、監督:内田一作、助監督:高橋正治、技闘:三隅修 (C) 東映)を紹介します。

ビル街にいきなり登場のガンリキマン(声:矢田耕司ではなくて水鳥鉄夫)。不敵に笑いますが、その声はやはり矢田耕司さんの声ではありません。背広を着てカモフラージュしているようです。首を伸ばして部屋の窓に顔をつけ、今度は首を縮めるという方式で契約者のいる部屋へ行きます。PK新報のメンバーは

ガンリキマン「前科11犯の谷村耕造(幸田宗丸)。前科8犯池島太平(宇南山宏)。」

と言う構成。何故かガンリキマンは普通に入口のドアから…と思ったら首を長く伸ばしていました。

ガンリキマン「私はガンリキマン。バドー犯罪組織から派遣されたロボットだ。」
谷村耕造「ロボット?」
ガンリキマン「あなた達の宝石強奪計画に力を貸そう。」
谷村耕造「用件を聞こう。」

今度は普通の姿でガンリキマンは中に入り

ガンリキマン「利益の半分はバドー犯罪組織に送ること。いいなあ。」

答えは

谷村耕造「断る。」

するとガンリキマンは目を光らせて鉢植えを破壊。この眼の力、すなわち眼力が名前の由来なのでしょう。そして

ガンリキマン「さあ、この契約書にサインをするのだ。」

まるで押し売りのような手口です。

そして契約したのでしょう。ガンリキマンは谷村と池島の車である宝石店へ移動。宝石店の前で谷村と池島の車は止まり、ガンリキマンの襲撃が終わるのを待っていましたが、折悪しく、別の車が後ろから来てしまい、クラクションを鳴らされてしまいました。後ろの車に乗っていた男は何度もクラクションを鳴らしましたが、そこへガンリキマンが戻って谷村と池島の車に乗りました。

大木(川野耕司)「怪しい奴だなあ。」

ガンリキマンを乗せて谷村と池島の車は発進しましたが

大木「よし、あの車をつけてみよう。」

と追いかけ始めてしまいました。

さてガンリキマンは車の中でこんな事を尋ねました。

ガンリキマン「俺の方はうまく行ったが誰にも気づかれなかったろうなあ。」

これを聞き

谷村耕造「大丈夫だ。」
池島太平「(フェンダーミラーを見て)いや、つけてくる車があるぞ。」
谷村耕造「(後ろを振り向いて)さっきの車だなあ。」

なんとこの時点になって気がつくという間抜けぶり。当然確認するガンリキマン。

ガンリキマン「どうした?」
池島太平「店の前で割り込んだ車だが、怪しまれたかなあ。」

すると

ガンリキマン「よーし、任せておけえ。」

ガンリキマンは右手にガトリング砲をセット。大木の車のタイヤをパンクさせました。その場所は新宿の十二社の辺り。大木の車が止まったので今度は大気を狙ってガンリキマンが目から光線を出しましたが、運転席のガラスが邪魔になったのか、大木の命は助かったようです。

さて大木は病院に運ばれました。病室に大木の息子のススム(西郡英利)、新條、そしてKがいました。大木は車のナンバーを覚えていましたが、該当する車は盗難車。よって犯人の目星はつきませんでした。

新條強「だが、直接の光を浴びた人は即死したのに、車のウインドウ越しに受けたあなたは命が助かった。そのことは我々には大きな参考になりました。」

ここでKは新條にこう言いました。

ロボット刑事K「大木さんが向こうのナンバーを覚えていたように、向こうも大木さんの車のナンバーをチェックしていたかもしれませんねえ。」

新條もそれに同意。大木の留守宅には病気の妻(板倉祥子)が寝ています。彼女が襲撃されるかもしれません。

新條強「K、坊やを送っていって、留守宅の警戒を頼む。俺はここで大木さんに付き添う。」

そのKと新條の懸念は不幸にも的中。ガンリキマンは右手の銃になっているところから針(と言うよりはフェンシングの剣?)を出して大木の妻を脅迫し、大木の居場所を尋ねました。そこへKが駆けつけ、格闘開始。逃げるガンリキマンを追いかけるK。ジャンプして消えたと思ったら、高台から飛び降りて、Kに襲いかかりました。ロケ地は東映生田スタジオのそばのような気がします。

