ロボット刑事 第21話「恐怖デンネツマン マザー爆沈!!」を観た

今回はロボット刑事 第21話「恐怖デンネツマン マザー爆沈!!」(脚本:中山昌一、監督:内田一作、助監督:長石多可男、技闘:三隅修 (C) 東映)を紹介しましょう。第19話と第20話は秘密結社と組んでの犯行でしたが、今回から本格的にバドーが従来の「殺人(犯罪)セールスマン」の範疇に収まらない、大々的な破壊工作や脅迫を実行するようになっていきます。それに伴い、サイボーグ工作員も活躍しまくるようになります。また警視庁側にも動きがあります。なお、第21話と第22話は中山昌一脚本にしては珍しく前後編となっています。

ある夜。三木(桔梗恵二郎)の家(でしょう)の壁にバドーの鉄のドクロのマークが描かれていました。なんとなく東映生田スタジオのそばで撮影されたような気がします。三木と息子のヒロシ(高橋仁)が同じ部屋のベッドで寝ているとヒロシの方が目を覚まし、三木を起こしました。泥棒が来たと思ったら、やってきたのはなんとデンネツマン(声:峰恵研ではなくてたてかべ和也)。

デンネツマン「バドーのデンネツマン。バドーに逆らうお前の一族を皆殺しにする。」

その声はやはりたてかべ和也さんのもの。第19話と第20話は例外的に合っていましたが、やはりクレジットは参考にはなりません。父が追い払おうとしましたが、かなうわけがなく

三木「ヒロシ、逃げろ。」

と言う事態になり、父はデンネツマンの

デンネツマン「5万ボルト発電!」

で高圧電流を流されて死んでしまいました。続けてデンネツマンはヒロシに襲いかかりましたが、そこにKが登場。Kはヒロシを助け、デンネツマンと格闘。デンネツマンは逃げましたがKが先回り。仕方なくデンネツマンはKと戦うことになりましたが

デンネツマン「バドーのデンネツマンの力を知れえ。うおー、10万ボルト発電。」

しようとしましたが、Kが鎖(だと思います)による拘束から逃れましたが、デンネツマンが触ったことにより、Kは感電。ショックで視力回路をやられてしまいました。以後、Kはデンネツマンに一方的にやられっぱなし。最終的に、デンネツマンは空を飛んで立ち去ったのでした。

その頃、芝と新條は屋台で一緒に飲んでいましたが、パトカーの音を聞き、さらに屋台に来た客(岩崎信忠)が

客「(芝が「事故ってこともある」と言ったので)いや、事件ですよ。」

と言ったので、慌てて芝と新條は勘定を済ませて現場へ駆けつけることにしました。

さて同じく現場にパトカーが駆けつけようと緩い上り坂、やはり東映生田スタジオ付近のような気がしますがを登ろうとしたところ、それをデンネツマンが妨害。

警官(大葉健二さんだと思います)「おい、危ないじゃないか。」

しかしデンネツマンはどこうとはしません。攻撃態勢に入っています。そうとは気づかず

警官「おい、どかないか。」

と降りたところへ

デンネツマン「死ね。」

デンネツマンは鎖(だと思います)の先にペタンとくっつくものを投げて警官の胸につけてしまい、

警官「貴様、警察官をなんと思っとるのだ。」
デンネツマン「発電5万ボルト!」

高圧電流を流して警官は感電死しました。高笑いするデンネツマン。パトカーに同乗していた警官が拳銃を撃ちましたが、デンネツマンに通用するわけもなく、彼も同じ攻撃を受けて倒されました。そこへ芝と新條が駆けつけました。芝と新條は拳銃を連射。

デンネツマン「老いぼれ刑事とへっぽこデカ。バドーのロボットに拳銃は効かない。」

たしかにそう。デンネツマンは新條に例の電流攻撃を加える…と思ったら

デンネツマン「片はついた。今日は俺の勝ちだあ。」

と叫んで、また飛び去ってしまいました。

翌日。地獄耳平が水門の辺りを歩いていると船員風の男(岩崎信忠)とぶつかりました。ヒゲを生やしているようです。男は地獄耳平にこう言いました。

男「助けて。助けてください。殺されます。」

そんなこと言われて困り果てた耳平に

男「せめてこれだけ、これだけでも。」

と紙を残して立ち去ってしまいました。さて耳平は周りを見回しましたが

地獄耳平「別に誰も追ってこないじゃないか。」

さて男が耳平に渡した紙を見てみれば、それは「バドー挑戦状」でした。耳平は芝のところへ急行。その文面は

芝大造「一つ、昨夜の殺人事件はバドーの言うことを聞かなかった三木一族に対するバドーの報復である。一つ、警官殺しは警察に対する挑戦である。特に日本に送り込んだバドーロボットの企画を次々と阻止した特別科学捜査室との決戦を望むものである。」

