この記事ではイナズマン 第25話「壮烈!帝王バンバの最期!!」(脚本:上原正三、監督:塚田正煕、擬斗:岡田勝 (C) 東映、東映エージェンシー)を紹介しましょう。
さて謎のロボット戦士(声:岩名雅記)はファントム兵士を次々と味方につけていました。
謎のロボット戦士「このバンバの顔を踏め。踏めないものは容赦なく殺す。」
帝王バンバの顔の像を踏めない者は処刑し、踏めた者は仲間にしたのです。絵踏がモチーフなのは明らかです。さて仲間になった兵士はヘルメットはFではなくてDマークがついており、左胸からファントム軍団の紋章を外し、締めるベルトにはDを模したものがついています。
この動きを黙って見ている帝王バンバではなく、晴海に渡五郎を呼び出します。日本を沈没させる計画を進めている事を告げ、更に手を組むことをバンバは申し出ますが、五郎は拒否。そこへ「ファントム兵士」が現れました。バンバは「帰れ」と言いますが
兵士「我らに命令は無用です。」
なんとよく観ると被るヘルメットについているのはDマーク。そして兵士は左胸についていたファントム軍団の紋章を外しました。バンバと部下達、そして五郎は超能力消滅リングをつけられてしまいました。
兵士「超能力消滅リングです。いくら帝王のあなたでもこれをはめられたら無力も同然。」
それを見て
渡五郎「バンバ、あんたが手を組もうと言った理由がわかったよ。」
全員、連行されるのでした。その様子を物陰から大木カツミが見ていました。
さて処刑を行なうのは謎のロボット戦士です。その様子を伺う大木サトコ、カツミ、そして丸目豪作。しかし警戒は厳重で付け入る隙などありません。日本を沈没させるぞという帝王バンバの言葉に対して
謎のロボット戦士「そのような脅かしに乗ると思うのか。」
と意に介しません。バンバ達は地殻変動装置を仕掛けて日本を沈めると豪語。それを聞き
渡五郎の心の声「帝王バンバは本当に地殻変動装置を仕掛けてあるらしい。なんとかしなければ。しかし、下手に動けばイナズマンになるまでに蜂の巣にされてしまう。一体どうすればいいんだ。」
さらには
謎のロボット戦士「構わん。処刑を行なう。」
そして
謎のロボット戦士「まずは渡五郎からだ!」
鋭い。謎のロボット戦士が渡五郎から処刑するように命じたその時、大木カツミが飛び出しました。なんと無謀な。
大木カツミ「五郎さーん!」
無我夢中で走るカツミ。思わず
渡五郎「カツミ君。来るんじゃない!」
この声が聞こえたのか、渡五郎を狙っていた兵士の目がカツミの方に向けられました。皆、カツミを狙って発砲。弾は運よくそれましたがカツミは倒れてしまいました。
渡五郎「カツミ君!」
大木サトコと丸目豪作がカツミのところに駆けつけ、豪作はカツミを庇いました。兵士の目はカツミ達に釘付けです。この隙を突き
渡五郎「よーし、今だ。」
渡五郎は縄を外し、超能力消滅リングをなんと自力で壊し
渡五郎「剛力! 将来!」
あのー。渡五郎が自力で壊せるなら、帝王バンバ達も(略)と思いますが、そんなのは瑣末な指摘でしかありません。サナギマンは兵士を薙ぎ倒し、カツミ達と合流。そして
サナギマン「超力! 将来!」
変転して
空中一回転。
そして
謎のロボット戦士「おのれ、イナズマン。よくも邪魔したな。クソ。」
イナズマン「貴様は一体何者だ?」
謎のロボット戦士「今にわかる。」
イナズマン「何?」
だそうです。しばらくイナズマンと謎のロボット戦士(名前はオープニングでバレバレですが「今にわかる」のでこのまま書きましょう)は戦います。
謎のロボット戦士「ケケーン!」
雉の鳴き声を真似したのでしょうかねえ、知りませんが。
イナズマン「手強い奴だ。」
サトコと豪作はカツミと帝王バンバ達を連れて逃げますが前後を謎の軍団(これも「いずれわかる」のでこう書きましょう)の兵士に挟まれピンチに。確証はありませんが、東映生田スタジオそばの道のような気がします。あくまでも気がするだけです。
帝王バンバ「これさえはめられなければ。」
渡五郎は自力で壊したんですけどねえ。そこへイナズマンが駆けつけ、兵士を撃退。イナズマンはカツミを連れて立ち去ろうとしますが
帝王バンバ「待て、イナズマン。これをなんとかしてくれ。自由に動くこともできんのだ。」
だそうです。この虫のいい要求に対するイナズマンの答えは
それに対する答えは
帝王バンバ「何?」
イナズマン「やなら良い。」
立ち去ろうとするイナズマン。帝王バンバは慌てて
帝王バンバ「いや待て。教える。」
念の為にイナズマンは確かめました。
イナズマン「間違いないな。」
