「秘密戦隊ゴレンジャー」第9話「青い影法師! バリブルーン秘密戦略」

はじめに

この記事では第9話「青い影法師! バリブルーン秘密戦略」を紹介します。脚本は上原正三、監督は折田至です。

事件発生

イーグルの科学研究所で冷凍ビーム砲が完成し、輸送される事になりました。護衛を新命と大岩が勤めていました。そこへ魔女仮面(声:京田尚子)の軍団が襲撃。新命と大岩は応戦しますが、生身で敵う相手ではありません。

新命「大ちゃん」

大岩「あいな。」

新命「行くぞ。」

というわけで転換して応戦しましたが、魔女仮面は杖に乗って空を飛んで逃げてしまいました。ホウキではないんですけどね。

キ「アオ、ブルーチェリーじゃ。」

というわけでアオはホウキならぬ杖に乗って空を飛ぶ魔女仮面を射抜きましたが、魔女仮面は玉になって落ちてしまいました。

キ「なんじゃこりゃ。」

というわけで見てみると、中には魔女仮面の姿が見えます。水晶玉ではないんですけどね。最終的に、魔女仮面は二人を翻弄。冷凍ビーム砲も奪われてしまいました。キは先ほど魔女仮面がいたところで待機し、アオはバリブルーンで空からみはる事にしました。

 

これはうまそうなカレーたい

さてキが見張っていると、先ほど、魔女仮面が化けていた玉が登場。玉はカレーライスになってしまいました。なお、今回は水の入ったコップはありません。

キ「これはうまそうなカレーたい。」

一応、辺りを見回してから、キは大岩の姿に戻り

大岩「いただきます。」

しばらく食べて

大岩「これはゴンのよりうまか。」

あのう、毒が盛られているとか言う発想はないのでしょうか、と思う間も無く、大岩は寝転んでしまいました。

魔女仮面「ゴレンジャーめ。まんまと引っかかりおった。バーカめ。」

大岩はアジトの牢に閉じ込められてしまいました。

大岩、反撃に転ずるが…

牢に入った途端に大岩は反撃に転じます。眠っていたわけではなかったのです。魔女仮面の杖を奪って反撃を開始します。

大岩「ゴレンジャーを甘く見てもらっちゃ困るばい。これは要塞に入るために打った芝居じゃ。冷凍ビームはどこじゃ。言わんか。」

魔女仮面「言えるか。」

大岩「なんじゃと。折ってもよかとか。」

と杖を頭の上に乗せてそのまま折ろうとしましたが、魔女仮面は杖を遠隔操作。

魔女仮面「くっつけ。」

杖は折れるどころか、逆に大岩が動かされる始末。

大岩「杖がとれんばい。」

最終的に大岩は魔女仮面に倒されてしまいました。

バリブルーン発進

と言うわけでバリブルーン出動となりましたが、大岩からの応答はありません。新命はバリブルーンはスカイスコープを使って探索します。

 

一方、大岩は魔女仮面に執拗な拷問を受け、バリブルーンを呼ぶように強要されます。大岩が応答しなかったのはこれが理由。魔女仮面は冷凍ビーム砲で狙うつもりだったのです。最終的に大岩はその要求を受け入れたふりをしますが、手旗信号で冷凍ビーム砲で狙われている事を新命に知らせました。

大岩「残念だったのう。」

アカレンジャー出動

新命は魔女仮面のアジトの写真を撮っていました。総司令、海城とともに大岩救出の作戦を練ります。

新命「なんとか、大ちゃんを救出しないと。」

海城「よし。ついでに奪われた冷凍ビーム砲も取り返すか。」

新命「そんなことができるのか?」

そこへ007が入ってきました。関東第8支部が冷凍ビーム砲奪還に出動したと言うのです。

海城「いかん。氷にされるぞ。」

 