ロボット刑事K「貴様は何者だ。」
ガンリキマン「バドーのロボット、ガンリキマンだあ。」
ロボット刑事K「ガンリキマン?」
ガンリキマン「人間どもの奴隷に成り下がったロボット野郎、来い。」

ガンリキマンは右手にガトリング砲を装着しましたが、その砲弾はKには通用せず、Kは平然と歩いてガンリキマンに近づきます。そして高台にある空き地に場所を移して格闘が続きます。そして

ガンリキマン「くそう、俺の殺人光線を受けてみろ。」

ガンリキマンは殺人光線を目から発射。その威力は凄まじく

ロボット刑事K「目が。目が見えない。」

なおも格闘はしばらく続きましたが、最終的にガンリキマンは逃げ去ったのでした。ススムは心配してKに駆け寄りました。

ロボット刑事K「あいつの発射する光が私の指向性レーダーを狂わせてしまった。だが回路を修復すれば回復できるよ。」

さてガンリキマンの次の標的は今岡家。谷村によれば今岡は日本一の宝石収集家で世界的に名前が轟いているようです。ガンリキマンは宝石捜査光線を作動させて宝石を発見。ガンリキマンは警報を聞いて現れた今岡も殺害。今岡邸を出た瞬間にガンリキマンは新條率いる警官隊が迎え撃ちましたが

ガンリキマン「そんな拳銃がガンリキマンに通用すると思っているのか。来い。」

豪語した通り、拳銃の弾はガンリキマンには通用しません。新條は投げ飛ばされて気絶してしまいました。

ガンリキマン「今度は俺の番だ。」

ガンリキマンのガトリング砲の弾は盾も通用しないのか、警官達は倒されていきました。全員倒したところでKが登場。Kはサングラスを着けています。

ガンリキマン「そのメガネで俺の光線を避けようと言うのか。」

ガンリキマンはオバケマンションへ逃げました。

ロボット刑事「行くぞ。ゴー!」

Kはブレザーを脱ぎました。オバケマンションのあらゆる場所で格闘は続きました。互角という感じでしたが、ガンリキマンが首を伸ばして噛みつき、長く伸ばした首を振り回した弾みにKのメガネが外れてしまい、形勢不利に。またもガンリキマンの殺人光線で

ロボット刑事K「お、しまった。」

目をやられてしまい

ガンリキマン「死ね。」

ガンリキマンはオバケマンションを破壊。Kは瓦礫の下敷きになってしまったのでした。

ここでCMが挿入され、CMが明けると、芝の家。夜になったようです。芝は新條とKの報告を聞いたようです。

芝大造「なんてだらしがないんだ、お前達は。やりたい放題やらしてみようと思ったが、これじゃあ、わしも黙っているわけにはいかん。」

流石に奈美と由美が口を挟みました。

芝奈美「新條さんもKさんもお父さんを危ない場所に出したくないと思って。」
芝大造「なんだと!」
芝奈美「ホントよ。二人の気持ち、もっと察してあげなくちゃ。」

それを聞き

芝大造「黙れ、黙れ。痩せても枯れても芝大造だ。」

かえって芝は機嫌を損ねてしまいました。芝の気持ちもなんとなくわかりますが、言っていることは酷すぎますかねえ。

新條強「親父さん、俺が悪かったんだ。勘弁してください。」
ロボット刑事K「いえ、私が悪かったんです。許してください。」

これがさらに芝の心象を悪くしてしまいました。

芝大造「なんだと。てめえまで新條の真似しやがって。」

その言葉を由美が咎めましたが

芝大造「うるさい。黙ってろ。誰が何と言おうとわしは機械野郎は嫌いなんだ。お前が来てから次々とお前みたいな化け物が出てきてやがる。ひょっとするとお前もグルじゃないかと疑いたくなる。」

鋭い。当てずっぽうで言っただけなのかもしれませんが。実はKとバドー首領、というかKを作った人物とはある関係があるのです。ただそれを芝、新條、K、そして視聴者が知るのはもう少し先。この言葉は流石に酷すぎると思ったのか、新條はこう言ってKを庇いました。

