はじめに
この記事では第3話「大逆襲! 黄色いつむじ風」を紹介します。今回は大岩大太主役です。
青銅仮面登場
今回の相手は青銅仮面。新型爆弾の開発に成功。イーグルの諜報部員003(長沢大)は彼の元に潜入し、その情報を伝書鳩に託して飛ばしました。なおアジトのロケ地はこの手の番組では頻出した聖蹟記念館です。
スナックゴンにて
大岩大太はマスターの正体を怪しみながら、おかわりを頼み、マスターはツケが溜まっているとぼやきます。そこへ常連客2名がお店に登場。何かをマスターに渡しました。マスターが見ているのは…おや、さっき、003が伝書鳩に託して飛ばしたものと全く同じものではあーりませんか。ですが、大岩はカレーに夢中で気がつきません。でその直後に緊急信号。マスターはおりませんぞ。
大岩「マスターは?」
店員「さあ。」
大岩「またツケじゃ。」
大岩、総司令の正体を怪しむ
慌ててゴレンジャールームに大岩は急行。他の皆さんはお揃いです。総司令は音声で003が先ほど得た情報をゴレンジャーに伝え、ご丁寧にも、これまた003が得たマイクロフィルムを海城達に渡します。海城が受け取ったマイクロフィルムを観ている最中、
大岩「総司令官殿。」
総司令「なんだ?」
大岩「あんた、もしかしてゴンのマスターではなかとですか?」
総司令「そんなことはどうでもよろしい。」
ごもっとも。でも大ちゃんはしつこく食い下がります。
大岩「ゴレンジャーにまで正体を隠すとはなかとでしょう、水臭い。のう。」
海城と新命はこれを無視。
海城「よし、良い手がある。手を貸してくれ。」
大岩「あいな。」
出て行く二人を新命が微笑みながら見送ります。
海城と大岩、アジトに侵入
夜になり、海城と大岩はアジトに侵入。新型爆弾を盗みだすことに成功します。ところが逃げるときに防衛用の赤外線を大岩の尻が遮ってしまい、青銅仮面達に見つかってしまいました。そこへバリブルーン急行。電気柵をバーディーで脱出したアカとキはバリブルーンに乗り込んで逃げることに成功します。
新命「あばよ。」
003の正体露見
青銅仮面はスパイがいるに違いないと睨み、手に持つ笛で003がスパイであることを見抜いてしまいました。慌てて逃げる003でしたが、青銅仮面に処刑されてしまいました。青銅仮面は003が持っていたイーグルの通信機を逆用することを思いつきます。
青銅仮面の作謀
「003からの緊急指令」で呼び出された大岩は新宿中央公園へ行きますが、誰もいません。やむなく大ちゃんは帰りましたが、その様子を青銅仮面達がしっかり観ていた事には気づきませんでした。
今回のなぞなぞ
そしてスナックゴンの入口に辿り着いた大岩を太郎が呼び止め、こう言います。
太郎「ねえねえねえ。パパが嫌がる果物な〜んだ?」
大岩「パパが嫌がる果物? なんじゃろか。なんじゃろかのう。」
これ、そんなに難しいなぞなぞなのでしょうか?
ぶつくさ言いながら、大ちゃんは太郎と一緒に中に入ってしまいました。
ついにマスターの正体、(アカ以外の)ゴレンジャーに露見す
スナックゴンに入った二人。
大岩「太郎君、教えてくんしゃい。」
答えは当然
太郎「パパが嫌がる果物だから、それはパパイヤ。」
大岩「なーるほど。太郎君は賢いのう。マスター、カレーライス大盛りじゃ。」
呆れたマスターはこう言います。
マスター「カレーなんか食ってて良いのかねえ。」
大岩「マスター、あんた、やっぱりこれじゃろなあ。」
と言った途端に怪しい4人組が入ってきました。4人組は太郎を人質にとり、拳銃を大岩達に向けます。
大岩「子供に暴力を振るうとは許せん。」
マスター「そうだ。今、世間を騒がせている黒十字軍でもそんな悪さはしねえぞ。」
マスターの言葉に驚いた大岩は後ろを振り返りますが、
4人組の一人「御察しの通り、我々は青銅仮面軍団の一人。」
4人組はゾルダーだったのです。大岩はつけられていたのです。大岩はマスターに向かって謝ります。さて
ゾルダー「盗んだものを返してもらいたい。」
海城「そんなものは捨ててしまった。」
冷静にハッタリをかます海城でしたが、ゾルダーにその言葉は通用しません。
ゾルダー「(海城に拳銃を向け)アジトへ案内してもらおうか。」
海城「わかった。」
なぜか海城は先ほどと打って変わって地下通路へ向かいかけますが、その隙をマスターは見逃さず、手裏剣のようなものをゾルダーに投げつけました。店員も新命も海城もペギーも反撃しますが、ゾルダー達は太郎を連れて逃げてしまいました。
マスター「キ、逃すな。」
大岩「はい。」
と大岩は出て行こうとしましたが、ふと気がつき、
大岩「マスター、やっぱりあんたは…。」
マスター「バカ。急げ。」
大岩「はい。」
マスター「全員、出動しろ。」
新命は口笛を吹きました。
