仮面ライダーBLACK RX 第1話「太陽の子だ! RX」を観て

はじめに

この記事では仮面ライダーBLACK RX 第1話「太陽の子だ! RX」(脚本:江連卓、監督:小林義明、アクション監督:金田治)を観て一番印象に残った場面について取り上げます。澄川真琴さんとの約束を果たすためです。

hirofumitouhei.hatenablog.com

超人機メタルダー第25話と第26話

で最初に書くのが超人機メタルダー 第25話「とびだせ! ジャック電撃応援団」と超人機メタルダー 第26話「ぶっちぎり! 炎のジャック野郎」(両方とも脚本:高久進、監督:三ツ村鐵治、アクション監督:西本良治郎)なのですが、これにはそれなりの理由があります。澄川真琴さん(私の知る限り)最後のお仕事だからです。超人機メタルダーは私が高校3年生の頃に放送された番組です。時空戦士スピルバンの次に制作された番組です。超人機メタルダーは当初は硬派な内容の番組でしたが、それが受けたとは言い難く、放送時間帯を日曜日の午前中に移していました。そして路線変更が行なわれて作風も軽くしたのですが、それもまた受けたとは言い難い感じでした。さて和泉史郎を演じた河合宏(今は和興)さん演じる北八荒の登場も賛否両論でした。で私は日曜日に時間帯が移っても時々観てました。別の記事でも書きましたが、本放送当時は大人になったら特撮番組から卒業しなくてはいけないという不文律のようなものがあったと思います。それも影響していたのでしょう。ですが、結局卒業できず、こんな記事を書いているわけです。でこの話は本放送でしっかり観たと思います。35年以上前の話ですから記憶が曖昧ですが非常に印象に残る話でした。北八荒がいなければこの話は作れなかったかもしれませんし、それでも作れたかもしれません。

さて北八荒のお友達であるジャック電撃応援団の皆さんの内訳は

Wikipediaには書かれていますが、実際のクレジット順は

です。山田さんはメタルダーの中の人ですから、最初に表示されます。テンプレートのようなものに入っているので、この話には登場しない林家源平さんもクレジットされていますが、そのミスは目を瞑りましょう。そんなことはどうでも良いのです。で今まで気が付いていませんでしたが、澄川真琴さんは(山田一善さんを除けば)一番最初にクレジットされているのです!! まあ、あいうえお順に並べただけかもしれませんが、兎に角、一番最初なのです。

で洋史さんもとい渡洋史さん(それまでは渡洋史さんだったのですが、あのイベントの後だとどうしてもこう書きたくなってしまいます)、山田一善さん、大葉健二さん、に連れられた北八荒が剣流星と時田(この話のもう一人の主要ゲスト)を連れてドライブインに入った時の第一声は

澄川真琴さん「いらっしゃい。」

なのです。すっかり忘れ去っていましたが(一々こう書いてすみません)、第一声は澄川真琴さんだったのです。横道にそれて余計なことを書いてしまうのは私の悪い癖ですが、この後、澄川真琴さんはバイクアクションやらロープアクションやら普通のアクションやら(勝手に名付けましたが)ぶりっ子アクションやらを見せてくれます。私の悪癖だと長くなるので詳細は映像で御覧ください。もちろん、洋史さんをはじめ他のジャック電撃応援団の皆さんもしっかりアクションを見せてくれます。で個人的に一番印象に残っていたのが春田純一さん演じるマスターです。出番が一番短いのですが、まずネロス軍団の皆さん相手にしんがりを務めてメタルダー達を旅立たせた後、時田の母が閉じ込めらたダムに現れ(なぜその場所がわかったのかは謎ですが脚本が千葉真一さんも出ていた、ハッタリかました話ばかりの「キイハンター」も書いていた高久進さんなので無視するのが賢明です。ハッタリかました適当な作風が高久進さんの持ち味なのです。面白ければそれで良いのです。)、ネロス軍団の皆さん相手に(また)しんがりを務め、他のジャック電撃応援団の皆さんをダムの中へと向かわせます。一番美味しい役回りなのです。そしてジャック電撃応援団の皆さんは窮地に陥っていたメタルダーを救い出すのです。面白いではないですか。生身の人間がメタルダーの窮地を救ったのです。もちろん、皆さん、それなりの技能は持っています。なお洋史さん(本当は渡洋史さんですが、この表現で書かざるを得ません)演じる哲也の血液型はO型RH+なので残念ながら(?)私の血液型とは違います。私の血液型はB型RH+です。もっとも父も妹もO型なので正確には母も私もBOです。

