ロボット刑事 第20話「水爆飛行船 東京へ!」を観た

今回はロボット刑事 第20話「水爆飛行船 東京へ!」(脚本:上原正三、監督:折田至、助監督:高橋正治、技闘:三隅修 (C) 東映)を紹介しましょう。前回からの続きで主に沖縄で話が進んでいきます。

カラテマン(声:肝付兼太)と戦っていたK。芝と新條はタクシーを借り、さらに芝はKにこう命じました。

芝大造「K、あの女(リン(錦英))を追うんだ。アジトを突き止める方が先だぞ。」

その指示を聞いたKはジャンプしてジョーカーに乗り込みました。悔しがるカラテマン。ジョーカーはリンの乗る車を追跡しました。さて本土復帰直後の沖縄は今の日本と違って車は右側通行でした。これは本土復帰前に沖縄を統治していたアメリカ合衆国がこうなっていたからです。1978(昭和53)年7月30日に左側通行に切り替えられました。それは兎に角、リンの車とジョーカーの間に牛飼いが横断したため、ジョーカーは停車せざるを得なくなり、結局、まかれてしまいました。牛飼いの肌は黒でマスクもしているのでサイボーグ工作員なのでしょう。

仕方なくKは宿泊先のパシフィックホテルに行かざるを得ませんでした。芝と新條もまかれたようで、Kを玄関で出迎えました。比留間(藤沢陽二郎)や妹チヨ(おそらく上原智佐子)や弟じろう(おそらく太田守邦)や、そしてチヨの友達(おそらく盛島裕子)の女の子(いずれも小学生くらい)もKを出迎えました。全員、ホテルのロビーへ移動。

芝大造「こうなりゃ、作業トラックに乗り込むしかねえなあ。」

芝が発案したのは潜入捜査。朝6時に首里城守礼門の前で待ち、労働者を集めて乗せていくトラックが出ていると言うのです。

芝大造「我々の目的は水爆飛行船計画を阻止する事と囚われている作業員達の解放にある。」

比留間が危険だと憂慮している時、Kはエレベーターに乗り込むリンを目撃しました。エレベーターは上へ上がっていきます。Kは階段で走って追いかけましたが、最上階に到着したエレベータはもぬけの殻。屋上に出て探してみましたが、やはりリンはいません。芝と新條も屋上へやってきました。リンを見たような気がするというKに

芝大造「幻覚だよ。あの女の事ばかり考えているからさ。」

そして翌朝。潜入調査が決行されました。芝と新條は服装を変えて作業者に化け、作業トラックに乗り込むことに成功。新條が持つ発信機を頼りにKがジョーカーで追跡するという作戦です。前渡金を受け取り、乗り込む労働者達。芝と新條を含めた労働者はホロ付きのトラックの荷台に載せられ、トラックは発進しました。さて芝と新條が前渡金を確かめていると、芝の持つお札に誰かの手がのびました。手を伸ばしたのは比留間です。

芝大造「どうして君が?」
比留間「奴らに復讐してやりたいんですよ。」

芝と新條は顔を見合わせました。気持ちはわかるけど危険であることに変わりはありません。Kの追跡も始まりました。トラックは海岸沿いの舗装道路を走っていきます。ジョーカーも海岸沿いの舗装道路を走ります。しかし、運転士が怪しい電波が発信されている事に気づきました。助手席に座る人がスイッチを操作し、電波遮蔽幕を下ろしてしまいました。このため、ジョーカーはトラックの場所を電波で捕捉できなくなり、Kは追跡を断念せざるを得なくなりました。Kがジョーカーを止めたのは海のそばにあるサトウキビ畑の真ん中。道路は舗装されていません。やむを得ず走り回るジョーカーでしたが、作業トラックはジョーカーの追跡をまいて、サトウキビ畑の真ん中で止めたのでした。そして運転士とバドーのサイボーグ工作員は労働者を降ろし、アジトへ連行。芝、新條、比留間の正体はバレており、3人はバドーの契約者である秘密結社「ゼロ」の首領ヘンリー(ユスフ・オスマン)のいる部屋に連れ込まれたのでした。カラテマンとリンもいます。

