今回はロボット刑事 第25話「兇悪ガトリングマンのバドービールス作戦!!」(脚本:中山昌一、監督:内田一作、助監督:萩谷泰夫、技闘:三隅修 (C) 東映)を紹介しましょう。いよいよ次は最終回です。
さて冒頭は東京(なのでしょう)のどこかの警察署。山本刑事がジープの荷台からガトリングマン(声:沢りつおではなくて八奈見乗児)が顔を出すのを目撃し、「誰だ?」と尋ねると、ガトリングマンはその問いには答えず、荷台から降りていきなり伏せ。そして頭に装備されたガトリング砲を撃ちまくりました。この攻撃に山本はひとたまりもなく射殺されてしまいました。そしてガトリングマンはジープの荷台に跳び乗り、ジープはそのまま発進しました。運転しているのはバドーのサイボーグ工作員なのでしょう。
さて京王よみうりランド駅で青井しろう刑事(成川哲夫)が切符を買っていると
バドー戦闘工作員Y8(日高吾郎)の声「あなたの名前は青井しろう。職業はデカ。」
それを聞いた青井は周りを見回しましたが、人の姿は見えません。しばらくすると柱の陰から全身白ずくめの服を着た男、バドー戦闘工作員Y8が姿を現しました。青井が名前を尋ねると、Y8は
と名乗って、正体を表してしまいました。あの白ずくめの格好に何の意味があったのかは謎ですが、青井は相手がサイボーグだと知り驚きました。
バドー戦闘工作員Y8「貴様の同僚山本刑事も先刻死んだ。貴様もここで。」
Y8の隣にはジープが止まっています。青井が懐から拳銃を取り出すと
ガトリングマン「無駄な抵抗はやめろ。」
Y8が荷台の箱の蓋を開けるとバラバラの状態だったガトリングマンが中から出てきて合体し、姿を現しました。青井は何発も発砲しましたが通用せず、ガトリングマンのガトリング砲で撃ち殺されてしまいました。
ちょうどその頃、多摩川の堤防沿いの道をジョーカーが走っていました。Kは銃声を耳にして停車。なお新條もジョーカーに乗っていましたが、新條には銃声は聞こえませんでした。まあ京王よみうりランド駅は多摩川から少し離れたところにあります。Kと新條はKが聞いた銃声のした場所へ直行する事にしました。そして京王よみうりランド駅に着くと、ジープにY8とガトリングマンが乗って発進しようとしていたところ。ずいぶん速い到着ですねえ。兎に角、当然の事ながらガトリングマンとY8はKと新條と格闘することになりました。Y8は駅構内へ逃走。それをガトリングマンが殿として新條とKを塞ぐ格好になり
ガトリングマン「ロボット刑事Kだな?」
ロボット刑事K「バドーのロボットか?」
ガトリングマン「ガトリングマンの威力を見せてやる。」
ガトリングマンの声は沢りつおさんの声ではなくて八奈見乗児さんの声ですね、明らかに。それは兎に角、ガトリングマンはKと格闘開始。まず伏せて頭のガトリング砲をぶっ放し、次に肉弾戦となりました。
ロボット刑事K「新條さん、サイボーグを。」
新條は京王よみうりランド駅の中へ突入。Kはガトリングマンと戦います。当時の京王よみうりランド駅が映りまくりますが、今は亡き「動く歩道」も映っています。他は今とあまり変わっていない気がします。と思ったら、近くの造成地へ戦闘する場所が移りました。
ガトリングマン「カッター手裏剣!」
これはどういう武器かと言いますと、ガトリングマンの右腕についていたカッターを折って、手裏剣として投げつけると言うもの。文房具のカッターの構造から思いついたのでしょう。Kはカッター手裏剣を避けまくりましたが、後ろに京王相模原線の高架橋が映っています。当時は京王よみうりランド駅が終点でした。
さてY8の方は京王よみうりランド駅の2番線ホームへの階段を登り、ホームには初代5000系が止まっていますが、それには乗らずにホームを今の稲城駅方面へ直進。遅れて新條が階段を駆け上がって来ました。新條が京王よみうりランド駅の中に入るまで結構時間があったはずなのにY8は何をしていたのかなあという気もしますが、兎に角、Y8を追って新條も今の稲城駅方面へ向かって走ります。「今の稲城駅方面」と書いているのは、当時は京王よみうりランド駅から先は線路が延びていなかったからです。ですので、後に京王よみうりランド駅から稲城駅へ向かって電車に乗ると『仮面ライダー』などで観たような崖が車窓から見えたものです。そしてY8と新條は線路の上で格闘。車止めの後ろから撮影しています。場面変わると車止めもしっかり映ります。
