仮面ライダーBLACK RX 第41話「百目婆ァの恐怖」を観て

はじめに

仮面ライダーBLACK RX 第41話「百目婆ァの恐怖」(脚本:江連卓、監督:小笠原猛、アクション監督:村上潤 (C) 石森プロ、東映)を観て思ったことを書きましょう。澄川真琴さんと果たした約束を果たすためです。さて否応なく終わりが見えてきました。観ていて不安を感じてしまったことも出てきました。そんな時、以前も少し取り上げましたが、講談社が出している「証言! 仮面ライダー 昭和」をもう一度読んでみました。番組を観ていて私が不安に思ったことに対する証言もいくつか載っていました。今回はそれも取り上げつつ、記事を書いてみようかと思います。

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話の内容

この話、ある点に目を瞑れば(ただし私にとっては「何故?」と言いたくなること)、かなり楽しめました。やはり江連卓さんが書いてますからね。さて今回のクライシス帝国の刺客(本当はこんな言い方はしませんは)

マリバロン「あたくしの大オバである怪魔妖族の頭領百目婆ァ(声 - 伊倉一恵)にRX打倒を頼んでおります。」

です。この時点で私の頭をよぎってしまったことがあります。それは、前回、ダスマダー大佐がキングストーンが仮面ライダーBLACK RXの最大の強みかつ弱点でもあることを見抜いておきながら、何故そこを突かないのかなあ、と言うことです。こう思ってしまった時点で、このお話を素直に楽しめなくなってしまったのです。確かに百目婆ァは強敵で目の中に的場響子や霞のジョーや白鳥玲子や更には南光太郎までも飲み込んでしまいますが、それが最大の強みでもあれば弱みでもあり、結局、逆転されてしまい、最終的にはよく出てきた話にとどまってしまう。もう素直に楽しめなくなってしまったのです。

まあ番組関係者の皆さんが頑張っていたのはわかりました。一つは、村上潤さんがまた単独でアクション監督を務めたこと。もう一つは助監督が松井昇さんから岩原直樹さんに交代したこと。そういえば今まで助監督についてはきちんと観てこなかったのですが、岩原直樹さんは後に監督に昇進してそれなりに活躍することも少し調べてわかりましたので、やはり頑張って作ったに違いありません。それでも私の心には響かないものになってしまったのです。

更にはついに先輩ライダーが登場します。着ぐるみは一応、今までの先輩ライダーの姿をかなり再現していたこともわかりましたし、演じた人を見ても当時のJACが力を入れていたことがわかります。安直に2023年3月19日 4:21 辺りのWikipediaから引用しましょう。この皆さんです。

わかる人にはわかると思いますが、シン(敢えてこう書きましょう)の岡元次郎さんが仮面ライダー1号を演じていると言うことは、後の場面の仮面ライダーBLACK RXは代役だったのでしょうが、Wikipediaを観ただけでもこれだけの人々が並んでいます。

今まで「(多分)岡元次郎さん」と書いてきたのは上記の記述があったからです。これだけでも(当時の)JACが力を入れていたことは捻くれた私でもわかります。わかりますが、私はギリギリながら「仮面ライダーはストロンガーで終わった」と言うのを実体験してしまった世代。なまじ知識がなければ素直に楽しんであろう当時お子様だった皆さんとはどうしても感じ方が変わってしまうのです。これからは否応なくジェネレーションギャップと向き合う事となるのでしょうね。いつもながら大袈裟ですが。

小山力也さんの証言

でも救いとなりそうなものも見つけています。以前も講談社から出ている「証言! 仮面ライダー 昭和」から引用して記事を書いていますが、これを読んでいて、救いとなりそうな証言を拾えました。そこから2つ引用しましょう。番組関係者も私の抱くようなことを考えたことがわかったからです。ただ必要最小限となります。以下、特に断らなければ「証言! 仮面ライダー 昭和」からの引用です。まず小山力也さんの証言です。

最終回が近づき、『RX』の世界に歴代の仮面ライダーが登場することになったので、人間側のグループも強化しようという制作側の意図もあり、登場人物たちの関わりが増えていったように記憶しています。

本当はもっと語っていますが、これだけで先輩ライダーの登場を意識して制作したことはわかりました。実際、そんな作りだとも言えるのです。ですが、それがうまくいったかどうかは別問題ですが。

高寺成紀さんの証言

次にプロデューサー補として制作に参加した高寺成紀さんの証言です。これも必要最低限引用しましょう。

当時は『BLACK』『RX』も、新たな時代の「仮面ライダー」の成立を目指したのに、はたしてその時のチビッ子にかみ合う企画を提示できているかという疑問を常にもち続けていました。設定の不統一なども、当事者としては気になっていましたし、でも。時を経て今30代の人たちの話を聞くと、たくさんの人が「BLACK世代です」「BLACKは僕のヒーローです」と言ってくれるんですね。そのことだけでこの2作は、作られた甲斐があったんだな、良かったなと思っています。

この部分だけで私が抱いた疑問について考えていたこともわかります。本当はもっと語っています。堀さん、江連さん、小山さんについて語っています。それは小山さんも同様です。詳細は講談社から出ている「証言! 仮面ライダー 昭和」を読んでご確認ください。他にも色々な方が証言しています。上原正三さん、倉田てつをさん、吉川進さん、小林義明さん、辻理さん、岡元次郎さん、金田治さんなどなど。他にも大野剣友会の皆さんなど、先輩ライダーの制作に関わった人が大勢証言なさっています。それだけでも興味ある方は必読です。でも興味ない方はそれなりに(やはり樹木希林さんは偉大だと思います)でしょうから強制する気もございません。

おわりに

実を申しますと、この記事を書く前にSNSでくだらないことをしてしまい、もう中野のイベントへ参加する資格は無くなってしまったかなあとまで考えてしまい、上原正三さんの如く気持ちが萎えかけました。これは私にも責任があると言いきれます。ただ私、あの時はゲストのお二人に神々しさを感じてまるで女神様(また大袈裟な)のように感じてしまい、写真を撮ることさえ最低限にとどまってしまったのもまた事実です。何かの理由でスイッチが入ってしまったのでしょうね、あのくだらない小競り合いは。相手の方がどう思っていらっしゃるのかは知りませんが、少なくとも私は私の嫌な部分も思い返してしまうので語りたくもありません。

でも上原正三さんも以前書いていましたけれども約束は何があっても果たさなくてはなりませんし、仮面ライダーBLACK RXの関東地方での後番組を考えて気がついたこと、それはTBSのことですが、兎に角、気がついたことがありますので、それは書きたいと思っています。ただしTBSについては私の憶測の域を出ないことですので、最後の最後に仮説だと断って書くことになるでしょう。