ヘンリー「いやあ、どうやら東京からわざわざご苦労だったなあ。」
芝大造「お前達が水爆飛行船計画の張本人か。」
ヘンリー「左様。我々は秘密結社ゼロのメンバーだ。バドーの協力を得て今回の大計画を実行することができた。これを見たまえ。」

ヘンリーがスイッチを押してバドーの鉄のドクロマークの小窓を開けるとそこから見えるのは飛行船。やはりバドーのマークがついています。

ヘンリー「今夜中にも完成する。そうなれば。」
新條「本気でこれを飛ばす気か?」
リン「高度1万メートルのジェット気流、のせれば2時間後には東京上空、到着する。」

本気でそうするつもりのようです。さてこれだけではバドーに旨みはないような気もしますが、先を続けましょう。

芝大造「どうして、そんなバカな真似をするんだ?」
バドー首領「それは金儲けのためだ。」
新條強「その声はバドー。」
芝大造「金儲けだと?」
バドー首領「東京上空にこれを滞空させ、日本政府に一兆円の現金を要求するとどうなる?」
新條強「日本政府を強請るつもりか?」
バドー首領「一兆円の半分は我々バドーが頂く予定だ。」

これがバドーの狙いだったわけです。悔しがる新條でしたが

ヘンリー「変な考えはやめた方がいい。そうでなければ。」

ヘンリーは別の窓から、バドーのサイボーグ工作員が囚人を海辺の岩場で射殺する様子を見せました。

芝大造「なんて酷いことを。」

思わず比留間は興奮。

比留間「父さんを出せ。父さんはどうした。」

比留間はヘンリーのネクタイを掴んで引っ張りましたが、ヘンリーは薄ら笑いを浮かべています。ヘンリーはサイボーグ工作員に指示して3人を連行しようとしましたが、去り際に新條はリンに尋ねました。

新條強「昨日、ホテルで俺達の計画を盗み聞きしたな。」

リンは平然として答えました。

リン「私はバドーの情報部員よ。」

そして3人は檻の中に閉じ込められましたが、比留間はそこで父(大神信)と再開しました。

比留間の父「けんたろう、けんたろうじゃないか。」
比留間「父さん。」

さて比留間の父はこう言いました。

比留間の父「奴ら、明日にでも水爆飛行船を飛ばすらしいぞ。」

今夜完成するとヘンリーは言ってますから平仄はとれています。

比留間「明日?」
芝大造「明日?」
比留間の父「ええ。そういう噂です。」

その頃、Kはもしやと思ってパシフィックホテルに戻りましたが、やはり芝と新條は戻っていません。Kはチヨとじろうのところへも行きましたが、比留間もいない事がわかったようです。沈む夕日を見ながら

ロボット刑事K「今まで帰らないとなると、けんたろう君も一緒について行ったに違いない。」

泣きながら父や兄を思って叫ぶチヨとじろうにKは比留間と比留間の父を必ず救出すると誓うのでした。

その翌日。Kは船に乗って那覇港内などを回ったり、沖縄県庁の前をジョーカーで走ったりしました。アジトを発見しなければ水爆飛行船計画の阻止どころか芝や新條などの命が危ないのです。それこそ必死に探し回るK。そして島唄が流れる中、国際通りを歩いていたKはリンを発見し、追跡しました。牧志にある公設市場も映る気がします。走って逃げるリン。追いかけるK。そこへ割って入ったのは