さてガトリングマンは相変わらずカッター手裏剣やカッターで攻撃しています。ジャンプすると今度は動く歩道の下で格闘が行なわれます。今、動く歩道はありません。格闘の末
ガトリングマン「分身、ガトリング、バラバラ。」
と叫んでガトリングマンはバラバラになってしまい、飛んでいってしまいました。その直後
バドー戦闘工作員Y8「人間如きがサイボーグにかなう筈はない。」
と叫んで新條を倒したのですが、直後にKが走ってくるのが見えました。Y8はジャンプしてジープに戻り、そのまま逃げたのでした。Kは新條を助けおこすのがやっとでした。
さて警視庁特別科学捜査室には奈美と由美が呼び出されていました。二人も殺される可能性があったからです。しかし、その言葉が奈美と由美は信じられないようです。
芝大造「ま、しばらくの辛抱だ。ここにいれば心配はないからな。
しかし、窓にサイボーグ工作員が張り付いていることに芝は気がついていませんでした。さて奈美が何故刑事を殺すのかと尋ねると
芝大造「バドーも焦って来たんだなあ。」
そこへ新條とKが戻って来ました。青井と山本のことを調べていたのです。青井と山本は最近大量に発生した謎の蒸発事件を追っていた事が新條の調査でわかりました。
芝大造「あれだな。奇妙な伝染病にかかって急になくなるって奴。」
ロボット刑事K「ひょっとするとバドーが動いてるんじゃないでしょうか?」
芝大造「何、バドーが?」
新條「バドー?」
ロボット刑事K「ええ。バドーの狙いはあの伝染病を治すワクチンを発見した…」
芝大造「河合病院か。」
以上の会話、窓に張り付いていたサイボーグ工作員がしっかり聞いていたのですが、Kも気づいていなかったようです。
さて場面変わって河合病院。サイボーグ工作員が映ったと思ったら、ガトリングマンが右腕についたカッターを飛ばして看護師を殺害。診察していた河合医師(邦創典)の前にもガトリングマンが現れました。その目的は
ガトリングマン「お前の発明したワクチンを全部没収する。」
冗談じゃないという河合に
ガトリングマン「冗談じゃない。お前の命と引き換えだ!」
と宣言するガトリングマン。今回の作戦の目的は
ガトリングマン「バドーの犯罪組織はバドービールス患者でこの国を満たすのだ。このバドーAビールスの患者は麻薬中毒と同じでBビールスを欲しがる。それが欲しくてバドーの奴隷になるのだ。」
だそうです。えー、高校で生物を学んだ「者として一応言いたいですが(小堺一機談)」と言いたくなる文章ですが、そういう話なので仕方がありません。当然、ガトリングマンの暴挙に抵抗する河合医師でしたが
ガトリングマン「じゃあ、このビールスを喰らえ。」
と言ったガトリングマンはガラス瓶に入った赤い粉を河合にぶっかけました。苦しむ河合。
ガトリングマン「見せしめだ。バドーの命に背くとこうなる。」
サイボーグ工作員が2人やってきてガトリングマンと共に河合を連れ出した直後に、ジョーカーが河合病院に到着しました。新條とKが診察室に着いたときは患者だけがいる状態。Kと新條は河合を探しました。探知機は
ロボット刑事K「だめです。この辺は妨害電波でいっぱいです。」
となっているため役に立ちませんでした。とその時、女の子と男の子が出て来ました。
みこ「おじいちゃーん。」
三倉こういち(小松陽太郎)「泣くなよ、みこちゃん。」
それに気がついた新條とKは二人のところへ。みこは河合の孫。こういちは河合が悪者に連れられたと新條に告げました。こういちはたまたま遊びに来ていただけ。みこより年長です。
三倉こういち「パパがみこちゃんのおじいちゃんの生徒だったんだあ。」
なんとこういちの父親は
新條強「今度のワクチンを発明した三倉博士(宗近晴見)かい?」
三倉こういち「うん。河合先生と二人で発見したんだ。」
だったのです。それを聞き、新條とKは三倉のところへ急いで行く事にしました。
今度は三倉が営む三倉病院。ジョーカーが止まっていますが、やはり患者で溢れています。如何にも怪しい素振りを見せた患者も中に入りました。
