イナズマン 第24話「謎のロボット戦士?」を観た

さて今回からイナズマンFを紹介してまいりましょう。と書きながら、最初に紹介するのはイナズマン 第24話「謎のロボット戦士?」(脚本:上原正三、監督:塚田正煕、擬斗:岡田勝 (C) 東映東映エージェンシー)です。この話が事実上のイナズマンFの第1話だからです。

さて冒頭。謎のロボット戦士(声:岩名雅記)が登場し、ファントム軍団のミサイルを輸送するファントム兵士を襲撃して倒してしまいます。そしてミサイルも破壊します。オープニングで名前はバレバレですが、とりあえず謎のロボット戦士とこの記事では書くことにしましょう。

さて爆音を聞いた渡五郎は襲撃現場にライジンゴーで駆けつけます。

渡五郎の心の声「ミサイルを運ぶ途中に襲われたらしい。それにしても俺の他にファントム軍団を敵とするものがいる。」

すると謎のロボット戦士がオートバイに乗って立ち去るのが見えました。

渡五郎の心の声「こいつがやったのか。一瞬の間に、これだけのものを破壊するとは恐ろしい力の持ち主だ。」

と思うや否や、ファントム軍団はイナズマンの仕業と勘違いし、渡五郎にイシバンバラ(声:青森伸)が襲い掛かります。おや、渡五郎の服はスーツ姿。以後の話では渡五郎はスーツ着用が基本となります。まあそれは兎に角

渡五郎「剛力! 将来!」

と叫んでサナギマンと変転。イシバンバラと戦います。さらに

サナギマン「超力! 将来!」

と叫んでサナギマンはイナズマンに変転。この時に新撮されたバンクシーンが以後利用されて行き、イナズマンのマフラーもそれまでとは違ってオレンジ色になりました。まあ最終的にイシバンバラは撤退。その様子を不敵に笑いながら謎のロボット戦士が遠くから見ており、Dを模ったベルトを腰に着用します。ということは、前の場面ではしてなかったんですかねえ。というわけで確認したら、ベルトは着用してませんでした。

さてイシバンバラは帝王バンバ(声:飯塚昭三)にもイナズマンのせいでミサイル輸送が妨害されたと報告します。帝王バンバはミサイル発車基地の更なる増強を命じます。ファントム軍団が人々を拉致して行きます。最初に襲う場所はもしかして東映生田スタジオの事務所でしょうか? よく知りません(桂歌春談)。

さてその頃、丸目豪作は港で働いていましたが、そこへファントム軍団がやってきます。ファントム兵士は弁天のマサ(岡田勝)を殺した後、残りの労務者をさらっていきました。豪作もミサイル基地増強に駆り出されたのです。

その頃、大木サトコと大木カツミは渡五郎と会い、豪作が拉致されたらしいと話します。五郎は弁天のマサの死体を確認。新人類の仕業だと確信します。そして駆けつけたサトコとカツミと労務拉致事件の話をします。

CMが終わるとイシバンバラはミサイルの試射を開始。基地南西4Kmの大田村がその犠牲になりました。発射する様子を豪作も目撃。豪作は他の奴隷(中村文弥)の協力も得て脱出に成功。渡五郎と出会い、ミサイル基地の場所を告げます。

さてイシバンバラはさらった労務者の処刑を開始しようとしますが、そこへイナズマンが駆けつけました。イナズマンとファントム軍団が戦っている隙を突き、謎のロボット戦士は一人のファントム兵士…ではなくヘルメットはDマークがついており、ベルトも謎のロボット戦士と同じベルトをした兵士を連れて基地内部に潜入。その場にいたファントム兵士を全員倒して基地の乗っ取りに成功します。そうとは知る由のないイナズマンやイシバンバラは戦闘機やライジンゴーで戦闘続行。最終的にイシバンバラは超力イナズマ落としで倒されたのですが、その直後にミサイルが発射されてしまいました。イナズマンライジンゴーでミサイルに近づき、ミサイルに飛び移り、ミサイルの向きを変えて東京を危機から救います。

さて直後に帝王バンバがイナズマンの前に登場。

イナズマン「帝王バンバ、よくも東京にミサイルを撃ち込んだな。」
帝王バンバ「ワシは知らん。ミサイル発射は今夜の予定だった。」

イナズマンは驚きます。中村文弥さんの演技は巧みです。

イナズマン「なんだって!」
帝王バンバ「だがミサイル計画などほんの序の口よ。ワシはさらにどでかい計画を進めているのだ。」

帝王バンバは高笑いして姿を消しました。

イナズマン「帝王バンバが発射しないとなると、一体誰が?」

と疑問に思うイナズマンでしたが、直後にミサイル基地は何者か(おそらく謎のロボット戦士)の手によって破壊されたのでした。

イナズマン「この正体不明の戦士の仕業か。奴がファントム兵士を殺し、ミサイルを発射したのかもしれん。帝王バンバを敵とし、私にも殺意を持つ、一体、あの男。」

この後、謎のロボット戦士の姿を映して終わるのでした。

さて少年同盟は設定が有名無実化し、後半は出演するメンバーが激減しており、大木姉弟の他には富川カオル(府川房代)が登場していただけでした。ですが、富川カオルも第24話と第25話には登場しなかったのです。原作漫画では少年同盟はもっと強力で他のメンバーもコウモリのような姿に変身するものが出てきたり、キャプテンサラーもバンバも老人でサラーはバンバの兄だという設定がありました。ただテレビ番組ではそこが表現しきれず、少年仮面ライダー隊に毛が生えた程度、もっと乱暴に書けば雑魚が増えただけ、という印象を持ってしまいます。

さて制作はこの頃から加藤貢プロデューサーが実質的な中心となり、塚田正煕監督や助監督だった長石多可男さんや脚本家の上原正三さんなどと話し合い、『イナズマン』の路線変更を図っていくのです。まあ私は『イナズマンF』をNET(→テレビ朝日)が何度も行なった再放送で子供の頃に観たので特撮ファンがよく語るようなコアな番組とは思わずに普通の特撮番組として観ていましたが、子供心にも『イナズマンF』の方が面白かったなあと思っていました。大人になってから観るとコアな番組と語られる理由が分かりますが、子供の頃はそこまでは感じず、登場人物の魅力やライジンゴーの活躍に目が行っていましたね。

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