カラテマン「来たな。待っていたぞ、ロボット刑事。今日こそ貴様の息の根を止めてやる。」

カラテマンはやる気満々。Kの目の色は赤くなり

ロボット刑事K「行くぞ。ゴー!」

ブレザーを脱いで戦闘開始。しばらく戦うKとカラテマンでしたがKは

カラテマン「ハハハハハ。思い知ったか、マッハチョップの威力を。」

あっさり倒されてしまいました。ロケットパンチのように手が飛んできてKをチョップしたのです。Kは無策すぎやしませんか? そこへリンが現れました。開口一番

リン「可哀想にね。」

おや? これは後の伏線。カラテマンはこう言います。

カラテマン「こいつはバドーの敵マザーが作ったロボットだ。情けは無用だ。行こう。」

カラテマンはリンを連れて帰りました。しかし、Kが倒れていたのは芝居。カラテマンとリンが立ち去ったのを確認するとすぐに起き上がり

ロボット刑事K「うまく行ったぞ。」

車に乗るカラテマンとリンをみて

ロボット刑事K「さあ、追跡だ。」

ここでCMが挿入され、CMが明けた後、ジョーカーは空を飛び、カラテマンとリンの乗る車を追跡します。そして

ロボット刑事K「あそこがアジトか。よし、着陸だ。」

ところがそれはバドーも計算済。大砲が出てきて砲撃してきました。そこでジョーカーは爆弾を投下して大砲を破壊。着陸に成功してKはアジトに侵入しました。Kはサイボーグ工作員を倒しましたがカラテマンがなんとチヨとじろうを人質にしていました。

じろう「Kさん、こいつらをやっつけてよ。」
カラテマン「いつでも相手になるぞ、ロボット刑事。」
チヨ「私達はかまいません。早く中の人達を助けてあげて。」

とは言うものの人質も無視できません。

ロボット刑事K「子供達を殺すわけには行かない。」
カラテマン「さあ、どうする。」

やむなく

ロボット刑事K「私が捕虜になろう。その代わり、その子達を自由にしてやれ。」

カラテマンはその要求をのみ、チヨとじろうは解放されましたが、Kは捕虜になってしまい、水爆飛行船も発進してしまいました。Kは手錠で繋がれヘンリーのところへ連れてこられました。リンもそこにいます。

カラテマン「ボス、こいつをどうします?」

ヘンリーの命令は

ヘンリー「ロボット刑事にはこのアジトとともに吹っ飛んでもらおう。」

Kの手錠に鎖が繋がれ、時限爆弾を抱え込まされる格好になりました。

リン「ボス、飛行船はジェット気流にのりました。」

スクリーンに映る飛行船を見て

ヘンリー「これでよし。我々はボートで脱出する。お前達(サイボーグ工作員)は捕虜を全員死刑にしてから逃げるんだ。」

部屋から立ち去るサイボーグ工作員とカラテマン。

ロボット刑事K「貴様達は。」
ヘンリー「ゆっくり死の苦しみを味わうんだ。」

そういうとヘンリーは時限装置を作動させました。

ヘンリー「引き揚げだ。」

ヘンリーとリンは部屋の外へ出てしまいました。万事休すか? 

サイボーグ工作員は檻に閉じ込められていた労働者を外へ連れ出しました。そこは海辺。岩場になっています。芝と新條も水爆飛行船が飛ぶのを見ました。

芝大造「遅かったか。」

ところが、Kのところにリンが戻ってきました。

ロボット刑事K「助けてくれるのか?」
リン「あなたは船で私を殺そうとしなかった。そのお返しよ。」
ロボット刑事K「ありがとう。」

リンの言葉は前回、Kがリンと戦わずに新條に引き渡したことを指しています。だがそこへ

カラテマン「リン。裏切ったな。」

間一髪、Kは手錠を外され、リンを庇いました。カラテマンと戦うKでしたが、隙を疲れてリンはカラテマンにチョップで倒されてしまいました。リンを助け起こしたKでしたが島唄が流れる中

リン「これがアンドロイドの証拠なのよ。」

リンの首は外れてしまいました。リンはサイボーグ工作員ではなくてアンドロイドだったのです。カラテマンは時限装置のタイマーが0に近い事を察知して部屋の外へ逃げました。Kも追いかけます。

外では

サイボーグ工作員「死刑執行、用意。」

芝が一番前に立ち、新條がその次くらい。警察官なので捕虜の保護を優先したのでしょう。とその時

ロボット刑事K「待て。」

Kが登場。カラテマンを転ばせるとサイボーグ工作員の注意がKの方へ行きました。その隙を突き、芝と新條が反撃開始。比留間もヌンチャクを使ってサイボーグ工作員と戦います。新條は奪ったマシンガンでサイボーグ工作員を射殺。