さて理由までは知りませんが、この後、澄川真琴さんはJAC(今のJAEですが以後JACと書きます)を辞めました。辞めたこと自体、呑気な私はつい最近まで知りませんでした。なお田中澄子さんもほぼ同じ時期に辞めています。澄川真琴さんは当時のご自分のことを「デブ」だと卑下しておられましたが、もっと太っていた私(一時期は97Kgでした)からすれば、デブじゃないと思うなあ、と思うのですが、御本人がそう仰っているのですから仕方がありません。

渡辺元子さんのお友達が東映大泉撮影所に来て

それからしばらく経ったある日、JACの渡辺元子さんがお友達を連れて東映大泉撮影所を訪れました。多分、あのイベントへ行った私のように軽い気持ちで渡辺元子さんのお友達は東映大泉撮影所へ行ったのでしょう。ですが、そこで渡辺元子さんのお友達は「仮面ライダーBLACK RX」のプロデューサーと出会います。どういう感じで出会ったのかまではわかりません。渡辺元子さんと一緒だったかもしれませんし、渡辺元子さんがトイレかなんかへ行った間に一人(?)でいる時に出会ったのかもしれません。でもプロデューサーはピンと来ました。この人をヒロインに起用しよう! そして渡辺元子さんのお友達はJACに入り、高野槇じゅんという芸名で「仮面ライダーBLACK RX」に出る事になったのです。出るからには高野槇じゅんさんの魅力を前面に打ち出さなければなりません。で多分、高野槇じゅんさんの持つ才能は「仮面ライダーBLACK RX」のヒロインにピッタリ一致していたのです。あれ、「仮面ライダーBLACK」のヒロインは秋月杏子で南光太郎は「仮面ライダーBLACK」と「仮面ライダーBLACK RX」の主人公なので「仮面ライダーBLACK RX」のヒロインも秋月杏子のはずじゃないかって。違うのです。そうならなかった理由がちゃんとあるのです。ところが私はそれに気づかず、「なんで秋月杏子が出ないんだよー」と怒りました。高野槇じゅんさん、すみません。私が浅はかでした。

さてなぜ澄川真琴さんと書かなかったのかというと、それも理由があります。その理由は重すぎるものなので私は軽々には書けません。で私はその理由を知らず、何かの記事での紹介を安直に信じて「澄川真琴さんは高野槇じゅんに改名した。」としか思っていませんでした。でこうなった理由を知ると色々なやりとりがあったのではないかと思います。これはあくまでも私の想像です。

「ん? あの人は澄川真琴ではないのか?」

「いえ、違います。高野槇じゅんです。」

「でも顔が似ているじゃないか!」

「そうかもしれませんが、あの人は高野槇じゅんです。」

「そうか。わかった。君のいうことを信じよう。」

というやりとりも、もしかしたらあったかもしれませんし、なかったかもしれません。何かの防波堤になった人もいたかもしれませんし、いなかったかもしれません。大岡裁き(私は加藤剛さんの方が好きですが東山紀之さんの方も好きではあります)に出てきそうな話ですね。それは兎に角、「仮面ライダーBLACK RX」のヒロインは秋月杏子ではなく高野槇じゅんさん演じる白鳥玲子になったのです。ということは、高野槇じゅんさんも彼女なりに頑張ったはずです。プロデューサー(私は吉川進さんだと思いますがあくまでも私の推測です)の期待もありますし、それに応えて色々と尽力してJACに入団させた人(金田治さんだと思いますが、あくまでも私の推測です)の恩にも報いなければなりません。かなりプレッシャーはあったと思います、なかったかもしれませんが。

さて、ここまで書いた後で似たような話があったことを思い出しました。奇しくも東映、そしてJACも絡んでいます。お天道様はちゃんと観ているのです。おっと太陽つながりかもしれませんねえ。

hirofumitouhei.hatenablog.com

仮面ライダーBLACK RX第1話「太陽の子だ! RX」

やっと本題に入りました。というわけで仮面ライダーBLACK RX 第1話「太陽の子だ! RX」の一番印象に残った場面を書きましょう。この話が放送されたのは1988年10月23日。なんと私の誕生日の1週間前です。これまたすごい偶然です。ということは…それは後のお楽しみです。で第1話で一番印象に残った場面はやはり一番最初の場面になってしまいます。

高野槙じゅんさんのクレジットの順番は倉田てつをさんの次で

白鳥玲子

    高野槙じゅん

となっています。この時点で高野槙じゅんさんを売り出そうという意図を感じる(人は感じる)ではないですか。

で最初のカットはヘリコプターが飛んでいる(ところをさらに空撮した)場面です。そしてヘリコプターの中からの場面が映っている場面(から始まる一連の場面)でこんなやり取りがあります。セリフだけ抜き出しましょう。