さて新條から河合が連れ去られたと聞いた三倉は驚きました。次は自分の番だと聞かされて驚く三倉。新條とKは自分達が警護すると言いました。警官隊も張り込んでいます。一旦、Kと新條は診察室から出ました。二人と入れ替わりに入ったのは、先ほど、怪しい素振りを見せた患者です。正体はもちろんY8。Y8は部屋に入ると即座に懐から拳銃を取り出し、突きつけました。Y8は正体を表し、別の入り口からはガトリングマンも姿を現し、三倉医師と妻は進退極まりした。
ガトリングマン「警察の力はバドー犯罪組織に及ばんのだ。我々の命に背いた河合医師は今頃奴隷になっている。」
三倉と妻はY8に捕まり、ガトリングマンも近づき、絶体絶命。先ほどの赤い粉をガトリングマンは振りかけました。さて患者でいっぱいの廊下にはこういちとみこがいました。鍵穴からこういちが部屋を覗くとガトリングマンが三倉を襲っているのが見えました。驚いたこういちは持っていたボールを床に落としてしまいました。その音にY8が気がつきました。咄嗟に階段の陰に隠れるこういちとみこ。Y8は正体を現したままドアを開けて廊下を見回しました。ボールには気がつきましたが、こういちとみこには気がつかなかったようです。さて部屋の中では
ガトリングマン「サイボーグ兵、二人を連れて行け。」
救急隊員に化けたサイボーグ工作員が現れて、三倉と看護師を担架に載せて運び出しました。Y8は正体を表したまま、救急車の扉を開けました。
さてこういちとみこは外にいた新條とKにこのことを告げました。慌てて追いかけようとする新條とKを映したところでCM挿入です。
CMが明けると芝のカミナリ。
芝大造「馬鹿野郎。敵の狙いはわかってるんだ。一体、何をしてたんだ。」
新條とKは返す言葉もありません。余談ですが、芝は前半とは違ってKに「鉄屑野郎」などという罵詈雑言は浴びせません。信頼関係ができていたからです。閑話休題。特別科学捜査室にもこういちとみこも連れてこられていました。打つ手はないのかと思った、その時、みこがたくさんのガラス容器を持っていることに奈美は気がつきました。Kはそれがワクチンの入っている容器だということに気がつきました。
ロボット刑事K「これさえあれば大丈夫。マザーが分析すれば急速培養でどんどん増やして患者を治せますよ。」
霧島サオリはロボット工学の権威だとは思いますが医学は(以下省略)。それは兎に角、こういちは部屋から出てしまい
芝大造「(新條とKに)ホントにこの子(みこのこと)を見習うがいい。」
Kはこういちの不在に気がつきました。
なんとこういちは警視庁を出て歩いていました。曰く
三倉こういち「僕だって手柄を立てるぞ。」
うーむ。気持ちはわかりますが無謀です。その頃、「どこにも見当たりません。」と言う新條に
芝大造「バカ。子供ってものはな、一人を褒めたらもう一人は僻むものだ。気をつけて物を言え。」
その頃、こういちはサイボーグ工作員に襲われて捕まってしまいました。本庁に電話がかかって来ました。電話に出たのは芝。電話をかけて来たのは
バドー首領「三倉こういちを捕まえた。手出しをするな。」
電話は切れてしまいました。
芝大造「くそう。バドーの奴。」
と悔しがっているところへ新條が耳打ち。その言葉に芝は頷くのでした。
さて今度は三倉病院。芝と新條は大工(でしょう)に化けて潜入していました。苦しむ患者達。とその時
バドー首領「苦しいか。助かりたければこの音について来い。この音についてくれば助かるのだ。」
芝と新條の狙いはこれだったようです。音について行く患者達。芝と新條もついていきます。小田急の線路の脇を歩く患者達。今は亡き9000系が走るのが見えます。そして山上の廃屋らしきところに辿り着きました。
芝大造「いいか。油断するな。」
新條強「親父さんこそ。」
芝大造「うん。」
遅れてKも患者達を尾行しているようです。患者達(と芝と新條)が中に入りました。サイボーグ工作員とガトリングマンが現れました。
ガトリングマン「いいか。バドーの奴隷になれば、このBビールスを注射してやる。そうすれば、あのように楽になる。」
ガトリングマンが指差す先には虚脱状態になって座っている人達が。