ロボット刑事K「K、お前は早く飛行船を。」

Kは飛行船へ向かおうとしましたが

カラテマン「そうはさせん。」

やむなくKはカラテマンと戦いますが、隙を突いてジャンプして飛行船へ向かいます。

さてヘンリーは走って逃げていましたが

芝大造「動くな。」

先回りしていた芝と新條がヘンリーの進路を遮り、芝がマシンガンをヘンリーに突きつけました。するとヘンリーは手に持っていたリモートコントロール装置を海に投げ捨てました。曰く

ヘンリー「これで水爆飛行船は東京上空で爆発する。」

高笑いするヘンリー。直後に時限爆弾が爆発し、アジトは爆発四散。

ジョーカーへ急ぐKをサイボーグ工作員達が妨害。ロケ地は中城(なかぐすく)城です。「ぐすく」と言うのは沖縄の言葉で城を意味するので、中城城と書くのは「頭痛が痛い」と似たような響きになるかもしれませんが、こう書くより仕方がありません。ロケ地の詳しい情報はこちらが参考になると思います。

rider-location.blogspot.com

上記のブログには今回の沖縄ロケでの他のロケ地についても載っています。

閑話休題。先回りして待っていたカラテマンを前にしてKの目の色が赤くなり、

ロボット刑事K「行くぞ、ゴー!」

ブレザーを脱いで本格的に戦闘開始。なお琉球は明や清とも交易をしていたので沖縄の城は日本とは違って中国の影響を色濃く受けており、石垣もやや垂直に建てられています。カラテマンとの格闘が続くのですが気になるのはやはり水爆飛行船の飛ぶ位置。

ロボット刑事K「そろそろ鹿児島上空を通過する頃だ。」

この戦いではカラテマンの道着は下半身だけになっています。本気を出していたのでしょうか。そして

カラテマン「マッハチョップ!」
ロボット刑事K「マッハチョップ返し!」

Kは鞭のようなものでマッハチョップの鉄拳を跳ね返し、マッハチョップはカラテマンの頭に命中。カラテマンはロボット破壊銃で倒されたのでした。

しかし、水爆飛行船は空を飛んでいます。ジョーカーで飛んで追いかけるK。

ロボット刑事K「間も無く東京に着くぞ。マッハ3。」

そんな超音速で飛べたんですね、ジョーカーは。水爆飛行船は国会議事堂上空で静止。それをカップルの男の方(大葉健二)が気づき

男「おい。あれは何だ?」

相手の女性をどなたが演じているのかまでは私は知りません。余談ですが大葉さんはこの当時は本名で出演していて、既に『キカイダー01』などでも顔出し出演済です。また『ロボット刑事』の他の話にも既に出演済です。閑話休題。Kはジョーカーで水爆飛行船のそばに辿り着き、飛び移りました。そして水爆の時限装置を解除し、ジョーカーで安全な場所へと水爆飛行船を運ぶのでした。

そして次の場面では砂浜で束の間のバカンスを楽しむ新條と芝を映し、Kはチヨとじろうの案内で船の底のガラス越しにサンゴや熱帯魚を鑑賞。

ロボット刑事K「本当にきれいだ。それにとても静かで平和だ。」

比留間は父と一緒にクリブネに乗って漁をしていました。

そして芝、新條、そしてKはフェリーで那覇から東京へ帰るのでした。

上原正三が執筆した『ロボット刑事』の話はこれが最後となりました。沖縄から東京を目掛けて水爆を撃ち込むというのは沖縄を捨て石にしている日本への怒りがこもっているような気がします。生前、上原は白石雅彦著『「帰ってきたウルトラマン」の復活』で、ウルトラシリーズから離れて『ロボット刑事』へ移行した経緯について、こう証言しています。

