仮面ライダーBLACK RX 第28話「皇帝陛下の代理人」を観て

はじめに

仮面ライダーBLACK RX 第28話「皇帝陛下の代理人」(脚本:鷺山京子、監督:蓑輪雅夫、アクション監督:金田治と村上潤)を観て思った事を書きましょう。澄川真琴さんとした約束を果たすためです。あれ、いつの間にか折り返し点を過ぎていました。もう冒頭の場面を見ただけで大まかな流れが読めるようになってしまいましたが、現時点でも少なくとも第34話までは観たい人が出ますから、結局、最後まで、とは言うものの最後は本放送当時の私が「うーん。趣旨はわかるんだけどなあ。」と思ってしまってイマイチ盛り上がれなかったところもあるので、と言うことはなんだかんだ言って観たわけですがつまみ食いしたに過ぎないので全体の流れまでは観ておらず、まさに木を見て森を見ずの状態で観たので全体を通せば見方が変わるかもしれないなあと思っています。それでも変わらないかもしれませんが。

あとこのシリーズとは別に他のシリーズも隙間時間を使って書いており、そのシリーズのネタもとい記事も書けるのではないかという邪な心も持っていたりします。実際、いくつか拾えて受けるものは受けて、はずしたものはそれなりに、という澄川真琴さんが共演した(はずの)樹木希林さん発案(厳密には違うかもしれませんが、あのCMが作られた経緯を知るとそう書きたくなります)のこともありました。樹木希林さんはアクションは全く行なっていないはずなのに影の軍団の全作品に出ています。それなりの理由があると言うのは私でもわかります。アクションだけではなくてそちらの方も好きですからね。

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クレジット

とは言いながら書くのはオープニングのクレジットです。仮面ライダーBLACK RXのオープニングは結構細かいところが変わっており、本当はそこも確認するのも大事なのですが、そうなると記事の長さがやはり長くなってしまうので今までは書きませんでした。細かい変遷を経て第1話とは微妙にオープニングの映像は変わっています。まあこれはボーっと観ていると気がつかないでしょうね。と言うわけで皆さん、それは実際の映像を観て確認してみてください。実はこれだけで記事が書けるのではないかと思いますよ。書けない人は書けないかもしれませんが。閑話休題

さて私が確認したかったのは、今回から登場する人のクレジットです。順番は置いといて、このようにクレジットされているのを確認しました。

ダスマダー

  松井哲也

なんと単独です。白鳥玲子やマリバロン同様、単独で表示されるのです。これだけでわかる人にはわかるでしょう。重要人物なのです。

1話持ち?

もう一つ外せないのが、これが1話持ちで制作された可能性が高いことです。仮面ライダーBLACK RXもそうですが、大体の特撮番組は2話をまとめて制作することが多いのですが、この話はどうも違うようです。脚本家の鷺山京子さんや蓑輪雅夫監督の登板状況を見てみると、どうも今回は1話だけを力込めて制作した可能性が高そうと思えるのです。と言うのは脚本家の鷺山京子さんの執筆作も蓑輪雅夫監督も前後は空いており、この1話だけ妙に浮いた感じになっているので、重要な話なのでそれなりに力込めて作ったのだろうと思います。ただ私はウルトラシリーズなどの著作を手掛けた白石雅彦さんとは違って関係者の話を直接伺うことができておりませんのであくまでも仮説に過ぎません。

さて1話持ちとは逆に明らかに3話持ちで作られたと思われる話もありますが、そちらについては既に取り上げたので、そちらをご覧下さい。

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登場するレギュラーは白鳥玲子のみ

さらにオープニングのクレジットでわかってしまったことがあります。それは登場するレギュラーが高野槙じゅんさん演じる白鳥玲子のみだと言うことです。澄川真琴さんじゃないかって? 「違う」のです。高野槙じゅんさんなのです。それはもはや瑣末な指摘に過ぎません。既に散々語ってきましたけれど、やはりこれも物語を語る上で重要な役割を果たすからです。今まで全く登場しなかった話もあれば戦闘の役には立っていなかった話もありますが、今回はしっかり、戦闘はしませんが、それでも茂やひとみや霞のジョー(出ませんけど)のような戦士の心は持っているのではないかと思える活躍をするのです。次の話でわかりますけど、既に南光太郎仮面ライダーBLACK RXである事に勘付いています。そして戦士として活躍する動機も別の話で語っています。それを知った上で見ると、やはりそういう動きをしているのです。