バドーの正式な挑戦状たと言うのは明らかです。新條がそう言うと

芝大造「バドーの奴がいよいよ俺達に筒先を向けてきたとなると、これは油断できない。」
ロボット刑事K「耳平に紙切れを渡したという男を捕まえられれば、一番良いんですがねえ。」
新條強「そうだ。お前の記憶で手配のモンタージュ写真を作ってくれ。」

それを聞いて耳平は驚きましたが

芝大造「さあ、耳平。協力するんだ。さあ。」

耳平は否応なくモンタージュ写真作成に協力させられることになりました。

そしてKと新條がモンタージュ写真を元に聞き込み開始。念の為、Kは新條に非常呼び出し用の装置を渡しました。Kと新條が別れたのは南千住の辺りのようです。常磐線日比谷線隅田川を渡る鉄橋の辺りで別れたようです。新條がタクシーが通りかかったので止めるました。新條は「千住までやってくれ」と運転手(岩崎信忠)に指示しました。そのまま乗っていたところ、

新條強「おい、方角が違うじゃないか。」
運転手「ちょっと遠回りになりますが、こちらの方が渋滞が少ないんです。」

と怪しいことを言い出す始末。そして突然、運転手は車を止めました。故障だと言うのです。そして運転手がタクシーを降りてボンネットを開けるとデンネツマン登場。新條が降りると

男「どうだ。挑戦状通り誘き寄せた。デンネツマン、こいつから片をつけろ。」

運転手が顔の肌の皮をめくると地肌は黒。運転手はバドーのサイボーグ工作員だったのです。新條はデンネツマンに発砲しましたが拳銃が効くわけがありません。

デンネツマン「新條刑事、一騎討ちだあ。」

どう考えてもデンネツマンの方が強いに決まっています。新條は例の装置でKを呼び出しました。Kがいたのは地獄耳平が男と遭遇した現場。慌ててジョーカーに乗って新條のところへ急行です。その頃、新條とデンネツマンは貨物駅で戦っていました。隅田川駅でしょうかねえ、千住に近いのは。ただ、ロケ地がそこかどうかは知りません。空を飛ぶジョーカー。Kは新條がデンネツマンに襲われているのを目撃しました。

デンネツマン「へっぽこデカ、ゆっくり電圧を上げ、なぶり殺しにしてやる。」
新條強「殺すなら殺せ。」

このピンチをKも見ました。

デンネツマン「10V、20V。」

ジョーカーは着陸。

デンネツマン「60、70、80、…」

苦しむ新條。

デンネツマン「苦しめ、へっぽこ刑事。」

今度は「デカ」ではなくて「けいじ」と言っています。そんなことは瑣末な指摘に過ぎず、その時、着陸態勢に入っているジョーカーにデンネツマンがぶつかってしまいました。デンネツマンは倒れてしまい、倒れた衝撃で新條は拘束から逃れました。今度はKがデンネツマンと戦います。

デンネツマン「卑怯者。一騎討ちの約束ではなかったのか。」

と屁理屈をこねるデンネツマン。Kはジャンプした後、

ロボット刑事K「デンネツマン、勝負はつけてやる。来い。」

と言うわけでデンネツマンはKと格闘開始。一進一退の攻防が続きましたが、最終的にはデンネツマンが一方的にKに殴られる状態になったため、デンネツマンはまたも空へ飛び去ったのでした。新條は感電したショックから立ち直りきれてない様子。慌ててKが介抱しました。ここでCMが挿入され、CMが明けると新條はそのまま病院に収容されました。Kと芝が病室にいるところへ奈美と由美がやってきました。新條は意識を取り戻していません。芝は奈美と由美に言いました。

芝大造「新條の看護はお前達二人に任せる。K、捜査続行だ。」

さて病院の外へ出た芝はKにこう言いました。

芝大造「K、俺の覚悟は決まった。俺はバドーをやっつけるぞ。」
ロボット刑事K「それは前から新條さんが。私も言ったはずです。」
芝大造「バカ。お前達に言われなくても俺がずーっと考えてた事だ。次々と起こる事件を解決しておっても、お化けロボットを送ってくるバドーを叩かなければ決着はつかんのだ。とは言うものの、どうしてバドーの基地にとりつけるかだ。」