ガトリングマン「どうだ。バドーに忠誠を誓うか?」
薬を欲しがってガトリングマンに群がる人達とは反対方向に芝と新條は進みます。河合と三倉も座り込んでいます。それに気づいた芝と新條。まず河合にワクチンを注射。しかし
ガトリングマン「誰だ。怪しい奴。」
新條と芝はこう言い返しました。
新條強「怪しいのはそっちだろう。」
芝大造「神妙にしろ。」
ガトリングマンが神妙にするわけがありません。
ガトリングマン「来たな、おいぼれ刑事。バドー兵、やれ。」
芝と新條に襲いかかるサイボーグ工作員。いつの間にか三倉にもワクチンを射ったようですが、驚くべきことに壁が回転し
三倉こういち「パパ、はやく!」
と逃げ道ができた格好になりました。芝と新條は河合と三倉夫妻を連れて逃走。当然、サイボーグ工作員も追いかけたのですが
ロボット刑事K「行くぞ!」
と芝達と入れ替わりに現れたため、サイボーグ工作員は倒されてしまいました。そんなバカな! と思っても、そう言う流れなので仕方がありません。Kはガトリングマンとも格闘開始。一方、河合と三倉夫妻を連れて逃げる新條達の前にはY8が立ちはだかります。
新條強「親父さん、みんなをお願いします。」
と言うわけで芝が河合と三倉夫妻達を連れて逃げ、新條がY8と戦います。新條は投げ手錠も駆使して戦いますがサイボーグのY8相手では劣勢は否めません。ただ足止めはなんとかできているようです。
一方、Kとガトリングマンの戦闘は屋外に場所を移して行なわれます。ガトリングマンは伏せて頭のガトリング砲で攻撃。Kはその弾を避けます。ただガトリング砲は接近戦には弱く、ジャンプしてすぐそばに近づいたKはガトリングマンのガトリング砲を手に持って攻撃を無効化した形になりました。
さて新條とY8の肉弾戦は続いています。やはり新條は劣勢。一方的にのされて新條は倒され、Y8は芝達を追跡し始めました。ただ新條は時間稼ぎはできたかとは思います。
そしてKは屋根から飛び降りたサイボーグ工作員が持つ網に捕捉されてしまいました。高笑いするガトリングマン。
次に映ったのはY8。おや、倒されたと思った新條が起き上がっていて、Y8を再度、足止めしています。そして新條とY8との格闘が続きます。やはりY8の方が優勢です。すると警官隊が駆けつけました。走り去ろうとするY8でしたが、新條が投げ手錠で足を捕まえ、Y8の足止めに成功。
その頃、Kは網から脱出に成功。
Kの目の色が赤くなりました。
ロボット刑事K「行くぞ。ブローアップ!」
そして帽子とブレザーを脱いだKとガトリングマンとの戦闘開始。ガトリングマンは戦車に乗ってガトリング砲も使って攻撃しましたが、Kはジャンプするなどして攻撃をかわし、最終的には戦車は転倒。ガトリングマンは戦車を放棄して逃げました。Kは右腕にガトリング砲を装着して攻撃。
ロボット刑事K「見たか。Kロケットの威力を。」
発射していたのはKロケットのようです。対するガトリングマンは
ガトリングマン「カッター爆弾!」
カッター手裏剣との違いはよくわかりません。それを二つ放った後で今度は伏せてガトリング砲攻撃。しかし、最終的にはKがジャンプしてガトリングマンは寝そべっている状態の背中を蹴られた格好になり、転がり落ちました。そしてガトリングマンはKに一方的にのされ、
ロボット刑事K「Kミサイル。」
今度はミサイルをガトリングマンは撃たれて爆発するのでした。なおガトリングマンは分身バラバラをしていたのですが、Kのミサイルは一度に何発も撃っているので、通用しなかったことを付け加えておきましょう。
さてY8は手錠を新條につけられていました。Kに気がついて呼ぶ新條。それに応えて
しかしKは気がつきました。そして新條のところにジャンプして新條にこう言いました。
ロボット刑事K「行けません。こいつはもう自爆装置のスイッチを入れてます。」
新條からY8を引き離したKはそのままY8を遠くへ投げ飛ばし、Y8はそのまま爆発したのでした。
最後のナレーションがこう締めます。
野田圭一のナレーション「バドーの攻撃はいよいよ凶暴になり芝一家や新條にまで、その魔手は接近してきた。バドーの大攻勢迫る。Kよ、頑張れ。」
そして次回は最終回です。