ロボット刑事 第22話「恐悪ミサイルマン バドーの正体!!」を観た

今回はロボット刑事 第22話「恐悪ミサイルマン バドーの正体!!」(脚本:中山昌一、監督:内田一作、助監督:長石多可男、技闘:三隅修 (C) 東映)を紹介しましょう。

前回の最後、バドーの基地がある島で基地ごと爆発にKは巻き込まれてしまいましたが、その続きです。バドー首領はKとマザーの残骸を探すようにミサイルマン(声:大竹宏ではなくて納谷六朗)に命じました。その目的は引き上げて改造すること。

ミサイルマン「は。先刻より行動を開始しております。奴らの体内に蓄積された原子エネルギーはバドーの探知機の追跡調査を続行中であります。」

その声はやはり納谷六朗さんの声。納谷六朗さんは仮面ライダー第9話から第13話まで本郷猛の声を当てていましたが、その声と同じです。なおミサイルマンの後ろにはサイボーグ工作員が何人も控えています。

さてKは海底にいました。追跡ミサイルの3号機がKの所在地をつかみました。

ミサイルマン「よーし。ミサイル発射!」

そのミサイルは海底に到達し、爆発。

ミサイルマン「Kはやった。あいつの部品を集め、再生して頭脳を改造する。」

と言うや否や

ロボット刑事K「そうはさせんぞ。」

なんとKは無事でした。驚くミサイルマン

ロボット刑事K「むざむざ貴様達の餌食になるKではない。」
ミサイルマン「うるさい。やれ。」

サイボーグ工作員が全員ジャンプ。Kに襲いかかります。前々回からそうなってましたが、ショッカーの戦闘員のような感じの闘いぶりになってきました。しかしサイボーグ工作員は所詮雑魚でしかなく

ミサイルマン「くそう。なんてだらしのない奴らだあ。」

ミサイルマンは戦車から降りて自らジャンプ。戦車と本体の2つの部分で構成されていたようです。そして

ミサイルマンロボット刑事、このミサイルマンが相手になってやる。」
ロボット刑事K「ミサイルでも水爆でも一向に構わん。叩きのめしてやる。」
ミサイルマン「何を。」

ミサイルマンは胸からもミサイルを2つ発射できます。そのうち右胸についている方を発射しましたが、Kはジャンプしてかわし、ミサイルマンと肉弾戦を開始。しかし、そこにサイボーグ工作員達が割って入り、Kを妨害。その隙にミサイルマンは戦車に乗り

ミサイルマン「勝負は預けたぞ。」

と言って飛び去ってしまいました。

さてところ変わって新條が入院している病院。入口にサイボーグ工作員2人(大田黒武生と内田嵐)が姿を現しました。そうとも知らずに芝奈美は新條の世話をした後、病院から出てきました。新條は退院したくてうずうずしている様子です。ベッドから起きて窓から外を新條が覗くと、先ほどのバドーのサイボーグ工作員2人が奈美を尾行しているのが見えました。慌てて病室を抜け出す新條。

その頃、由美は自宅で料理を作っていましたが、速達が届いたとの呼び出しが。しかし、郵便局員は偽者。由美を拉致してしまいました。先ほどのサイボーグ工作員が化けていました。車に由美を運び込むと、その車の後部座席には奈美も眠らされて載せられています。新條は発進した車を追いかけて捕まりました。新條は後ろに捕まっていましたが、車の後ろにミサイルマンも登場してついてきました。

ミサイルマン「お前の相手はバドーのミサイルマンがしよう。」

車は止まり、その反動で新條は車から落ちてしまい、そこへミサイルマンが襲い掛かりました。

ミサイルマン「08、早くアジトへ人質を連れていくんだ。」

郵便局員に化けた方が返事をしたのでおそらく彼がバドー工作員08(大田黒武生)なのでしょう。新條はミサイルマンに捕まってしまい、身動きが取れません。そのまま車は発進。

新條強「か弱い女を人質に、それがバドーのやり方か?」
ミサイルマン「女でも子供でも利用できるものはなんでも利用する。わかったか、新條刑事。」

新條はミサイルマンの拘束から逃れることに成功。新條を追いかけ、さらに胸からミサイルを発射するミサイルマン。新條は逃げるのがやっとの状態で追跡どころではありません。