マスター「太郎君を無事、助け出すんだ。」
海城「総司令。」
やはり海城はマスターが総司令だったことを知らされていたんですね。そして新命も薄々感づいていたと。
マスター「ボヤボヤすんな。」
お口に合って私も嬉しい
西新宿を逃げるゾルダーをキレンジャーがバーディーで追いかけます。そしてアジトに入ると
キ「青銅仮面、太郎君はどこじゃい? ん?」
なんと、そこには大盛りのカレーライスがあるではありませんか。ご丁寧にもスプーンと水の入ったコップもあります。
キ「こりゃうまそうなカレーたい。」
なんとキレンジャーは大岩の姿に戻り、カレーライスを食べ始めました。毒が盛られているという発想はないようですね、大岩には。そこへ青銅仮面登場。彼の言葉はなんと
青銅仮面「お口に合って私も嬉しい。」
青銅仮面にも一服盛るという発想はなかったようです。そして青銅仮面は太郎を人質にして先程の爆弾を持って来いと要求します。
名乗り
そしてここは富士の裾野。ロケ地は自衛隊の演習場でしょう。キレンジャーは爆弾を持ってきましたが、太郎がいると言われたトラックの中に座っていたのは人形でした。怒りに燃えるキレンジャー。
キ「おどば阿蘇山たい。怒ればでっかい噴火山たい。」
何気にこれがこのセリフの初登場です。しかし奪われた爆弾は青銅仮面の部下(杉義一)がミサイルに取り付け、キレンジャーも多勢に無勢で段々と劣勢になってきました。
とそこへ、アカが宙返りして登場。以下、モモ、ミド、アオの順に宙返り。一応、掛け声はかけてます。キも宙返りし、左から、ミド、モモ、アカ、キ、アオの順に並びました。
青銅仮面「ん!?」
アカ「アカ」
キ「キ」
アオ「アオ」
モモ「モモ」
ミド「ミド」
青銅仮面「小癪な。」
アカ「五人揃って」
全員「ゴレンジャー」
やっとポーズは完成しましたが、台詞回しがおかしいですね。流れる曲もオープニングです。殺陣の試行錯誤はまだまだ続きますよ。
戦闘開始
爆弾が仕掛けられたミサイルの中に太郎は隠されていました。モモが爆弾を解体に取り掛かります。
アオ「ブルーチェリー」
何気にこれも、このセリフの初登場。
とまあ戦う一同でしたが、爆弾の解体は進みません。なぜなら
アオ「あの笛の音で爆弾がロックされているんだ。」
ゴレンジャーストーム
そこでアオとアカ、キ、そしてミドが青銅仮面を攻撃しますが、青銅仮面は釣り鐘に化けてしまいました。キが釣り鐘を投げている最中に
アカ「モモ、ゴレンジャーストームだ。」
モモ「OK!」
モモ「ゴレンジャーストーム」
ボールは白いまま。モモはこう言って蹴りました。
キ「ミド。」
ヘディングしてますが、「任せんしゃい」とは言ってませんでしたね。
ミド「OK! アオ。」
アオ「よーし。アカ。」
アカ「フィニッシュ。」
こうして青銅仮面は倒され、太郎も救出されました。
戦い済んだゴレンジャールームにて
ゴレンジャールームに帰還した一同の元へ、マスター達4人が登場。おや、マスターは制服らしきものを着用し、制帽もかぶっています。
江戸川権八総司令「ゴレンジャー諸君、ご苦労。」
ペギー「やっぱり」
明日香「総司令だった。」
大岩は尋ねます。
大岩「総司令殿、後ろの人は?」
総司令「紹介しよう。ボディーガード兼連絡係だ。」
以下、左から順に
007「イーグル本部007、加藤陽子です。」
ゴンの店員です。さて常連客はというと、まず帽子をかぶっていない女性が
008「008の林友子です。」
次に帽子を被っているツインテールの女性が
009「009、中村春子です。」
海城もそこまでは知らなかったようでして
海城「なーるほど、道理で強いわけだ。」
新命「やあ、これからもお手柔らかに。」
この後の総司令の言葉が傑作です。
総司令「おい、キ。ツケがだいぶ溜まっているぞ。あとで払いに来いよ。」
大岩は苦笑いするしかないのでした。
おわりに
この話は大岩が主役とあって、ギャグと言うべき内容が盛り込まれています。中でも青銅仮面がカレーを用意しておきながら薬を一服盛らず、キが美味しそうに食べ、青銅仮面が「お口に合って私も嬉しい」と言うだけど言うのは凄い場面です。脚本を書いた上原正三さんは、キレンジャーこと大岩大太はカレー好き、と言うのを強調するためだけに、この場面を描いているのです。
ただよくよく見れば青銅仮面の行なっている作戦自体は新型爆弾を開発して破壊活動を行なうという凶悪なものです。003は残酷な死に方をしています。ただのギャグ話ではないのです。
こういう緩急自在の硬軟両方がさらりと描かれているのがゴレンジャーの面白いところだったのだろうと改めて思いました。
さて殺陣は試行錯誤が暫く続きます。ボールの色も暫くは白いまま。名乗り方もまだまだ変わりますよ。