さて秋月杏子ではこれができたかというと、その後の動きを見ると、南光太郎の役に立とうと頑張ろうとしますが、白鳥玲子ほどの活躍を見せられたのかは微妙で、やはり白鳥玲子がヒロインになった理由が長い目で見られるようになった私には理解できます。でもねえ、本放送当時の私はそこまでの知識などなかったわけでどうしてもその場しのぎの視点になってしまったので、「なぜ秋月杏子を出さないんだ?」と「●●反省会」の皆さんのようなことをしてしまったわけです。まあクレームは入れませんでしたけど距離を置いてしまったのです。距離を置いた理由には別のことも絡んでいますけど既に長くなってしまったので別の機会に書ければ書こうと思います。

クライシス帝国からの移住者到着

やっと話の内容に入ります。とは言うものの、私の興味のあることしか書きませんのでかなり端折ります。別のシリーズで書くことになるでしょうからね。

冒頭は散々語られたクライシス帝国からの移住者が到着する場面です。政宗一成さんがいきなりタイトルを読み上げて映るのが今まで見たこともないような格好をしている人達が行進(?)するところです。で話を見ていくとこの人達が

ゲドリアン「いよいよ我らクライシス人が地球に移り住む日がやってきた。お前達はその映えある兵士として選ばれたのだ。」

と言うことがわかります。何度失敗しようと計画は遂行しようとしてるわけですね(溜息)。似たような話はつい最近も思いましたけど、長くなるので書きません。

ダスマダー大佐

そして外せないのがダスマダー大佐。思いっきり端おってしまいましたが、前半の部分はダスマダー大佐の実力をしっかり見せるための前振り(と私が思ってしまった場面)ですので詳細は映像でご確認ください。一応、話の伏線となることがしっかり描かれていますけど、既にかなりの時間と文字数を使ってしまったので書かないでおきましょう。しかもやはりクライシス帝国の皆さんはグダグダだったとわかってしまいましたので、そういう意味でも白けてしまいました。

そしてダスマダー大佐の初登場場面はクライシス帝国の刺客(私の興味は既にございません)と仮面ライダーBLACK RXとの初戦。途中で割って入り、姿を現しますが

クライシス帝国の刺客「お、お前は。」

このセリフだけで凄い人だと言うのがわかる人にはわかってしまいますし、仮面ライダーBLACK RXにもわかってしまいます。そして演じているのが当時は倉田プロモーションに所属して倉田保昭さんの内弟子として香港でも活躍した松井哲也さん(これだけでわかる人は実力がわかるでしょうがわからない人はそれなりにでしょうね。実際、当時の私はそんなことまで知りませんでした)です。これだけでも凄いのに、ダスマダー大佐はこんなことまで言います。「査察官 ダスマダー」と言う字幕もしっかり入るので素性がある程度わかってしまいます。

ダスマダー「クライシス皇帝国直属特別査察官ダスマダー大佐。RX、手始めに君の力を見せてもらおう。」

聞き取ったので微妙に間違いがあるかもしれませんが、このセリフだけで彼の立場がわかる(でも実は微妙に隠していることがあるのも後でわかりますけどそこまで考えられていたのかどうかまではわかりません)でしょう。と言うわけで戦いに割って入るわけですが、松井哲也さんが演じるだけあってやはり強い。もはやクライシス帝国の刺客は雑魚にしか見えません。おそらく全て本人が演じたダスマダー大佐は生身のはずなのに(おそらく)岡元次郎さんが演じた仮面ライダーBLACK RXと善戦と言うよりは圧倒します。まあJAC(当時の名前ですが以後はそう書く事になるでしょう)の皆さんが演じても良かったのでしょうが、映像を観てしまうと敢えて他チームから助っ人を起用した理由がなんとなくわかってしまいました。で仮面ライダーBLACK RXはこの戦いで生死不明になり、刺客は「やったぞー」と安直に喜びますが、しっかりアップになったダスマダー大佐は何かを感じ取った模様です。ここでも実力があるのは明らかだと言うのがわかる人にはわかってしまいます。実際、私は話の流れが読めてしまったこともあって、余計にそう感じました。

さて直後にダスマダー大佐はクライシス帝国の皆さんと合流しますが、やはり皆さん、煙たがります。今まで好き勝手にやっていたのにうるさそうな人が入るのですから、そう思うのはわかります。わかりますが、今までのグダグダぶりを私は観てきているので(以下省略)。さらにダスマダー大佐はこんなことまで口走ります。