ミサイルマン「新條、人質を返してほしかったら、バドーの条件を聞くなら、この条件は追ってお前に知らせる。いいな。」

次に映ったのは砂浜。バドーの基地があった島です。Kが何度もマザーを呼んでいます。しかし、返事はありません。Kの目から涙が流れました。その時、上陸した時に使った船の無線に新條からの通信が入るのがKには聞こえました。その通信の内容は当然、奈美と由美が拐われたこと。脅迫状も届いたそうです。奈美と由美は黒蛇湖辺りに監禁されているとのことでした。

さて黒蛇湖付近では由美が監禁されていましたが、由美は出された食事を食べようとしません。死んでもいいという由美に対して

バドー工作員08「お前が良くてもこっちが困る。」
芝由美「じゃあ、これだけ教えてくれたら食べる。お姉さんはどこ?」

由美と奈美は別々の場所に監禁されていたのです。由美は手枷をはめられ、手枷には鎖が繋がっていて天井から吊るされていました。もう一人のサイボーグ工作員(内田嵐)が鞭で叩いていましたが

サイボーグ工作員「しぶとい女だ。ただKに手紙を書きさえすれば痛い目にも遭わず、美味しいものを食べさせてやると言ってるのに。この野郎。」

すると

芝奈美「結構です。あたし、死んでもKさんを陥れるような手紙は書きません。」

サイボーグ工作員の怒りは増し、拷問に力が入ります。そして

サイボーグ工作員「お前が書かねばこちらがやるだけだ。その代わり、お前は一生日本へは帰れんぞ。遠いバドーの工場でお前はサイボーグに改造され、バドーの基地を転々と回ることになるだろう。」
芝奈美「私を改造人間に?」
サイボーグ工作員「そうだ。」

新條は黒蛇湖でボートを漕いでいました。脅迫状に従ったようです。ミサイルマンが戦車に乗って飛んできました。

新條強「条件は飲む。二人の姉妹を返してくれ。」
ミサイルマン「条件はKだが、どこにいる?」
新條強「彼はもうじきここに来る。無電で連絡が取れてるからなあ。それより姉妹はどこにいる?」
ミサイルマン「心配するな。全てはKが来てからの事だ。」

遅れてジョーカーが飛んできました。そしてKが降り立ちました。

新條強「K、事情は無電で連絡した通りだ。」
ロボット刑事K「(新條に)わかりました。(ミサイルマンに)また会ったな。」
ミサイルマン「俺の作戦がわかったか?」
ロボット刑事K「奈美さんと由美ちゃんはどこにいる?」
ミサイルマン「お前はバドー島を全滅させた男だ。お前の電子頭脳の交換が済むまでは姉妹は渡せぬ。」

やはりそういう作戦のようです。

新條強「それは約束が違う。この場所でKと姉妹を交換するはずだ。」

しかし

ミサイルマン「やかましい。約束などどうでも良い。俺はこのKと一騎討ちがしたかったんだあ。」

と言うや否や、ミサイルマンは戦車からミサイルを発射。ミサイルはKを直撃しました。思わずのけぞるK。

新條強「卑怯者。」

新條は発砲しましたがミサイルマンにかなうわけがありません。

ロボット刑事K「新條さん、ここは私に任せてください。一騎討ちの約束です。」

Kの目の色が赤くなりました。

ロボット刑事K「行くぞ。ゴー!」

ブレザーを脱いで本格的に戦闘開始です。Kとミサイルマンは戦闘開始。ミサイルマンは戦車から飛び出ました。Kはロボット破壊銃を放ちましたがミサイルマンには効きません。

ミサイルマン「今度は俺の番だ。」

ミサイルマンは胸からミサイルを発射。それを避けるK。高笑いするミサイルマン。ジャンプして接近戦に持ち込んで戦うK。しばらく肉弾戦が続きましたが、そこにサイボーグ工作員が何人も登場。一騎討ちのはずなのに、なんと卑怯なやり口なのでしょうか。

ミサイルマン「後はサイボーグ隊に任せる。」

ミサイルマンは飛び去ってしまいました。

ミサイルマンロボット刑事、勝負は預けたぞ。」

サイボーグ隊は新條の援護射撃もあって倒せましたが

バドー首領「わしはバドーだ。Kよ、取引に応じるか。良いか。お前の電子頭脳を交換した後、姉妹は返す。今から24時間内に返答せぬ時には姉妹はサイボーグにする。言っておくが、姉妹は別々の場所に監禁してある。一人を救い出せば別の一人の命は即座にないものと覚悟しておけ。覚悟が決まったら、場所はここ、連絡はこれだ。わかったな、K。」