白鳥玲子「うわーい。良い写真が撮れそうだわ。」

南光太郎「(ヘリコプターを操縦しながら)落っこちるなよ。」

白鳥玲子「(カメラを構えながら)バカにしないで。これでもプロのカメラマンよ。そんなヘマをするもんですか。」

南光太郎「へえー。それ。」

ヘリコプターは急上昇

白鳥玲子「(急上昇したので)あーん。(光太郎の方を向きながら)なーに、一人でニヤニヤしてるの?」

南光太郎「平和っていいなあって思ってさ。」

白鳥玲子「私はもっとスリリングな方が良いわ。」

南光太郎「俺はヘリコプターのパイロットで人生を全うできたら、最高だと思ってるんだ。時たま怜ちゃんのようなじゃじゃ馬を乗せなきゃならないけど、これも商売。平和のうちだから我慢するさ。」

これだけで南光太郎が今どういう状態で、ガールフレンド(なのでしょう)の白鳥玲子がどういう人なのかがわかるでしょう。南光太郎が話したことは全て本音。それにしても「仮面ライダーBLACK」当時の南光太郎とは違って明るいです。そうなったのも理由があるのでしょう。長い年月が経ったのは間違いありません。でも私はそこまで思い至らず、南光太郎が明るくなったことに違和感を覚えました。何しろ当時は大学生。人生の機微までわかるはずはありません。なので愚かにも憤慨しました。若気の至りでした。すみません。

さて秋月杏子ではなくて白鳥玲子をヘリコプターに乗せているのも理由があります。秋月杏子ではこの雰囲気は出せないのです。この後、描かれる場面も関係しています。秋月杏子ではあの場面を描けないのです。

この直後、南光太郎(と白鳥玲子)はクライシス帝国の皆さんに襲われます。そして南光太郎は白鳥玲子をヘリコプターから逃し、自分もヘリコプターから脱出します。で南光太郎がヘリコプターから飛び降りる場面での南光太郎を演じているのは明らかに吹き替えですが、白鳥玲子がヘリコプターから落ちる場面で白鳥玲子を演じているのは明らかに高野槇じゅんさんです。え、澄川真琴さんではないかって? 「違います」、高野槇じゅんさんです。秋月杏子がカメラマンになったとしても吹き替えを使わざるを得なかったでしょう。やはり本人が演じないとあの迫力は出ないのです。

高野槇じゅんさんが白鳥玲子を演じることによって必然的に生まれた流れ(もしかしたら、初めからそのつもりで配役したのかもしれませんが)がありますが、それはおいおい語ることになるでしょう。というわけで私が仮面ライダーBLACK RX 第1話「太陽の子だ! RX」を観て印象に残った場面は以上の場面です。

おわりに

この記事では仮面ライダーBLACK RX 第1話「太陽の子だ! RX」を観て印象に残った場面を一つ選んで書きました。我ながら無謀な企画だったことに後から気づきました。だって、仮面ライダーBLACK RX高野槇じゅんさんの他に色々な人が出ていますし、仮面ライダーBLACK RXが誕生したり(それで仮面ライダーBLACKが封印される結果に陥ったことに愚かな私は憤慨しましたが、それはそれ)、バトルホッパーが復活するなど、大事な場面があるからです。他の場面も重要です。それを後で気づきましたが、決めちゃったので仕方がありません。で、仮面ライダーBLACK RX 第1話「太陽の子だ! RX」を観て印象に残った場面を一つ選んで書くはずなのに他の話もしっかり書いています。それはあの場面を書くために必要だったからです。私の悪い癖ですねえ。書きたくなっちゃうのです。だから本当はこの企画に取り組むのは無謀だったと最初からわかっていました。

まあ仕方がありません。仮面ライダーの企画に参加して仮面ライダーBLACKの初期のメインライターを務めたけど疲れて降りてしまった上原正三もキャプテンハーロック(もっともこれも私は真面目に観ていませんが)で「約束は守らなければならない!」という話を書いているのです。自分で書いといて約束を守ってないのは身勝手かもしれませんが、上原正三切通理作の本でのインタビューでそれを認めています。また話が横道にそれました。悪い癖です。兎に角、私も勢いで言った事とは言え、澄川真琴さんとした約束は守ります、できる限り。その初めの一歩がこの記事なのです。

さて仮面ライダーBLACK RX高畑淳子さんの今の地位を築くきっかけになった作品でもあります。私は「舞いあがれ!」も大好きです。他にも魅力的な人はいますし、魅力的な場面があります。ポジティブに捉えて書いていきましょう。