がんばれ!!ロボコン

はじめに

この記事では1974年10月4日から1977年3月25日まで、NETテレビ(現・テレビ朝日)系列で全118話が放送された「がんばれ!! ロボコン」を取り上げます。

ロボコンの概要

この番組はロボット学校に所属するロボコンが大山家または小川家でお手伝いをした…つもりで色々な騒動を起こし、最後ガンツ先生の採点が行なわれて評価を受ける、というものです。2年半近く放送されたため、ロボットのレギュラーもロボコンが「お手伝いする」家も変遷がありますが、ロボコン(声は山本圭子)、ガンツ先生(声は野田圭一)、町田巡査(由利徹)とロビンちゃんは最後まで登場しました。

ロボットは一期生、二期生、三期生に大別されますが、二期の途中で登場したロボイヌやロボカーもいれば、最後に登場したロボチャンなど、細かい例外もいます。一期生、二期生は皆卒業して行きましたが、ロボコンとロビンちゃんは最後まで登場し続けました。ロビンちゃんは当初はロボットの設定だったらしいですが、演じた島田歌穂が顔出しで演じており、また当時の年齢は中学生くらいだったために演者が成長してしまい、バレリーナ星から来たのをガンツ先生が預かっているという設定が明かされました。またロビンちゃんは当初はロボガリと一緒にいることが多かったのですが、途中からロボコンと仲良くなっていきました。

ロボコンももちろんロビンちゃんが好きだったわけですが、二期生でロボペチャが登場。ロボペチャは看護婦ロボットなのですが、どういうわけかロボコンが大好きで、ロボコンを追いかけ回していました。右手が注射器になっており、「おチューするわよ」というのも口癖でした。三期生になるとロボメロが登場。一応、少女ロボットなのですが、そのお顔は美人とは言い難いものでした。このロボメロは「ロボコン王子様」と言って、これまたロボコンを慕っておりました。傘を使って空を飛ぶことから、どうやらモチーフはメリー・ポピンズだった可能性が高いのですが、このことに大人になってから気がついた時、私はあまりの落差に唖然としたのを覚えております。なおロボメロはメロメロと涙を流す癖もあり、バケツ一杯分の涙を流しておりました。

大山家も小川家も普通のサラリーマンなのに、ロボコンが良かれと思って行なった暴走行為の被害に遭うのは大人になった今は「実にかわいそうだなあ」と思うわけですが、本放送当時の私は幼稚園に通っていたので「ロボコンが善意で行なっているのになんで怒るのかなあ」と呑気に思っていました。余談ですが、大山まことを演じた福田信義さんは私と同い年でしたが、当時はそんなことなど知らずに見ていました。大山家は当初は東映の大泉撮影所にも近い一般住宅を借りてロケが行なわれていましたが、番組の人気が上がるにつれてロケ地のお宅に近所の子供達が群がるようになってしまい、やむなくママの大山初江が第51話から美容院を開店してスタジオ内に引っ越す羽目になりました。また放送も延長に延長を重ねたためか、第72話で北海道へ転勤し、第73話からは小川家でロボコンは働くことになりました。なお偶然なのか、大山家も小川家もママは声優もやっている人の顔出し出演です。

ロボコンの苦手なものはゴキブリでおもちゃを見ただけでも動揺し、大暴れします。ゴキブリが登場した時のBGMは定番のものが用意されており、これも楽しかったですが、その分、大山家や小川家が壊される被害も頻発しました。空を飛んでいる時にゴキブリを見つけて大騒ぎしたことさえあります。ゴキブリは羽を持っているから空を飛べると言えば飛べるのでしょうが、あんな空高く飛ぶのは無理がある気もします(笑)。

そんなロボコンにも理解者はいます。大山家や小川家の子供達と近所の交番に勤める町田巡査です。町田巡査はロボコンが子供達を助けるのを見て「ロボコン君に警視総監賞贈呈を進言します。」というようなことをよく言ってました。なお由利徹さんは出番のかなり前にはスタジオ入りして臨んでいたそうです。町田巡査が勤める交番も当初は練馬区に実在する交番(現在は移転しています)が使われていましたが、おそらく大山家と同じ問題が起きたのでしょう、これまた東映の大泉撮影所内の交番に勤務するようになってしまいました。

ロボコン最後の場面の定番といえばガンツ先生による採点でしょう。「ローボコン0点」というセリフが有名ですが、実際はマイナスの点数をとったり、ごく稀にロボコンが100点をとってハートマークを獲得したことがありました。その次の話ではロボコンがハートマークを2つつけてお買い物に出かけている場面が映りましたが、その話で当然大失敗して程なく1つに戻ってしまったのでした。で採点の理由はまともなものから、採点中に地震が起きてしまったのでガンツ先生の採点装置が異常な動きをしてしまう、というような理不尽なものまであまたあります。脚本を書いた人は「たまにはロボコンに100点をあげようよ」と何度も言ったそうですが、平山亨はその意見を何度も却下したのです。その方が面白いからに決まっています。

さて上原正三は半分近くの56話くらいを書いています。連続して上原が書いた話が続くことも多かったです。音楽担当は菊池俊輔。なおアクションは「人造人間キカイダー」を担当していた三島剣友会が担当していたのでした。

これだけ長く続いた「がんばれ!!ロボコン」でしたが、制作局のNETがテレビ朝日に名前を変えるのに合わせて終了したのでした。後番組は「ロボット110番」でしたが、ロボコンほど長く続かず、9ヶ月で打ち切られてしまったのでした。「ロボット110番」は子供心にいまいちだった記憶が残っています。

なおロボコンの主題歌は途中で変わったため2つありますが、2つ目の方はその一部分が「チコちゃんに叱られる!」のエンディングにチコっとだけ使われています。ボーっと生きているとわからないかもしれませんね。

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