バドーの鉄のドクロのマーク付の金属板が落ちてきました。新條はそれを拾い、言いました。

新條強「K、騙されるな。お前の電子頭脳を渡せば敵の思いのままだ。」
ロボット刑事K「でも、奈美さんと由美さんは?」
新條強「離れたところに別々にしておいて一人を救えば一人を殺すのか。畜生。」

困った事態になりました。

ロボット刑事K「新條さん、私はどうすれば良いんです?」
新條強「くそう。」

ここでCMが挿入され、CMが明けた後、Kがマザーを呼び出しました。新條は初めてマザーを見ることになります。Kがマザーを呼ぶとマザーが姿を現しました。無事だったのです。Kはエネルギーが尽きてフラフラの状態です。Kと新條はマザーに腹から収容されました。マザーが無事だったと言うことは…。それはおいおいわかるでしょう。

マザーの体内に入った新條は周りを見回してばかり。部屋に入ると女性、後でわかりますが霧島サオリ(君夕子)の声が聞こえました。

霧島サオリの声「Kの体をその台の上に載せてください。」

新條が手伝ってKは台の上に寝ました。

霧島サオリの声「新條刑事はKの体の診断が終わるまで、そちらの部屋でお待ちください。」

別の部屋への入口の戸が開きました。

霧島サオリの声「さあ、どうぞ、新條刑事。」

Kは収容され、新條が部屋に入ると部屋にいたのは

新條強「親父さん。」
芝大造「新條。」
新條強「Kから無電で事情は聞きました。体の方は?」
芝大造「うん。マザーのおかげですっかり良くなった。」
新條強「マザー? 何者です、一体。」

芝は事情を話しました。

芝大造「霧島博士のお嬢さんだ。このマザーロボットを作った、偉大な科学者のな。お嬢さんの名はサオリさんと言って、霧島博士の設計図によって、あのKを作ったんだ。」
新條強「親父さん、よく知ってますねえ。」
芝大造「うん、まあ、サオリさんから色々。それより東京の方は?」

芝の質問に新條が答えました。

新條強「奈美さんと由美ちゃんがバドーの一味にさらわれたんです。」

驚く芝。

芝大造「なんだと。そんなバカな。バドーの一味だと?」

思わず興奮する芝でしたが霧島サオリの声が聞こえてきました。

霧島サオリの声「芝さん、お静かになさってください。この中では大きな音は立てないというお約束でしたね。」
芝大造「すいません。」

戸が開き、椅子に座った霧島サオリが姿を現しました。

芝大造「申し訳ありません。娘の危急を聞いて、つい大きな声を出してしまいました。」
霧島サオリ「そのことはもう良いんです。ただ、あなたがあんなお喋りとは。」
芝大造「は?」
霧島サオリ「誰にも言わぬという約束で私がお話ししたこと。」
芝大造「申し訳ありません。お許しください。」