とそこへ地獄耳平がやってきました。あの男を捕まえて連れてきたのです。

芝大造「うーん、モンタージュ写真、そっくりだ。」

さて男はこう言いました。

男「許してください。バドーの島から脱走してきたのですが、奴らに捕まって脅迫されたんです。

この話に芝は食いつきました。

芝大造「バドーの島から脱走した?」
男「はい。漁船で漂流して小さな島に辿り着き、食糧探しに行って、バドーの兵士に捕えられ、サイボーグにされかけました。」
芝大造「その島のありかを知っているのか?」
男「はい。危機一髪のところを抜け出して、漁船を操って一人で帰ってきましたから。」

男の話を芝は信じたようです。

芝大造「案内しろ。」

芝とKは男の漁船に乗り込み、問題の島へ向かうことにしました。さて船上で

芝大造「だいたい、どの辺になるのか教えてくれんかね?」

芝が尋ねると

男「東京港を出て大島と八丈島の間にある無人島の一つです。」

と答えました。そして問題の島が船から見えてきました。後でわかりますが、ロケ地は横須賀にある猿島です。

芝大造「それらしきものは何にも見えないなあ。」
男「バドーの基地は全部地下です。

それを聞いて芝は頷きました。船は接岸。男の案内で芝とKは島内を歩きました。

男「ここです。」
芝大造「かつての日本軍の要塞の跡だな。」

猿島自体もそういう場所です。

男「はあ。それをバドーが改造したものです。この奥がエレベータになっていて、そこにバドーの基地があります。」

すると芝がこう言いました。

芝大造「うん。ところで、この辺で決着をつけておきたいことがあるんだ。」
男「(表情が変わって)なんでしょう。」
芝大造「あんたがただものでないって事は最初から承知してやってきたんだ。」
男「なんですって!」
芝大造「ヒゲをつけて誤魔化してるが、新條と飲んでいてた屋台店に顔を出した土工風の男と同1人だと言う事にな。」

すると男は拳銃を構えて後ろへ下がり、帽子を脱いでつけヒゲもとり、皮もめくりました。バドーのサイボーグ工作員だったのです。

バドーサイボーグ兵09「見られたら仕方がない。如何にも俺はバドー連隊のサイボーグ兵09だ。」

芝をKが身を挺して庇っています。

芝大造「は、は、は。そんな事だろうと考えて、その拳銃の弾は抜いてある。」

芝の右手には拳銃の弾が。驚くバドーサイボーグ兵09をKが取り押さえました。芝がバドーサイボーグ兵09に拳銃を突きつけて

芝大造「さあ、案内しろ。」

やむなく、今度は本当に案内するバドーサイボーグ兵09。エレベーターで地下へ降りて行き、奥へと入ると、バドーサイボーグ兵09は逃走。追いかけようとしたKと芝の前に鉄格子が降りてきました。これでは追いかけることなどできません。入れ替わりに姿を現すデンネツマン。

デンネツマン「K、我々の作戦にハマってくれてよくここまで来てくれた。あれを見るんだ。」

デンネツマンが指差した方を見ると窓のようなものがあり、そこが開くと見えたのはバドーのサイボーグ工作員達。もちろん、サイボーグ兵09もいます。さらにすりガラス越しにシルクハットを被った男が立っているのが見えました。その男はバドー首領。

バドー首領「ロボット刑事K、ならびに芝刑事。よく来てくれた。」

驚くK。

バドー首領「今度の作戦は私が立てた。日本へ送り込んだロボットを次々と破壊してくれた礼が言いたかったのだ。」

そしてバドー首領は右へ行ったり左へ行ったりしながらこう言いました。

バドー首領「バドー基地の全貌はそのうち見せる機会はあると思うが、それまでに君達の改造をやりたい。芝刑事はサイボーグ。Kは(ここで芝がKの方を向き)電子頭脳をすっかり入れ替えて私の部下として使う事にする。

芝がこう言い返しました。

芝大造「黙れ、バドー。」

ですが窓は閉じられてしまいました。

バドー首領「デンネツマン、後は任せる。」

Kは決断しました。

ロボット刑事K「よーし、ジェット噴射。」

芝を抱えて足からジェット噴射して飛ぶK。なんとか地上に出られましたが、その途端に拳銃の雨嵐。バドーのサイボーグ工作員が多数待ち伏せしていたのです。芝を連れて逃げるK。芝が拳銃で応戦しようとしましたが