と言うわけでアカレンジャーはレッドマシンで出動しましたが、関東第8支部の部隊は氷になった後でした。

アカ「おのれ。魔女仮面め。」

アカ、アジトに侵入

CMが明けるとアカは先回りし、魔女仮面の部隊が乗るジープの下にはりつく事に成功します。そのままアジトに潜入すると、今度はゾルダーを倒して服を奪い、そのまま中に入り込みました。途中、魔女仮面が冷凍ビーム砲をパワーアップさせて東京を氷漬けにさせようとしているのを耳にしました。

海城「東京を氷漬け? そんなことはさせん。」

さて海城は大岩の閉じ込められている牢にたどり着きました。大岩は寒さにやられたのかクシャミばかりしています。

海城「そいつを出せ。」

まず鍵を開けさせ

海城「お前は死刑だ。」

大岩「い、いやじゃ。死刑はいやじゃ。カレーライスが食べられなくなるからのう。」

大岩はそれほどカレーライスが好きなようです。

海城「カレーじゃない。死刑だ。」

こっそり海城はマスクを少し脱ぎ

海城「大ちゃん。」

大岩「海城どん。」

海城と大岩はゾルダーを倒して牢を出ました。

今回のなぞなぞ 

大岩と海城は部屋からコートを奪う事に成功。ところが大岩はクシャミが止まりません。慌てて口をふさぐ海城。冷凍ビーム砲をジープごと奪おうとしますが、運悪く、魔女仮面と遭遇してしまいました。慌ててフードで顔を隠す大岩。

魔女仮面「ありゃ。貴様は誰じゃ。」

大岩「貴様こそ誰じゃ。」

魔女仮面「決まっとる。魔女仮面じゃ。」

大岩「決まっとる。魔女仮面じゃ。」

魔女仮面「アホ。魔女仮面はワシだけじゃ。貴様こそ…その銃貸せ。コヤツをひっとらえろ。」

大岩「コヤツこそ偽物じゃ。ひっとらえろ。」

大岩、ちゃっかり杖を奪います。右往左往するゾルダーの皆さん。

大岩「それじゃ、なぞなぞいくたい。」

魔女仮面「なぞなぞ?」

大岩「ああ。汚ねえ磁石は使えるのかのう?」

魔女仮面「汚ねえ磁石? 使えるに決まっとる。コンパスは泥にまみれても狂ったりはせんわい。」

残念ながら不正解。答えは

大岩「ハ、ハ、ハ、ハ。あんた、大岩大太より鈍いのう。北のない磁石は使えんのじゃ。」

魔女仮面「ああ。きたねえっての、東西南北の北のことかな?」

大岩「そうじゃ。」

魔女仮面「汚ねえなぞなぞたい。」

大岩「この程度のなぞなぞができんとは偽物じゃ。ひっとらえろ。」

騙されたゾルダーは魔女仮面に全員集まります。

大岩「バカじゃのう、あいつは。」

アカとキ、逃走

ところがうまいことは続かないもので、その瞬間に大岩はうっかりクシャミしてしまい、フードが脱げて大岩の顔が露わになってしまいました。バカなのはどっちなのでしょうか(苦笑)。

 