作業は終わっていたようでKも姿を現しました。帽子を被り、ブレザーを着ています。

霧島サオリ「K、許しておくれ。故障があって静かなところで修理をしていたのです。」
ロボット刑事K「それよりマザー。今、我々は一刻を争う事態にあるのです。」

霧島サオリは無言です。

ロボット刑事K「マザー、どうか私に新しい力をお与えください。」

なおも霧島サオリは黙ったままです。さらに新條がこう言い出しました。

新條強「一言、俺からも言わしてもらいます。恐ろしい組織力を持つバドーに対抗できるのはあなただけだ。それなのにあなたはその重荷をなぜK一人に託される。」

霧島サオリは口を開いて答えました。

霧島サオリ「バドーは気が狂っています。病気です。私はその病気が治るまで待ってやりたいのです。」

この答えに納得が行かなかった新條はさらに尋ねました。

新條強「何を言ってるんだ。今、世界中の人々がバドーの脅威にさらされている。そんな悠長なことを言っちゃいられないんだ。」

霧島サオリはこう言いました。

霧島サオリ「K、お前の望みは叶えます。Kの改造が終わったら、皆さんは早急にお引き取りください。」

サオリは引っ込んでしまいました。そして改造が終わり、K、芝、新條はマザーの中から出ました。何かを感じたKはマザーに尋ねました。

ロボット刑事K「マザー、どうしたんです? 何を怒っておられるんです?」

霧島サオリは遂に真実の一部を話しました。

霧島サオリの声「バドーは私の弟です。」

驚く一同。

芝大造「バドーがサオリさんの弟?」

それ以上の事は言わずにマザーは姿を消しました。

新條強「バドーがサオリさんの弟だとしても…」
ロボット刑事K「新條さん、バドーを呼びましょう。」
芝大造「すまない。奈美や由美のために。」

Kは例の金属板を置きました。しばらく経ってミサイルマンが飛んできました。

ミサイルマン「どうだ。覚悟はできたか。」
ロボット刑事K「決まった。」

ミサイルマンは着陸。

ミサイルマン「よし。では電子頭脳を渡せ。姉妹は無事にうちに送り届けてある。」

しかしKの覚悟とは

ロボット刑事K「はやとちりをするな。」

驚くミサイルマン

ロボット刑事K「反対に決まったのだ。」
ミサイルマン「な、なんだと!」

Kの目の色が赤くなりました。

ロボット刑事K「お前達は残らず倒す。」

Kは帽子を脱ぎ、ブレザーを脱ぐ時の掛け声は

ロボット刑事K「ブローアップ!」

Kの体の色は真っ赤になりました。目の色は灰色です。さて頭には三発、左、上、右に一発ずつミサイルを発射でき、両肩からも両腹からも一発ずつミサイルを発射できるようになりました。

ミサイルマン「き、貴様。」
ロボット刑事K「マザーの手で新しく生まれ変わったKだ。来い。」
ミサイルマン「そっちがその気なら、よーし。」

サイボーグ工作員が多数登場。なんだか作風が仮面ライダーみたくなってしまいました。Kはミサイルを収納。戦闘開始です。Kに倒されるサイボーグ工作員。芝と新條も援護射撃をします。サイボーグ工作員は全員倒されたようです。

ロボット刑事K「来い、ミサイルマン。」
ミサイルマン「くっそう。」

ミサイルマンは戦車からミサイルを発射しましたが、そのミサイルをKは弾き返してしまいました。そしてミサイルマンもKもジャンプ。おや、また別のサイボーグ工作員が登場。Kに向かって拳銃を撃ちまくりますがKには通用しません。ミサイルマンに投げられたのを利用してKはサイボーグ工作員のところに着地して応戦。何人かを倒した後、Kはまたジャンプしてサイボーグ工作員と応戦。たまらずミサイルマンもKと戦います。ミサイルマンはジャンプして戦車に戻りました。

ロボット刑事K「ミサイルマン、もう逃げられんぞ。」
ミサイルマン「おい、気でも狂ったのか。俺がボタンを押せばあの姉妹は一瞬で命を絶たれるんだぞ。」
ロボット刑事K「承知だ。だがそうはさせん。」
ミサイルマン「おのれ。」

ミサイルマンは両胸から一発ずつミサイルを発射。

ミサイルマン「あいつが二人を倒す。」
ロボット刑事K「俺の力を見ろ。」

Kは頭のミサイルを全て出し

ロボット刑事K「ミサイル発射光線。」

目を光らせて光線を発射してミサイルを破壊しました。ミサイルを出す必要があったのかどうかはわかりませんが、この状態のまま、こう言いました。

ロボット刑事K「見たか、ミサイルマン。芝刑事、新條刑事、由美さんと奈美さんを。」

それに新條が答えました。

新條強「まかしとけ。」

二人は奈美と由美を救出に向かいます。

ミサイルマン「覚えてろ、K!」

ミサイルマンは飛んで追いかけようとしたのでしょうが

ロボット刑事K「逃げられると思うか、ミサイルマン。俺の特殊ミサイルが貴様達の息の根を止めてやる。」

そしてKはミサイルを発射し、ミサイルマンは空中で爆発したのでした。さらにKは別のミサイルも発射していました。

ロボット刑事K「行け。追え。由美さんと奈美さんのいるところへ。二つの俺のミサイル弾よ。」

それを辿って芝と新條は行きます。サイボーグ工作員はミサイルの直撃を受けて爆発し、由美を芝が、奈美を新條が救出したのでした。

事件解決して芝家では芝、奈美、由美、新條の4人がいて芝と新條が祝杯をあげようとしていましたが、奈美がKを待とうと言うと、芝も新條も口を濁しました。

Kはマザーを呼び出す海岸にいました。

霧島サオリの声「バドーは私の弟です。」

その言葉が重くのしかかります。改めてKは自分の存在意義を知り、バドー打倒を誓うのでした。

今回でKはパワーアップしました。マザーの正体とバドーとの関係も語られました。実はこの設定、原作では更に悲劇性の増す設定が付け加えられています。映像化された番組も一応原作の設定を踏襲しているのですが、『仮面ライダー』などと同様、原作の方がかなりきつめの内容になっています。細かいところを挙げるとキリがないのですが、一度、番組と原作萬画を読み比べると面白いと思います。