ロボット刑事K「芝刑事、拳銃一丁じゃ勝負になりません。ここは私に任せてください。」

芝は部下を気遣い、こう言いました。

芝大造「大丈夫か、お前。」

対するKは

ロボット刑事K「ここで見ていてください。」

岩陰に芝を隠れさせてKが立ち向かいます。

ロボット刑事K「ロボット刑事Kはこれくらいの事で驚かんぞ。見てろ。」

拳銃の弾はKには通用しません。Kの目の色が青く…と思ったら赤くなりました。編集ミスでしょう。

ロボット刑事K「行くぞ。ゴー!」

ブレザーを脱いで戦闘開始。Kは右腕にマシンガンのようなものをはめました。マシンガンでサイボーグ工作員を射殺するK。

芝大造「Kの奴、やりおるわい。」

笑顔になりました。するとデンネツマンが残りのサイボーグ工作員に指示。

デンネツマン「よーし、裏へ回って海岸線にKを追い出すんだ。行けえ。」

出動するサイボーグ工作員。Kは機銃掃射しサイボーグ工作員を倒して行きますが、デンネツマンの目論見通りに海岸線に出てしまいました。芝も拳銃でKを援護します。ところが芝は背後からバドーサイボーグ兵09に撃たれて倒れてしまいました。

バドーサイボーグ兵09「死ね、おいぼれデカ。」

この異変に気づいたKはロボット破壊銃でバドーサイボーグ兵09を倒しました。芝はなんとか歩いている状態。

ロボット刑事K「芝刑事。」

駆け寄るKでしたが、それを黙って見ているデンネツマンやサイボーグ工作員ではありません。

デンネツマン「よーし、今だあ。」

サイボーグ工作員が拳銃を撃ちまくります。芝は力尽きたのか倒れてしまいました。芝を案じながらサイボーグ工作員と格闘するK。デンネツマンも襲いかかります。Kはマザーを呼びました。マザーが現れたのに気がつくと

ロボット刑事K「マザー、芝刑事を、芝刑事を助けてください。」

マザーは腹を開けて芝を収容しました。それを見て

デンネツマン「奴を撃て。」

サイボーグ工作員がマザーを砲撃。マザーは海へ沈み始めました。それを見て

ロボット刑事K「やめろ、おい、やめろ。」
デンネツマン「やめて欲しかったら、貴様の頭脳の改造を承知するんだなあ。」
ロボット刑事K「何を、デンネツマン。」

そんな条件をKが飲むわけもなく、よってマザーへの攻撃は続きました。マザーが海へ沈んでいきます。このまま逃げ切れるのか?

デンネツマン「喜ぶのはまだ早い。追跡ミサイル、発射。」

そしてマザーの姿が島の後ろに隠れるや否や、大爆発してキノコ雲がモコモコと立ち上りました。

デンネツマン「思い知ったか、K。」

マザーは破壊されたのか?

ロボット刑事K「よくもやったなあ。」

と怒りに燃えるK。サイボーグ工作員を倒してしまいました。

ロボット刑事K「マザーを、マザーを、よくもやったな。」

それに対して

デンネツマン「貴様が殺したんだ。俺達の要求をのめば助かったんだあ。」

この言葉が火に油を注ぐ結果となり、Kの怒り倍増。海の中に膝くらいまで入ったところで

デンネツマン「発電50万ボルト。死ね。」

という発電攻撃をしましたが、Kはジャンプしてその攻撃をかわして、最終的にはロボット破壊銃でデンネツマンは倒されたのでした。

ロボット刑事K「バドー。次はお前だ。」

とまた先ほどの地下基地へ戻るK。鉄格子を破壊して、サイボーグ工作員を薙ぎ倒して奥へ奥へと進んで行きます。

ロボット刑事K「バドー、出て来い。バドーはどこだ。」

しかし現れるのはサイボーグ工作員ばかり。

ロボット刑事K「バドー、どこへ隠れた。バドー。」

すると

バドー首領「K。よーく聞け。バドーの大組織を壊せるものならやってみろ。この基地は世界中のバドー組織の一部分に過ぎない。そして君はこの島とともに死ぬのだ。」

と言い終わるや否や基地や島のあらゆる場所が爆発。

野田圭一のナレーション「Kの襲撃を受けたバドーは自ら島を爆破した。Kの運命は。マザーは。そして芝刑事は。」

次回へと続きます。

さて戦いはバドーも警視庁もヒートアップ。沖縄の話もそうでしたが、芝はKを罵倒しなくなりました。正式には今回からなのでしょうが、沖縄の話辺りから芝にもKを信用する心が芽生えたのでしょう。

次回予告でも描かれている通り、次回、Kはパワーアップ。ただ敵のバドーロボットも強敵であることは間違いありません。おそらく既に第26話が最終回となることは決まっていたのでしょう。終盤を盛り上げるための措置なのだろうと思います。