逃げる大岩と海城。大岩はコートを奪われ

大岩「エッチ。」

大岩は全裸にトランクスと帽子だけの格好になってしまいました。

海城「エッチじゃない。逃げるんだよ。」

海城の答えの答えも絶妙です。二人はバイクでそのまま逃走しました。

巨大なミサイル砲出現

逃げる二人でしたが巨大なミサイル砲が姿を表しました。第6話に登場したものと形が似ているのでその時についでに撮影されたのかもしれません(棒)。

魔女仮面「手を挙げろ。」

海城は両手を挙げますが

魔女仮面「お前もじゃ。」

大岩「(パンツの)ヒモが緩いんじゃがのう。」

仕方なく大岩も両手を挙げました。

魔女仮面「東京を氷漬けにするにはお前たちが邪魔だ。殺す。」

海城は大岩の口調を真似てこう言いました。

海城「他にも仲間がいるんよ。二人だけ死ぬのは寂しい気持ち。」

戦いの最中によくそんな冗談が言えますねえ。

大岩「そうじゃい。五人揃ってゴレンジャーじゃけんのう。」

魔女仮面「そうじゃ、仲間も一緒に送ってやるわ、冥土にな。呼べ、バリブルーンとかで来るように。」

海城「待て。上来たところで、それでズドンと行くんじゃろ。あ?」

魔女仮面「呼べ。」

海城「(大岩に)どうする?」

大岩「仕方なか。」

海城は救援を要請しました。

青い影法師作戦

新命、ペギー、明日香はバリブルーンで出動しました。

新命「青い影法師作戦で行くからな。」

上空に差し掛かったところで。

新命「よーし。ブルースモーク。」

ペギー「ブルースモーク、スイッチオン。」

バリブルーンは後ろからブルースモークを撒き散らしました。

魔女仮面「今度は逃がさんぞ。」

魔女仮面は冷凍ビーム砲やミサイル砲(明らかに第6話の映像の流用)はブルースモークで隠れたバリブルーンにはかすりもしません。その隙をついてバリブルーンから飛び立ったアオ、モモ、ミドは冷凍ビーム砲の奪還と海城と大岩の救出に成功します。

名乗り

そのまま魔女仮面の周りを取り囲んだ一同。

アカレンジャーアカレンジャー

アオレンジャーアオレンジャー

キレンジャーキレンジャー

ミドレンジャーミドレンジャー

モモレンジャーモモレンジャー

 

そして一人ずつジャンプします。

アカレンジャー「トイヤー」

アオレンジャー「トイヤー」

キレンジャー「トイヤー」

ミドレンジャー「トイヤー」

モモレンジャー「トイヤー」

 

全員着地。左から順にモモ、ミド、キ、アオ、アカの順に並び、右を向いてアカを先頭に縦に並んだ状態になり

アカレンジャー「5人揃って」

全員「ゴレンジャー」

かかる曲はエンディング。ようやく完成型に近づいてまいりました。

ゴレンジャーストーム

しばらく戦った後、

アカ「モモ、ゴレンジャーストームだ。」

モモ「OK!」

アカ「ゴー。」

散る4人。

モモ「ゴレンジャーストーム、行くわよ。キー。」

お。ボールは桃色です。

キ「任せんしゃい。アオ。」

キがヘディングしたボールは黄色です。

アオ「オーライ! ミド。」

アオは青いボールを蹴ってます。

ミド「OK! アカ。」

ミドが蹴るのは緑色のボール。そして緑色のボールは赤いトゲトゲつきのボールに変化。

アカ「トイヤー。フィニッシュ。」

こうして魔女仮面は倒されました。

 

早速新命と大岩はミサイル砲をバリブルーンで攻撃します。

新命「大ちゃん。」

大岩「あいな。」

新命「冷凍ビーム砲発射。」

大岩「ラージャー。冷凍ビーム砲発射。スイッチオン。」

ミサイル砲は全て氷漬けになりました。

新命「大ちゃん、やったな。」

大岩「どうじゃい。」

残りの3人はフード状の席に座っていたのでした。

おわりに

やっと殺陣が完成形になりました。名乗りもゴレンジャーストームも私が本放送で見た時の記憶通りのものです。なので初期の8話を初めて再放送で見た時は違和感を覚えたものです。高橋一俊さんも苦闘なさったのですね。

 

さて上原正三の作風は今回も盤石。大岩のカレー絡みの失敗も前回とは違って具体的に書き込まれています。高久進と新井光コンビの師弟コンビとは作風が違うのでしょう。今回のタイトルは「青」がついているので新命明が主役になりそうなものですが、実質的には大岩と海城の出番が多くなっています。これは宮内洋さんのスケジュールの関係なのでしょう。でも大事なところは彼がしっかり持って行っています。海城のセリフも軽妙で面白かったです。後年のスーパー戦隊で頻出する熱血バカではなくて大人の余裕を見せてくれますよ。