ダスマダー大佐「手ぬかりがある。」

でその手抜かりとは

ダスマダー大佐「あの子供を逃がしている。」

なおあの子供の素性は三田ユキオ(市川浩)と言う少年で端折りましたが作戦の重要機密事項をしっかり観てしまい白鳥玲子が救出して逃げ回っている状態です。これも正確な表現ではありませんが。でダスマダー大佐(これまた微妙な階級でわかる人にはクライシス帝国の皆さんがイラっとする理由がこれだけでわかってしまいますが、そうでない人はそれなりにでしょう)は他にも見抜いているはずです。でこの後のやり取りからもこれもクライシス帝国の敗因が見えてしまいますけど、それは先の話。ゲドリアンはなんとこんなことを言います。

ゲドリアン「RXがいないぞ。あんな子供くらい。」

ダスマダー大佐「果たしてそうかな。」

ゲドリアン「なんだとー!」

ジャーク将軍「もう良い。ダスマダー、目障りだが、それも任務とあらば仕方がない。我らの手際、とくと見届けて帰るが良い。」

ダメだこりゃ。と私は思ってしまいました。ダスマダー大佐の方にも頭を抱えてしまう感じのものがあるのが私にはわかってしまいました。クライシス皇帝の思惑通りには行かないだろうなあと言うのがこれだけでわかってしまいました。実際、最終的にはうまく行かなかったんですけどね。

と言うわけで作戦は遂行されますが、やはりグダグダなクライシス帝国の皆さんがダスマダー大佐の指摘も活かしきれず、と言いたいところですが、彼らなりにやることはやって作戦を遂行し続けた結果、当然、作戦は失敗。最後のやり取りは

ジャーク将軍「またしてもゲドリアン、失敗するとは。ターッ!」

とまあ罰を与えるのですが(この時の高橋利道さんや渡辺実さんのアクションと言うより芝居かなも見どころですけど)、さらに

ダスマダー大佐「だから言わぬことではない。ふん!」

今度はゲドリアンが宙に浮かされてしまいました。これもまたクライシス帝国の皆さんがイラっとする理由にもなっているのでしょうねえ。

マリバロン「このようなことが許されるとは。」

ジャーク将軍「(達観した感じで)ダスマダーはある意味では皇帝陛下の代理人なのだ。」

まあこれもウソを言ってはおりません。多分、ダスマダー大佐の真の素性もジャーク将軍はご存知なのでしょうと私が勝手に思ってしまうセリフです。もっとも私はこの話を本放送で観ていなかったと言い切れるので、当然、ダスマダー大佐の事などきちんと把握してはおらず、つまみ食いしたらいつの間にかいた、と言う感じだったので、わかるはずもありません。

でよせばいいのに(と私は思うのですが)ダスマダー大佐はこんなことを言い放ちます。

ダスマダー大佐「ジャーク将軍、この度の不始末、皇帝陛下にツブサに報告しておこう!」

私は既にダスマダー大佐の真の素性を知っていて、彼の職務も知っているので、こう言いたくなる気持ちもわかりますが、これはこれで余計なことをしたなあとも思ってしまうのです。ゲドリアンは床に落とされ、ダスマダー大佐は立ち去りますが、この後もクライシス帝国の皆さんは自分のグダグダぶりを棚に上げて不満を抱いてしまうのがしっかりわかってしまいます。ダメだこりゃ。皇帝陛下の意図はわかりますが、どうもうまくいきそうになさそうですねえ。

で蛇足ながら、最後は南光太郎と白鳥玲子が三田ユキオ少年を車から降ろし、ユキオ少年の父、母、姉と再開する場面が描かれておしまいです。

おわりに

第28話も観ました。結局、戦闘場面をまともに描いてはいませんが、話のテーマは拾えたとは思います。こういう話も日本ではよくありそうで私もダスマダー大佐のようなことをしてしまった事もあったような気もします。あそこまで優秀でもなかったとは思いますけどね。

さて次は私が待ってましたと言いたくなりますが白鳥玲子にとっても重要な話。さらにはマリバロンもこの話の影響もあってか活躍を見せる話。実は既に先走りして観ていますがやはり記事を書く時間も文字数も多くなりそうな予感がしております。