上原怪獣使いと少年」で、草鞋履かされて旅に出たんだけど(干されたという意味)、橋本さんから「メインライターの責任上、最終回だけは書け」って言われて書いたんだけどね、あれが局内で問題になって、色々ゴチャゴチャあって、その頃から、僕の中でウルトラマンはもう……というのはあったね。
橋本さんは、この後も『ウルトラマンA』『ウルトラマンタロウ』ってずっとやっていくでしょう。ところが僕の中には、草鞋を履かされたというのがトラウマのようになっているから、『ウルトラマンA』になってくるとよくわからなかった。だから『ウルトラマンA』で僕の作品は、ひじょうに曖昧模糊としたものばかりですよ。
具体的にいうと、『ウルトラマンA』は、市川森一がメインライターで、男女が合体して変身するんだけど、そこから僕の中のウルトラマンは混乱を始めるんだよ。合体はセレモニーとして考えればいいんだけれども、変身した後のウルトラマンは、両性なのかどうなのか? とかね。だから筆が鈍ったんだね。

続けて同書でこうも証言しています。

上原 この頃から、小学館がやたらに張り切ってきて、『ウルトラマンA』や『ウロトラマンタロウ』じゃ、ウルトラの父やら母やら出てきて、ウルトラのアレにはこういう兄弟がいるみたいなことをやられるとね。商業ベースに乗せられるんだったらもういいや、というのもあったね。だから『ウルトラマンタロウ』、僕は一本しか書いていないでしょう。
そうじゃなくて、僕は金城哲夫がやったウルトラマンに戻るべきだと思っていたんだけど、それは僕ら脚本家が発言する問題じゃないからね。それでも『ウルトラマンレオ』まで続いたから、それはそれで正解だったんだろうね。
そんな感じで、ウルトラマンにはあまり情熱を感じなくなってきた時、うまい具合に東映さんとか、フジテレビの別所(孝治)さんから声が掛かったんだね。それで『ロボット刑事』に行ったんだよ。何がよかったかというと、『ロボット刑事』という枠の中だったら、好きなものが書けたんです。〝あなたが書きたいものを書いて下さい〟とね。だから沖縄ロケやりたいな、というと〝書いてみて下さい〟みたいな感じだったね。

そして『ウルトラマンA』や『ウルトラマンタロウ』で上原が書いた話と『ロボット刑事』で上原が書いた話を比べてみると、『ロボット刑事』の方がノリに乗って書いていたのではないかなと私は思ってしまいます。ちなみに『帰ってきたウルトラマン』などとほぼ同時期に制作されていた『刑事くん』の脚本を上原は全く書いていません。これについては白石雅彦と荻野友大編著『帰ってきたウルトラマン大全』で上原は次のように証言しています。

俺のオヤジは警察署長だった。『刑事くん』はね、いい意味でも悪い意味でもオヤジを書かなければいけないから、橋本さんに嫌だと言ったんだ。つまりそれは、自分のオヤジというのはある意味権力の側なわけでしょう。それをボクの立場でどういう風に書いても、それは否定も肯定もできない立場に追い込まれると思ったから、これだけは勘弁してくれと。僕の作品に父親が出ないのは、やはり苦手意識があるんだよ。『宇宙刑事ギャバン』の時も、もの凄く照れながら書いているよね。あれはSFだから書けたようなもので。だから意識的に避けているところがあるね。オヤジに触れたくないと。
昔はいろいろ悪いことしましたよ。でもオヤジにはバレなかった。一度もバレてない。バレてたら半殺しにされてたね。ただオヤジのいいところはね、学校の成績が悪くても何も言わない。学校抜け出して映画館で弁当食っているの知っていたって、何も言わない。小さい頃は何も思わなかったけど、オヤジにはいつも送り迎えが付く。だんだん物心ついてくると、そんな人はどういう人かと思ってきちゃうよね。

ロボット刑事』もロボット刑事Kが活躍するSFものだったから脚本を書けたのでしょう。科学万能をうたっているわけではなく、芝が代弁する人間による「足と勘による捜査」の有効性も強調しているのも後の作品に通じるものがあるような気がします。

なお今回の沖縄ロケ、撮影中に金田治さんが熱中症を発症したため、一部の場面はロボット刑事Kを山岡淳二さんが代役で演じています。カラテマンに誰が入っていたのかまでは私は知りません。

次回からはバドー犯罪シンジケートはテロ活動を主に行なうようになります。この話がその展開をどこまで意識していたのかまでは知りませんが、今回同様、サイボーグ工作員が毎回活躍するようになるのです。おそらく終了も見えてきたのでそのような作風に舵を切ったのではないかと個人的には考えています。