今回はイナズマンF 第3話「水爆500発!! 地底大戦争!」(脚本:上原正三、監督:田口勝彦、擬斗:高橋一俊 (C) 東映、東映エージェンシー)を紹介しましょう。第1話と第2話で基礎固めを行なったので今回からしばらくは普通の話が続きます。
さてデスパー軍団は富士カナル作戦を実行しています。カナルというのは運河(canal)からきているらしいです。作戦担当者はバーナーデスパー(声:大山豊)です。渡五郎も荒井誠も察知していないまま作戦は遂行されていました。
ところが些細な事から作戦が発覚してしまいます。道路をライジンゴーに乗って走行していた渡五郎と荒井誠でしたが、急ブレーキを踏んで急停車してしまい、後ろの車が追突してしまいました。
渡五郎「すいません。急にオートバイが出てきたもんで。」
と謝りましたが、後ろの車は五郎を無視してバックして発進。そこへ事故を知った警察官がやってきて制止し
警察官「一応、調書を取りますから。」
ところが車の助手席に乗っていた男は発砲して警察官を射殺して、車はそのまま逃走してしまいました。このあまりにも怪しすぎる行動を見て
荒井誠「渡君、追跡頼む。」
そして追跡しながら
渡五郎の心の声「追突くらいで警官を射殺するとは何か警察に知られてはまずいことがあるんだ。」
なんという愚策。車の男は渡五郎に対しても発砲。最終的にはお互いに車を降りての格闘となり、爆弾で二人の男は自爆して死亡。残ったのは男が運んでいたアタッシュケースでした。これを渡五郎が入手しました。
渡五郎は地元の西浜署へ行き、荒井誠と合流。中に入っていたのは白紙が一枚入っていた封筒でしたが、荒井誠は万年筆からインクを出してコップの水に混ぜ、先ほどの白紙をつけると文字が浮き出ました(原理不明)。
刑事「流石、インターポールだ。」
書かれていたのは暗号文らしきもの。荒井誠と渡五郎は紙を持ち帰り解読することにしました。さらにマイクロフィルムまでありました。刑事は三人いますがそのうち二人は中屋敷哲也さんと池田力也さんのような気がします。
当然、デスパー軍団はこの事態を問題視。
ウデスパー「バーナーデスパー、富士カナル作戦の極秘書類が警察の手に渡ったぞ。」
バーナーデスパー「何だって!」
ウデスパー「奪い返して来い。」
バーナーデスパー「よし!」
バーナーデスパーもウデスパーにタメ口です。ウデスパーは人望がないのかもしれません。そしてガイゼル総統は不安に思ったのか、こう命じます。
ガイゼル総統「ウデスパー、お前も行け。」
ウデスパー「は!」
しかーし
バーナーデスパー「No! 富士カナル作戦は俺が責任者だ。ウデスパー参謀の手助けは無用だ!」
この短慮が更なる失敗の元でした。
さて渡五郎と荒井誠は暗号の解読を行なっていました。その最中に入ってきた連絡は西浜署にデスパー兵士が現れたというもの。結果的にデスパー軍団の仕業だとバレてしまいました。渡五郎は西浜署へ急行。バーナーデスパーはアタッシュケースがないと知るや署内を探そうとしますが、渡五郎が現れたという連絡が。今度は渡五郎の後を追いかけて取り返そうとする作戦に切り替えましたが、これは渡五郎に察知され、晴海で戦闘となりました。デスパー兵士はイナズマンに倒され、
イナズマン「お前達は一体、何を計画しているんだ。」
バーナーデスパー「天地がひっくり返るくらい、どでかいことよ。」
イナズマン「天地がひっくり返る?」
バーナーデスパー「お前にだけは邪魔させないぞ。死ねえ。」
またも戦闘続行。デスパー兵士がまた登場。最終的には
イナズマン「行くぞ、バーナーデスパー。」
バーナーデスパー「バーナー火炎銃。」
イナズマン「(ゼーバーの赤いレンズを出して)ゼーバー逆転チェスト!」
で決着がつきました。ゼーバーの赤いレンズは逆転チェストの力を増幅させるのです。バーナーデスパーは撤退しました。
イナズマン「秘密がバレるのを恐れて逃げたんだ。ということは計画はまだ準備の段階と言える。」
バーナーデスパーの間抜けぶりが際立つ一戦でした。
CM明けると暗号の解読が完了。コンピューターが出力した紙テープを荒井誠が読み上げます。
荒井誠「運河の水路は深さ100m、幅1000mとして富山湾から関東山地に沿って富士山横を巡り相模灘に通じるものとする。使用する水爆300メガトンのもの500個。」
500個で足りるのかどうかはさておいて大規模な計画であることはわかるでしょう。またまたジャイアントロボなどでも流れた映像が流れまくり
渡五郎「まさに天地のひっくり返るような計画だ。」
荒井誠「しかもこの計画には商社が加わっている。その商社の名はジパングカンパニー。」
というわけで二人はジパングカンパニーへ急行しましたが、そこには既にウデスパーがいました。
ウデスパー「ジパングカンパニーの奴らを始末しろ。」
というわけで渡五郎と荒井誠がたどり着いた時にはジパングカンパニーの者が殺された後。だが一人だけ辛うじて生きている者がいて、
ジパングカンパニーの社員「山中湖、西北、地底500m。」
さらに
という情報が得られましたが、ウデスパーが乱入。ウデスパーは左腕に触手のようなものを装着しています。渡五郎はなんとか
渡五郎「剛力! 招来!」
サナギマンに変転。デスパー兵士に捕まり電気ノコで切られそうになりましたがサナギマンの体は硬く
デスパー兵士「刃がこぼれました。」
となったのでウデスパーは今度はガトリング砲をぶっ放しました。ところがこれも効かず
サナギマン「超力! 招来!」
とイナズマンに変転。結局、ウデスパーは撤退しました。イナズマンはライジンゴーで地底にもぐることを決意しました。これまた初登場となるドリルライジンゴーを使用してイナズマンは地底500mまでもぐることに成功。富士カナル作戦の作業場に突入し、戦闘開始。地中から空中に戦闘の場が移りました。ライジンゴーは「地底タンク」に拘束されてしまいましたが「ライジンゴージェット噴射」(前回の逆転ジェットスクリューと同じ技にしか見えませんので「ジェット噴射」ではないような気がしますが)で脱出。戦いは地上に移り、
で片がつきました。そしてイナズマンは地底の水爆を始末し、美しい日本は守られたのでした。
上原正三さんの執筆はひとまずおしまい。この後、3回は普通の話が続きます。
さてあくまでも個人的な意見ですが上原正三は日本を本当に破壊したかったんじゃないでしょうか。沖縄から上京して琉球人お断りという差別を実体験してますし、結核を患って療養していた頃はコザへよく行き米軍基地の様子を見ていたそうです。生前も基地が多くある沖縄の現状を憂いてましたし、安倍晋三内閣への怒りをぶつけた動画も残されています。子供番組を多く手がけた理由の一つに沖縄の置かれた現状を憂いていた事もあったのは間違いありません。
なお2023年7月23日は高田JAPANの動画が公開されるはずなので2023年7月24日はその動画を紹介する予定です。