バンバが頷いたのでイナズマンは超能力消滅リングを壊してやりました。
さてカツミの手当てが行なわれた後
渡五郎「バンバ、約束を果たしてもらおうじゃないか。」
帝王バンバ「約束?」
渡五郎「とぼけるな。地殻変動装置のあり場所を教えると言ったはずだ。」
帝王バンバ「うーん。そうであった。確かそんな約束をしたなあ。」
なんか雲行きが怪しい感じがしますが
渡五郎「すぐに行きたい。」
帝王バンバ「では、参ろう。」
ここでCMに突入。大木サトコ、カツミ、丸目豪作の出番はここで終わりです。
さて渡五郎は帝王バンバに連れられて地殻変動装置のある場所へとやってきます。ロケ地は猿島です。色々歩き回った末、
帝王バンバ「この部屋の中だ!」
五郎は部屋に監禁されてしまいました。罠だったのです。
帝王バンバ「渡五郎。フ、フ、フ、フ、フ。まんまと引っかかったな。ワシは権力が欲しい。帝王の座が欲しいのだ。そのためにお前を倒す必要がある。貴様との戦いは終わりだ。言っておくが、その部屋は特別あつらえになっておる。そこで苦しむのだ。段々に苦しむのだ。」
ん? 帝王バンバはファントム軍団のトップではなかったの? そんなのを考える余裕など渡五郎にはありません。帝王バンバが外から窓を閉めた直後に怪しい光で部屋の中が満たされました。途端に苦しむ渡五郎。
渡五郎「このままでは死んでしまう。こうなったら体の全エネルギーを使ってしまう以外にない。」
というわけで
渡五郎「剛力! 将来!」
サナギマンに変転し
サナギマン「超力! 将来!」
イナズマンに変転。展開はや。ですが
チョップしてもびくともしません。何故なら
帝王バンバ「その光がお前のエネルギーを吸収しているのだ。いくらイナズマンでも脱出は無理だ。」
なぜイナズマンになれたのかは置いといて、そういう理由だったのです。
帝王バンバ「ワシは、ワシは最後の大計画を実行する。」
というわけで帝王バンバと残った部下は地殻変動装置を作動させました。苦しむイナズマン。
イナズマン「ここから脱出するには今までの何倍ものエネルギーを必要とする。」
そして考えた末に得た結論は
イナズマン「これしかない。」
イナズマンはベルト右脇のパーツを外し、触覚の一部を外し、更に自分の右目の一部を外し、超能力増幅装置ゼーバーを作り上げました。
イナズマン「ゼーバー」
村越伊知郎のナレーション「イナズマンは自分の体の部分から超能力を倍増させる装置ゼーバーを作り出したのだ。」
その力でイナズマンは脱出に成功。帝王バンバとの戦いが始まりました。帝王バンバは火炎ファイターの正体を表しましたが最終的には
イナズマン「ゼーバーイナズマショック!」
でダメージを受けて帝王バンバの姿に戻ってしまいました。
帝王バンバ「貴様だけは命に換えても倒すぞ! イナズマンめ! 帝王バンバの燃える命を見るが良い。」
と叫ぶやいなや、巨大化…して爆発。こうしてファントム軍団は滅んだのでした。イナズマンは地殻変動装置を破壊。這々の体で引き上げようとする渡五郎でしたが、そこに謎のロボット戦士が現れました。
謎のロボット戦士「渡五郎、帝王バンバごときに驚いてはいかん。」
渡五郎「貴様は一体何者なんだ?」
謎のロボット戦士「ふふ。俺の名はウデスパー。」
やっと名前を書けますね。ウデスパーは続けてこう言いました。
ウデスパー「バンバは単なる部隊長に過ぎないのだ。これから新人類を支配するガイゼル総統は帝王バンバを遥かに凌ぐ実力の持ち主だ。」
そんなの初耳です。
ウデスパー「我らデスパー軍団のリーダーだ。」
それも初耳です。しかも来たのはウデスパーだけではありません。戦闘機が何機も飛んできました。
ウデスパー「渡五郎。見ろ。ガイゼル総統のお姿。」
ウデスパーの指さす先を見ると兵士の並ぶちょうど真ん中に真っ白な顔をして右目が潰れ、真っ黒な服や帽子で身を包んだ男がいました。彼がガイゼル総統(安藤三男)です。この時は無言ですが、はっきり書きましょう。私は帝王バンバよりもガイゼル総統の方が怖かったです。
渡五郎「あれがガイゼル総統か。」
そして渡五郎は気がつきます。
渡五郎の心の声「ウデスパーもガイゼル総統の部下でしかなかったのか。デスパー軍団、まさに恐怖の軍団だ。」
村越伊知郎のナレーションが流れて『イナズマンF』へと話は続くのでした。
なおゼーバーが登場したのは強化策。超力イナズマ落としなどのイナズマンの技が地味なので登場させたようです。この超能力増幅装置ゼーバーは様々な超能力を増幅することにより強化させ、イナズマンはパワーアップを果たしましたが、デスパー軍団はファントム軍団以上に強力だったのでした。