新條強「親父さん、それはないでしょう。Kのお陰でどれだけ助かったのか。」

由美も奈美も芝を責めましたが

芝大造「うるさい。」

芝は部屋を出て行ってしまいました。新條も奈美も由美もKを慰めました。

翌朝。Kはマザーのところへ。マザーを呼び出し尋ねたのは

ロボット刑事K「教えてください。バドーとは何者です。次々と悪いロボットを送り込んでくるバドーとは何者です。」

その質問にマザーが答えたかどうかは視聴者には明かされず、場面変わってここはPK新報。谷村と池島がいる例の会社です。そこに地獄耳平からの情報を得た警官隊がやってきました。警官が来たことを谷村と池島も気がつき、一人ずつ片付けることに谷村は決めました。警官を狙って池島と谷村が窓を開けた隙を突き、隣のビルからロープに掴まった新條がPK新報の社内に侵入。激しい格闘の末、谷村と池島に手錠をかけることに成功しました。

一方、ススムはPK新報の近くの道路でガンリキマンを目撃。果敢にも尾行します。昭和48年当時の街が映りますが既に四角いポストがあった事がわかりますねえ。余談ですが、私が小学生の時(昭和50年代前半)の埼玉県上尾市や東京都や横浜市などには既に四角いポストがあったのを私は覚えています。閑話休題ガンリキマンは次の狙いを定めたのですが、直後にススムがいることにも気がつきました。しかし、そのまま宝石のあるビルの中に入りました。ススムは青色のダイヤル式公衆電話で110番に通報。今、ダイヤル式の電話なんて見かけません。一応、繋がりましたが、肝心の内容を言おうとしたところでガンリキマンの邪魔が入ってしまいました。ガンリキマンはススムを敢えて泳がせていたのです。

ガンリキマン「小僧。貴様、つけてきた車の男の子供だな?」

ガンリキマンはススムを捕まえて「どこへ電話した」と問い詰めましたが電話は繋がったまま。ガンリキマンがススムを始末しようとした、その時、Kが真上から登場。その隙にススムは逃げました。

大木ススム「あ、Kさん。」

ガンリキマンと対峙するK。

ガンリキマン「また出てきたのか。」
ロボット刑事K「今日はこの前と違うぞ。」

おや、メガネをかけていません。それにガンリキマンも気がつきましたが、そのまま殺人光線を発射。Kの目に命中したのですが、下の方に跳ね返されてしまいました。驚くガンリキマン。

ロボット刑事K「私が今日まで出てこなかったわけがわかったか。お前の光に作用される指向性レーダーは取り替えたぞ。」
ガンリキマン「なに!」
ロボット刑事K「それともう一つ。お前と手を組んだ谷村、池島は新條刑事の手で逮捕された。」
ガンリキマン「おのれ。」

というわけで格闘開始。ガンリキマンの右手にはフェンシングの剣のようなものがついていて、ひたすら突きまくりますがKはかわしまくり、最終的には剣はKが折ってしまいました。

ガンリキマン「くそう。」

ジャンプして逃げるガンリキマンをジャンプして追うK。Kの目の色が赤くなり

ロボット刑事K「行くぞ。ゴー!」

ブレザーを脱ぎました。ガンリキマンは右手をガトリング砲に替えましたが(以下省略)。学習能力ないのでしょうか? ジャンプして逃げたガンリキマンでしたが、どこかの建物の屋根の上で

ロボット刑事K「逃げられると思うか?」

結構、危ないところで格闘していた気がします。次にガンリキマンは噛みつき攻撃。これは効いたようです。Kは建物の下へと落ち、気がつくと今度は西新宿の淀橋浄水場跡地にあった陸橋の下にいました。

ガンリキマン「まいったか、K。」
ロボット刑事K「よし、トドメの一撃だあ。」

Kはロボット破壊銃を発射しましたが、ガンリキマンには効きません。格闘の場所は陸橋の下から陸橋横に広がる芝生の空き地に移りました。ジャンプして今度は陸橋の上へと戦場が移り

ロボット刑事K「これならどうだ!」

Kはロボット破壊銃から火炎放射。これはガンリキマンに効き、オーバーヒートを起こして爆発したのでした。

最後は何故か警視庁特別科学捜査室にやってきた地獄耳平が週刊誌に頼まれて貴金属盗難事件の顛末を得るために新條とKの居場所を尋ねながらも芝に追い出される場面が映った後、退院する大木や病気が治った大木の妻と一緒にいるススムが

大木ススム「新條さん、Kさん、ありがとう。」

などと礼を言う場面で締めくくられたのでした。

次は上原正三が書いた前後編。日本に運び込まれた金を巡る攻防戦が描かれます。科学交渉は雑な箇所がありますが、それに目を瞑ればかなり楽しめる話だと思います。